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2012/10/25

エントツドロバチ♀が泥巣に芋虫を搬入



エントツドロバチの営巣観察@東屋軒下:その3

2012年7月下旬

山道の休憩所で軒下のあちこちにエントツドロバチOrancistrocerus drewseni
)が幾つも泥巣を作っています。
地上からの高さは230cm。

泥巣SSE-Lを監視していると、狩りに出かけていた蜂が帰ってきました。
煙突の入口直前まで木の柱を登ったところで滑落したのか、アプローチをやり直し。

麻酔したイモムシを大顎で咥え脚で抱えて運ぶので、蜂の背側からは獲物がよく見えません。
搬入前に一瞬だけ見えた獲物は褐色の細長いイモムシでした。
なんとか工夫して側面から撮影すればよかったですね。

その後も何度か通ってみたものの、残念ながらこの集団営巣地での定点観察は思い通りにいきませんでした。
営巣基質(材木)と巣材(泥)の接着相性が悪いようで、せっかく巣作りしても泥が乾くと数日後に次々と剥落崩壊してしまうのです。
随時給餌というドロバチにしては珍しい習性を見届けたかったのに残念無念。
蜂を個体識別するため何匹かマーキングしてみたのですが、無駄骨でした。

自然営巣を当てにしていたのでは埒があきません。
やはり竹筒トラップを仕掛けて腰を据えて定点観察するしかなさそうです。

【追記】
『日本動物大百科10昆虫Ⅲ』p28によれば、
オオカバフドロバチ(=エントツドロバチ)は、竹筒や家の軒下のクマバチの古巣などに営巣し、入り口に泥で煙突をつくり、気まぐれな狩りをする。母バチは、時により幼虫の発育途中で給餌することがあり、育房内での母と子(幼虫)の接触が生じる。日本のドロバチ類では数少ない亜社会性のカリバチである。



ボルトの上下に2つの泥巣が作られている。


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