ページ

2013/06/28

ヒメギフチョウ幼虫はウスバサイシンの花も食す



2013年5月下旬

ヒメギフチョウの飼育記録6

ヒメギフチョウ(Luehdorfia puziloi inexpecta)の若齢幼虫がウスバサイシンの古い葉を食べ尽くした後に茎を下りてきて花の上を徘徊しています。
よほど空腹なのか、花の萼を食べ始めました。
(花弁のように見える部分は萼。)
葉があれば葉を優先して食べますが、非常食として萼も口にするようです。
この食事パターン(葉→花)はその後何度も見られました。
急いで食草を採取して来なければいけません。

飼育していると幼虫が計8匹しか見当たらなくなりました。
いつの間にか自ら食草を探し求めて(分散)行方不明になったようです。
新鮮な食草を調達する負担が少しでも減って好都合かもしれません(飼育の口減らし)。
側面にヒメギフチョウに特有の黄色の点列(気門下隆起)が現れました。
大きくなった2齢幼虫だと思っているのですけど、実はまた脱皮したのを見逃しているかもしれません。
(忙しくて幼虫の齢数に関しては余り真面目に観察していません。)





今回の飼育をきっかけに、フキの葉みたいで目立たないウスバサイシンも山中で見分けられるようになりました。
ヒメギフチョウ♀産卵地点の周辺で探すと、困ったことにウスバサイシンの群落が日を追う毎に虫の食害を受けています。
そこは日当たりの良い雑木林でヒメギフチョウ以外の虫も多く発生しており、特にバッタの幼虫がウスバサイシンの葉を食い荒らしているようです。
少し離れた杉林まで足を伸ばして探すと、暗い林床に生えるウスバサイシンの葉は虫食い穴が少ないことが分かりました。
専らこちらで食草を採集しました。
食草をめぐる競争を見越して母蝶が杉林の林床に産卵しても良さそうなものですが、そうしなかったのは不思議でもあります。

産卵地点に残しておいた6個の卵塊からは室内飼育よりも遅れて幼虫が孵化しました。
食草が他の虫に食い荒らされたせいで、集団行動を解散して分散する時期は早くなりました。
野外では天敵に襲われた可能性もあります。

つづく→「ヒメギフチョウ若齢幼虫がウスバサイシンの茎を歩き脱糞


0 件のコメント:

コメントを投稿