2018/10/01

棚網に給餌したセマダラコガネを襲うクサグモ(蜘蛛)



2018年7月上旬

▼前回の記事
クサグモ(蜘蛛)の棚網から脱出するセマダラコガネ黒色型

タケニグサの群落にクサグモAgelena silvatica)が作った棚網にしつこく給餌実験を繰り返します。
2匹目の生き餌として、通常型のセマダラコガネa(Anomala orientalis)を投入しました。


セマダラコガネa@イタドリ

すると今度はクサグモがすぐに反応して住居から駆け寄りました。
このとき獲物に噛み付いて毒液を注入したかどうか、よく見えませんでした。
襲われたセマダラコガネは後脚を高々と持ち上げた万歳姿勢で威嚇・防御します。
クサグモは糸で獲物をラッピングせずに、獲物を軽く咥え住居に持ち帰り始めました。
慌てているのか、途中で2回も獲物を棚網に落とし、拾い直しました。

やがてセマダラコガネは棚網で仰向けにひっくり返り、脚をピクピク動かしています。
腹端から黄土色の糞を排泄しました。(@0:55〜)
断末魔の獲物をクサグモはじっと見ているだけで、毒が回るのを待っているようです。
ようやくセマダラコガネは動かなくなりました。

ところが、雨の水滴があちこちに付着した棚網に獲物を残したまま、なぜかクサグモは一旦住居に戻りました。
食べ残しの方が気になるのかな?
管状住居内で方向転換すると、再び棚網に出てきて、セマダラコガネを住居へ搬入します。
ようやく落ち着いて捕食が始まります。
獲物を噛んで時間をかけながら体外消化するのです。


つづく→食べ残した獲物を住居網の入口で捕食するクサグモ(蜘蛛)


クサグモ(蜘蛛)@棚網+セマダラコガネ給餌実験:bite
クサグモ(蜘蛛)@棚網+セマダラコガネ給餌実験:bite
クサグモ(蜘蛛)@棚網:住居網+セマダラコガネ捕食

羽化したキアゲハの初飛翔【HD動画&ハイスピード動画】



2018年7月中旬

▼前回の記事
キアゲハにスポーツドリンクを与えてみる

キアゲハの飼育記録(2018年)#9


羽化したばかりのキアゲハPapilio machaon hippocrates)新成虫bが翅を広げて止まっている割り箸をペン立てにそっと移すと初飛翔を披露してくれました。
240-fpsのハイスピード動画で撮ると、力強い羽ばたきで黄色い新鮮な鱗粉が飛び散る様子をスーパースローで観察できました。
このときの室温は31.4℃、湿度53%。

映像の後半はその前日に羽化した成虫aです。
夕方、割箸から飛び立った初飛行は撮り損ねました。
明るい窓際に向かって飛ぶと、レースカーテンにしがみつきました。
(映像はここから)
元気に羽ばたきながらレースカーテンを上へ上へ登って行きます。
翅を広げて静止したところを指で触れると、少しだけ飛んで逃げました。
このときの室温は32.0℃、湿度49%。

飼育下で終齢幼虫から成虫の羽化まで見届けて満足したので、撮影後は外に放蝶しました。

つづく→#10:


キアゲハa@レースカーテン
キアゲハa@レースカーテン

2018/09/30

ツタの花で採餌するセイヨウミツバチ♀



2018年7月中旬

ツタ(蔦)の群落でセイヨウミツバチApis mellifera)のワーカー♀が訪花していました。
後脚の花粉籠に白い花粉団子を大量に運んでいます。

日暮れ時だったせいか、残念ながら一瞬しか撮れませんでした。
コンクリートの塀全体を蔦が覆い尽くしているのですが、通りに面した日陰の群落にはもう虫はあまり来ていなくて、日当たりの良い反対側の面に蜂がよく集まっているようでした。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。


2018/09/29

柳の樹液を吸いに集まるヨツボシケシキスイ



2018年7月中旬

湿地帯に生えた柳の灌木(樹種不明)で樹液が滲み出ている幹がありました。
発酵して白く泡立っている物を指で触れて嗅ぐと樹液の甘酸っぱい発酵臭がしました。

その樹液酒場にヨツボシケシキスイLibrodor japonicus)が集まっていました。
樹液を吸汁しながらときどき腹端から排泄しているようです。(@0:21、1:30)
樹液が泡立って白い塊になった部分だけでなく、樹液で濡れているものの泡立ってはいない部分の幹にも来ていました。
樹皮の隙間や割れ目に隠れている個体もいました。
ヨツボシケシキスイは昆虫ゼリーを餌として飼育できるらしいので、機会があれば挑戦してみるつもりです。

柳の樹液酒場には得体のしれない謎の幼虫も蠢いていました。
小さなハエも来ています。(種名不詳)



森上信夫『樹液に集まる昆虫ハンドブック』によれば

(ヨツボシケシキスイは)平地〜低山地まで広く分布し、個体数も非常に多い。クヌギやコナラなどの樹液に来る。昼間のほうが活発だが、昼夜問わずに体ごと樹液に埋没しているような姿でいることが多く、活動中か休息中か判断しづらい。クワガタムシのような立派な大あごをもつが、これを使って戦う姿をみたことはない。 (p52より引用)


山渓フィールドブックス13『甲虫』によると、
ヨツボシケシキスイは成虫がクヌギなどの樹液に集まり、周囲の樹皮のすき間に産卵する。孵化した幼虫は雑食性で、樹液だけでなく、他の昆虫類の幼虫も捕食して育ち、7月頃に木の根元近くの樹皮下などに潜って蛹になる。 (p97より引用)


※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。


ヨツボシケシキスイa@柳樹液吸汁
ヨツボシケシキスイa@柳樹液吸汁・全景
ヨツボシケシキスイb@柳樹液吸汁
ヨツボシケシキスイb@柳樹液吸汁(左の樹皮の隙間・割れ目にも隠れている)
ヨツボシケシキスイb@柳樹液吸汁・全景

蔦の葉で化粧するコアシナガバチ♀



2018年7月中旬

コンクリートの塀を覆い尽くしたツタ(蔦)の茂みの中にコアシナガバチPolistes snelleni)のワーカー♀を発見。
ツタの葉に乗って念入りに身繕いしていました。
飛び立つ気配がないので撮影終了。
訪花・吸蜜シーンが撮れず残念でした。
もしかしてツタの茂みの中に巣があるのかと思い、辺りを探してみたのですが、見つかりませんでした。


※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。


コアシナガバチ♀@ツタ葉+身繕い

2018/09/28

キアゲハにスポーツドリンクを与えてみる



2018年7月中旬・室温31.4℃、湿度53%
▼前回の記事
羽化終了後に蛹便を排泄するキアゲハc


キアゲハの飼育記録(2018年)#8


羽化終了後のキアゲハPapilio machaon hippocrates)成虫cにスポーツドリンクを給餌してみました。
アクエリアス(AQUARIUS)の粉末を水で溶かすと、レモン汁のような薄黄色の液体になります。
マルチビタミン配合と謳われている商品で、私が味見すると甘味よりも酸味がかなり強いです。
ペットボトルの蓋に少量注いでから脱脂綿に吸わせました。

アクエリアスはほぼ無臭なので、少し手助けしてあげないとキアゲハは気づいてくれません。
捕獲したキアゲハcの足先を濡れた脱脂綿に付けてやっても自発的に口吻を伸ばすことはありませんでした。
爪楊枝でゼンマイ状の口吻を伸ばしてやり、脱脂綿の表面に触れさせてやるとようやく自分で吸水を始めました。
かなり酸味の強いドリンクなので蝶は気に入らないのではないかと心配しましたが、水で薄めなくても喜んで飲んでくれました。
ただの砂糖水を与えるよりもミネラル成分も効果的に補給できます。
満ち足りるとキアゲハcは口吻をクルクルと縮めました。
よほど気に入ってくれたようで、その後も脱脂綿から飛び立とうとしません。
AQUARIUSのCMに使ってくれないかな?



※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。

つづく→#9:羽化したキアゲハの初飛翔【HD動画&ハイスピード動画】


キアゲハc:背面@スポーツドリンク吸水
キアゲハc:側面@スポーツドリンク吸水
キアゲハc:顔@スポーツドリンク吸水
キアゲハc:側面@スポーツドリンク吸水後
アクエリアス粉末(マルチビタミン)成分表

ブチヒゲカメムシのおしっこ



2018年7月上旬
▼前回の記事
オオバギボウシの花で交尾するブチヒゲカメムシ♀♂

オオバギボウシの花を歩き回っていたブチヒゲカメムシDolycoris baccarum)が腹端から透明の液体をポタポタと大量に(6滴)排泄しました。

昨年は同じ種類のカメムシが脱糞する様子を動画に記録しています。
このときは白色の液状便をポトリと排泄しました。

▼関連記事
ブチヒゲカメムシの脱糞
一方、今回は透明だったので、糞ではなく尿と考えても良さそうです。
植物から大量に吸汁した後で余分な水分を捨てたのでしょう。

すっきりしたブチヒゲカメムシは一番上の花まで登ったので飛び立つのかと思いきや、裏に回って吸汁を始めたようです。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。


【追記】
観察と発見シリーズ『カメムシ博士入門』に「カメムシの排泄」と題したコラムが掲載されていました。
食べ物を消化すれば、最後に排泄が必要となるのはカメムシも変わりない。カメムシの排泄物は基本的に液状である。飼育してみるとわかるが、点々と液状の糞が観察できる。 (p60より引用)


関連記事(2年前の撮影:透明な液体を排泄)▶ トゲカメムシの排泄 

ブチヒゲカメムシ@オオバギボウシ訪花

幼虫もオオバギボウシを訪花していました。


ブチヒゲカメムシ幼虫@オオバギボウシ訪花

2018/09/27

ノブドウの葉で交尾するマメコガネ♀♂



2018年7月中旬

堤防の階段に蔓延るノブドウの群落でマメコガネPopillia japonica)の群れを見つけました。
葉上で交尾中の♀♂ペアが居ます。
♂が♀の背にマウントしているだけで交尾器は結合していませんでした。
交尾後ガードなのかな?
あぶれたもう一匹がすぐ横で葉を食害しているようです。
更にもう一匹が飛来し、どこか近くに着陸しました。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。


マメコガネ♀♂群れ@ノブドウ葉+交尾

柳の葉を舐めるヒメスズメバチ♀



2018年7月中旬

湿地帯に生えた柳(種名不詳)の灌木でヒメスズメバチ♂(Vespa ducalis)のワーカー♀が飛び回っていました。
獲物を探索する探餌飛翔かと思いきや、ときどき葉の表面を舐めていました。
すぐに飛び去ってしまったので、後半は1/10倍速のスローモーションでリプレイ。

この湿地帯で私がこれまで柳の葉を舐める行動を観察した昆虫を列挙すると、クロマルハナバチコガタスズメバチモンスズメバチセグロアシナガバチスズバチハグロケバエです。

アブラムシの排泄した甘露が葉に付着しているか、それとも柳には花外蜜腺があるのか、どちらかだと思うのですが、どうやったら真相を突き止められるのか分からないでいます。
近くにアブラムシのコロニーが見つからないのです。
甘い樹液が葉に滴り落ちた可能性も考えてみましたが、それなら独特の発酵臭がするはずですし、スズメバチは幹から樹液が滲むスポットを直接目指すはずです。
とりあえず、この柳の種類をご存知の方は教えて下さい。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。


2018/09/26

羽化終了後に蛹便を排泄するキアゲハc

▼前回の記事
羽化の途中で蛹便を排泄してしまったキアゲハb【10倍速映像】


キアゲハの飼育記録(2018年)#7



2018年7月中旬

朝(6:45)様子を見ると、プラスチック容器内の隅に作られた帯蛹cからキアゲハPapilio machaon hippocrates)の成虫cが羽化していました。
蛹化してから8日目の早朝でした。
抜け殻にしがみついた状態で翅伸展は既に完了していたものの高さがギリギリで、後翅の尾状突起が容器の底につかえて窮屈そうです。
終齢幼虫cはそれを見越してここで蛹化したのだとしたら、驚異的な予測能力ですね。
幼虫自身の体長を基準にして高さを測定したのでしょうか?

キアゲハ成虫cに割り箸をそっと差し出すと素直に登ってくれました。
広い空間でのびのびと翅を伸ばし、緩やかに開閉して乾かします。

キアゲハc@羽化(翅伸展)後



午前9:07、室温30.3℃、湿度59%。
止まり木でじっとしているキアゲハcが腹部をヒクヒクさせてから、白っぽい液状便を勢い良く大量に放出しました。
羽化後の翅伸展が無事に終わったので、不要になった体液を蛹便(羽化液)として排泄したのです。
排泄の瞬間、腹部が急激に収縮し、真下に向けていた腹端をやや前方に屈曲させました。
それまで膨満していた腹部が少し収まったようです。

キアゲハc蛹便(羽化液)@ティッシュペーパー

予め真下に敷いていたティッシュペーパーが羽化液で汚れました。

透明な液体成分と白い尿酸成分から成ることが分かります。
特に悪臭はしません。
幼虫時代に摂取した水分を羽化するまで蓄えていたのです。


※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。

つづく→#8:キアゲハにスポーツドリンクを与えてみる




以下の写真は帯蛹から羽化した後の抜け殻です。
キアゲハc羽化殻:側面@方眼紙
キアゲハc羽化殻:側面@方眼紙
キアゲハc羽化殻:背面@方眼紙
キアゲハc羽化殻:腹面@方眼紙
キアゲハc羽化殻:腹面@方眼紙
キアゲハc羽化殻:尾端@方眼紙

ツタの花蜜を吸うキイロスズメバチ♀



2018年7月中旬

コンクリートの塀を覆い尽くしたツタ(蔦)の群落でキイロスズメバチVespa simillima xanthoptera)のワーカー♀が何匹も訪花していました。
蔦の花は花弁も無く葉に隠れて地味に咲いているので、予備知識がなければ咲いていることに全く気づかないでしょう。
ツタの花で吸蜜する蜂は是非とも撮りたかったテーマなので、このところ開花を待ちわびて近所のツタ群落を見て回っていたのです。
ツタはヤブガラシやノブドウなどと同様に(これらは全てブドウ科)、夏の間スズメバチ類がよく集まる人気の花です。
その理由は、花の作りが単純で舌が短い種類の蜂でも花蜜を容易に舐められるからです。

たまにキイロスズメバチ同士が空中で出会うと小競り合いになるのですけど、そのシーンは上手く撮れませんでした。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。


キイロスズメバチ♀@ツタ訪花吸蜜
キイロスズメバチ♀@ツタ訪花吸蜜
キイロスズメバチ♀@ツタ訪花吸蜜

ツタ花
ツタ花
ツタ花
ツタ花・全景

2018/09/25

クサグモ(蜘蛛)の棚網から脱出するセマダラコガネ黒色型



2018年7月上旬
▼前回の記事
棚網に給餌したワラジムシを嫌うクサグモ(蜘蛛)


クサグモAgelena silvatica)に給餌する生き餌として、近くのイタドリの群落で見つけたセマダラコガネAnomala orientalis)を2匹捕獲してきました。

まずは黒色型のセマダラコガネbをクサグモの棚網に投入してみました。
しかし住居内のクサグモはなぜか無視。
セマダラコガネはすぐに非粘着性の網を破って下に脱出してしまいます。

同一個体を拾い上げて、再び棚網に投入しても結果は同じでした。
クサグモは反応せず、セマダラコガネ黒色型は網を破って下に落ちて脱出成功。
やはり、このクサグモは食欲が無いのでしょうか?

つづく→棚網に給餌したセマダラコガネを襲うクサグモ(蜘蛛)


セマダラコガネa@イタドリ葉
セマダラコガネb黒色型@イタドリ茎

訪花中のモンシロチョウに誤認求愛するモンキチョウ♂



2018年7月上旬


▼前回の記事
ムラサキツメクサの花蜜を吸うモンシロチョウ

ムラサキツメクサ(=アカツメクサ)の群落で訪花していたモンシロチョウPieris rapae)を動画に撮っていると、探雌飛翔中のモンキチョウ♂(Colias erate poliographus)がやって来ました。
おそらく同種の♀だと誤認して求愛しに来たのでしょう。
モンキチョウの♀も通常は翅が白いので、ちょっと紛らわしいのでしょう。
しかし、すぐに別種と気づいたようで、2頭は離れて飛び去りました。
再生速度を15%に落としたスローモーションでリプレイしてみましょう。(@0:24〜)
モンシロチョウの場合は太陽光に含まれる紫外線の下で見ると雌雄の翅の模様が明確に異なり見分けられるのだそうです。
同じシロチョウ科に属するモンキチョウの場合は配偶行動の際にどうやって性別を見分けているのでしょう?(既に解明されているのかな?)

渡辺守『モンキチョウの交尾行動』によると、

・(モンキチョウの)♀には黄色い翅をもった個体と白い翅をもった個体の二型が生じ、ふつう、モンシロチョウと間違えられるような白い翅の個体が♀の過半数を占めています。 
・朝、♀は草むらの中で羽化し、その中でほとんど動かないので、♂は早朝から草地の上1メートルくらいをゆっくり飛んで♀を探し始めます。これを探雌飛翔といい、羽化したばかりの処女♀を草むらの中に発見すると、いきなり♀に体当たりをするかのように急降下し、一瞬の後には連結してしまいます。
(『動物たちの気になる行動(2)恋愛・コミュニケーション篇』p59〜61より引用)


モンキチョウの求愛飛翔や交尾中の連結態はよく見かけますけど、♂の求愛が実って交尾を始める瞬間や、♀による交尾拒否行動を私は未だ観察したことがありません。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。


鈴木紀之『すごい進化 - 「一見すると不合理」の謎を解く』(中公新書)によると、
近縁な種類どうしでは交尾の証拠がよく見つかっています。ということは、私たちが直接観察できたわけではありませんが、求愛程度の軽微なエラーはさらにたくさん起きたのだと想像できます。こうして考えてみると、他種への求愛はもはや例外的なエラーなのではなく、自然界にはよくある出来事として捉えられるようになってくるのではないでしょうか。 (p123より引用)


フィールドで起こる誤認求愛のような小さな事件をアマチュアのナチュラリストが地道に記録していくしかありません。


▼関連記事(3年後の撮影)

2018/09/24

羽化の途中で蛹便を排泄してしまったキアゲハb【10倍速映像】



2018年7月中旬・午前7:51〜8:10
▼前回の記事
羽化直前のキアゲハ帯蛹b【40倍速映像】


キアゲハの飼育記録(2018年)#6


水平に固定された帯蛹は珍しいのですが、果たして無事に羽化できるでしょうか?
蛹化してから8日目の朝、キアゲハPapilio machaon hippocrates)帯蛹bの胸部が急に割れ、いよいよ羽化が始まりました。
新成虫は容器天井の縁に足で掴まり、水平に固定された蛹からスムーズに抜け出ました。
そのまま容器の上縁に掴まり、翅の伸展を開始。
黒い口吻をクルクルと何度も伸縮させると、元々2本だった口吻がジッパーを閉じるように1本の管に連結します。

途中で背面を向いてしまったので、見栄えを考慮して側面から撮ろうと容器を少し動かしました。(回した)
それに驚いたキアゲハ新成虫は少し暴れ、黄土色の蛹便(羽化液)を勢い良く噴射しました。
飼育容器の壁と底が蛹便で汚れました。
蝶が羽化する時は体液の内圧で翅芽を膨らませ、羽化が完了したら余った体液を蛹便として排泄します。
蛹便を早くに排泄してしまったら翅伸展に支障を来すのではないかと心配になりました。
容器ではなくカメラを動かして撮影アングルを調整すべきでしたね。
自然界でもたまにこのような事態があるのかもしれません。
つまり、羽化中は一番無防備な状態ですから、天敵に襲われた時に咄嗟に蛹便を噴射すれば相手を多少はたじろがせることが出来るのかもしれません。
それとも体内の水分が多い個体は早めに蛹便を排泄するのかな?

しかし、みるみるうちに翅が伸び、無事に羽化を完了してくれて一安心。
その後は翅を軽く半開きに開閉して乾かしています。
開いた翅を横から撮りたいのに、またもや背面を向いてしまいます。
もしかすると、光を背に受けたがる性質があるのかもしれません。

撮影中に測った室温と湿度は、
午前7:01 27.2℃、62%
午前7:51 28.9℃、60%
午前8:02 29.2℃、59%


つづく→#7:羽化終了後に蛹便を排泄するキアゲハc


キアゲハb@羽化直後(翅伸展後)
キアゲハb@羽化直後(翅伸展後)

キアゲハb羽化殻:側面@方眼紙
キアゲハb羽化殻:側面@方眼紙
キアゲハb羽化殻:側面@方眼紙
キアゲハb羽化殻:背面@方眼紙
キアゲハb羽化殻:腹面@方眼紙
キアゲハb羽化殻:開裂部@方眼紙
キアゲハb羽化殻:尾端@方眼紙
キアゲハb羽化殻:尾端@方眼紙

池の畔の枝に並ぶカワセミ♂とスズメ(野鳥)



2018年7月中旬

溜池の畔から池に張り出した柳の枝にカワセミ♂(Alcedo atthis bengalensis)と2羽のスズメPasser montanus)が並んで止まっていました。

このカワセミは嘴が黒いので♂ですね。
最近雨が降らないので溜池の水位は低く、干上がりかけた泥にはアオコ?のような藻が発生しています。
見るからに水質が悪化していて、カワセミの餌となる小魚も減っているのではないかと心配です。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。


カワセミ♂+スズメ(野鳥)@ヤナギ枝:池畔

2018/09/23

オオバギボウシの花で交尾するブチヒゲカメムシ♀♂



2018年7月上旬

民家の畑の隅に咲いたオオバギボウシの群落でブチヒゲカメムシ♀♂(Dolycoris baccarum)が交尾していました。

側面から撮っても交尾中に花から吸汁しているかどうか、よく分かりません。
マクロレンズで口吻を接写して確認するのを忘れました。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。


ブチヒゲカメムシ♀♂@オオバギボウシ訪花+交尾
ブチヒゲカメムシ♀♂:側面@オオバギボウシ訪花+交尾
ブチヒゲカメムシ♀♂@オオバギボウシ訪花+交尾

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