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イスカバチの巣穴を囲む樹脂の役割
2010年7月上旬
イスカバチの一種が営巣している板壁は千客万来です。
在巣の主が同種の別個体を追い払ったり、同じく借坑性のフタスジスズバチが巣穴を物色しに来たり、働きアリが餌を求めて徘徊していたり、寄生バチ(ヒメバチの一種)が飛来したりします。
巣穴bの入り口に塗られた樹脂は日に日に追加され、最後には板壁に巣穴を中心に放射状に並べられ、滴り落ちるほどの量になりました。
巣材として運び入れる際にうっかり巣穴の周囲を汚してしまうにしては丁寧な(戦略的な)塗り方です。
しばらく定点観察していると、この樹脂はどうやらアリなどの捕食性昆虫に対して忌避効果があるような印象を受けました。
板壁を徘徊するアリは樹脂に触角で触れるだけで慌てて逃げていきます。
すぐ上に樹脂の塗られていない別の虫孔(同サイズ)があるのですが、この穴c(空き巣)にはアリが平気で潜り込んで探索しています。(自然の対照実験)
≪追記≫
後日、巣穴cにもイスカバチが営巣を始めたようで、同様に樹脂が塗られました。
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