2014年5月下旬
水辺の階段に咲いたタニウツギでクロマルハナバチ♀(Bombus ignitus)が訪花していました。
花筒の根本を外側から噛み切り、吸蜜しています。
これは穿孔盗蜜と呼ばれる行動です。
花の雄しべに触れないため、後脚の花粉籠は空荷です。
この個体は正当訪花せずに盗蜜ばかりしています。
▼関連記事(同日、少し離れた群落で撮った別個体の映像)
タニウツギで採餌戦略(正当訪花/穿孔盗蜜)を切り替えるクロマルハナバチ♀
同定のため撮影直後に同一個体を採集しました。
以下は標本写真
後脚基跗節の形状を見ると、幅が広く外縁が弓なりに弧を描くことから、よく似たコマルハナバチではなくクロマルハナバチと判明。
時期的に創設女王かな?と思いきや、体長が〜14mmしかないのでワーカー♀ですね。
参考:『日本産マルハナバチ図鑑』
腹端に毒針 |
右マーラースペース |
左後脚脛節:花粉籠 |
左後脚基跗節 |
【追記】
松浦誠『社会性ハチの不思議な社会』によれば、
盗蜜をするマルハナバチの中舌は、正常な吸蜜行動をする種にくらべて短いものの、硬質化して、基部で幅広くなり、花管を突き破りやすい構造になっている。 (p150より引用)
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