2018/12/21

堤防で求愛・採食するキジバトの♀♂ペア(野鳥)



2018年9月中旬・午後16:08〜16:14

郊外を流れる川の対岸で2羽のキジバトStreptopelia orientalis)が採食活動をしていました。
おそらく2羽は、この辺りを縄張りとする♀♂のつがいなのでしょう。

冒頭のシーンは♂が♀に求愛中だったようです。
左の♂が胸を膨らませお辞儀をしながら♀に近づくも、♀は走って逃げました。
交尾には至らなかったのは、もしかすると対岸で見ている私の存在を警戒していたからかな?

その後は堤防の草むらを歩き回りながらあちこち啄んでいます。
♂は♀に求愛を断られた後も、付かず離れず、地上採食を続けています。

採食メニューを知りたいのですが、残念ながら茂みに隠れてよく見えません。
草の実や種子を食べているのでしょう。
一羽がドングリのような丸くて大きな種子?を採食しています。(@1:49、3:42)
周囲の草むらに生えている植物として見分けられたのは、イヌタデ、エノコログサ、アメリカセンダングサ、オオバコ、アキノノゲシ等々。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。



【追記】
今回も求愛中の鳴き声を聞き取れなかったのは残念でした。
大田眞也『田んぼは野鳥の楽園だ』によると、
 繁殖期の(キジバトの)♂は、低い声でデデポーポーと繰り返して鳴き、♀を見ると御辞儀をするような動作をしながらクークッと鳴いて求愛し、ときにプンとかクゥとおならのような奇妙な音も発します。 (p198より引用)


キジバト♀♂(野鳥)@堤防+求愛♂→♀
キジバト(野鳥)@堤防+採食
キジバト(野鳥)@堤防+採食

2018/12/20

ホソバセダカモクメ(蛾)幼虫がアキノノゲシの実を食べる作法の謎



2018年9月上旬
▼関連記事
ホソバセダカモクメ(蛾)の幼虫がアキノノゲシの種子を食べる際のトレンチ行動


田んぼの農道沿いに生えたアキノノゲシの群落でホソバセダカモクメCucullia fraterna)の幼虫が葉ではなく実を食べていました。

この記事では、2頭見つけた幼虫のうち、右側の個体aに注目します。
実とその中の種子をかじっていました。
実際は休み休み食べていたのですが、食休みのシーンは退屈なので編集でカットしました。

ホソバセダカモクメ(蛾)幼虫a@アキノノゲシ実摂食
ホソバセダカモクメ(蛾)幼虫a@アキノノゲシ実摂食



食餌の合間に幼虫aが腹端を少し持ち上げて糞を排泄しました。
たまたまそのときは静止画の連写モードにしていたせいで、動画では脱糞シーンを撮り損ねてしまいました。
排便を済ませた幼虫aは、持ち上げていた腹端をゆっくりと茎に戻しました。

ホソバセダカモクメ(蛾)幼虫a@アキノノゲシ実摂食+脱糞

ホソバセダカモクメの幼虫が2頭ともアキノノゲシの実を食べていたことから、秋になると葉よりも実(出来かけの種子)の方が栄養豊富なのでしょう。
アキノノゲシは植物体のどこを傷つけても白い乳液を分泌します。(映像公開予定
これは食植性の動物に対して忌避効果を持つと考えられています。
しかし、ホソバセダカモクメ幼虫に食害された実の傷口をよく見ると、白い乳液を分泌していません。
その実の手前の細長い茎に何箇所か噛み跡があります。(実を柄から完全に切り落とすのではなく、柄に噛み傷を付けて萎れさせているだけという点がポイントです。)
ホソバセダカモクメの幼虫はアキノノゲシの実を食べる前に柄に噛み傷を付けて、乳液が実に流入しないように遮断しているのでしょう。
昆虫のこのような食行動は、トレンチ行動と呼ばれています。
トレンチ(trench)とは、塹壕とか排水溝という意味です。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。

2頭のホソバセダカモクメ幼虫が共に同じようなトレンチ行動をしていたことから、たまたまではなく再現性はありそうです。
念の為にホソバセダカモクメの幼虫を飼育して、再現性を確認したいところです。(来年の課題)

今思えば、食べている途中の実をこっそり取り除いてしまえば、トレンチ行動をもう一度初めから観察できたかもしれません。
この日は先を急ぐ用事があったので、ここに腰を据えてじっくり観察する時間的余裕がありませんでした。

次は、食害を受けていないアキノノゲシの株で実に傷をつけると乳液を分泌するかどうか、実験してみましょう。

つづく→アキノノゲシは傷口から乳液を分泌する



【追記】
森昭彦『イモムシのふしぎ』という新書を読むと、トレンチ行動をする幼虫の実例がたくさん登場します。
ただし残念ながら、ホソバセダカモクメの幼虫は掲載されていませんでした。
私も色んな種類のイモムシ毛虫を一つずつ飼育してトレンチ行動を確かめてみたいものです。


小雨でロータス効果を発揮するハスの葉



2018年9月中旬・午前8:00

ハス(蓮)の葉は撥水性が極めて高いために、いくら雨が降っても葉が濡れることはありません。
葉に付着した雨水は表面張力で水滴となり、水銀のように滑らかに動いて、わずかな傾きでも葉から自然に転がり落ちてしまいます。
光合成の妨げとなる汚れが葉の表面に付着していても、雨が降れば動く水玉が汚れを取り込んで、自然に流れ落ちてしまうのです。(自浄作用)。
これをロータス効果と呼びます。
ロータスとはハスの英語名(lotus)です。
ロータス効果の仕組みを真似して取り入れることで、防水スプレーに頼らない雨具とか、危険な窓掃除をしなくても良い窓ガラスとか、洗車しなくても良い車のボディとかの開発が進む可能性を秘めています。

▼関連記事(前年の撮影)
水を弾き泥汚れも付かないハスの葉の秘密:ロータス効果の実演

前回は雨上がりに蓮の葉を手で揺らしましたが、今回は雨が降っている最中の様子を撮りに朝から蓮池に来たのです。
ところが、蓮池に着いた頃には小雨になってしまいました。
未練がましく撮ってみたら、それなりに趣のある映像になりました。

土砂降りにも負けないロータス効果を撮りたかったのですけど、夕立は短時間で止んでしまいます。
ピンポイント天気予報を見て、大雨になる前から出かけないと駄目ですね。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。



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