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2017/11/27

繭を紡ぎ始めたイラガ(蛾)終齢幼虫

イラガ(蛾)の飼育記録#2016-10


2016年9月中旬

▼前回の記事
小枝をかじり脱糞するイラガ(蛾)幼虫

今季はどうしてもイラガMonema flavescens)の繭作り(営繭えいけん)を観察したいので、変化を見逃さないように卓上でイラガ幼虫を複数飼育しています。
水を入れたペットボトルにカキノキやミズナラなどの枝葉を挿して、そこで幼虫を放し飼いしています。
私が外出するときや就寝時には、脱走防止のために全体に大きなビニール袋を被せて覆っています。(脱走防止の袋掛け)
ただ飼うだけなら適当な(市販の)飼育ケースに幼虫を放り込んでおけば勝手に繭を紡いでくれるはずです。
しかし私の場合はあくまでも動画撮影が目的なので、なるべく撮影しやすい状態で繭を作って欲しくて、あれやこれやと手を出したり気を揉んだりしている訳です。

実は前夜に、その袋に登ってきた一匹の幼虫を何気なく指で弾き落としてしまいました。
(普段はそんな手荒なことはしないで、ピンセットでつまんで食樹植物に戻してやります。)
翌朝に見ると、幼虫の腹面が赤っぽく変色していて驚きました。
まるで内出血したように痛々しい色合いです。
てっきり、私が指で弾いた後遺症だと思い込んでしまいました。
しかし昆虫はそんなにヤワではなく、営繭の準備が出来たことによる自然な変色だと後に分かりました。
繭の原料の色素が透けて見えているのかもしれません。
インターネット検索すると、先人の飼育例でも同様の記述があって一安心。

【参考サイト】晶子のお庭は虫づくし:イラガの観察日記6

繭作りが始まりました。茶色かった部分が紫色に変わってきています。(引用)



イラガMonema flavescens)終齢幼虫cの食欲が完全に無くなり、営繭場所を探し求めてワンダリング(徘徊)を始めました。
適当な小枝(メタセコイア)を差し出してやると、素直に乗り移ってくれました。
一度は小枝から滑落したものの、再び乗せてやると、今度は小枝の下面に落ち着きました。
繭を作りやすいようにとせっかく二又部分の小枝を選んで採取してきたのに、そこには興味を示しませんでした。
イモムシが繭を紡ぎ始める直前にはよく下痢便を排泄するのですが、今回は見ていません。


左側面後部に目立つ白点はヤドリバエの卵が孵化した跡なのだろうか?(左右非対称)



斜めに立てた小枝の下面に、営繭のための足場糸を敷き詰め始めました。
後退運動や方向転換を見ることができます。
体の下面や頭部のフードなどが赤紫色(褐色)に変色しています。

つづく→#11:営繭の微速度撮影



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