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2012/11/14

アオカナブン羽化不全個体の羽ばたき【ハイスピード動画&HD動画】



2012年8月下旬

林道脇の地面で暴れているアオカナブンRhomborhina unicolor
を拾いました。
左の後翅が異常で、羽ばたいてもバランスが取れず飛び立てないでいます。
羽化不全個体でしょうか。

手に乗せてカナブン特有の羽ばたきをじっくりハイスピード動画(220fps)に撮ってみました。
他の甲虫とは異なり、前翅を閉じたまま後翅だけを開いて羽ばたくのが不思議です。

飛行中の空気抵抗を減らす工夫なのでしょうか。
しかし左後翅の羽先が皺くちゃでうまく広がらず、左右非対称の翅ではうまく飛び立てません。
左の鞘翅(前翅)は閉じたままですが、立て付けが悪いのか羽ばたきに合わせてガタついています。
いくら頑張っても離陸できません。
手に吹きつける風が涼しく、まるで手乗り扇風機のようです。

山渓フィールドブックス『甲虫』によると、

カナブンなどのハナムグリ類は、翅鞘を閉じたまま、その下から後翅を広げて飛翔する。(p57)
アオカナブンは低山地から山地にかけて棲息している。(p88)






通常のHD動画でも撮ってみました。
ブーン♪という羽音が録音されています。
声紋解析してみれば羽ばたきの周波数が分かるかもしれません。

(やってみたけど駄目でした。)




【追記】
『日本動物大百科10昆虫Ⅲ』p114によると、
ハナムグリ類は上翅を閉じたままの独特の飛び方をする。上翅をやや持ち上げぎみにして、側縁のえぐれた部分から後翅をくりだして飛ぶのである。このため、すばやく飛翔態勢をとることができ、上翅にかかる空気抵抗が少ないぶん、飛ぶスピードも速くなる。

河野修宏『雑木林で虫さがし』p7によると、カナブンは前脚の脛節で性別を見分けられるらしい。
突起が鋭い方が♀。
アオカナブンでも当てはまるのかな?


【追記2】
6年後にようやく正常個体の飛翔シーンを撮りました。
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