2016年9月下旬
ヒダリマキマイマイと同じ容器(大き目の水槽)でナメクジを何匹か飼っています。
台所の流しで徘徊するナメクジを見つける度に採集して、飼育容器に投入していたのです。(野菜と一緒に外から持ち込まれたナメクジ?)
餌として野菜屑を適当に入れてやると、この日はナス(茄子)のヘタが気に入った様子です。
40倍速の早回し映像をご覧下さい。
ナスの黒紫色で固い果皮には全く口を付けていません。
輪切りにした断面の白くて柔らかいスポンジ状の果肉にえぐれたような食痕が残りました。
この嗜好はヒダリマキマイマイと同じでした。
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黒い大触角を途中で引っ込めたのは、撮影用の照明が眩しいからですかね?
ナスに頭をつっこんでいる体勢のため、触角が傷つかないように引っ込めているだけかもしれません。
移動する前に、体の前方右側からオレンジ色の糞をニョロニョロと少し排泄しました。(@1:39)
糞の色は前に食べたニンジンの色素(カロチン)から来ているのでしょう。
橙色の糞がナスのへたに残りました。
松尾亮太『考えるナメクジ ―人間をしのぐ驚異の脳機能』によると、
ヒトのうんちは、ヘモグロビンの分解産物の色の影響が強く、食べた物の色にあまり左右されないような色(茶色系)になりますが、ナメクジが排泄するうんちは食べたエサと同じ色をしています。(p34より引用)
後半ナメクジはナスのヘタから離れ、隣に置いてあったリンゴの皮を摂食しました。
体を左右に動かしながら、皮の裏に薄く残った白い果実の部分をデザートとして食べているようです。
宇高寛子、田中寛『ナメクジ:おもしろ生態とかしこい防ぎ方』によれば、
ナメクジはゴミ食い(動植物の遺体食い)であり、生きた植物はそれほど好きではない(p83より引用)もっと腐りかけの生ごみが好みなのかもしれませんが、飼育下では衛生面からご希望に応えられず誠に申し訳ないです。
さて、このナメクジの和名、学名が分かりません。
背中に甲羅が見えるのでコウラナメクジ科だと思うのですが、チャコウラナメクジとは違い、体の左右に黒い線が全くありません。
体全体が茶色で、素人目には特徴がありません。
体長を採寸するのを忘れました。
動画撮影中にコインでも並べて置くべきでしたね。
ヨーロッパからの外来種ノハラナメクジ(Deroceras reticulatum)でしょうか?
「ナメクジの見分け方(簡易版)」サイトを参考にしたら、ノハラナメクジが候補に残りました。
体長は這っている時で5cm程度と小型。全体的に灰色~茶色で目立った模様は無い。体色が違い自信がないので、もし間違っていたら、ご指摘願います。
大触覚(原文ママ。「大触角」の誤植)が灰色~黒色。外来種。コウラナメクジ科。
この検索表は「簡易版」と断っているように、国内で見られるナメクジを網羅しているとはとても思えません。
それともチャコウラナメクジ類の一種(Ambigolimax sp.)とすべきでしょうか?
日本にはチャコウラナメクジのほか、外見的によく似た複数種が侵入し、定着している。これらは生殖器の形で区別できる。(『カタツムリハンドブック』p64より引用)
※ 接写パートのみ動画編集時に自動色調補正を施しています。
↑【おまけの動画】
オリジナルの10倍速映像をブログ限定で公開しておきます。
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