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2013/02/16

雪山をラッセルして登るニホンカモシカ#2



2013年1月上旬

雪山で同じ日に遭遇した2頭目のニホンカモシカ(Capricornis crispus)。
もし先程逃げて行ったのカモシカと同一個体だとしたら、おそるべき速さで深雪の山を越えショートカットしてきたことになります。
足跡を辿って戻ったら同一個体か突き止められたはずだと、後で気づきました。
同じ山系に2頭の縄張り(行動圏)があるのだろうか。

カモシカを個体識別できるようになればなーといつも思います。

逃げるカモシカはこちらを振り向くことなく、胸突き八丁の急坂を必死に登っています。
新雪の全力坂は、もがくように泳ぐようにラッセル(=深雪をかき分けて進むこと)しています。
斜面で小休止の後、向きを変えました。
斜行を繰り返すことで少しでも楽に急斜面を登ろうとする作戦なのでしょうか。
もし万一、カモシカがこの疎林帯で雪崩を誘発したら谷にいる私は危険かも…、と一瞬心配になりました。
ときどき立ち止まってこちらを振り返ります。
最後は潅木に隠れて見えなくなりました。

我々はスノーシュー(西洋かんじき)という文明の利器を履いているおかげで、雪にあまり潜らず体力の消耗を抑えることができます。
それでもラッセルするとカロリー消費が激しく息も切れるしヘトヘトに疲れます。
ろくな食べ物も得られない雪山で冬眠もせずに単独活動を続ける野生動物の力強さを思い知りました。



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