2009年9月上旬
ヒメスズメバチ(Vespa ducalis pulchra)が去ると、巣の近くに避難していたキアシナガバチ(Polistes rothneyi)数匹がぞろぞろと歩いて戻って来ました。
散り散りになって逃げた蜂も三々五々と集まりました。
育房から途中まで引きずり出された蛹の死骸(ヒメスズメバチの食べ残し)を齧り始めました。
これも広い意味での共食いと呼べるのでしょうか。
全部は食べず、巣の外に捨てました。
どのキアシナガバチもすっかり神経質になり、仲間の帰巣する羽音が聞こえるだけで怯えています。
しかし束の間の平和を味わう間もなく、ヒメスズメバチは何度も襲ってくるのです。
襲撃後、巣に戻って来る順番がもしかしたらコロニー内の順位を反映しているかもしれません。
産卵権のある上位の♀ほど巣への執着・未練が強くて余り遠くまで逃げないのではないだろうか。
♂は巣を守るメリットが無いためか帰巣が遅い気がします。
つづく→シリーズ#27
【追記】
松浦誠『社会性ハチの不思議な社会』によれば、
ヒメスズメバチに発見されたアシナガバチの巣では、数日間にわたって、毎日のようにこの招かれざる客がやってくる。アシナガバチは、巣の中に卵や幼虫が残っているあいだはそこにとどまっているが、やがて、巣が空っぽになると、他へ移って新しい巣をつくり、育児をやり直す。 (p165より引用)
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