2015年7月下旬
雨上がりの山道を尾繋がりで飛んで来た(やや低空飛行)クロイトトンボ(Paracercion calamorum calamorum)の♀♂ペアが道端の草むらに止まりました。
尾繋がり状態のまま、前にいる♂がまず副性器に移精しました。
つづいて後ろで首根っこを掴まれた♀が腹部を前に曲げ、♂の副性器と結合しました。
これでペアがハート型の交尾姿勢になりました。
胴体をくねらせています。
背面および側面から撮影。
先を急ぐ用事があった私は、連結解除まで見届けられませんでした。
(尾繋がりのままで産卵行動に移行するのかな?)
トンボ類を見分けるのは苦手なのでなんとか採集したかったのですが、茂みの奥に居るため踏み込んで近づいたら逃げられそうに思い断念しました。
どうにか写真鑑定でクロイトトンボだろうと同定できました。
その際に「神戸のトンボ」サイトに掲載されたクロイトトンボ属の検索表を参考にしました。
個人的にクロイトトンボは初見です。
東北地方では希な種類らしい。
近くにある溜池をいつか重点的に調べないといけません。
【追記】
上村佳孝『昆虫の交尾は、味わい深い…。 (岩波科学ライブラリー)』によれば、
・♂副性器を拡大すると、ライバル♂の精子を掻き出すためのするどいトゲが並ぶ。(精子競争に勝つための「攻め」の適応) (p20より引用)
・トンボの交尾後ガードは、精子競争に対する「守り」の進化だ。
・(ギフチョウやウスバシロチョウで見られるような)「貞操帯」はトンボでは進化し得ないだろう。トンボを含む多くの昆虫の♀では、精子が入ってくる「入り口」は受精した卵が体の外に出て行く「出口」を兼ねている。つまり、巨大な交尾栓をつけられた♀は、産卵できなくなる可能性が高いのだ。
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