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2013/03/13

猿害対策の爆竹の効果



2013年1月下旬

雪深い里山で野生ニホンザル(Macaca fuscata)の群れを追って観察をしていると、麓の集落から続けざまに爆竹が鳴らされました。
連射の白煙が上がり、銃声のような発砲音がこだまします。
田畑は雪に埋もれていますが、おそらく畜舎の飼料目当てで群れの一部が里へ下りて来たのを追い払おうとしているようです。
鳥獣害対策の模擬銃を使用しているのかも知れません。

ところが遠くで爆竹を鳴らされても雪道に座った猿たちはさほど怯えた様子はありません。
慣れが生じているのかもしれません。
杉林に隠れているという安心感もあるのでしょう。
至近距離で鳴らせばそれなりの撃退効果があるようで、下から別の群れが足早に続々と登ってきました。
これが麓から追い払われてきた先発隊でしょうか。

後に集落近くの雪面を調べると、サルの足跡が縦横無尽に残っていました。
猿が農地に近づけないように知恵を絞らねばなりません。


※ この記事は一般論として爆竹を鳴らしても猿の群れに対してあまり効き目が無いということを主張するものではありません。
あくまでもニホンザルの群れと一緒に行動しながら撮った映像を元に、個人的な印象を述べているだけです。
そもそも「里に下りて悪さをしている猿の群れ」は私から死角になっていて観察できませんでした。
もしも麓の民家から爆竹を鳴らした人の目線で動画を撮っていれば、全く違う印象になるはずです。


【追記】
あんずゆき『モンキードッグの挑戦: 野生動物と人間の共存』によれば、

畑に現れたサルは、人が追い払っても、20mくらい向こうまで逃げたら、そこで止まって、様子をじっと見て、で、人が居なくなったら、また畑に戻って来るんですけどね。なんと、犬が追ったら山の向こうまで行っちゃうんですね。 (p50より引用)


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