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2015/03/06
ニホンカモシカ(左角欠け)の鼻息威嚇♪と逃走
2014年11月中旬・正午頃
山間部の廃道を登り始めてすぐ、道端の茂みから野生ニホンカモシカ(Capricornis crispus)の鼻息威嚇が聞こえてきました。
おそらく林縁で採食中だったのでしょう。
真正面を向いて睨みつけている顔だけが茂みの奥から覗いて見えます。
一方、カモシカから見ると私は直射日光を浴びて丸見えです。
それでもじっと立ち尽くして静かに撮影を続けました。
カモシカの口元から白く泡立った涎(鼻水?)が垂れているのに気付きました。(@1:41〜)
ここで前から考えていた実験を試してみました。
私が撮りながら静かにひざまずいてカモシカよりも姿勢を低くしたら、カモシカは心理的に優位に立ち警戒心を解いてくれるでしょうか?
それでもカモシカは鼻息威嚇を繰り返すだけで進展がありません。
膠着状態を打破しようと私は再び立ち上がり、今度は慎重に少しずつ接近してみました。
カモシカがフシュフシュ♪と鋭い鼻息を吐く度に私は一歩ずつ前進してみます。
その間カモシカは逃げずにいてくれ、ようやく顔をしっかり見ることができました。
私がゆっくりしか歩けない動物なのだと思い、安心したのかもしれません。
やがてカモシカは緊張に耐えかねたように私を横目で気にしながら廃道の方へ歩き始めました(@4:45)。
ガードレールをひらりと跳び越え(@4:58)、ようやく車道に全身像を現してくれました。
逆光に佇む野生カモシカの毛並みが美しいですね。
鼻息威嚇を繰り返しても構わず近づいて来る私のことを挑戦的(挑発的)だと受け取ったのかもしれません。
対峙しながらも私が再び静かにひざまずいてカモシカよりも姿勢を低くしてみました。
もしかしたら体に触れるぐらいに近寄ってくれるのではないかと期待したのですが、そんなお伽話のような展開にはなりませんでした。
カモシカはしばらく不思議そうに私を眺めていましたが、踵を返して舗装路を走り去ってしまいました。(@5:44〜)
蹄の音を軽やかに響かせながら緩やかな坂道を駆け登ると道を左に逸れて茂みに入り、姿を消しました。(@5:50)
その後もしばらく威嚇する鼻息が藪の奥から聞こえてきました。
もし私が立ち膝から更に腹這いになっていたら、カモシカはどう反応したでしょう?
角で突いて来る可能性もあり得るので、真似する人は自己責任でお願いします。
動画編集時に退屈な部分をかなりカットしましたが、実際は映像よりもかなり時間をかけて慎重に近づいています。
※ YouTubeの動画編集時に自動色調補正を施してあります。
もしかすると、以前見たことのある顔馴染みの個体かもしれません。
眼下腺が腫脹している個体で、逃げ出そうと横を向いた時に左角の先が欠けていることに気づきました。
どおりで正面から見た時に左右の角がやや非対称だと思いました。
実は残雪期(およそ7ヶ月前の2014年4月上旬)にこの近くで左角欠けの個体を追跡観察したことがあります。(4部作↓)
しかし写真を見比べると、どうも左角欠損の程度が異なる気がするので、同一個体ではなさそうです。
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