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2014/12/30

キイロスズメバチ♀日没後の営巣活動:造巣と夜警【暗視映像】



2014年8月中旬
▼前回の記事
総員臨戦態勢のキイロスズメバチ移動巣
キイロスズメバチ移動巣の定点観察#4

日が暮れるとキイロスズメバチVespa simillima xanthoptera)が営巣する天井裏は暗くなってきました。
手鏡で西日を反射して巣を照らし観察してみたのですけど(映像なし)、しつこくやると蜂が怒り出すかもしれないので自重しました。
同時期に観察したモンスズメバチは夜行性であることをこの目で確かめました。
キイロスズメバチの場合はどうでしょうか?
赤外線で暗視可能なビデオカメラに切り替えて撮影してみました。
照度計で明るさをきちんと測れば定量的な記録になるはずですが、今回は動画に撮っただけです。
ちなみにこの日の日の入り時刻は18:28、月齢23.2でした。
映像冒頭で画面全体がピンク色に映るのは、夕方の自然光が若干残っていたためか、撮影対象物が昼間の余熱を帯びて赤外線を放射していたためでしょう。
気温を測るべきでしたね…。
本格的に暗くなると、ピンク色だった画面はモノクロ(白黒)に落ち着きます。

少し暗くなっても蜂はコロニーの活動を続けています。
飛んで巣に出入りするワーカー♀もいれば、移動巣(第二次巣)に外被を付け足す作業を続ける個体もいます。
巣口から門衛が顔だけ出して外界を見下ろし、警戒を怠りません。
これはコガタスズメバチと同じですね。
明るい昼間に比べると造巣活動に従事するワーカーの数は明らかに減っています。

映像後半では、ワーカー♀が1匹だけ外被上を足早にひたすらグルグルと歩き回っています。(@9:41〜)
暗くて巣口の位置が分からず迷子になっているだけかと思いきや、ときどき巣口で門衛と挨拶してもすぐにせかせかと徘徊を続けています。
したがって外被をパトロール(夜警)する役目なのでしょう。
やがて天井の梁を伝って1匹のアリが近寄って来ました。(@11:26〜)
巣に侵入された時の防御対応をぜひ観察したかったのですが、残念ながらアリは外被には乗り移りませんでした。
アシナガバチの巣と同様にキイロスズメバチの巣にもアリ避け物質が塗布されているのか、興味があるところです。
映像を見直すと、夜警のキイロスズメバチが梁からアリを追い払ったようです。
地中に営巣するアリは視覚に頼らず活動できますが、完全夜行性とは言えないキイロスズメバチは暗闇でどのようにしてアリの接近を探知したのですかね?
音や振動だけで敵までの方向と距離を正確に掴めるとは思えません。(だから外被を闇雲に走り回っていたのだと思います。)
もしも巣に侵入された!と感じたら警報フェロモンを発して巣内の仲間を総動員し、一気に敵を制圧するのでしょう。

つづく→シリーズ#5:寝静まった巣で警戒する門衛


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