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蓑虫に産卵するトガリヒメバチ♀
2009年6月上旬
雑草だらけの庭に面したコンクリート壁面をうろうろしている蜂が居ました。
オーバーハングした庇の奥はクモの巣だらけ。
蜂はクモの不規則網に引っかかりつつも気にせず振り切って探索を続けるので、ひょっとしてクモを狩るのかと期待して見守りました。
ところが探していたのは蓑虫(ミノムシ)だったようです。
長い産卵管を蓑に何度も突き立てて産卵していました。
胸部の背中に赤いタカラダニが取り付いています。
蓑虫はキタクロミノガ(Canephora pungelerii)だろうか(自信なし)。
産卵行動が終わるのを見届けてから蜂と蓑虫を両方採集しました。
蓑虫から寄生蜂が育って羽化するのを待ちます。
蜂類情報交換BBSにてヒメバチの専門家に写真鑑定してもらうと、「ヒメバチ科、トガリヒメバチ亜科、トガリヒメバチ族(Cryptini)の一種である」とご教示頂きました。
「日本産ヒメバチ目録」サイトの該当ページはこちら。
≪追記≫
採集した蓑虫を容器に入れて飼育してみたものの、1年経っても蜂が羽化してきません。
産卵管を刺して探ってみただけで実は産卵していなかったのか、発生に失敗したのか、あるいは蓑虫が既に死んでいたり空だったのかもしれません。
【参考】
岩田久二雄『自然観察者の手記〈2〉 (1980年) (朝日選書〈153〉)』第3部「ミノムシとヒメバチ」p74-84
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