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ヒメベッコウ泥巣の中身
2009年6月下旬
ススキの葉裏に営巣していたヒメクモバチ(旧名ヒメベッコウ;Auplopus carbonarius)の泥巣を採集しました。
持ち帰って注意深く解体してみると、育房は6室ありました(a-f)。
貯食物は各育房にクモ一匹ずつで、原型を留めているものについてはハマキフクログモなど無紋フクログモの仲間の♀だろうと闇クモ画像掲示板にて教えて頂きました。
育房内のクモは必ず頭を入り口に向けて貯食されていました。
歩脚の切断本数はまちまちでした。
羽化してくるヒメベッコウ成虫の体長は貯食物の質/量で左右されるのだそうです。
幼虫を一匹ずつ分けて人工育房(100円ショップで買ったプラスチック製のピルケース)で飼育してみました。
前年秋の失敗を教訓として乾燥防止のため、蓋をするときに清潔なサランラップを挟んでみました。
加湿のために水で濡らしたペーパータオルを敷いた紙箱にピルケースを入れて暗くしておきました。
営繭の際に何か足場が必要なようで、丸めた付箋紙を入れてみました。
結果は1匹が前蛹で死亡した他は、♂3匹、♀2匹が無事に羽化しました。
本種は♀よりも先に♂が羽化してくるようです(雄性先熟)。
これは去年の飼育でも同じ結果。
(つづく)
【参考】
『ハチの観察と飼育』ニューサイエンス社・グリーンブックス121
幼虫の段階でもうオスかメスかが区別できるのですか。
返信削除いえ、そうではありません。
返信削除説明不足でしたね。
羽化した成虫の性別をもとに、一匹ずつ記録を遡って幼虫期の映像に付記しているだけです。
本種の成虫は顔色で簡単に見分けられます(♀黒♂白)。
もしかしたら専門家は幼虫で性別を見分けられるのかもしれませんが、私は区別できません(幼虫期の判定法を知りません)。