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キアシナガバチ創設女王による給餌信号
2008年6月下旬
キアシナガバチ(Polistes rothneyi)創設女王の個体標識(前回の記事を参照)から3日後の定点観察。
初期巣aの巣房数は1室増えて27室。
この日もキアシナガバチ女王aはせっせと幼虫に肉団子を与えています。
給餌のため頭を巣房に突っ込んだ際に巣温が高いことに気付いたのか、扇風行動を始めました。
このときの気温は32℃。
給餌後も身繕いしながら扇風を続けます。
この程度の「ながら行動(並列処理)」だったら蜂も可能なのですね。
間近で観察していると、給餌や点検で巣房に頭を入れる度にカチカチ(またはパラパラパラ)と音がします(ヘッドフォンで聴いてください)。
女王が大顎を鳴らしているのだろうか※。
幼虫への合図(給餌信号)かもしれない。
それとも幼虫が発する音なのだろうか?
ちなみにスズメバチ類は幼虫が大鰓で巣房壁をガリガリ擦って餌を催促するらしい
※ 映像を注意深く見ると女王が触角でドラムのように巣を叩いて発音している、見たことない!との指摘をYouTubeのコメント欄に頂きました。
給餌信号にしては給餌後の行動である点が気になります。
幼虫の満腹状態を知ろうとしているのか、あるいは栄養交換(幼虫からの吐き戻し)を促しているのだろうか。
並行して観察していた別種キボシアシナガバチでは似たような音を立てる行動は見られなかったことも気になります。
つづく→シリーズ#12
【参考】
『日本の昆虫3:フタモンアシナガバチ』 山根爽一 p67
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