2015年12月上旬
ノシメマダラメイガの飼育記録#30
ノシメマダラメイガ(Plodia interpunctella)
飼育容器の蓋代わりに観察しやすいようにサランラップを張っています。
その裏面に3匹の終齢幼虫がいつの間にか絹糸を紡いで薄い繭のような巣を作り、その中で越冬していました。
本種は幼虫のステージで冬越しすることが知られています。
ピンセットでサランラップ越しに幼虫に触れると動いたので、休眠状態で生きていることが分かります。
しつこく刺激しないと反応しません。
うっかり、室温を測り忘れました。
冒頭は大きさの比較として1円玉を写しました。
実は、この容器はカシノシマメイガを飼育していたものでした。
当然、カシノシマメイガの幼虫が越冬しているのだと初めは思い込んでいました。
カシノシマメイガの飼育は大失敗に終わったはずなのに、放置していたらようやく幼虫が発生したのかと無邪気に喜んでいました。
ところが春になり、蛹化を経て次々に羽化してきた成虫はなんとノシメマダラメイガでした。
事態は混乱していますが、次のように考えました。
チョコレートなど餌の匂いに誘引されて、ノシメマダラメイガ幼虫が外からカシノシマメイガの密閉飼育容器内に侵入した可能性は低いでしょう。
室内でノシメマダラメイガやカシノシマメイガの成虫を見つける度に、ポケットに忍ばせておいたビニール袋で採集して、それぞれの飼育容器に追加投入していました。
同じビニール袋を捕虫網代わりに使い回していたのが問題です。
おそらく採集時にノシメマダラメイガ♀の受精卵が袋内に零れ落ち、カシノシマメイガの飼育容器にノシメマダラメイガの卵が混入したと推測されます。
以上、お恥ずかしい裏話でした。
ノシメマダラメイガの成虫は口吻が退化しているため、幼虫の餌だけを与えればよく、飼育はとても簡単です。
その一方で、カシノシマメイガは成虫をいくら容器に集めても成虫の餌を与えなければ産卵する前に死んでしまいます。
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