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2016/11/19

メマツヨイグサの花粉は糸を引いて粘る



2016年8月上旬

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ピッキオ著『花のおもしろフィールド図鑑 夏』p161に興味深い記述が書いてありました。

夜行性のスズメガに花粉を運んでもらうことが多いのですが、スズメガの体は鱗粉でおおわれて花粉がつきにくくなっています。そのため、マツヨイグサの花粉は糸でつながっていて、ちょっとでも引っかかると一度にたくさん運んでもらえるという仕組みになっています。


夜に咲いているメマツヨイグサOenothera biennis)の花で早速、試してみました。
雄しべに指で触れると確かに花粉が粘り、糸を引きました。
面白いですね!



▼関連記事メマツヨイグサの粘る花粉を舐めるホソヒラタアブ♂


【追記】メマツヨイグサの英名について

YouTubeでは動画の説明を英語で書くようにしているのですが、メマツヨイグサの英名はsundropではなくevening primroseではないかとsquito94氏から御指摘を受けました。
日本の生物の和名と学名が決まってから、それに対応する適切な英名を探すのにいつも苦労します。
この記事を書く際は英語版wikipediaを参照したのですが、その冒頭でOenothera biennis を指す複数の英名が列挙されていた中にsun dropも含まれていたのです。
Oenothera biennis (common evening-primrose,[2] evening star, sun drop, weedy evening primrose, German rampion, hog weed, King's cure-all, or fever-plant.[3])
さて、浅井康宏『緑の侵入者たち―帰化植物のはなし (朝日選書)』という本を読んでいたら、ちょうど私が求めていた解説を見つけました。
和名のマツヨイグサやツキミソウは、文字どおり夕暮れに咲くところから生まれた名である。英語では、「夕暮れのサクラソウ」の意味のイブニング・プリムローズ(Evening primrose)、ドイツ語では「夜のろうそく」の意味のナハトケルツェ(Nachtkerze)といわれる。ところがマツヨイグサ属は、夜咲くものばかりとは限らず、なかには昼間咲く種類もある。ヨーロッパやアメリカでは、昼咲き系のものをサン・ドロップ(Sun-drop)といい、鮮黄色の花が太陽のもとで鮮やかに開いている様子は、なるほど「太陽のしずく」の表現にぴったりである。(p205~206より引用)


メマツヨイグサの花は夜に咲きますから、どうやら英語版wikipediaの情報が間違っていたようです。(英名にsun dropを含めるべきではない)
YouTubeの記述を訂正しておきました。


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