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2018/11/17

止まり木の周囲で飛行訓練を繰り返すチゴハヤブサ幼鳥の群れ(野鳥)



2018年8月中旬


▼前回の記事
チゴハヤブサ親鳥に餌乞い♪し、ヤンマを給餌してもらう幼鳥(野鳥)

逆光のアングルを解消するため、撮影の合間に私は少しずつ移動しています。
その間に上空をチゴハヤブサFalco subbuteo)が飛び回っていました。
ヒノキの樹冠では3羽の家族群が枯れた横枝に止まって留守番しています。(上段に幼鳥1羽、下段に親鳥と幼鳥の2羽が並んでいます。)
こちらを向いて止まっている個体の胸の縦縞模様が見えるようになりました。

もう一羽が飛来し、家族群の頭上を高速でかすめるように飛び去りました。(@0:23)
1/5倍速のスローモーションでじっくり見ると(逆光で分かりにくいのですが)、飛んできたのもおそらく幼鳥のようです。
止まり木の上段に居た幼鳥が怯えて翼を広げ、バランスを崩しかけたものの、なんとか踏みとどまりました。
巣立ち後に飛べるようになったのが嬉しくて、幼鳥が飛行訓練しながらふざけるように止まり木の兄弟に見せつけているような印象を受けました。(遊びの威嚇・挑発?)
躊躇している兄弟の飛び立ちを促しているのでしょうか?

しばらくすると、横枝の下段の左側に居た親鳥が力強く羽ばたいて飛び立ちました(@1:13)。
隣の幼鳥に巣外給餌した親鳥が今まで休憩していたのです。
これで止まり木に留守番しているチゴハヤブサは、上下段に1羽ずつの幼鳥が計2羽になりました。

私が止まり木に更に近づくと、下段にこちらを向いて止まっている幼鳥がキーキーキー♪と甲高い声で餌乞いしている姿をばっちり撮ることができました。(@1:29〜)
下から見上げズームインすると、図鑑の記述通りチゴハヤブサの翼は長く、翼を畳んで止まっているときに尾羽の先を越えることが確認できました。
数匹のスズメバチがヒノキの梢でチゴハヤブサの周囲を飛び交っているのが興味深いです。(別記事で書きます。)

下段の個体aに注目している間に、上段に居た個体が止まり木から右下へ飛び去りました。(@1:44〜)
1/5倍速のスローモーションで見ると、成鳥ではなく幼鳥でした。
飛び去る兄弟の姿を幼鳥aは目で追いましたが、つられて飛び立つことはありませんでした。
止まり木に独り残った幼鳥aは餌乞い♪の声を発し続けています。

飛び立った元気な幼鳥2羽がヒノキ高木の周囲を高速旋回しながら追いかけっこしているようで、続けざまに画面を右から左へ横切りました。
(@2:19〜)

ようやく順光で撮れるアングルを見つけました。(@2:52〜)
しかし今度は、手前に繁ったヒノキの枝葉で止まり木(枯れた横枝)の一部が隠れてしまうため、一長一短です。
飛び回っていた個体も相次いで横枝に戻って来て休んでいます。

止まり木の上段で真上を向いていた個体が横枝を蹴って下に飛び去りました(@3:19〜)。
スローモーションで見ると、赤褐色なのは後脚の脛の羽毛だけで下腹部は茶色でないことが順光ではっきり確認できたので、間違いなく幼鳥です。
左の横枝に居たもう2羽の幼鳥が相次いで左下へ飛び去り、止まり木には誰も居なくなりました。
この家族群の幼鳥は発育段階に若干のばらつきがありそうですが、全員が一応飛べるようです。

つづく→チゴハヤブサ幼鳥が餌乞い♪する止まり木とスズメバチ(野鳥)


2018/11/15

チゴハヤブサ親鳥に餌乞い♪し、ヤンマを給餌してもらう幼鳥(野鳥)



2018年8月中旬


▼前回の記事
チゴハヤブサ幼鳥にヤンマを給餌する親鳥(野鳥)

チゴハヤブサFalco subbuteo)の止まり木に更に少し近づいたのですが、相変わらず逆光で後ろ姿です。

飛んで来る親鳥の姿を見つけた3羽の幼鳥が嬉しそうに餌乞いを始めました。
近づいた甲斐あって、キーキーキー♪という幼鳥の甲高い鳴き声が聞こえるようになりました。
ヒノキ横枝の止まり木で幼鳥が方向転換してくれたおかげで、赤褐色の脛毛をかろうじて確認できました。
これでようやくチゴハヤブサと判明したのです。

飛来した親鳥が止まり木の下段に着陸すると、その右で待っていた幼鳥aが慌てて駆け寄り、巣外給餌を受けました。(@0:16)
私がこれまで観察してきた他の種類の幼鳥とは異なり、幼鳥が餌乞いする際に両翼を持ち上げる仕草をしないのが興味深く思いました。
シルエットから獲物は今回も大きなトンボで、おそらくヤンマの一種でしょう。
幼鳥aは足で獲物を押さえつけ、早速食べ始めました。
トンボの透明な翅を毟り取って捨て、肉を食べています。
さっきから幼鳥aばかりが続けざまに給餌を受けているのは親鳥の依怙贔屓にように思えますけど、兄弟の中で一番空腹な個体なのでしょう。
止まり木の上段に居る2羽の幼鳥b,cは、下段で給餌を受ける兄弟の幼鳥aをキーキー♪鳴きながら見下ろしているだけで、獲物を奪い取りには行きませんでした。

そこへ別個体が左から鳴きながら飛来しました。(@0:49)
ヒノキの梢をかすめるように高速で飛びましたが、止まり木のチゴハヤブサ家族群4羽に威嚇され、そのまま逃げたようです。
もう1羽の親鳥が家族の様子を見に来たのでしょうか?

幼鳥aはヤンマの胴体を美味そうに飲み込み、翅は下に捨てました。
食後も満足せず、左隣りで待っている親鳥に対してすぐに鳴いて♪おかわりを催促しています。
幼鳥aは餌乞いの合間に足元の枝で嘴を拭いました。

再び別個体が高速で飛来しました。(@2:03)
枯枝の上段と下段の間を猛スピードで通過しました。
親鳥かと思ったのですが、これは縄張り争いのような、威嚇の誇示行動なのでしょうか?
止まり木の家族群4羽は一瞬だけ警戒して迎撃態勢になりました。
このときに発したキーキーキー♪という警戒声は幼鳥の甘えるような餌乞いよりもテンポが早くて切迫しています。

やがて、止まり木の上段から一羽が急に左へ飛び去りました(@2:38)。
餌乞いしていたのでてっきり幼鳥だと思っていたのに、これで分からなくなりました。
(飛び去る様子をスロー再生しても、素人目には成鳥には見えません。)
巣立ち雛(幼鳥)の中でも発育の度合いに個体差があるのでしょう。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。

つづく→止まり木の周囲で飛行訓練を繰り返すチゴハヤブサ幼鳥の群れ(野鳥)

【追記】
チゴハヤブサはこの辺りに多いドバトを襲って捕食するのではないかと予想したのですが、私が観察した捕食シーンや幼鳥への給餌メニューはいつも昆虫、特にトンボでした。
平凡社『日本動物大百科3鳥類I』でチゴハヤブサの習性を調べると、

食物としてはトンボやセミなどの飛翔性昆虫からスズメ、メジロ、ツバメなどの小鳥類、ヒヨドリやイカルなどの中型の鳥まで、すぐれた飛翔力をいかして空中で捕食する。 (p172より引用)




2018/11/09

川の護岸で脱糞するセグロセキレイ♂(野鳥)



2018年8月中旬

街中を流れる川のコンクリート護岸上でセグロセキレイ♂(Motacilla grandis)が右に左に歩いていました。
脚を少し屈むと少量の白い糞を排泄しました。
次にその場で身震い。
最後は下流へ鳴きながら飛び立ちました。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。


セグロセキレイ♂(野鳥)@川護岸

2018/11/04

日没後に塒から飛び去るゴイサギ幼鳥の群れ(野鳥)



2018年8月上旬・午後19:09〜19:19(日の入り時刻は18:45)

ゴイサギNycticorax nycticorax)の群れ(家族群)の昼塒を見つけた同じ日の日没後に現場の池を再訪すると、親鳥はどこかに居なくなっていました。
一方、池の中に突き刺さった落枝には数羽の幼鳥が未だ居残っていました。
静かにしていた昼間とは打って変わり、グェッ、グヮッ♪と盛んに鳴き交わしています。

決して美声ではありませんが、「夜ガラス」と俗に言われる不気味な鳴き声の正体がこれで分かりました。
木に登ったり羽ばたきの練習をしたりと活動的です。
オレンジ色の光は、横の車道を照らす外灯(ナトリウムランプ)です。

夜行性のゴイサギは暗くなると続々と昼塒を離れ、採餌場へと飛び立ちます。
それまで気づかなかったのですが、池の畔の森にもっとたくさんのゴイサギが潜んでいたようです。(集団塒)
てっきり群れの一部は昼塒にしている池に夜も留まって採餌するのでは?と予想していたのですけど、やがてゴイサギは一羽も居なくなりました。

ゴイサギが夜どこで採餌しているのか突き止めたくて、この夏の晩に何度か追跡してみたものの、残念ながら失敗しました。
大群で一団となってねぐらから採餌場へ飛んで行くのではなく、三々五々とバラバラに飛んでいくので、追跡が難しいのです。
川沿いを上流へ向かって調べたり別の溜池に目星をつけて行ってみても、夜の水辺にはカルガモしか見つけられませんでした。
川や池ではなく、夜の水田に散開して採食しているのかな?
ゴイサギにGPSを取り付けて夜通し追跡できたら面白いのになぁ…と夢想します。


※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。
実際の現場はこれより遥かに暗く、私のカメラ(Panasonic FZ-300)の性能の限界ギリギリでした。
薄暗がりでのゴイサギ幼鳥の動きが見えやすいように動画編集で無理やり明るく加工してあります。
私の興味関心は生き物の自然な行動にあるので、強いサーチライトなどは使いたくありません。
このような薄暗い状況でも愛機(Panasonic FZ-300)で上手く撮れる「手持ちカメラ夜景モード」の存在を当時は知らず、いつもの「お任せモード」のままで撮りました。
赤外線の暗視カメラも別に持っているのですけど、赤外線投光機(補助照明)を用いても対岸には届かない距離のため、この状況では暗くて使い物になりません。


ゴイサギ幼鳥(野鳥)群れ@日没後:池畔:落枝

2018/10/25

ピアノ演奏付きで熱唱するミンミンゼミ♂



2018年8月上旬

ミンミンゼミ♂(Hyalessa maculaticollis)がサクラの幹に止まって鳴いています。
背後の民家で誰かがピアノを練習していて、夏の午後らしい風情を感じました。

鳴いているミンミンゼミ♂を横から見ると口吻は幹に突き刺してはおらず、吸汁と求愛歌を両立している訳ではありません。
大音量で発音する腹部の動きは伸縮させながら背側⇔腹側に大きく屈曲するだけでなく、意外にも複雑・繊細でした。
動画を撮りながら少しずつ回り込んでセミの背面も撮ろうとしたら、逆光になってしまいました。

ひとしきり鳴き終わるとミンミンゼミ♂は飛び去ってしまいました。
飛び立つ瞬間に小便の排泄はありませんでした。
うるさいセミが飛び去ったら急に辺りが静かになり、ピアノ練習曲がよく聞こえるようになりました。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。


ミンミンゼミ♂@サクラ幹♪

2018/10/13

古巣のある高圧線鉄塔で鳴き騒ぐハシブトガラスの家族群(野鳥)



2018年7月中旬

水辺に建てられた高圧線の鉄塔#26の天辺付近で、カラスがいつの間にか枯枝を組み合わせた巣を作り、今季の繁殖を既に終えたようです。
昨年はここには営巣せず、しかも今年の春(3月下旬)に見たときには造巣してなかったので、すっかり油断していました。

高圧線で1羽のハシブトガラスCorvus macrorhynchos)がやかましく鳴き騒いでいました。
飛び立つと鉄塔に残された古巣の下の段の鉄骨に止まり、更に鳴き続けています。
そこへ更に2羽が相次いで飛来し合流しました。
ここで巣立った家族群(親鳥と幼鳥)なのでしょうか?
営巣期の状況を観察していないのですけど、警戒心の強いハシブトガラスがこんな丸見えの場所に巣を作るとは考えにくいです。
なんとなくハシボソガラスの古巣ではないかと私は思います。
(作りかけのまま使われずに放置された偽巣という可能性もあります。)
警戒心の強いハシブトガラスだからこそ、古巣をじっと見上げている私に対して警戒声を発しているのかな?

撮影後にこの群れが隣の鉄塔#27へ飛んで移動しました。
隣の鉄塔に巣はありません。(昨年は鉄塔#27でハシボソガラスが営巣していました。)

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。

今季は樹上に営巣したカラスの巣を重点的に観察していたので、ここは見回りしていませんでした。


ハシブトガラス(野鳥)@高圧線
ハシブトガラス3(野鳥)@高圧線鉄塔#26
カラスsp古巣(野鳥)@高圧線鉄塔#26
カラスsp古巣(野鳥)@高圧線鉄塔#26
カラスsp古巣(野鳥)@高圧線鉄塔#26

2018/10/11

電波塔で鳴くノスリ♪(野鳥)



2018年7月下旬

田園地帯にそびえ立つ携帯電話基地局の鉄塔(電波塔)に1羽の猛禽類が止まっていました。
鉄塔の中段付近の鉄骨に止まって辺りをキョロキョロ見回しています。
ピーエ、ピーエ♪と甲高い声で断続的に鳴き続けています。
同定のために翼の下面を撮りたいのですが、一向に飛び立ってくれません。
胸の辺りの羽毛が白いので、この辺りで顔馴染みのノスリButeo japonicus)だと思います。

辺りでひっきりなしに鳴く蝉時雨(ミンミンゼミ♂など)がやかましいので、ノスリの鳴き声の声紋解析は諦めました。
この鳴き声は「囀りさえずり」なのでしょうか?
そしてノスリの場合もさえずるのは♂だけだとすれば、タイトルに「ノスリ♂」と書けるのですけど、どうなのでしょう?
つがいの♀を呼んでいるのかな?

実はつい先程まで鉄塔の天辺にカラスが止まっていたのを思い出してカメラを上にパンすると、いつの間にか居なくなっていました。
繁殖期が終わるとカラスは猛禽類に対してあまりモビング行動しなくなるのかな?

アングルを変えてノスリの後ろ姿も撮ってみました。
ズームアウトすると、鉄塔の背景に夏の青空と白い雲が美しいコントラストをなし、なかなかフォトジェニックでした。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。
風で大きく揺れる杉の木が鉄塔の手前にあるせいで、いつものように手ブレ補正処理すると副作用が酷く、鉄骨がグニャグニャになるので今回は省きました。


ノスリ?(野鳥)@携帯電話基地局鉄塔
ノスリ?(野鳥)@携帯電話基地局鉄塔♪
ノスリ?(野鳥)@携帯電話基地局鉄塔・全景

2018/09/14

コムクドリの家族群が脱糞し電線から飛び去る(野鳥)



2018年6月下旬・午後15:35〜15:39

郊外の住宅地の屋根に設置された昔懐かしい八木式アンテナにコムクドリ♀(Sturnus philippensis)が止まっていました。
少し飛んで近くの電線に止まり直し、またどこかへ飛び去りました。

私がその場でカメラを横にパンすると、巣立ち雛と思われる2羽の幼鳥abが電線に並んでいました。
見かけは♀と似ていますが、嘴の色が薄いのでおそらく幼鳥でしょう。
親鳥に巣外給餌してもらうのを待っているのかな?
案の定、少し離れた電線にもう一羽、親鳥♀が居て、幼鳥を見守っていました。

『自然散策が楽しくなる! 見わけ・聞きわけ 野鳥図鑑』でコムクドリを参照すると、

・コムクドリはくちばしと足が黒色。ムクドリは橙色で見分けがつく。
・成鳥♂の顔の茶色の斑の入り方は個体変異がある。
・成鳥♀は頭からの上面が灰褐色となる。
幼鳥のくちばしの色は成鳥より淡くなっている。(p116より引用)



幼鳥の1羽aが鳴きながら♪電線から飛び立ちました。
電線に残った幼鳥bが黒っぽい粒状の糞をポトリと排泄しました(@1:53)。
すると親鳥♀も幼鳥bを誘うように飛び去りました。
幼鳥bも慌てて後を追うように飛んで行きます。

近くの電線に止まり直していた親鳥♀が、黒っぽい粒状の糞と液状便を続けざまに排泄しました(@2:26)。
足元の電線に嘴を擦り付けてから飛び去り、そしてコムクドリの家族群は一羽も居なくなりました。

この間、親鳥♂の姿を見かけませんでした。


※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。

実は同じ日の夕方(約3時間後)にもここでコムクドリ♀と出会っています。
この辺りを縄張りとする同一個体かもしれません。
ちなみに、同じ頃に観察したコムクドリの営巣地とは全く違う場所で撮影しました。

つづく→夕方の電線で鳴きながら♪羽繕いするコムクドリ♀(野鳥)


コムクドリ♀(野鳥)@八木式アンテナ
コムクドリ幼鳥2(野鳥)@電線
コムクドリ♀(野鳥)@電線

2018/09/12

採食中に小競り合いするハシボソガラス幼鳥(野鳥)



2018年6月中旬

▼前回の記事
幼鳥の餌乞い♪を聞き流すハシボソガラスの親鳥(野鳥)

芝生と灌木が生えた緑地でハシボソガラスCorvus corone)の親子連れが地上採食していました。
2羽の幼鳥に注目します。

何か食べている幼鳥にもう一羽の幼鳥が近寄ると、食物を奪われまいと小競り合いが勃発。
このとき鳴いた嘴の中が赤いので、幼鳥と分かります。
結局餌を横取りされてしまった個体がトコトコと歩いてどんどんこちらに近寄って来ました。
手前のハコネウツギの木の下で採食している親鳥のもとへ行こうとしています。


※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。


ハシボソガラス(野鳥)幼鳥2@探餌採食+小競り合い♪

2018/09/10

幼鳥の餌乞い♪を聞き流すハシボソガラスの親鳥(野鳥)



2018年6月中旬

カラスが鳴き騒ぐ声がうるさいので私が振り返ると、歩道と駐車場に挟まれた帯状の緑地でハシボソガラスCorvus corone)の親子が居ました。

ハコネウツギ(別名ベニウツギ)の生垣の木陰で採食していた親鳥に対して幼鳥が餌をせがんでいました。(餌乞い)
親鳥に無視された幼鳥はトコトコと走り去ります。
向こうにもう一羽の親鳥がいるのかな?

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。

つづく→採食中に小競り合いするハシボソガラス幼鳥(野鳥)


ハシボソガラス(野鳥)親鳥+幼鳥@餌乞い♪無視

2018/09/09

夕方の電線で鳴きながら♪羽繕いするコムクドリ♀(野鳥)



2018年6月下旬

郊外の住宅地でコムクドリ♀(Sturnus philippensis)が電線に止まって鳴いていました。
夕方の逆光で見えにくいのですが、羽毛が毛羽立っているのは、夕方の水浴を済ませた後なのか、それとも幼鳥の換羽期なのですかね?
ジャー、チョッ♪と繰り返し鳴いています。
最後のチョッ♪は、舌打ちのような音です。
これは私に対する警戒声なのでしょうか?
巣立ち雛がが親鳥を呼んでいるのかな?
首を傾げては私を見下ろし、鳴きながら羽繕いしています。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。


実は同じ日の午後(約3時間前)にもここでコムクドリの家族群と出会っています。
この辺りを縄張りとする同一個体かもしれません。

つづく→コムクドリの家族群が脱糞し電線から飛び去る(野鳥


コムクドリ♀(野鳥)@電線♪

2018/09/06

ハンノキ樹上でトビとハシボソガラスの神経戦(野鳥)



2018年3月下旬


▼前回の記事
縄張り意識の強い早春のハシボソガラスに怒られた(野鳥)

防風林に囲まれた農地(残雪に覆われた田畑)の上空を帆翔していたトビMilvus migrans)がハンノキの大木に止まりました。
落葉した枝には実がなっています。
この辺りを縄張りとするハシボソガラスCorvus corone)が1羽、先程からハンノキの樹上に止まっていて、トビはその下の枝に陣取りました。

先客のハシボソガラスは天敵のトビを見下ろしながら嘴を足元の枝に激しく擦り付けています。
これは欲求不満の現れ(転移行動)なのでしょうか?
やがてカラスは飛び上がって少し上の枝に移動しました。(@0:45)
トビから離れるようにハンノキの梢で上へ上へと移動します。

しばらくすると、樹上のハシボソガラスがお辞儀しながら鳴き始めました。(@2:35)
下の農地で採食しているつがいのパートナーに呼びかけているのかもしれません。
しかし私が撮影している横の用水路を雪解け水が流れていて、その水音のせいで遠くのカラスの鳴き声がほとんど聞き取れません。
やがて意を決したように、ハンノキ樹上のカラスが枝を下へ下へと少しずつ飛び降り始めました。(@3:24)
ようやく勇気を出して、恐る恐るトビに心理的圧力をかけているように見えました。
カラスが尾羽根を扇のようにパッパっと開閉しているのは、緊張の現れでしょうか。

素人考えでは喧嘩の際に上に位置した方が精神的にも優位に立てるはずなのに、トビは頭上のカラスには全く構わず、辺りの農地を悠然と見回しています。
トビの尾羽根には特徴的な三角の切れ込みがあります。

なぜこのハシボソガラスはもっとしっかりモビング(擬攻撃)して天敵の猛禽類を縄張りから追い払わないのでしょうか?
未だ経験の浅い若鳥で、トビに立ち向かって行く自信や勇気が無いのかな?
繁殖期が始まったばかりの早春は、縄張り意識が希薄なのでしょうか?
意気地なしの♂は♀にもてないだろう、と余計な心配をしてしまいます。
もう少し季節が進んだ4月下旬には、カラスが鳴き騒いで近隣の仲間を呼び寄せ、樹上のトビを共同で追い払う激しいモビング行動を見ています。

▼関連記事
樹上のトビを激しく襲うカラス混群【HD動画&ハイスピード動画】(野鳥)


急に樹上のハシボソガラスが枝から飛び降りて急降下し、姿を見失ってしまいました。(@6:37)
雪解けして土が露出した畑で何か植物質の餌を見つけて食べているのはつがいの別個体だと思います。

うるさいカラスが居なくなっても、トビは相変わらずハンノキ樹上で休んでいました。
今回のモビングは中途半端で消極的な心理戦・神経戦で終わり、トビの貫禄勝ちといった印象です。
通年観察していると、トビもこの辺りを縄張りとしているようで(防風林のどこかに営巣?)、顔馴染みのカラスとの攻防戦を日々繰り返していました。
今回そもそも、ハシボソガラスが止まっているハンノキにトビがわざわざ飛来したのも、カラスに心理的な圧力を掛けて存在感を示し、追い払おうとしていたのかもしれません。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。

つづく→ハンノキ樹上から飛び立つトビ(野鳥)


トビ(野鳥)vsハシボソガラス@ハンノキ樹上+心理戦

2018/09/05

縄張り意識の強い早春のハシボソガラスに怒られた(野鳥)



2018年3月下旬

季節を戻して早春の観察記録です。
未だ残雪に覆われた広大な畑で採食していたハシボソガラスCorvus corone)のつがいのうち、一羽が飛び上がって近くの落葉樹(クルミ? クリ?)に止まりました。
(映像はここから。)



【追記】:秋に現場を再訪し、樹種はオニグルミと判明しました。

カラスはオニグルミの枝から樹冠へ飛び上がって移動しました。
止まり木で尾羽根を何度もパッパッと開閉しているのは何を意味するボディランゲージなのでしょう?(誇示行動?)
私の方を向いてお辞儀しながらガーガー♪鳴き騒ぎました。
やがて飛び立つと私の頭上を旋回します。
空中から私に糞を落としてくるのではないかと用心しながら撮り続けると、ハシボソガラスは近くに立つハンノキ高木の枝に止まり直しました。
再び飛び降りると、縄張りを旋回飛翔しながら鳴き♪、初めに居たクルミの樹冠に戻りました。
私に対するモビング(擬攻撃)行動なのかな?
そろそろ繁殖期が始まる頃ですから、縄張りを守っているのでしょう。
近くに巣を作ろうとしているのかもしれません。
カラスがもっと怒ると木の枝を折って威嚇するのですが、今回そこまではしませんでした。

▼関連記事
木の枝を折って威嚇するハシブトガラス【野鳥】

私がカメラを左にパンすると、猛禽類のトビMilvus migrans)が農耕地(田畑)の上空を帆翔していました。
羽ばたきと滑翔を交互に繰り返しています。
私に対して示威飛行するぐらいなら、なぜハシボソガラスは天敵のトビを迎撃・モビングして縄張りから追い払わないのか、不思議でなりません。
未だ経験の浅い若鳥でトビに立ち向かって行く自信や勇気が無いのかな?と想像したりしました。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。
この処理の副作用で、青空を背景にトビが帆翔するシーンの一部が勝手に暗転されてしまいました。

いつの間にかハシボソガラスはクルミの梢から農地の奥にそびえ立つハンノキ喬木まで飛んで行き、枝に止まりました。

つづく→ハンノキ樹上でトビとハシボソガラスの神経戦(野鳥)


ハシボソガラス(野鳥)@ハンノキ樹上

2018/09/04

雛に虫や木の実を給餌し糞を巣外に捨てるコムクドリ♀(野鳥)



2018年6月中旬・午後16:24〜16:35


▼前回の記事
カエデ樹洞の巣に通って雛に給餌するコムクドリ♂(野鳥)

採餌から帰ってきたコムクドリSturnus philippensis)の親鳥♀が営巣木の近くの電線に止まりました。
コムクドリの成鳥は頬の色の有無で性別が見分けられるので、観察しやすくて助かります。
嘴に咥えていた獲物はカメムシでした。
臭気を発して身を守るカメムシの作戦はコムクドリ♀に対して効き目がなかったようです。


親鳥♀がジーッ♪と繰り返し鳴き続けているのは、私に対する警戒声なのでしょう。
巣で待つ雛に「ただいま、今帰るよ」と帰巣を知らせているのかな?
獲物を咥えながらでも鳴けるようです。(もしかして、鳴いているのは近くで見張る別個体の親鳥♂?)
電線からカエデ(イロハモミジ?)老木の枝を伝い下りて樹洞に近づくと、巣内から餌乞いする雛の騒々しい鳴き声が聞こえてきます。
給餌を済ませた親鳥♀は出巣すると再びすぐ横の電線に止まりました
ジーッ♪と警戒声を発した後、ジジジ♪と鳴きながら白っぽい糞のカプセルを口から吐き出しました。(@0:58)
豆のように見えたのですが、これはおそらく雛鳥が排泄した糞を捨てたのでしょう。(排糞行動)※ペリットを吐き出した可能性は?
コムクドリ♀はすぐに次の採餌へ飛んで行きました。

次に帰巣したとき、親鳥♀は何か虫を運んできたようです。
親鳥♀がカエデの横枝を伝って樹洞に飛び込む決定的瞬間が横から撮れて、ようやく巣の位置が判明しました。
巣内で雛の餌乞い♪が賑やかに聞こえてきます。
巣がある樹洞を正面から狙って撮りたくても、親鳥の警戒心が強くて下手に近づけない上に、カエデの木が生えている私有地に勝手に入る訳にはいきません。
少し離れた公道から撮るとなると、どうしてもアングルは限定されてしまいます。

その次に帰巣した親鳥♀は、嘴に何か赤くて丸い木の実を咥えてきました。
コムクドリはソメイヨシノなど桜の赤い果実を好んで雛に与えることが知られているので(‡追記参照)、おそらくそれでしょう。
電線から電線へ飛び移り、辺りの様子を見ながら少しずつ巣に接近します。
帰巣のタイミングを伺いながら、親鳥♀は脱糞しました(@2:13)。

給餌に通う親鳥の性別によって動画やブログ記事を分けましたが、実際には交互に巣へ通って(♂→♀→♂→♀→♀)給餌していました。
巣に出入りする前後にジュー、ジュー♪と警戒声を発し続けているのは、しつこく撮影する私に対してだけでなく、近所をうろついている飼い猫も警戒しているようです。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。
コムクドリ営巣地のプライバシー保護のため周囲に一部モザイクをかけました。

つづく→



‡【追記】
山本明『コムクドリの子育てとサクラの実』によると、

・木の幹や枝にある穴を「うろ」といいます。コムクドリは、木のうろに巣をつくる鳥です
・ヒナが巣立った後の巣箱の中には、サクラの種子がたくさん残されていました。コムクドリはヒナも親もサクラのような実を食べると、外側の柔らかい部分(果肉)だけを消化して、内側の堅い部分(種子=たね)は30分以内に吐き出します。
・コムクドリは虫などもよく食べますが、雑食性の鳥であることが確認されました。
(上越鳥の会『雪国上越の鳥を見つめて』p21-24より引用)



【追記2】
藤岡正博、中村和雄『鳥害の防ぎ方』によると、毒のある果実の一例としてソメイヨシノ(バラ科)が挙げられていて驚きました。
実は6月頃に熟すが、青酸配糖体(アミグダリン)を含む。完熟すると毒が消えるのか、ムクドリなどには相当食べられている。(中略)ソメイヨシノの果実を食べて死ぬムクドリ(ほとんどが、その年生まれの若鳥)もよくあります。 (p164より引用)



【追記3】
吉川徹朗『フィールドの生物学25:揺れうごく鳥と樹々のつながり』を読むと、毒性の有無は簡単に決めつけられないと知りました。
アミグダリンという有毒物質はある種の液果に含まれている。これは哺乳類に対して有害であるが、北米のヒメレンジャクという鳥はなぜかその液果をたくさん食べる。採餌実験をおこなった研究では、ヒメレンジャクはアミグダリンを忌避せず、大量に摂取しても何も影響が見られなかったという。この事例が示すように、植物の毒素への感受性は動物の分類群によって大きく異なる可能性があり、鳥に対する影響を人間や哺乳類に対する毒性だけからは判断できない部分もある。(中略)毒に対する生き物の耐性はまだまだわからないことだらけだ  (p207-208より引用)




【追記4】 

ブルーバックス・シリーズの本『植物たちの戦争:病原体との5億年サバイバルレース』を読んでいたら、物騒なアミグダリンには植物が身を守る化学兵器という別の機能があることを知り、感動しました。

多くのバラ科植物に含まれる配糖体、アミグダリンは病原菌の侵入を受けると加水分解されて青酸を生じるポストインヒビチン(しぐま註:攻撃後に、簡単な化学変化を起こして合成される低分子の抗菌性物質)です。アミグダリンの場合、青酸が菌に毒性を示すと考えられています。(第3章「植物はどうやって病気から自らの身を守るのか」より引用)

コムクドリ♀(野鳥)@電線+餌運搬(カメムシ)
コムクドリ♀(野鳥)@カエデ樹上+餌運搬(桜の果実?)
コムクドリ♀(野鳥)@電線+出巣排糞後
近くをうろつくイエネコ


2018/09/02

カエデ樹洞の巣に通って雛に給餌するコムクドリ♂(野鳥)



2018年6月中旬・午後16:22〜16:29

街中の庭木として植栽されたカエデ(イロハモミジ?)老木のてっぺんでコムクドリ♂(Sturnus philippensis)がジーッ♪と繰り返し鳴き続けていました。
嘴に何か獲物を咥えながらて警戒声を発しているので、近くに巣があるのだろうと予想しました。
カエデ老木の幹にはツタが絡みついていて、青葉が生い茂った枝には既に赤い翼果も実っていました。
通りに面した側とは逆に樹洞があり、どうやらコムクドリはその中で営巣しているようです。

周囲の安全を確認してから少しずつ枝を下りて帰巣します。
親鳥♂が巣に近づくと樹洞の中から雛鳥が餌乞い♪する鳴き声が賑やかに聞こえてきます。
給餌後も親鳥♂がしばらく営巣木に留まって警戒声を発していました。
私に対してだけでなく、近所をうろついている飼い猫を警戒しているようです。
巣を離れた親鳥♂は近くの電線に一旦止まって一休みしてから、採餌場へと飛び去りました。

コムクドリの繁殖習性について復習すると、

主に樹洞やキツツキ類の古巣に営巣するが、人家の屋根の隙間、石垣等に営巣したり、巣箱を利用したりもする。巣の中には枯葉や落ち葉を敷く。産卵期は5-7月で、卵数は4-6個、抱卵日数は8-11日、約14日で巣立ちを迎える。(wikipediaより引用)

5年前に一度だけコムクドリの給餌シーンを観察したことがあります。

▼関連記事(撮影:2013年6月下旬@民家の軒下の壁に開いた穴で営巣)
虫を雛に給餌する♪コムクドリ♀(野鳥)

つづく→雛に虫や木の実を給餌し糞を巣外に捨てるコムクドリ♀(野鳥)

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。

巣がある樹洞を狙って撮りたくても、親鳥の警戒心が強くて下手に近づけない上にカエデの木が生えている私有地に勝手に入る訳にはいきません。
少し離れた公道から撮れるアングルは限定されてしまいます。
コムクドリ営巣地のプライバシー保護のために一部モザイクをかけました。


コムクドリ(野鳥)営巣木:カエデ樹洞・全景
コムクドリ(野鳥)営巣木:イロハモミジ
コムクドリ♂(野鳥)@電線:雛給餌後

2018/09/01

ハシボソガラスの幼鳥が電線で兄弟喧嘩?(野鳥)



2018年6月中旬

電線に並んでいた4羽のハシボソガラスCorvus corone)がふざけたようにガーガー♪と嗄れ声で鳴き騒いでいます。
横歩きで隣の個体ににじり寄り、嘴で軽くつつき合うのをきっかけに小競り合いが勃発しました。
少し飛び立って上の電線に避難。
電線を横歩きして、足元の碍子がいしをを嘴でつついて悪戯しています。
途中でビクッとしたのは、電線に直接触れてしまった嘴が感電したのかな?(@0:52)
(電線でバランスを崩しただけ?)
いつの間にか他の3羽は飛び去っていました。

好奇心旺盛な様子からなんとなく、この群れは巣立ち後の幼鳥のような気がします。
もろに逆光のために、嘴の中の色を確認できませんでした。


ハシボソガラス(野鳥)幼鳥?4@電線+喧嘩
なにやらフォトジェニック?

2018/08/30

堤防の流木で遊ぶハシボソガラス幼鳥の兄弟(野鳥)



2018年6月下旬・午後18:05

夕方に河原の堤防でハシボソガラスCorvus corone)の親鳥に幼鳥2羽がつきまとって餌を催促していました。(餌乞い♪)
ところが親鳥は知らんぷり。

給餌してもらえなかった幼鳥は仕方なく、コンクリートブロックの斜面(護岸)に転がっていた流木で遊び始めました。
1羽の幼鳥がまたごうとした流木を偶然に蹴飛ばしてしまい、斜面を転がったことが遊びのきっかけでした。(@0:43)
兄弟(姉妹)の幼鳥2羽が流木を嘴で咥え、軽く引っ張り合って遊びます。
護岸の上部に残った親鳥(成鳥)はこの遊びに参加しないで幼鳥の様子を見守っています。
幼鳥につつかれる度に流木は斜面をどんどん転がり落ちていきます。
物を嘴で啄んだりほじくったりする際は転がらないように足で押さえつける必要があることを幼鳥は学ぶ必要がありますね。
とうとう流木は砂利だらけの地面(河原)にまで到達しました。
転がらなくなった流木に飽きると、近くに落ちていた小枝を拾い上げたり、雑草をむしったりと、カラスの幼鳥は好奇心旺盛で元気いっぱいです。
カラスの遊びを見ているとヒトの幼児の遊びとほとんど変わらぬ知性(精神年齢?)を感じて、いつも微笑ましく思います。

※ 実際は日没前でもっと薄暗いのですが、動画編集時に自動色調補正を施しています。


ハシボソガラス幼鳥2(野鳥)@堤防コンクリートブロック斜面+流木遊び
ハシボソガラス幼鳥2(野鳥)@堤防コンクリートブロック斜面+流木遊び+採食

2018/08/26

ケヤキ樹上の巣で雛に給餌するハシボソガラス(野鳥)



2018年5月下旬
▼前回の記事
ケヤキ樹上の巣で親鳥を待つハシボソガラスの雛(野鳥)

街中の公園にそびえ立つケヤキ高木に作られたハシボソガラスCorvus corone)の巣には少なくとも2羽の雛が育っていました。
巣の周囲の枝にはケヤキの葉が青々と茂っています。

やがて在巣の雛が羽ばたいて餌乞いを始めました。
鳴かずに黙って餌乞いしたのが珍しいと思いました。
雛の翼の下面が未だ羽根が生え揃っていなくて、白い羽軸が見えます。
そこへ1羽の親鳥が帰巣し、餌乞いしていた1羽の雛に口移しで給餌しました。

巣の真下から見上げている私の存在に親鳥が気づいたのでしょうか。
急にガー!と大声で鳴きました。
カラスの親鳥は食餌後の雛が巣内で排泄した糞を外へ捨てに行く習性(排糞行動)があるのですが、今回は雛の脱糞を待たずに巣を離れました。

巣がある公園の向かいには某大型店のビルが建っています。
外壁の鉄骨に親鳥が止まり、左右の翼を同時に持ち上げながら私を睨みつけ、ガーガー♪鳴いて威嚇してきます。
凄い剣幕で鳴き騒ぐ口の中が黒いのは成鳥(親鳥)の証です。(カラスの幼鳥だと赤い)

鉄骨から威嚇♪した親鳥は、給餌→出巣した個体とは限りません。
もう一羽の親鳥が近くで雛を見守っていたのかもしれません。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。


シリーズ完。
この営巣地での定点観察記録はこれで終わります。
隣接するビルの上層階からハシボソガラスの巣を観察できる場所があれば良かったのですけど、残念ながら公園に面した壁に窓はありませんでした。

逆に言うと、ヒトに上から覗かれる心配が無いからこそ、親鳥はここに営巣したのでしょう。

ハシボソガラス(野鳥)雛@巣:ケヤキ樹上+餌乞い
ハシボソガラス(野鳥)@鉄骨+威嚇♪

2018/08/25

モズ♂の飛び立ちと急旋回【ハイスピード映像】(野鳥)



2018年7月上旬

電線に止まったモズ♀(Lanius bucephalus)が川を見下ろしながら尾羽根を上下に動かし、「キチキチキチ♪」と鋭く鳴いていました。

近くの川沿いの葦原でオオヨシキリAcrocephalus arundinaceus orientalis)が鳴いているので、それを聞いたモズ♂も得意の鳴き真似を披露するかと期待したのですが、やりませんでした。
モス♂は鳴く合間に足で顔を掻きました。

電線から飛び立つ瞬間を狙って、240-fpsのハイスピード動画で撮ってみました。(@1:08〜)
力強く羽ばたいて川の方へ飛び立った直後に左へ急旋回し、川とは反対側の民家の屋根を飛び越え姿が見えなくなりました。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。



モズ♂(野鳥)@電線
モズ♂(野鳥)@電線+頭掻き

2018/08/23

幼鳥にオオキンケイギクの実を巣外給餌するカワラヒワ親鳥♂(野鳥)



2018年7月上旬
▼前回の記事
カワラヒワの幼鳥を伴った親鳥♂がオオキンケイギクの実を採食し脱糞(野鳥)

私が横に少し動いただけで、カワラヒワCarduelis sinica)の親子は警戒し、少し飛んで逃げてしまいました。

幸い、家庭菜園に設置されたコンポスト容器の横に着地し、巣外給餌を始めてくれました。
これでようやくカワラヒワの親子と判明しました。
腹を空かせた地味な幼鳥(巣立ち雛)が鳴きながら羽ばたいて餌乞い♪すると、親鳥♂が食べたばかりのオオキンケイギクの種子を吐き戻し、口移しで与えています。
最後は2羽とも飛んで逃げました。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。

幼鳥が餌乞いする鳴き声を声紋解析してみたかったのですが、近くでスズメも鳴いていますし工事の騒音もうるさくて、使い物になりませんでした。




【追記】
日本野鳥の会『みる野鳥記3:カワラヒワのなかまたち』という本を紐解くと、詳しい解説が書いてありました。
巣から出たとはいえ、ヒナはまだ遠くまで飛んでいくことはありません。飛ぶ力も弱いのでしょう。それに、食物のとり方も知りません。ヒナはそろって、だいたい同じ場所にいて、親が食物を運んできてくれるのを待っています。 食物を運んできた親鳥の声を聞くと、ヒナは「チュンチュンチュン」と大きな声で鳴き、つばさをふるわせて、親から食物をもらいます。親はヒナに食物をあたえると、またすぐに飛んでいってしまいます。(中略)巣立ってまもなくのカワラヒワのヒナは、全体に褐色で、つばさはちゃんと黄色い帯が見えます。親とちがうのは、おなかの部分にたての黒いはん点があること。このはん点に気がつけば、ヒナが飛び回っているんだということがわかります。(中略)巣立ってから1週間から10日――。
 食物をもらっていたころの「チュンチュンチュン」というヒナ独特の声は、もうほとんど聞かれません。食物をねだるように、つばさをふるわせるすがたも見られなくなります。
(p46-47より引用)
これを読むと、確かに今回私が観察した幼鳥の腹には黒い縦の斑点がありました。
映像で聞こえていた「チュンチュンチュン♪」という鳴き声はてっきりスズメかと思ったのですが、カワラヒワの幼鳥が発していた餌乞いの鳴き声だったようです。
また、一緒に巣立った他の幼鳥も近くに居たはずなのに、私は気づきませんでした。


カワラヒワなど植物を食物にする鳥は、「そのう」(素嚢:しぐま註)という器官を持ち、ここにとった食物をたくわえる。(中略)だ液で食物をやわらかくする働きもあるようです。 ですから、カワラヒワのなかまたちは、そのうに食物をたくわえて、まとめて運んでくることができます。(中略) また、ヒナもそのうを持っていますので、親からもらった食物を、自分のそのうに一度たくわえて、少しずつ消化していきます。 ですから、カワラヒワやそのなかまたちは昆虫をヒナにあたえる鳥にくらべ、食物を運ぶ回数が少なくてすむのです。 (同書p43より引用)




【追記2】
佐藤信治『庭にきた鳥:いのちのドラマを家族でみる』によると、
(カワラヒワの)♀の求愛ポーズの際や幼鳥が餌をねだるときはチュンチュンと続けて鳴く。(中略)ほかの鳥と異なり、羽根の中ほどの黄色の形や濃淡と顔の造作に差異があるので、個体識別がしやすい。♀にくらべて♂は目と嘴の間が青黒い。 (p58-59より引用)


カワラヒワ(野鳥)親鳥+幼鳥@巣外給餌♪:オオキンケイギク実

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