2023/04/05

クロバナヒキオコシで訪花吸蜜するクロマルハナバチ♂【FHD動画&ハイスピード動画】

 

2022年10月上旬・午後13:30頃・晴れ 

山間部の道端に咲いたクロバナヒキオコシの群落でクロマルハナバチBombus ignitus)の雄蜂♂が訪花していました。 
鮮やかでカラフルな装いのクロマルハナバチ♂は私の特にお気に入りのマルハナバチです。
耳を澄ますと、羽音がかすかに聞こえます。 
この組み合わせは初見です。 
雄蜂♂は♀と違って集粉しませんから、当然ながら後脚に花粉籠はありません。 
吸蜜しながら身繕いすることもありました。 

マルハナバチは小さな脳で巡回セールスマン問題をどうやって解くのか?というのは面白い問題です。 
この個体♂はクロバナヒキオコシの群落の中で、隣の株に次々と移動して効率的に吸蜜していました。
「おおっ!」と感心したのも束の間、すぐに例外的な飛び方をしました。 
そうやって巡回経路を時々リセットするのも何か理由がありそうです。 
花蜜が枯渇している花には着陸する前にマルハナバチは匂いで気づいて回避できるのかな? 
自分が訪花した花にはフェロモンなどで匂い付けしておけば、無駄な重複訪花を避けて効率よく蜜源植物を巡回できそうです。 

訪花シーンを240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@1:50〜) 
現場は昼間でも薄暗かったので、カメラの設定で明るさを上げてから撮影を始めたら、途中から日が射してきて困りました(逆に白飛び!)。 
吸蜜中のクロマルハナバチ♂は翅を半開きのまま、羽ばたきを止めています。 
クロバナヒキオコシの花から飛び立つと、長い舌を伸ばしたままホバリングしています。 
次の花に着陸しようと脚で掴んだら千切れてしまい、蜂ごと落花することもありました。 

花から花へ忙しなく飛び回るために、蜂にピントを合わせ続けるのが至難の業です。 
またクロバナヒキオコシの唇形花が小さいので、どうしても奥ピンになり勝ちです。 
飛び回る蜂の動きがあまりにも忙しなくて通常の動画では撮る気にならないような場合でも、ハイスピード動画に切り替えると、細切れでも意外にうまく撮れていることがあるのでオススメです。
ところで、最近デジカメのハイスピード動画の性能の進化は止まってしまったのでしょうか?
240fps以上のスーパースローが撮れる大衆向けの機種を待ち望んでいます。
 

2023/04/04

アリに噛まれて飛び起きたパートナー♀を心配するニホンザル♂

 



2022年10月上旬・午後13:50頃・くもり 

山間部の路上に寝そべってニホンザルMacaca fuscata fuscata)成獣♂から毛繕いを受けていた若い♀が急に飛び起きました。 
音量を上げて聞き直しても、前回とは違ってカケスGarrulus glandarius)の警戒声♪に反応した訳ではありません。 
その直前にも♀は自分の体の下の路面を気にしていたので、どうやら路上を徘徊していたアリの上に知らず知らず乗ってしまって、怒ったアリに噛まれたようです。
(この映像では遠くてアリは写っておらず、私の想像です。) 
ニホンザルは長い体毛に覆われていますから、体毛の間に潜り込まれたアリに皮膚を直に噛まれて痛がっているとは限らず、アリが毛皮を這い回るだけでもくすぐったくて嫌なのかもしれません。 

横に居た♂も驚いたものの、パートナー♀の身に何が起きたのかすぐに察したようです。 
心配そうに♀の顔や胸元を覗き込み、噛んだ虫を探しているようです。 
言語を使わないニホンザルでも共感性や気遣いの萌芽を垣間見たようで、興味深く思いました。 
もし♀の体に小さなアリを見つけたら、♂は蚤取りの一環として手で器用に取り除いて食べてしまったはずです。
しかし、ニホンザル♀♂が攻撃者を見つけて反撃・報復することはありませんでした。 

やがて♂は♀への対他毛繕いを再開しました。 
今度は頭部の毛を掻き分けて甲斐甲斐しく蚤取りをしています。 
私は動物の行動を安易に擬人化しないように心がけているつもりですけど、ニホンザルの行動を観察していると、ほとんどヒトと変わりません。
ヒトでは親が幼児に対して「痛いの痛いの飛んでいけ〜♪」 などと声を掛けながら慰めてやりますが、猿も仲間の痛む患部を撫でたりさすったりしてあげるのでしょうか?

最後に大柄な個体の股間に陰茎および睾丸が正面から見えたので、♂と分かります。 
睾丸が紅潮してないということは、未だ発情していないということを意味しています(繁殖期の開始は晩秋)。






川に飛来したカワウ若鳥が着水に失敗して転倒(野鳥)

 

2022年10月上旬・午後15:40頃・晴れ 

川の右岸にニセアカシア(別名ハリエンジュ)の倒木が連続している場所があり、カワウPhalacrocorax carbo hanedae)やカルガモAnas zonorhyncha)などの水鳥にとって格好の止まり木になっています。 
巣が並んでいる訳ではないので「カワウのコロニー」とは呼べませんが、大体いつもカワウが集まって休んでいます。
のんびり羽繕いしたり、カワウが濡れた翼を広げて乾かしたりしています。 

定点観察を終えた私がカメラをズームアウトしかけたら、上流から新たに1羽のカワウが低空で飛来しました。 
突風が吹いた訳でもないのに、着水に失敗しました。
右に旋回しながら着水しようとしたら、右に傾け過ぎた右翼の先をうっかり水面に引っ掛けてしまったのです。
片側から水の抵抗を急に受けたカワウは当然ながらバランスを崩し、もんどり打って転倒しました。 
カワウのこんな無様な(下手糞な)着水シーンは今まで見たことがありません。 
すぐに立ち直って川面を遊泳し始めたので、どうやら無事だったようです。 
もっとスピードが出ていたら、翼が骨折して致命的な大事故になっていたかもしれません。 
カワウ若鳥の着水失敗シーンを1/5倍速のスローモーションでリプレイ。(@0:51〜)
潜水に特化した体型に進化したカワウは川から離陸するのも手間取りますし(助走が必要)、飛ぶのがそもそもあまり上手くないのでしょう。

水を飲みながら川面を泳いで渡り、仲間が集まる倒木に近づきます。 
すると先客のカルガモが遠慮して倒木から離れ、止まり場所をカワウに明け渡しました。 
体格では圧倒的にカワウ>カルガモなので、力関係もそうなっているようです。 
カルガモを追い払った新参のカワウは、倒木のすぐ手前でザブンと水浴してから飛び乗りました。 
新参のカワウが止まり木でこちら(上流側)を向いてくれたので、胸の羽毛が白い若鳥と判明。 
飛行経験が未熟なのも若さゆえ、ということで納得しました。 
着水直前に急旋回すると事故る、と学習したはずです。
もしかすると、着水直前に水中に岩や怪魚の姿を認めたカワウ若鳥が慌てて緊急回避した結果だったのかもしれません。

止まり木上で隣の個体と小競り合いのように牽制し合い、適切な距離を取って並びます。(ソーシャル・ディスタンス!) 
止まり木に合流した若鳥は早速、羽繕いを始めました。 

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