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2018/04/02

モズ(野鳥)の早贄にされたコオロギ♂



2017年9月上旬

河原でニセアカシア(別名ハリエンジュ)の灌木の鋭い棘にコオロギ♂の死骸が突き刺してありました。
これは、モズLanius bucephalus)の早贄はやにえですね。
地上からの高さは148cm。
死骸はモズの食べ残しのようで破損が激しく、コオロギの種類は同定できませんでした。
翅がある成虫なのに産卵管が無いので♂ですね。
記念に小枝ごと採集して持ち帰りました。



実は私にとってモズの早贄の実物を見つけるのはこれが初めてで、ちょっと嬉しい発見でした。
モズ自体は身近に居る野鳥なのに速贄を一度も見たことがなかったので、ひょっとして当地のモズは早贄を立てる習性が無いのでは…?(獲物を食べ残さず完食するのかも…?)と少し疑っていたぐらいです。
探すときの目の付け所が分かったので、これからはもっとたくさん見えてくるかもしれません。

しかし、撮影後に周囲のニセアカシアの枝を見て回っても、モズの速贄はもう見つけられませんでした。
モズが獲物を狩る瞬間も未だ観察できていないのですが、早贄を立てる一連の行動をいつか動画撮影してみたいものです。

関連記事(4年後の撮影)▶ アブラゼミ♀を庭木の枝の刺に突き刺して捕食するモズ♂(野鳥)




【追記】
モズが速贄を立てる理由には諸説あるらしのですが、大田眞也『田んぼは野鳥の楽園だ』によると、
 モズを飼育しての観察によると、速贄を作る行動は孵化して1ヶ月目頃から見られ、季節には関係なく一年を通して行われ、特に満腹のときや獲物がまずそうなとき、食べにくいときに作る傾向があったそうです。(p181-182より引用)



【追記2】
長年謎だったモズが早贄を立てる理由が遂に解明されたようです。
大阪市立大学からのプレスリリース記事
モズの『はやにえ』の機能をついに解明!―はやにえを食べたモズの雄は、歌が上手になり雌にモテる―
フィールドでの地道な観察とエレガントな操作実験で証明しています。
原著論文はこちら。
Nishida, Yuusuke, and Masaoki Takagi. "Male bull-headed shrikes use food caches to improve their condition-dependent song performance and pairing success." Animal Behaviour 152 (2019): 29-37.

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