2023/03/22

カラマツの下の林床を夜な夜な歩き回るザトウムシ【トレイルカメラ:暗視映像】

 

2022年9月下旬 

里山の雑木林の斜面で泥汚れのついたカラマツを監視カメラで見張っていると、ときどきザトウムシの一種が写ります。 
ザトウムシは変温動物ですから、本来はトレイルカメラが反応しないはずです。 
おそらく、野ネズミなどの恒温動物が横切ったついでに記録されたのでしょう。 
フィールドのあちこちにトレイルカメラを設置してみて気づくのは、ザトウムシはどこにでも出没するということです。 


シーン0:9/19・午後14:18 
明るい昼間に撮った現場の状況です。(参考映像) 
強く湾曲した根元の幹に泥汚れが付いています。(イノシシの仕業?) 


シーン1:9/22・午後21:26・小雨?  (@0:04〜)
画面の赤丸に注目してください。 
カラマツの木を回り込むように、雑木林の斜面をザトウムシが降りてきました。 
極細の長い歩脚でヒョコヒョコと歩行します。 


シーン2:9/24・午後19:36・晴れ (@0:35〜) 
2日後の晩には、逆に画面下から斜面を登りかけたものの、カラマツの根元まで来るとなぜか再び下りました。 

※ 動画編集時に自動色調補正を施して明るく加工しています。 


日本は出版される図鑑の種類が非常に豊富でありがたいのですが、なぜか「ザトウムシの図鑑」がいつまで経っても出ないのが困ります。 
ザトウムシは種分化の問題がややこしいので、初めから専門家が満足するような「完璧な図鑑」を出すのは難しそうです。 
それでも誰か元気な(無謀な)アマチュアが思い切ってエイヤッと「暫定的な図鑑」にまとめてくれれば良いのに…といつも思います。
市場調査で「ザトウムシの図鑑」は需要が無いと予想されてるのかな?(出版社のシビアな経営判断)
写真集の被写体としてもザトウムシは非常に魅力的だと思います。



2023/03/21

砂防堰堤に生えたススキを採食する若いニホンザル♂

 

2022年9月中旬・午前11:10頃・くもり 

里山の谷にある砂防堰堤に集まってくつろぐ野生ニホンザルMacaca fuscata fuscata)の群れを撮影した映像に、興味深い採食シーンが撮れていました。 
相互毛繕いをする仲間から独り離れた左の若い♂個体に注目してください。 

コンクリートの巨大な堰堤の隙間にわずかな土埃が溜まり、そこにススキが自生しています。 
若いニホンザル♂はススキ群落の横で座り込むと、穂のついたススキの茎を手で手繰り寄せて、茎の中央に噛み付きました。 
ススキの葉を食べる猿は珍しくありませんが、もしススキの穂を食べたのなら初見です。 
せっかく面白くなりそうなのに、撮影中の私は全く気づかず、他の個体に目移りしてしまいました。 
数分後にも画面の左奥では同一個体がススキの採食を続けています。
関連記事(0、6、7年前の撮影)▶  
ススキの葉を採食するニホンザル♀ 
ススキの葉を食す野生ニホンザル 
ススキ?の葉先を採食するニホンザル♀(道草を食う猿)
「ニホンザル採食植物リスト」PDFを参照すると、ススキは採食メニューにちゃんと含まれていました。
三戸幸久. ニホンザル採食植物リスト. Asian paleoprimatology, 2002, 2: 89-113.

カクトラノオの花畑で激しく喧嘩するキイロスズメバチ♀【占有行動?】

 

2022年9月下旬・午後15:40頃・くもり 

川沿いの庭先の花壇に咲いたハナトラノオ(別名カクトラノオ)の群落でキイロスズメバチVespa simillima xanthoptera)のワーカー♀が何匹も忙しなく飛び回っていました。 
獲物を探索しているのでしょう。
探餌飛翔で空腹になった個体はカクトラノオの花序に着陸すると、唇形花に正当訪花を繰り返して花蜜を吸っています。 
吸蜜後に唇形花の狭い花筒から出てくると、胸背が白い花粉まみれになっています。 
次の花に潜り込んだら、その花粉が雌しべに付き、キイロスズメバチはカクトラノオの授粉を手助けしていることになります。 (送粉者)

関連記事(11日前の撮影)▶ カクトラノオの花蜜を吸うキイロスズメバチ♀ 

しばらく観察していると、キイロスズメバチ♀は互いに攻撃し合っていることが分かりました。 
訪花後の個体が次の花序へ飛び去ろうとすると、近くを飛んでいた別個体が急いで追撃し、軽い空中戦になります。 
花畑で動く虫なら何でも獲物と誤認して(たとえ同種でも)反射的に飛びついてしまうのでしょうか? 

また別のワーカー♀aの吸蜜シーンを撮影していると、背後から飛来した別個体♀bが急に襲いかかりました。 
そのまま先客♀の背中にマウントしたので、♂が♀に交尾を挑んでいるのかと思いきや、雄蜂♂ではありませんでした。 
獲物と誤認して飛びかかったのなら、すぐに誤りに気づいて相手を離すはずです。
しかし♀bは大顎で♀aの体や脚に何度も執拗に噛みつこうとしています。 
しかしキイロスズメバチの体表のクチクラは固くて、歯が立ちません。 
ちなみに、スズメバチは狩りや喧嘩の際に毒針は使いません。 
不意打ちを食らった♀aは花に伏せているだけで、全く反撃しないのが不思議でした。 
アシナガバチの巣内で行われる優劣行動を彷彿とさせます。 
最後は2匹もろとも、花から地面にボトッと落ちました。 
1匹はすぐに立ち直って、また花壇を飛び回ります。 

キイロスズメバチ♀の探餌飛翔と同種間抗争を1/5倍速のスローモーションでリプレイ。(@1:31〜)
 おそらく、別々のコロニーから来たキイロスズメバチ♀同士が蜜源・狩場を独り占めしようとハナトラノオの花畑を巡って戦っているのでしょう。(占有行動) 
秋はスズメバチの個体数が増えるのに餌が少なくなりますから、飢えて殺気立っています。
私はこの日たまたま黒色のポロシャツを着用していたので、キイロスズメバチの気を逆撫でするのではないかと心配だったのですが、撮影中に私を攻撃(八つ当たり)してくることはありませんでした。

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