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2012/09/05

ナキイナゴ♂の鳴き声♪ を声紋解析してみる




2012年7月上旬・(気温測定を忘れました)

ナキイナゴ♂の鳴く季節になりました。
映像前半は、田舎道の交差点にて単独でシャカシャカ鳴いていた個体です。
歩道に生えた貧弱な草の茎にしがみ付き、後脚の腿節を前翅の翅脈と擦り合わせることで鳴いています。

ナキイナゴは前翅R脈(径脈)と後腿節発音小歯のやすり器を擦る。(『日本動物大百科8昆虫Ⅰ』p106-107より)


茎を忙しなく登ったり下りたりするのは、パパラッチのレンズを警戒しているのかもしれません。
前進だけでなく後退(後ずさり)も出来るんだ!と少し興味深く思いました。
最後は跳んで移動。

映像後半は、同じ日に別の道端のススキ群落にてシャカリキに鳴き交わしていた2匹の♂。
互いに少しずつ接近しています。
鳴き声による縄張り争いのようなものがあるのかもしれません。
少し離れた位置から撮りました。




ナキイナゴ♂の鳴き声の声紋解析

ナキイナゴは特に美しい音色という訳ではありませんが、決して耳障りではなく私にとっては飽きることなく癒される鳴き声です。
単独で鳴いていた♂のオリジナルMTS動画ファイルから音声パートをWAVファイルにデコードしてから、スペクトログラムを描いてみました。

鳥の声などとは違って特に声紋のようなパターンは認められませんでした。
倍音の構造なども見当たりません。
発音器に共鳴させる仕組みが無いのだろうか。
唯一読み取れることとして、ナキイナゴが連続で何回擦り合わせて発音したか数えることは出来そうです。

例えば「虫の音WORLD」サイトでナキイナゴの項を参照すると、

シャカシャカシャカと尻上がりに10音ぐらい後脚を前翅に擦り付けて音を出す
との記述があります。
一方、下図に示した私のデータでは29音ずつ鳴いています。
「シャ・カ」1セットで1音と数えるにしても、15音ずつ鳴いています。
(こんなのは、気温・時間帯や近くにライバルの♂が居るかどうかなど、様々な要因や個体差がありそうですけど。)




【追記】
『バッタ・コオロギ・キリギリス生態図鑑』付属のCDにナキイナゴの鳴き声が収録されていました。
これを用いて同様にスペクトログラムを描いてみました。
非圧縮PCM録音のWAVファイルなので、私の素材(AC3圧縮)よりも遥かに高音質であることが歴然としています。
高音域も不自然にカットされていません。
マイクなど録音機材も本格的なものを使っているのでしょう。



真似事で色々な鳴き声を声紋解析してきたのですが、録音法の改善ポイントがはっきりしました。

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