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2016/08/08

イタドリの葉で揺籃を作るドロハマキチョッキリ♀



2016年6月上旬

麓に近い山間部の道端に生えたイタドリの群落で、特徴的な作りかけの揺籃を見つけました。
立ち止まってよく探すと案の定、小さなドロハマキチョッキリ♀(Byctiscus (Byctiscus) puberulus)を発見。
今回も♀の近くに♂の姿はありませんでした。
複数枚の葉を材料に細長い葉巻状の揺籃を作っています。
揺籃の位置は、葉柄に噛み傷を入れた折れ目から地上までの高さを測ると113cmでした。
少し離れたイタドリの株にも、おそらく同一個体の♀が作ったと思われる揺籃の完成品が吊り下げられて風に揺れていました。
道の左右はスギと雑木林の混合林です。
夕暮れ時ということもあり、かなり薄暗くて自然光で撮影するには厳しい条件でした。
仕方なくビデオカメラ内蔵の補助照明(白色LED)を点灯しながら撮りました。
その結果、美しい緑色のメタリックな構造色がどうしても不自然な色に写ってしまいます。
眩しい照明を嫌ってか、ドロハマキチョッキリ♀は揺籃の裏側に回り込んでしまいました。
自然な行動を記録するには、警戒されないように赤外線の暗視カメラで撮るべきだったかもしれません。
巻きかけの揺籃の中に潜んでいた♀をしつこく探すと、外に出て来ました。

葉が萎れるのを待つ間に次に揺籃へ追加する葉を物色しているのか、それとも揺籃を作っている間にお腹が空いた♀が食事をするのか?とあれこれ想像しながら見ていました。
天敵対策のために、待機中は揺籃から少し離れるのかな?
もし作りかけの揺籃に産卵済みなら、托卵や寄生を恐れて♀は揺籃をガードする気がします。

揺籃を離れて葉柄から茎を伝い、隣の葉へ移動しました。
最後は葉の縁から回り込んで裏側へ隠れてしまいました。
やはり眩しい光を嫌ったのかな?
しばらくすると、隣の葉に居た♀が、茎を下ってまた揺籃へ戻って来ました。

揺籃作製中のドロハマキチョッキリ♀を観察するのはこれで2回目です。
しかし残念ながら今回も時間に余裕がなくて全貌を掴めず、断片的でよく分からない記録になってしまいました。
もしかすると飼育下での観察に挑戦した方が早道かもしれません。

暗くなる前に下山しなければいけないので、泣く泣く観察を打ち切りました。
夜になるとドロハマキチョッキリ♀は作りかけの揺籃内に隠れて休むのでしょうか?
それとも夜通し揺籃を作り続けるのかな?



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