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2014/11/05

湖で泳ぐ野生ニホンザルの群れ



2014年8月上旬

山中で夕立の雨宿りしている間に遠くから猿が鳴き交わす声が繰り返し聞こえてきました。
野生ニホンザルMacaca fuscata fuscata)の群れが雑木林を遊動する物音もポキポキと聞こえました。
猿同士が喧嘩する叫び声(悲鳴)に混じって、ドボーンと水に飛び込む音が下の湖から繰り返し響いてきます。
雨も止んだので気になって様子を見に行くことにしました。
(映像はここから。)

湖の畔にそっと近づくと、ニホンザルの群れが湖で楽しそうに水遊びしていました。
この日はとても暑かったので、いかにも気持ちよさそうです。
野生のニホンザルが泳ぐ姿を初めて見ました!
泳法は犬かきだと思いますが、達者にスイスイ泳いでいます。
遊びたい盛りの若い子猿が多い印象ですけど、遠いのではっきり分かりません。

湖の中央部はどうやら水深が浅く浮島のようになっているようです。
浮島の間の水路を泳いできた一頭が、浮島に上陸しました。
全身ずぶ濡れ(濡れネズミの猿)のままで、犬みたいに身震いで水気を切ったりしませんでした。(追記参照)

※ 望遠レンズによるぼんやりしたオリジナル映像にYouTubeの動画編集で自動色調補正を施したら劇的に改善されました。


【追記】
ナゾロジーという科学ニュースのサイトで興味深い記事を読みました。
濡れた動物がブルブル体を震わせる神経メカニズムを解明!意外な神経が関係していた
イヌがよくやる水気切りの身震い行動
(WDS = wet dog shakes)についてマウスを使って研究した結果、C-LTMR(C-Low Threshold Mechanoreceptor)という機械感覚受容器が関与する反射行動であることが明らかになったそうです。
Zhang, Dawei, et al. "C-LTMRs evoke wet dog shakes via the spinoparabrachial pathway." Science 386.6722 (2024): 686-692.
しかし、我々ヒトではC-LTMRがあるのにWDSが見られません。
WDSはヒトだけでなく、ゴリラやチンパンジーでも確認されていないため、霊長類はWDSを失った可能性が考えられています。

WDSは自分の手が体のほとんどの部位に届かず、上手く異物を排除出来ない動物たちに見られる動作です。そのため手を器用に使えるようになった霊長類に、WDSは必要なくなったと考えられるのです。 (上記の解説記事より引用)

ニホンザルも霊長類に属しますから、今回の動画で水浴の後に身震いしなかったことが説明できそうです。



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