キバネセセリ♂の吸い戻し

2007年7月上旬

里山散策で小休止していたら大きなセセリチョウ（前翅長23mm）がナップザックのベルトに止まり私の汗を熱心に吸い始めました。
時々ベルトに尿を排泄して濃縮されたミネラル分を溶かし、吸い戻します。
同定してもらうため撮影後に採集して翅表も見たところ、キバネセセリ♂（Bibasis aqulina）と虫我像掲示板にて教えてもらいました。
♂成虫の性成熟に必須なミネラルを必死に摂取してるんだとか。
好んで獣糞に集まっては吸い戻し行動をするらしく、つまり使い古した私のナップザックは余程香ばしい芳香を放っていたのでしょう...。
動画のラストシーンにあるように、湿った林道上から吸水する際は排泄・吸い戻しを行いませんでした。

【追記】

吸い戻し行動（Re-imbibing）：路面や葉上に落ちた鳥糞上に腹端から排水し、それを口吻で吸収する行為で、セセリチョウ科のみで報告されている。（『日本の昆虫6：モンシロチョウ』p48より）