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2018/09/05

縄張り意識の強い早春のハシボソガラスに怒られた(野鳥)



2018年3月下旬

季節を戻して早春の観察記録です。
未だ残雪に覆われた広大な畑で採食していたハシボソガラスCorvus corone)のつがいのうち、一羽が飛び上がって近くの落葉樹(クルミ? クリ?)に止まりました。
(映像はここから。)



【追記】:秋に現場を再訪し、樹種はオニグルミと判明しました。

カラスはオニグルミの枝から樹冠へ飛び上がって移動しました。
止まり木で尾羽根を何度もパッパッと開閉しているのは何を意味するボディランゲージなのでしょう?(誇示行動?)
私の方を向いてお辞儀しながらガーガー♪鳴き騒ぎました。
やがて飛び立つと私の頭上を旋回します。
空中から私に糞を落としてくるのではないかと用心しながら撮り続けると、ハシボソガラスは近くに立つハンノキ高木の枝に止まり直しました。
再び飛び降りると、縄張りを旋回飛翔しながら鳴き♪、初めに居たクルミの樹冠に戻りました。
私に対するモビング(擬攻撃)行動なのかな?
そろそろ繁殖期が始まる頃ですから、縄張りを守っているのでしょう。
近くに巣を作ろうとしているのかもしれません。
カラスがもっと怒ると木の枝を折って威嚇するのですが、今回そこまではしませんでした。

▼関連記事
木の枝を折って威嚇するハシブトガラス【野鳥】

私がカメラを左にパンすると、猛禽類のトビMilvus migrans)が農耕地(田畑)の上空を帆翔していました。
羽ばたきと滑翔を交互に繰り返しています。
私に対して示威飛行するぐらいなら、なぜハシボソガラスは天敵のトビを迎撃・モビングして縄張りから追い払わないのか、不思議でなりません。
未だ経験の浅い若鳥でトビに立ち向かって行く自信や勇気が無いのかな?と想像したりしました。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。
この処理の副作用で、青空を背景にトビが帆翔するシーンの一部が勝手に暗転されてしまいました。

いつの間にかハシボソガラスはクルミの梢から農地の奥にそびえ立つハンノキ喬木まで飛んで行き、枝に止まりました。

つづく→ハンノキ樹上でトビとハシボソガラスの神経戦(野鳥)


ハシボソガラス(野鳥)@ハンノキ樹上

2018/09/04

雛に虫や木の実を給餌し糞を巣外に捨てるコムクドリ♀(野鳥)



2018年6月中旬・午後16:24〜16:35


▼前回の記事
カエデ樹洞の巣に通って雛に給餌するコムクドリ♂(野鳥)

採餌から帰ってきたコムクドリSturnus philippensis)の親鳥♀が営巣木の近くの電線に止まりました。
コムクドリの成鳥は頬の色の有無で性別が見分けられるので、観察しやすくて助かります。
嘴に咥えていた獲物はカメムシでした。
臭気を発して身を守るカメムシの作戦はコムクドリ♀に対して効き目がなかったようです。


親鳥♀がジーッ♪と繰り返し鳴き続けているのは、私に対する警戒声なのでしょう。
巣で待つ雛に「ただいま、今帰るよ」と帰巣を知らせているのかな?
獲物を咥えながらでも鳴けるようです。(もしかして、鳴いているのは近くで見張る別個体の親鳥♂?)
電線からカエデ(イロハモミジ?)老木の枝を伝い下りて樹洞に近づくと、巣内から餌乞いする雛の騒々しい鳴き声が聞こえてきます。
給餌を済ませた親鳥♀は出巣すると再びすぐ横の電線に止まりました
ジーッ♪と警戒声を発した後、ジジジ♪と鳴きながら白っぽい糞のカプセルを口から吐き出しました。(@0:58)
豆のように見えたのですが、これはおそらく雛鳥が排泄した糞を捨てたのでしょう。(排糞行動)※ペリットを吐き出した可能性は?
コムクドリ♀はすぐに次の採餌へ飛んで行きました。

次に帰巣したとき、親鳥♀は何か虫を運んできたようです。
親鳥♀がカエデの横枝を伝って樹洞に飛び込む決定的瞬間が横から撮れて、ようやく巣の位置が判明しました。
巣内で雛の餌乞い♪が賑やかに聞こえてきます。
巣がある樹洞を正面から狙って撮りたくても、親鳥の警戒心が強くて下手に近づけない上に、カエデの木が生えている私有地に勝手に入る訳にはいきません。
少し離れた公道から撮るとなると、どうしてもアングルは限定されてしまいます。

その次に帰巣した親鳥♀は、嘴に何か赤くて丸い木の実を咥えてきました。
コムクドリはソメイヨシノなど桜の赤い果実を好んで雛に与えることが知られているので(‡追記参照)、おそらくそれでしょう。
電線から電線へ飛び移り、辺りの様子を見ながら少しずつ巣に接近します。
帰巣のタイミングを伺いながら、親鳥♀は脱糞しました(@2:13)。

給餌に通う親鳥の性別によって動画やブログ記事を分けましたが、実際には交互に巣へ通って(♂→♀→♂→♀→♀)給餌していました。
巣に出入りする前後にジュー、ジュー♪と警戒声を発し続けているのは、しつこく撮影する私に対してだけでなく、近所をうろついている飼い猫も警戒しているようです。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。
コムクドリ営巣地のプライバシー保護のため周囲に一部モザイクをかけました。

つづく→



‡【追記】
山本明『コムクドリの子育てとサクラの実』によると、

・木の幹や枝にある穴を「うろ」といいます。コムクドリは、木のうろに巣をつくる鳥です
・ヒナが巣立った後の巣箱の中には、サクラの種子がたくさん残されていました。コムクドリはヒナも親もサクラのような実を食べると、外側の柔らかい部分(果肉)だけを消化して、内側の堅い部分(種子=たね)は30分以内に吐き出します。
・コムクドリは虫などもよく食べますが、雑食性の鳥であることが確認されました。
(上越鳥の会『雪国上越の鳥を見つめて』p21-24より引用)



【追記2】
藤岡正博、中村和雄『鳥害の防ぎ方』によると、毒のある果実の一例としてソメイヨシノ(バラ科)が挙げられていて驚きました。
実は6月頃に熟すが、青酸配糖体(アミグダリン)を含む。完熟すると毒が消えるのか、ムクドリなどには相当食べられている。(中略)ソメイヨシノの果実を食べて死ぬムクドリ(ほとんどが、その年生まれの若鳥)もよくあります。 (p164より引用)



【追記3】
吉川徹朗『フィールドの生物学25:揺れうごく鳥と樹々のつながり』を読むと、毒性の有無は簡単に決めつけられないと知りました。
アミグダリンという有毒物質はある種の液果に含まれている。これは哺乳類に対して有害であるが、北米のヒメレンジャクという鳥はなぜかその液果をたくさん食べる。採餌実験をおこなった研究では、ヒメレンジャクはアミグダリンを忌避せず、大量に摂取しても何も影響が見られなかったという。この事例が示すように、植物の毒素への感受性は動物の分類群によって大きく異なる可能性があり、鳥に対する影響を人間や哺乳類に対する毒性だけからは判断できない部分もある。(中略)毒に対する生き物の耐性はまだまだわからないことだらけだ  (p207-208より引用)




【追記4】 

ブルーバックス・シリーズの本『植物たちの戦争:病原体との5億年サバイバルレース』を読んでいたら、物騒なアミグダリンには植物が身を守る化学兵器という別の機能があることを知り、感動しました。

多くのバラ科植物に含まれる配糖体、アミグダリンは病原菌の侵入を受けると加水分解されて青酸を生じるポストインヒビチン(しぐま註:攻撃後に、簡単な化学変化を起こして合成される低分子の抗菌性物質)です。アミグダリンの場合、青酸が菌に毒性を示すと考えられています。(第3章「植物はどうやって病気から自らの身を守るのか」より引用)

コムクドリ♀(野鳥)@電線+餌運搬(カメムシ)
コムクドリ♀(野鳥)@カエデ樹上+餌運搬(桜の果実?)
コムクドリ♀(野鳥)@電線+出巣排糞後
近くをうろつくイエネコ


2018/09/02

カエデ樹洞の巣に通って雛に給餌するコムクドリ♂(野鳥)



2018年6月中旬・午後16:22〜16:29

街中の庭木として植栽されたカエデ(イロハモミジ?)老木のてっぺんでコムクドリ♂(Sturnus philippensis)がジーッ♪と繰り返し鳴き続けていました。
嘴に何か獲物を咥えながらて警戒声を発しているので、近くに巣があるのだろうと予想しました。
カエデ老木の幹にはツタが絡みついていて、青葉が生い茂った枝には既に赤い翼果も実っていました。
通りに面した側とは逆に樹洞があり、どうやらコムクドリはその中で営巣しているようです。

周囲の安全を確認してから少しずつ枝を下りて帰巣します。
親鳥♂が巣に近づくと樹洞の中から雛鳥が餌乞い♪する鳴き声が賑やかに聞こえてきます。
給餌後も親鳥♂がしばらく営巣木に留まって警戒声を発していました。
私に対してだけでなく、近所をうろついている飼い猫を警戒しているようです。
巣を離れた親鳥♂は近くの電線に一旦止まって一休みしてから、採餌場へと飛び去りました。

コムクドリの繁殖習性について復習すると、

主に樹洞やキツツキ類の古巣に営巣するが、人家の屋根の隙間、石垣等に営巣したり、巣箱を利用したりもする。巣の中には枯葉や落ち葉を敷く。産卵期は5-7月で、卵数は4-6個、抱卵日数は8-11日、約14日で巣立ちを迎える。(wikipediaより引用)

5年前に一度だけコムクドリの給餌シーンを観察したことがあります。

▼関連記事(撮影:2013年6月下旬@民家の軒下の壁に開いた穴で営巣)
虫を雛に給餌する♪コムクドリ♀(野鳥)

つづく→雛に虫や木の実を給餌し糞を巣外に捨てるコムクドリ♀(野鳥)

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。

巣がある樹洞を狙って撮りたくても、親鳥の警戒心が強くて下手に近づけない上にカエデの木が生えている私有地に勝手に入る訳にはいきません。
少し離れた公道から撮れるアングルは限定されてしまいます。
コムクドリ営巣地のプライバシー保護のために一部モザイクをかけました。


コムクドリ(野鳥)営巣木:カエデ樹洞・全景
コムクドリ(野鳥)営巣木:イロハモミジ
コムクドリ♂(野鳥)@電線:雛給餌後

2018/09/01

ハシボソガラスの幼鳥が電線で兄弟喧嘩?(野鳥)



2018年6月中旬

電線に並んでいた4羽のハシボソガラスCorvus corone)がふざけたようにガーガー♪と嗄れ声で鳴き騒いでいます。
横歩きで隣の個体ににじり寄り、嘴で軽くつつき合うのをきっかけに小競り合いが勃発しました。
少し飛び立って上の電線に避難。
電線を横歩きして、足元の碍子がいしをを嘴でつついて悪戯しています。
途中でビクッとしたのは、電線に直接触れてしまった嘴が感電したのかな?(@0:52)
(電線でバランスを崩しただけ?)
いつの間にか他の3羽は飛び去っていました。

好奇心旺盛な様子からなんとなく、この群れは巣立ち後の幼鳥のような気がします。
もろに逆光のために、嘴の中の色を確認できませんでした。


ハシボソガラス(野鳥)幼鳥?4@電線+喧嘩
なにやらフォトジェニック?

2018/08/30

堤防の流木で遊ぶハシボソガラス幼鳥の兄弟(野鳥)



2018年6月下旬・午後18:05

夕方に河原の堤防でハシボソガラスCorvus corone)の親鳥に幼鳥2羽がつきまとって餌を催促していました。(餌乞い♪)
ところが親鳥は知らんぷり。

給餌してもらえなかった幼鳥は仕方なく、コンクリートブロックの斜面(護岸)に転がっていた流木で遊び始めました。
1羽の幼鳥がまたごうとした流木を偶然に蹴飛ばしてしまい、斜面を転がったことが遊びのきっかけでした。(@0:43)
兄弟(姉妹)の幼鳥2羽が流木を嘴で咥え、軽く引っ張り合って遊びます。
護岸の上部に残った親鳥(成鳥)はこの遊びに参加しないで幼鳥の様子を見守っています。
幼鳥につつかれる度に流木は斜面をどんどん転がり落ちていきます。
物を嘴で啄んだりほじくったりする際は転がらないように足で押さえつける必要があることを幼鳥は学ぶ必要がありますね。
とうとう流木は砂利だらけの地面(河原)にまで到達しました。
転がらなくなった流木に飽きると、近くに落ちていた小枝を拾い上げたり、雑草をむしったりと、カラスの幼鳥は好奇心旺盛で元気いっぱいです。
カラスの遊びを見ているとヒトの幼児の遊びとほとんど変わらぬ知性(精神年齢?)を感じて、いつも微笑ましく思います。

※ 実際は日没前でもっと薄暗いのですが、動画編集時に自動色調補正を施しています。


ハシボソガラス幼鳥2(野鳥)@堤防コンクリートブロック斜面+流木遊び
ハシボソガラス幼鳥2(野鳥)@堤防コンクリートブロック斜面+流木遊び+採食

2018/08/26

ケヤキ樹上の巣で雛に給餌するハシボソガラス(野鳥)



2018年5月下旬
▼前回の記事
ケヤキ樹上の巣で親鳥を待つハシボソガラスの雛(野鳥)

街中の公園にそびえ立つケヤキ高木に作られたハシボソガラスCorvus corone)の巣には少なくとも2羽の雛が育っていました。
巣の周囲の枝にはケヤキの葉が青々と茂っています。

やがて在巣の雛が羽ばたいて餌乞いを始めました。
鳴かずに黙って餌乞いしたのが珍しいと思いました。
雛の翼の下面が未だ羽根が生え揃っていなくて、白い羽軸が見えます。
そこへ1羽の親鳥が帰巣し、餌乞いしていた1羽の雛に口移しで給餌しました。

巣の真下から見上げている私の存在に親鳥が気づいたのでしょうか。
急にガー!と大声で鳴きました。
カラスの親鳥は食餌後の雛が巣内で排泄した糞を外へ捨てに行く習性(排糞行動)があるのですが、今回は雛の脱糞を待たずに巣を離れました。

巣がある公園の向かいには某大型店のビルが建っています。
外壁の鉄骨に親鳥が止まり、左右の翼を同時に持ち上げながら私を睨みつけ、ガーガー♪鳴いて威嚇してきます。
凄い剣幕で鳴き騒ぐ口の中が黒いのは成鳥(親鳥)の証です。(カラスの幼鳥だと赤い)

鉄骨から威嚇♪した親鳥は、給餌→出巣した個体とは限りません。
もう一羽の親鳥が近くで雛を見守っていたのかもしれません。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。


シリーズ完。
この営巣地での定点観察記録はこれで終わります。
隣接するビルの上層階からハシボソガラスの巣を観察できる場所があれば良かったのですけど、残念ながら公園に面した壁に窓はありませんでした。

逆に言うと、ヒトに上から覗かれる心配が無いからこそ、親鳥はここに営巣したのでしょう。

ハシボソガラス(野鳥)雛@巣:ケヤキ樹上+餌乞い
ハシボソガラス(野鳥)@鉄骨+威嚇♪

2018/08/25

モズ♂の飛び立ちと急旋回【ハイスピード映像】(野鳥)



2018年7月上旬

電線に止まったモズ♀(Lanius bucephalus)が川を見下ろしながら尾羽根を上下に動かし、「キチキチキチ♪」と鋭く鳴いていました。

近くの川沿いの葦原でオオヨシキリAcrocephalus arundinaceus orientalis)が鳴いているので、それを聞いたモズ♂も得意の鳴き真似を披露するかと期待したのですが、やりませんでした。
モス♂は鳴く合間に足で顔を掻きました。

電線から飛び立つ瞬間を狙って、240-fpsのハイスピード動画で撮ってみました。(@1:08〜)
力強く羽ばたいて川の方へ飛び立った直後に左へ急旋回し、川とは反対側の民家の屋根を飛び越え姿が見えなくなりました。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。



モズ♂(野鳥)@電線
モズ♂(野鳥)@電線+頭掻き

2018/08/23

幼鳥にオオキンケイギクの実を巣外給餌するカワラヒワ親鳥♂(野鳥)



2018年7月上旬
▼前回の記事
カワラヒワの幼鳥を伴った親鳥♂がオオキンケイギクの実を採食し脱糞(野鳥)

私が横に少し動いただけで、カワラヒワCarduelis sinica)の親子は警戒し、少し飛んで逃げてしまいました。

幸い、家庭菜園に設置されたコンポスト容器の横に着地し、巣外給餌を始めてくれました。
これでようやくカワラヒワの親子と判明しました。
腹を空かせた地味な幼鳥(巣立ち雛)が鳴きながら羽ばたいて餌乞い♪すると、親鳥♂が食べたばかりのオオキンケイギクの種子を吐き戻し、口移しで与えています。
最後は2羽とも飛んで逃げました。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。

幼鳥が餌乞いする鳴き声を声紋解析してみたかったのですが、近くでスズメも鳴いていますし工事の騒音もうるさくて、使い物になりませんでした。




【追記】
日本野鳥の会『みる野鳥記3:カワラヒワのなかまたち』という本を紐解くと、詳しい解説が書いてありました。
巣から出たとはいえ、ヒナはまだ遠くまで飛んでいくことはありません。飛ぶ力も弱いのでしょう。それに、食物のとり方も知りません。ヒナはそろって、だいたい同じ場所にいて、親が食物を運んできてくれるのを待っています。 食物を運んできた親鳥の声を聞くと、ヒナは「チュンチュンチュン」と大きな声で鳴き、つばさをふるわせて、親から食物をもらいます。親はヒナに食物をあたえると、またすぐに飛んでいってしまいます。(中略)巣立ってまもなくのカワラヒワのヒナは、全体に褐色で、つばさはちゃんと黄色い帯が見えます。親とちがうのは、おなかの部分にたての黒いはん点があること。このはん点に気がつけば、ヒナが飛び回っているんだということがわかります。(中略)巣立ってから1週間から10日――。
 食物をもらっていたころの「チュンチュンチュン」というヒナ独特の声は、もうほとんど聞かれません。食物をねだるように、つばさをふるわせるすがたも見られなくなります。
(p46-47より引用)
これを読むと、確かに今回私が観察した幼鳥の腹には黒い縦の斑点がありました。
映像で聞こえていた「チュンチュンチュン♪」という鳴き声はてっきりスズメかと思ったのですが、カワラヒワの幼鳥が発していた餌乞いの鳴き声だったようです。
また、一緒に巣立った他の幼鳥も近くに居たはずなのに、私は気づきませんでした。


カワラヒワなど植物を食物にする鳥は、「そのう」(素嚢:しぐま註)という器官を持ち、ここにとった食物をたくわえる。(中略)だ液で食物をやわらかくする働きもあるようです。 ですから、カワラヒワのなかまたちは、そのうに食物をたくわえて、まとめて運んでくることができます。(中略) また、ヒナもそのうを持っていますので、親からもらった食物を、自分のそのうに一度たくわえて、少しずつ消化していきます。 ですから、カワラヒワやそのなかまたちは昆虫をヒナにあたえる鳥にくらべ、食物を運ぶ回数が少なくてすむのです。 (同書p43より引用)




【追記2】
佐藤信治『庭にきた鳥:いのちのドラマを家族でみる』によると、
(カワラヒワの)♀の求愛ポーズの際や幼鳥が餌をねだるときはチュンチュンと続けて鳴く。(中略)ほかの鳥と異なり、羽根の中ほどの黄色の形や濃淡と顔の造作に差異があるので、個体識別がしやすい。♀にくらべて♂は目と嘴の間が青黒い。 (p58-59より引用)


カワラヒワ(野鳥)親鳥+幼鳥@巣外給餌♪:オオキンケイギク実

2018/08/19

ハシボソガラスの親鳥が路上で採食するも幼鳥に巣外給餌せず飛び去る(野鳥)



2018年5月下旬


▼前回の記事
ハシボソガラスの親鳥♀♂が協力してノスリ?を縄張りから追い払う(野鳥)

ハシボソガラスCorvus corone)の巣立ち雛が単独で隠れているニセアカシア(別名ハリエンジュ)河畔林に向かって私が戻る途中に親鳥の1羽と遭遇しました。
堤内地の電線に止まって川の方を眺めていました。
近くから私に撮られていることを嫌ったのか、飛んで少し離れた電線に止まり直しました。
堤防を挟んでニセアカシアの河畔林が満開の花を咲かせていて、その枝に1羽の巣立ち雛が隠れているのです。

親鳥が電線でお辞儀をしながらガーガー♪と嗄れ声で鳴きました♪(@0:32〜)。
これはハシボソガラスの鳴き方の特徴です。
何事か?(どんな意図で鳴いたのだろう)と思い辺りの様子を伺うと、堤防上の歩道を2人連れのヒトが上流方向へ散歩していました。
近くに居る幼鳥に対して親鳥が警戒声♪を発したのだろうと分かりました。
これがもしハシブトガラスなら、幼鳥を守ろうとして親鳥が通行人に激しく襲いかかることがよくあるのだそうです。
それに比べるとハシボソガラスは気性が穏健で、特にこのつがいははある程度ヒトに馴れているようです。
(そうでなければ、歩道に程近い堤外地のニセアカシア樹上に営巣しないでしょう。)

いつの間にか親鳥は電線から路上に降り立ち、歩きながら道端(ハルジオンの花が咲き乱れる土手)の草むらで採食を始めました。
遠くて採食メニューはよく見えませんでしたが、細長いのでもしかするとミミズの死骸かな?(@0:47)
親鳥は舗装路をトコトコと歩き去ります。
対向車が来ると小走りで路肩にどいてから飛び立ち、堤防上の歩道のガードレールに着陸。
すぐに嘴を足元のガードレールで拭いました。
親鳥の喉袋が膨らんでいるので、先程採食した餌をこれから幼鳥に巣外給餌するのでしょう。
今にもガードレールから左に飛んで巣立ち雛が待つニセアカシアの木に飛び込むぞ…と予測しながら撮っていたのに、親鳥は逆に(右に)飛び去りました。
先に巣立った幼鳥が他にも3羽居るはずなので、木が茂った右手の公園内に潜んでいるのかもしれません。(未確認)
それとも親鳥は私の存在を警戒して、巣外給餌を絶対に見られたくなくて(幼鳥の隠れ場所を天敵に知られたくない)フェイントをかけたのかな?

あるいは、縄張り内でもう少し採食を続けて餌を喉袋に溜め込み、後にまとめて幼鳥へ巣外給餌するつもりなのでしょうか。
この様子を巣立ち雛も近くのニセアカシア樹上から見ていたはずですが、餌乞いの鳴き声を発して親鳥を呼び寄せることはありませんでした。(少なくとも私には聞こえませんでした)

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。

つづく→夕暮れにニセアカシアの樹上を跳んで移動するハシボソガラス巣立ち雛(野鳥)


ハシボソガラス(野鳥)親鳥@路上採食

2018/08/11

観察者を警戒したハシボソガラス親鳥から巣外給餌のお預けを食う巣立ち雛(野鳥)



2018年5月下旬
▼前回の記事
ハシボソガラスの巣立ち雛(幼鳥)がニセアカシアの枝で羽繕い、羽ばたき練習、脱糞(野鳥)

満開の花が咲いたニセアカシアの枝に止まってのんびりしていたハシボソガラスCorvus corone)の巣立ち雛が急に川の方を向いて餌乞い行動を始めました。
肩をすくめるように左右の翼を同時に持ち上げ、甘えるようにガーガー♪鳴いたので、餌乞いと分かります。
親鳥が近くに来ているはずだと思った私は、動画を撮りながら横に歩いて探しました。
左にパンすると案の定、河畔林のすぐ横を走る電線に一羽の親鳥が来ていました。
親鳥は幼鳥の横に行って巣外給餌したいはずなのに、私を警戒しているようで近づきません。
空腹で待っている幼鳥は、欲求不満で足元の枝を嘴で啄んだり足で体を掻いたりしています。
巣外給餌に来た親鳥を迎えに行くために幼鳥が飛ぶことはありませんでした。(未だ上手く飛べない?)

これがもしハシブトガラスなら、親鳥は怒り狂って巣立ち雛に近づく通行人や撮影者を追い払おうと襲い掛かってくるはずです。
それに対してハシボソガラスは気性がだいぶ穏健なようで(ヒトを恐れている?)、今回の親鳥の抗議行動も横目で私の方を見ながら電線からガーガー♪鳴くだけでした。(警戒声?)
私は「すまん、すまん」と親鳥に謝り、営巣地と巣立ち雛から距離を取ることにしました。
立ち去る途中で振り返ると、電線で待機している親鳥は喉袋が膨らんでおり、巣立ち雛に与える餌を運んでいるようです。
苛立たしそうに「早く出ていけ! 出てけ!」と鳴いています。
喉袋に餌を入れていても、鳴くのに支障がないことが分かりました。

しばらくすると、もう一羽の親鳥がどこからともなく飛来し、川の上を横断する電線に止まりました。
先程の親鳥も同じケーブルで互いに離れて止まっています。
配偶者を呼び寄せる鳴き声だったのかな?
私が巣立ち雛から更に離れたら、親鳥はもう鳴かなくなりました。
親鳥♀♂つがいの背後は、ニセアカシアの河畔林が白い花を満開に咲かせています。

離れると巣立ち雛が隠れている枝をちょっと見失ってしまいました。(映像の最後にはちらっと写っています)

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。

つづく→ニセアカシア樹上のハシボソガラス幼鳥に巣外給餌しに通う親鳥(野鳥)


ハシボソガラス(野鳥)巣立ち雛@ニセアカシア樹上
ハシボソガラス(野鳥)親鳥@電線♪+警戒:巣外給餌断念
ハシボソガラス(野鳥)親鳥@電線♪+警戒:巣外給餌断念

2018/08/05

流木で独り遊びするハシボソガラス(野鳥)



2018年6月下旬

河原の水辺で一羽のハシボソガラスCorvus corone)が岩と岩の間で何かを嘴でつついていました。
お辞儀をしながら嬉しそうに鳴き声♪を上げました。
見つけた流木の枝を岩に拾い上げ、足で押さえつけると啄んで遊んでいます。
つついたはずみで岩から滑って枯れ枝を落としていまいました。
照れ隠しで(悔し紛れ?)またしゃがれ声で鳴きました♪。
再び流木を拾い上げ嘴でつつきます。
流木の中に何か獲物となる虫が潜んでいるのですかね?
よく鳴くので、てっきり空腹の巣立ち雛が暇つぶししながら親鳥を呼んでいるのかと初めは思いました。
ところが、開いた嘴の中が黒いので成鳥と判明。
流木を嘴に咥えたまま、隣の岩へピョンと跳び移りました。
岩の隙間から別の小枝を拾い上げたものの、すぐに捨てました(@1:42)。
やがて流木で独り遊びするのに飽きてしまったのか、ハシボソガラスは餌を探して岩から岩へ跳んで歩き始めました。
立ち止まっては頻りに鳴いています。
群れの仲間を呼び寄せたいのでしょうか?

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。


ハシボソガラス(野鳥)@川岸:岩♪

2018/08/01

しゃっくりが止まらないハシボソガラス(野鳥)



2018年6月下旬

夕方に川原の岸でハシボソガラスCorvus corone)が単独で餌を探し歩いています。
何やらずっとえづいています。
私の背後を走る車道の騒音や風切り音がうるさいのですが、耳をよく澄ますと、この個体は小声でしゃっくりのような変な鳴き声を繰り返しています。
カラスもしゃっくりが止まらなくて苦しむことがあるのか、と親近感が湧きました。
それとも何か変な物を食べて吐き気がするとか、逆流性食道炎で胸焼けがするのですかね?

残念ながら環境のノイズが多過ぎて、声紋解析には使えそうにありません。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。


2018/07/19

田起こし後の畦道で縄張り宣言の母衣打ち♪を繰り返すキジ♂(野鳥)



2018年5月中旬

広い田んぼのどこか遠くでキジ♂(Phasianus versicolor)がケンケーン♪と鳴く声が聞こえました。
望遠レンズで鳴き声の主を探すと、田起こしの済んだ田んぼの畦道に一羽のキジ♂aが立っている姿を見つけました。
(後に別個体bが登場するので、便宜的にaと呼ぶことにします。)

こういうときは動画を長撮りしながら辛抱強く待つと、数分間隔で鳴いてくれます。
2回続けて映像で記録することが出来ました。
ケンケーン♪という勇ましい絶叫は♂による縄張り宣言の鳴き声囀りさえずりで、鳴いた直後に力強く翼を羽ばたいてドドドド♪とドラミングします。
この一連の行動は母衣ほろ打ちと呼ばれます。
母衣打ちの合間にキジ♂αはキョロキョロと辺りを見回しました。
隣り合う縄張りの♂同士が交互に鳴き交わしているようです。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。


つづく→キジ♂が畦道で羽繕いし、耕された田んぼを歩いて採食(野鳥)



2018/07/15

河川敷の草地を歩き回り採食するヒバリ♂(野鳥)♪



2018年5月上旬

私が河原の堤防を歩くと、ヒバリ♂(雲雀;Alauda arvensis japonica)が空高く飛びながらさえずる鳴き声が聞こえました。
しかし飛んでいる姿は見つけられず、河川敷の草地に舞い降りたところから撮影開始。
草地でじっと静止していると保護色で全く目立ちません。
近くに巣があるのではないかと期待したのですが、警戒心が強いようです。(※追記参照)
キョロキョロと辺りを見回しています。
ようやく歩き回りながら採食を始めてくれました。

水野仲彦『野鳥のくらし―卵から巣立ちまで』によれば、

ヒバリは草の種子も食べるが草原の中の昆虫も捕食する。(p25より引用)



ときどき甲高くピィピィ♪と鳴いています。
結構遠いのですが、鳴き声と嘴の動きが一致したので(リップシンクロ)、この個体の鳴き声で間違いありません。
これがヒバリの地鳴きなのかな?
バードリサーチ鳴き声図鑑」サイトで調べた「ヒバリの地鳴き」とは違うので、気になります。


オスは頭部の冠羽をよく立てるが、メスはオスほどは立てない[11]。(wikipediaより)
とのことですが、この個体は冠羽を立てませんでした。



※【追記】
小林朋道『先生、大型野獣がキャンパスに侵入しました!: 鳥取環境大学の森の人間動物行動学』によれば、
(ヒバリの)親鳥が帰ってきた。まずは巣から数メートル離れた場所に降り立った。これはヒバリの習性である。それから、巣のほうは見ないで、ジグザグに巣に近づいていった。これも、巣の場所を知らせないためのヒバリの習性である。 (p45より引用)
「ヒバリは環境への順応性が高く、多少のことでは巣を放棄したりしない」「ヒバリは人間からの干渉にかなり耐性のある動物」とも書いてあったので(p19、21)、早く私もヒバリの巣を見つけられるようになって営巣・育雛行動を観察してみたいものです。


ヒバリ♂(野鳥)@河川敷:草地



2018/07/13

川岸で採食するイソシギの鳴き声を声紋解析してみる(野鳥)



2018年5月上旬

夕方の川で他の野鳥を観察していると、ずっと高音の奇妙な鳴き声を発しながら川岸で活動する小さな鳥が気になりました。
てっきりカワセミがいるのかと思いきや、気になる鳥の正体はイソシギActitis hypoleucos)でした。
川岸の砂地を鳴きながら歩き回り、採食しています。
歩行中の尾羽の振り方に注目しました。
藤田祐樹『ハトはなぜ首を振って歩くのか(岩波科学ライブラリー)』によると、

・イソシギという鳥は、セキレイと同じように、頻繁に尾を振っている。もっとも、イソシギはよくよく見ると尾を尻ごと振っている。尻を上下させるから、その先にある尾も上下に動くようだ。他にもいくつかのシギの仲間が、尾または尻を振っている。
・先述のとおりイソシギは、尾を振るのではなく、尻を振っている。もっと正確に言うと、体幹を傾斜させて尾を上下させている。(p110より引用)


イソシギはときどき地面をついばみながら、ピュピュピュピィ、ピュピュピュピィ♪と高音で繰り返して鳴いています。
嘴の動きと鳴き声が一致しているので(リップシンクロ)、この個体の鳴き声で間違いありません。
イソシギの鳴き声を初めて聞くのですけど、これは私に対する警戒声なのでしょうか?
カワセミよりも鳴くテンポがずっと速いですね。



【追記】
『日本の野鳥:さえずり・地鳴き図鑑』でイソシギの鳴き声を調べると、
秋冬期にはチーとかツィーと鳴く。ヒナがいるとピーイ、ピーイと繰り返し鳴く。 (p138より引用)



イソシギの鳴き声を声紋解析してみる

オリジナルの動画ファイルから音声をWAVファイルに抽出します。
次にピピピピ、ピピピピ♪と繰り返し鳴いている部分を適当に切り出してからスペクトログラムを描いてみました。
川のせせらぎがノイズに入っているかと思ったら、意外にきれいな声紋が得られました。



最後は下流へ飛び立ちました。
私がもっと早く気づいていれば、じっくり撮れたのに…。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。

▼関連記事
イソシギを見つけた!:羽繕いからの飛び立ち(野鳥)


イソシギ(野鳥)@川岸+採食
イソシギ(野鳥)@川岸+採食


2018/07/08

樹上のトビを激しく襲うカラス混群【HD動画&ハイスピード動画】(野鳥)



2018年4月下旬

川沿いでトビMilvus migrans)が飛来してアカマツの樹冠の横枝に止まりました。
背後は杉の木で守られていますが、怯えたように辺りをキョロキョロ見回しています。
その周囲を数羽のカラスが飛び回り、樹上のトビを繰り返し襲い始めました。
近くの河畔林にカラスの営巣木がありますから、天敵の猛禽類を縄張りから追い払おうと激しいモビング(擬攻撃)を加えているのでしょう。
防戦一方のトビはピーヒョロロ♪と甲高い悲鳴を上げています。(威嚇の鳴き声?)
空からカラスが高速で向かってくると、頭を下げてお辞儀のような迎撃体勢になります。
ぶつかりそうになる寸前でトビが翼を広げて威嚇しました。
このとき翼裏面の白斑が見えたので、襲われている猛禽類の正体がトビと判明しました。
カラスもトビに対して神風特攻隊のように嘴でぶつかって行く意図は無く、あくまでも脅しのための擬攻撃で、トビの頭上すれすれを飛び交います。

モビングするカラスの動きが速過ぎて、なかなか外見から種類を見分けられません。
騒ぎの間、カーカー♪澄んだ声で鳴いていたので、ハシボソガラスではなくハシブトガラスCorvus macrorhynchos)のようです。
仲間を呼び寄せる声なのか、トビに対する威嚇の鳴き声なのでしょう。
3羽のカラスが代わる代わるモビングしていました。
つがいとヘルパーなのか、あるいは隣の縄張りのカラスが加勢しに来たのかもしれません。

途中から240-fpsのハイスピード動画に切り替えてカラスのモビング行動を記録してみました。(@1:50〜3:21)
カラスはとにかく天敵の猛禽類を飛び立たせて縄張りから追い出したいようです。
トビの頭上をかすめるように飛んだり、トビが止まっている横枝のすぐ下を高速でくぐって飛ぶこともあり、なかなかスリリングです。
トビが翼を広げて威嚇した拍子に白い羽毛が1枚抜け落ちて飛び散りました。

スローモーションでじっくり見てもなかなかカラスの種類を同定できません。
しかし一羽が樹間の空を背景に飛んだ瞬間に横向きの頭部のシルエットが一瞬見え、ようやくハシボソガラスと分かりました。
ということは、ハシブトガラスだけでなくハシボソガラスも共同戦線を張って共通の天敵に対してモビングしているようです。

今思うと、直接トビに飛びかかっている個体と遠巻きで鳴き騒いでいるだけ(野次馬)の個体とを区別して見分けるべきでしたね。(動画撮影に集中していると、なかなかそこまで気が回りません)

後半はHD動画に戻しました。
カラスの中には空中戦に加勢せずにすぐ左のアカマツの枝に止まって鳴き騒ぎ、トビに圧力をかける個体も居ます。(松葉の茂みに隠れて映像ではよく見えません)

頭上スレスレのモビングをかわす際にトビが堪りかねたようにフワリと飛び上がり、右の枝先へ移動しました。(@3:35)
枝先は細いので、ますますトビの足場が不安定になります。(トビが動く度に枝が激しくしなります)
再びトビがフワリと飛び上がり、横枝の中間部へ戻りました。(@4:05)
ここなら足場が比較的安定しています。

一層激しくなったカラスの波状攻撃に耐え切れず、遂にトビがアカマツ樹上から飛び立ちました。(@4:28)
空中でもカラスが容赦なく襲いかかります。
急激な方向転換など飛翔時の敏捷性はトビよりもカラスが上手です。
トビはピーヒョロロ♪と甲高く鳴きながら羽ばたきと旋回(滑翔)を繰り返し、必死で逃げ惑います。
追い回すカラスがガーガー♪と濁った声で鳴いていたので、やはりカラスの連合軍にはハシボソガラスが混じっているようです。
最後に右手(川の上流)へ飛び去るつがいのシルエットもハシボソガラスでした。
一方、アカマツの樹上には2羽のハシブトガラスが残っていました。
このつがいは左手(下流へ)へと澄んだ声で鳴きながら飛び去りました。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。

7日前に対岸から撮影したモビングも丁度この辺りで行われたことに気づきました。
トビとカラスは人知れず連日のように神経戦を繰り返しているのでしょう。

▼前回の記事
河畔林でトビを追い回すカラスのつがい(野鳥)



【追記】
中村眞樹子『なんでそうなの 札幌のカラス』という本を読むと、2種類のカラスの関係性について興味深い記述がありました。

ボソとブトの両種は鳴き声が違うだけでなく、お互いの言葉が通じていないという説もあります。ただ、悲鳴の声(Distress Call)などは種を超えて理解しあっているようにも思います。 (p48より引用) 
大人のボソとブトが仲良くすることはない。 p66より引用)


トビ(野鳥)@アカマツ樹上

トビ(野鳥)@アカマツ樹上vsカラスsp@モビング
トビ(野鳥)@アカマツ樹上vsカラスsp@モビング

ハシブトガラス2(野鳥)@アカマツ樹上+モビング後

2018/07/07

クルミの樹上でさえずる♪ヒヨドリ(野鳥)



2018年4月下旬

河畔林で葉が芽吹き始めたオニグルミの枝に一羽のヒヨドリHypsipetes amaurotis)が止まって頻りに鳴いていました。
初めは後ろ姿だったヒヨドリが、途中からこちらを向いてくれたおかげで、鳴き声と嘴の動きが一致していることを確認できました(リップシンクロ)。
聞き慣れない独特の節回しは囀りさえずりですかね?
(私は聞きなしをするセンスが無いので、この鳴き方を文字で上手く書き起こせません。)
縄張り宣言で♀を呼んでいるのでしょうか。
後半(@1:26〜)はいつものようにヒーヨ、ヒーヨ♪と甲高い警戒声を発しました。
結構長い時間に渡って、囀り、地鳴き、警戒声など多彩な鳴き声を披露してくれました。
前半の鳴き方が囀りだとすれば、この個体は♂なのかな?(外見では見分けられません。)


声紋解析してみたいのですが、川の流れる音や風切り音などピンクノイズがありそうです。



【追記】
高木清和『フィールドのための野鳥図鑑:野山の鳥』を参照すると、ヒヨドリの囀りさえずりは以下のように聞きなしされています(推定)。
ピイーヨ、ヒッピィ、ピョピョピョ、ピョーピィ、ピィピィピィピィヒィーョヒョ(よく通る声で、連続して)(p60より引用)

今回の映像で記録された鳴き方がこの聞きなしに当てはまるとは思えず、どうもしっくりきません。
生息地域の違いによる方言や個体差があるのでしょうか?
一方、地鳴きの聞きなしは次のように記述されていました。
ヒイーヨ/ヒイーョ、ヒョヒョ/ピィヨ、ピィヨ、ピョピョ/ピィーピロロロ(高い声でゆっくりと)/ピィーョ、ピィピィョ(かすれた声で)  


2018/07/01

河畔林でトビを追い回すカラスのつがい(野鳥)



2018年4月中旬

河畔林でトビMilvus migrans)が2羽のカラスと激しい空中戦を繰り広げていました。
翼の下面に白斑を確認したので、この猛禽類はトビで間違いありません。
トビは必死で逃げ回りながらピーヒョロロ♪と悲鳴を上げている声が対岸までかすかに聞こえました。

つがいのカラスが凄い剣幕で天敵を追い回しているので(モビング、擬攻撃)、おそらく近くにカラスの巣があるのでしょう。
ハシブトガラスなのかハシボソガラスなのか、遠くてカラスの種類は見分けられませんでした。

川の対岸から望遠レンズで撮影しました。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。

▼関連記事(1週間後にも激しくやり合っていました)
樹上のトビを激しく襲うカラス混群【HD動画&ハイスピード動画】(野鳥)


トビ(野鳥)vsカラスsp2(野鳥)@河畔林上空+モビング
トビ(野鳥)vsカラスsp2(野鳥)@河畔林上空+モビング

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