2010年7月上旬
農道に生えたオニノゲシにホソバセダカモクメ(Cucullia fraterna)の幼虫が居ました。
黄色と黒の派手な模様です。
頭楯に逆Vサイン(黒地に白V)が描かれています。
茎上部の若葉を採食中でした。
幼虫はチクチクする葉の鋸歯の刺が痛くないのだろうか。
食害した傷口から滲み出る白い乳液※も舐めているようです。
試しに私も茎の断面に滲み出た乳液を指ですくい取ってみると、香ばしい油分の粘り気があり美味しそうでした。
芋虫はここにしばらく陣取っているようで、下の葉には二粒の糞が残されていました。
【追記】※乳液について
保谷彰彦『わたしのタンポポ研究』p40~41によると、
タンポポのほかにも、乳液をもつ植物があり、その数は数万種にもおよびます。主な植物に、サツマイモ、イチジク、クワ、ゴムノキ、トウダイグサなどが挙げられます。乳液成分は種ごとに異なり、有害成分が含まれていることもあります。乳液はアルカロイドにより食害を防ぐことや、ゴムや樹脂の成分で傷口を防ぐこと、あるいは栄養分となることなどに役立っているとされます。また、不要な成分を乳液中にためているだけかもしれないという説もあります。おそらく乳液は、植物ごとに異なる働きを持つのでしょう。おそらくホソバセダカモクメの幼虫はこの乳液の有毒成分を解毒できるので、食べても平気なのでしょう。
【追記2】
『ふしぎな花時計:身近な花で時間を知ろう』によると、
(ハルノノゲシの)葉や茎のどこを傷つけても白い乳液が出てきますが、このような植物は浸透圧が高く、耐寒性に富んでいます。(p34より引用)
0 件のコメント:
コメントを投稿