2022年10月上旬〜中旬〜下旬
里山のスギ林道に設置したトレイルカメラに写ったニホンリス(Sciurus lis)の記録をまとめました。 10月は計3回登場しました。
リスは完全に昼行性で、暗い夜には決して現れません。
シーン1:10/8・午前6:01・気温10℃(日の出時刻はAM5:38)
道端から突き出たスギ落枝に通りすがりのカモシカがよく眼下腺マーキングしているのですが、薄暗い早朝にその落枝がかすかに振動していました。
おそらく早起きのリスが落枝を登り降りしたのでしょう。
対面に見えるスギ立木の背後からリスが現れ、下草に覆われた地上を右へチョロチョロと走り去りました。
シーン2:10/15・午後12:26・気温18℃ (@0:10〜)
林道中央を左から走って来たニホンリスが画面の右に消えました。
すぐに戻って来たリスは全速力で林道を斜めに横断し、スギ大木の幹を勢い良く駆け上がりました。
垂直な幹の途中で止まったリスの尻尾だけが見えています。
そこで下向きに方向転換すると、垂直の幹を駆け下りて、そのまま林道を右に引き返しました。
謎の往復シーン(右往左往)を1/3倍速のスローモーションでリプレイしてみても(@0:26〜)、リスは木の実(堅果)を運んでおらず空荷でした。
リスは基本的に樹上性ですから、やむを得ず地上で活動するときは何かに驚いて警戒すると、近くの木に一目散に登って緊急避難するのでしょう。
シーン3:10/26・午前9:01・気温6℃ (@1:03〜)
秋の林道上にはスギとホオノキの落ち葉が散乱しています。
林道を右から左へ走るリスが途中で(画面の下端)立ち止まり、落ち葉を掘り返しました。
思わせぶりな行動ですが、何か運んできた木の実を地中に隠したのでしょうか?(貯食行動)
しかし何度もスロー再生して見直しても、このときリスが何か木の実を咥えて運んでるようには見えませんでした。
クルミ(オニグルミ)のように大きな堅果なら見落とすはずがありません。
小さなドングリなら見落としてしまったかもしれません。
「ニホンリスにとってスギ林は利用価値のない緑の砂漠」というのが私の認識で、何の用事があるのか不思議でした。
動画に写っている林道は緩やかな斜面になっていて、右から左へ少し登っています。
周囲を調べてみると、林道を右に〜20m行った地点にオニグルミの大木がありました。
後日(冬の積雪期)現場入りして気づいたのですが、林道を逆の左に〜20m行くと、カラマツを植林した小区画がありました。
恥ずかしながら、これまで私はカラマツを「見れども見えず」の状態だったようです。
思い返すと、カラマツの近くでリスの鳴き声♪(警戒声)を聞いたこともありました。
オニグルミの堅果とカラマツの球果(松ぼっくり)はリスの好物ですから、2つの餌場を結ぶ通り道としてスギ林道を利用していたのでしょう。
もっとよく探せば、ドングリのなる木も近くに生えているかもしれません。
リスの巣を見つけるのが次の目標です。