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シリアゲコバチ♀の産卵
2010年8月中旬
神社の本堂回廊の木の手摺りにシリアゲコバチ♀(Leucospis japonica)が集まっていました(少なくとも2匹以上)。
頭を垂れ触角の先で材を叩きながら歩き回ります。
ここぞという場所で立ち止まると、産卵管を突き立て深く差し込みました。
卵を産下すると産卵管を引き抜いて歩き去りました。
念願の産卵シーンを一部始終、間近で観察できて感無量です。
産卵管を鞘から抜くときに「ピン」とかすかに音がしたのですが、残念ながら録音されていません。
同様のシーンが手摺りのあちこちで繰り返されました。
この古い手摺りは下面に元々クマバチが穿坑したと思われる穴が多数開いています。
現在は主に借坑性のエントツドロバチが営巣しています。
本種はツツハナバチやオオハキリバチの寄生蜂として知られていますが、ドロバチにも寄生するのだろうか。
それとも今回の寄主はクマバチなのかな?
巣内に潜む寄主の幼虫に体外産卵するのだそうです※。
徘徊探索中にエントツドロバチの巣穴に侵入することもありましたが、すぐに出てきました(映像なし)。
巣の主と鉢合わせ(蜂合わせ)すると危険なので、堅い材の外側から産卵する術を発達させたようです。
※ 『本能の進化:蜂の比較習性学的研究』岩田久二雄 眞野書店 p44より
別の図鑑では「ハキリバチ類の幼虫に寄生し、寄主の繭の中に産卵する」と書いてありました。
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