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2011/03/05

昆虫病原糸状菌に感染死したフキバッタ



2008年7月中旬

ススキの葉にしがみ付いたまま死んでいたフキバッタの仲間(種名不詳)。
この個体は尾端が葉に付着して千切れても構わずに更に上へ登って死んだようで一層不気味です。
この日は同様のフキバッタ死骸を何体か目にしました。



【追記】
渡部仁『微生物で害虫を防ぐ (ポピュラー・サイエンス)』という昆虫病理学の入門書を読むと、糸状菌や疫病菌について詳しく知ることができました。
 イエバエ、アブラムシ、バッタ、ガの幼虫、ハチなど多くの種類の昆虫に糸状菌の一種、疫病菌(Entomophthora)が寄生します。(p68より引用)
分生子が成熟すると、分生子梗の内圧によって、ちょうどロケットのようにはじき出されて遠くに飛ばされます。同時に粘液状の内容物が分生子について飛ぶので、分生子は物体に付きやすいのです。(中略)(イエバエやバッタなどの)感染虫は致死直前になると死期を悟るのか、高い場所を求め、草の葉や木の枝、あるいは石壁などをゆっくり登りつめ、高い所でじっと静かに死を迎えるのです。不思議なことに、致死は夕方から午後7時までに起こりやすく、分生子が死体の表面に形成されるのは夜中で、翌朝つゆのあるうちに分生子が飛散するといわれています。 (p70より引用)


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