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2011/10/20

カタグロチビドロバチ♀の営巣開始(その3:産卵?および侵入者メンハナバチの撃退)



2011年9月下旬
その2からの続き)
※ 本シリーズその1〜3は同じ日の午後に続けて観察した記録です。

カタグロチビドロバチ♀(Stenodynerus chinensis)が再び帰巣して節穴に入りました。
これまでの観察から、巣穴はハチが中で自在に方向転換できるほど広くないようです。
いつものように出待ちしていると、後ろ向きで出てきたハチが珍しく巣口で体の向きを変え、初めてお尻から穴に入り直しました。
これから産卵するのだろうか?!
貯食活動(生まれてくる幼虫に与えるための麻酔した獲物の搬入)や巣材集めなどは私が見ている間は一切行っていないので、今現在、営巣のどの段階なのか見当が付きません。
今度はなかなか外出しません。
※ 後日の観察では巣穴に潜んでいるハチは頭を巣口に向けていました。巣に長居するとき(休息など)は防衛体勢を整えてから篭城するのかもしれません。自らの体で巣穴に栓をし、もし巣口から侵入者があればきっと大顎で防御するのでしょう。
監視のためそのまま動画を撮り続けていると、なんと二匹目のハチが飛来しました。
訪問者は躊躇することなく同じ節穴に入りました。
映像をコマ送り再生すると、二匹目のハチは腹部に二本の黄紋が無いのでカタグロチビドロバチとは別種だろうと判明。
頭楯に黄色の帯が縦に2本(左右対称)入っています。
※ もしかすると同種の♂だったりして…。
動画から切り出した侵入者(Hylaeus sp.)の連続写真

やがて在巣のカタグロチビドロバチ♀に追い払われ、侵入者は転げ落ちるように退散しました。
その後も主は姿を現さないので諦めて撮影終了。
共に借坑性の♀蜂と思われますが、どちらかが主の留守に乗じて巣穴を乗っ取ろうとしているのかもしれません。

チビドロバチの営巣観察は初めてで勝手がよく分からないのに、いきなり応用問題というか難しい事件(異種間闘争、異種格闘技)が勃発しました。

いつもお世話になっている「蜂類情報交換BBS」にて質問したところ、以下の回答を頂きました。

ムカシハナバチ科メンハナバチ(Hylaeus)属の一種です。よく似ている種が多いので、オスの交尾器で同定されます。同じような環境に営巣するので、空き家だと思って入ってきたのでしょうね。


(つづく→その4:「カタグロチビドロバチvs天敵ドロバチヤドリニクバエ持久戦 」)


【追記】
松田喬、鷲谷いずみ『花と昆虫の大研究:進化と多様性のひみつをさぐる!』によると、
ムカシハナバチ科のメンハナバチの仲間は舌が短く、花粉は蜜といっしょに飲みこんで巣にもち帰る。(p56より引用)


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