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2018/05/22

垂直円網に付いたミゾソバの花を取り除くアカオニグモ♀a(蜘蛛)



2016年9月下旬

前の年に、一部の造網性クモが給餌した花を食べるという衝撃的な観察結果を得ました。

◆記事のまとめ
花を食べる造網性クモの謎:2015年

常識破りの食性で興味深いのですが残念ながら今のところ再現性に乏しいので、機会がある度に種類や条件を変えながら細々と実験を続けています。


湿地帯の近くでアカオニグモ♀(Araneus pinguis)の張った正常円網を見つけました。
近くに咲いていたミゾソバの花を摘んで網の甑付近に投げつけてみました。
主の♀は網の横に生えたイヌタデやセイタカアワダチソウの群落で、葉や花穂などを糸で綴った隠れ家に潜んでいました。
網から隠れ家まで信号糸が伸びていて、振動を感知できるようになっているのですが、花を網に投げつけてもクモは無反応でした。
ミゾソバの花を指でくすぐるように揺らしてやると、アカオニグモ♀がようやく隠れ家から出てきました。

クモは歩脚で花に触れて調べると、すぐに獲物ではなく異物だと判断したようです。
花には噛みつかずに、網から丹念に外し始めました。
ミゾソバの花が付着した粘着性の横糸を全て切ると、花を網から捨てました。
次に歩脚で周囲の糸を引き締めたり自分で網を揺すり、もう網に異物が付いていないかどうか、状態をチェックしました。

隠れ家に戻りかけ、枠糸を調べてから、なぜか再び甑に戻りました。
最後は隠れ家に戻ると、やれやれと言わんばかりに、食べかけの獲物に食いつきました。

という訳で、実験はまたもや失敗に終わりました。
網にかかった花を昆虫が暴れていると誤認して噛み付いたり糸でラッピングしてくれないことには、花を食べる行動が始まりません。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。


アカオニグモ♀a(蜘蛛)@ミゾソバ花給餌→垂直円網+異物除去
アカオニグモ♀a(蜘蛛)@住居:イヌタデ

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