2012年7月中旬
前編からのつづき。
巣穴の本閉鎖中に近づいてきたアリを追い払いました。
雨が止み、日が射してきました。
休憩のため?今回は飛び去るのではなく歩いて巣から立ち去りました。
次に戻ってくると、蜂も巣口に被さる松葉が邪魔だったとみえ、大顎で咥えて横にどけました。
巣穴の本閉鎖が完了したとは思えないのですけど、蜂が戻って来なくなりました。
地面を偽装工作(カモフラージュ)する作業が残っている筈です。
夕刻になると活動停止するのでしょうか?
続きの作業は翌日に回すのかな?
私も観察を打ち切りました。
一匹のジガバチ♀で営巣活動の一部始終を見届けようとすると、なかなか大変です。
この日は辺りでジガバチが何匹も活動していました。
個体識別していないので、休憩から戻って来ては閉鎖作業を続ける蜂が本当に同一個体かどうか確証はありません。
作業中の蜂にマーキングを施すべきか迷いました。
しかし初めての観察はなるべく営巣行動を乱したくないという判断で今回は見送りました。
似我似我という発音について
新刊の『狩蜂生態図鑑』p102によると、
ジガバチの仲間は営巣のために土を掘るとき、翅が擦り合わされ「ジガ、ジガ…」と音を立てる。昔の岩田久二雄氏の見解とは違うようですが、個人的にはこちらの方がしっくりきます。
実験的にジガバチの翅を根元から切り落としたり糊で固めたりすれば穴掘り時に鳴かなくなるだろうか?
次に機会があればジガバチ特有の鼻歌を声紋解析してみようと思います。
雨音ノイズが混入した今回は解析を見送りました。
『無名のものたちの世界I』p49によると、
たたきかためるとか、石槌だとかいう表現は不適当だということがわかった。というのは、この属のハチに固有の、顔面で土をおしかためる行動と、ひとたび大顎でくわえた物体をなかなかはなさないという傾向とかが、偶然にも、同時に起こった結果にほかならないことがわかったからだ。
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