ページ

2014/10/18

死んだハシボソガラス幼鳥(野鳥)の生物分解



2014年7月下旬

山麓にあるクリ園の横の路肩にハシボソガラスCorvus corone)の新鮮な死骸が仰向けに転がっていました。
死顔を見ると、眼球が白濁しています。

嘴の中が赤いのは幼鳥の特徴です。
落鳥して間もないのか、生物分解の役者はハエ成虫が集まってきているだけです。
死骸に徘徊性のクモ(種名不詳、コモリグモ科?)が2匹乗っていることが気になりました。
獲物を待ち伏せしているのでしょうか。



3日後に再訪すると、連日の酷暑で死骸は干からびていました。
腐臭は特に感じませんでした。
死骸が持ち去られていないことが意外でした。

カラスの屍肉はスカベンジャー(掃除屋)の間で不人気なのかな?

動物の死体に群がるカラスは仲間の死体も食べてしまう。 (矢崎葉子『カラスバトル』p220より引用)


ウジ虫など分解者の活動はもう下火になったのでしょうか。
ハエも来ておらず、眼球は食べ尽くされていました。
白骨になるまで生物分解を定点観察したいのですが、住宅地が近いのでじきに撤去されそうです。
ビニール袋でこっそり持ち帰り、頭骨の標本を作ってみることにします。
死骸を持ち上げてみると、その軽さに少し驚きました。

つづく→頭骨標本作り



ところで、このブログ記事に載せるAmazonの広告で『カラスの死骸はなぜ見あたらないのか』なる本をうっかり選びそうになりました。
知る人ぞ知るトンデモ本らしく、内容は私の大嫌いなオカルト(反科学)のようでした。
われわれは冷静に反例を一つ一つ積み重ねて突きつけるしかありません。
一方、似た題名で『死んだ魚を見ないわけ』はれっきとした生物学の本で、私も読みましたがとても優れています。

「海の分解者の話」と言ってもそんな単純な話ではないのですけど、ネタバレになるので良質なミステリーの謎解きを是非お楽しみ下さい。


0 件のコメント:

コメントを投稿