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2012/05/29

ハシボソガラスのクルミ割り行動:投げ落とし【野鳥】



2012年5月上旬

電柱に止まったハシボソガラスCorvus corone)が胡桃の実を咥えています。
さては有名なクルミ割り行動か!とピンと来て、慌てて撮影開始。


クルミを嘴で咥えて飛び上がり、空中から硬い舗装路に落として殻を割ろうとしています。
クルミを放り投げ、カラスも実を拾いに追いかけて着陸。
道端の草むらに転がったクルミを探して拾い上げると、咥えて飛んで行きました。
近くの畑に下りてクルミを突ついてみるも、殻が割れていなかったらしい。
再びクルミを運んで電線に止まりました。
二度、三度とクルミ割り行動を繰り返します。
落とす前に止まるお気に入りの電柱があるような印象です。
最後はクルミを咥えて辺りを飛び回り、杉林の方へ飛び去りました。
殻を割って中の実を食すまでを見届けられずに残念でした。
意地悪な解釈では単にカラスが遊んでいた可能性を否定できないかも。
それでも念願のクルミ割り行動を動画に撮れて感無量です♪
交通量が結構ある道でしたが、この辺りのカラスにはクルミを車に踏ませて割る知恵(文化)は未だ無いようです。


後日、道に落ちていたクルミの実を拾いました。
試しに私も空高く放り投げてみたのですが、舗装路に落ちても硬い殻はなかなか割れません。(映像なし)
カラスのクルミ割り行動は「投げる高さ」と「運」と繰り返す「忍耐」が必要だと身をもって知りました。

以前の観察例では、落としたクルミが駐車場で転がって雪の中に埋もれてしまい、見失ったハシボソガラスが困っていました。
映像@2011年3月上旬)




【追記】
後日(2012年6月中旬)、同じくハシボソガラスが車道にクルミを置いて割っていました。
割れた半分を持ってカラスが道端の屋根で採食している間に、路上に残った半分を失敬してきました。
堅果がしっかり割れれば嘴で中身をほじくり出して食べられるようです。


クルミの実の白い食べられる部分は子葉



【資料映像】
似たような映像は既にYouTubeで幾つも公開されています。
その一部をついでに紹介します。


↓「くるみ割りカラス」(by eurogarage911さん



私の映像と同様に、クルミを空から道に落としています。

↓「くるみを割るカラス」(by DKTSN1さん)



この個体は大胆かつ一段上の知性を持ち、交通量の多い車道にクルミを置いて車に割らせようとしています。
車に轢かれそうなリスクがあり、見ていてヒヤヒヤします。
結局成功せずに空中から路上に落とす戦法に切り替えました。



↓「Wild crows inhabiting the city use it to their advantage - David Attenborough - BBC wildlife」(by BBCWorldwide)




イギリス国営放送(BBC)制作による鳥類学のドキュメンタリー番組の中で、仙台のカラスが車にクルミを割らせる賢い行動をいち早く紹介して世界を驚愕させた公式映像です。
アッテンボロー卿の格調高いナレーションでお届けします。
あまりにも有名な動画ですけど、未見の方は是非これだけでもご覧ください!
更に賢くなると、カラスは安全に拾うため交差点の信号機を利用して停車した車の前にクルミを落とすようになるのです。
停車した大型車を選んでそのタイヤの前にクルミを置けば確実に割ってくれます。
※ オートライシズム(autolycism):他の動物や機械の動きを積極的に利用する餌の取り方。ギリシア神話の泥棒の名Autolycusに由来する。






↓「盛岡のカラス」(by j0306043さん)



舗装路にクルミを置いてから車が通る間、電線で見守っています。




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