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2018/03/23

ミソハギの葉を舐めるシロオビノメイガ(蛾)



2017年9月上旬


▼前回の記事
ミソハギの花蜜を吸うシロオビノメイガ(蛾)

山麓の小湿地帯(休耕田)に咲いたミソハギの群落でシロオビノメイガSpoladea recurvalis)が訪花していました。
花蜜を吸う合間に葉の表面を口吻で舐めていたのが、とても興味深く思いました。
蛾が口直しに葉の水滴を吸水したのかもしれません。
それにしても、その葉がどうして濡れていたのか謎です。
撮影時刻は晴れた午後(15:52)なので、朝露の最後の残りなのかな? (他の葉には残っていない)

ミソハギに花外蜜腺があるという話は聞いたことがありません
アブラムシの排泄した甘露でもなさそうです。(アブラムシのコロニーが見当たらない)

葉を舐め終わるとシロオビノメイガは飛んで隣の株に移動し、吸蜜を再開しました。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。



2018/02/22

恋矢を自ら引き抜くヒダリマキマイマイ



2016年10月上旬

夜、いつものように飼育容器内に霧吹きしていると、一匹のヒダリマキマイマイEuhadra quaesita)が恋矢れんしを排出していることに気づきました。
最近もう一匹と交尾したはずですが、私は見逃したようです。

恋矢(交尾矢love dart)はカルシウムを含み,交尾前に恋矢嚢が裏返しとなることによって射出され,相手の個体の皮膚に機械的刺激を与え,交尾が終ると捨てられる.刀身状のものが多いが,紡錘形・剣菱形・三角形・山形・円形など種類によってさまざまで,分類上の重要な標徴となる. (『岩波生物学辞典第4版』より引用)


透明なプラスチック容器越しに腹面から接写すると、水滴で濡れた壁面を舐める歯舌の動きよく分かります。
体の左側面から白く長い恋矢が伸びています。
魚の小骨のように湾曲し、一端は鋭く尖っています。
交尾の際にパートナーから刺された恋矢を傷口から排出しているのでしょう。
体内にしばらく残された恋矢は痛むのでしょうか?
やがて水滴を舐めるついでに、体を左によじって恋矢にキスを始め、体に刺さっていた恋矢を口で引き抜きました。
しばらく抜けた恋矢の根元を舐めています。
もしかすると、自分の体液(血液?)やパートナー由来の粘液が恋矢に付着していて、それを栄養源として摂取しているのかな?と想像しました。

後半は微速度撮影に切り替えて記録したので、10倍速の早回し映像でご覧ください(@4:01〜)。
蛇行しながら飼育容器の壁面を登って行きます。
波打つ腹足の蠕動がよく分かります。
ヒダリマキマイマイが這った後は、透明な粘液で泡立っています。



恋矢の排出シーンを観察したのはこれが初めてです。
今回の恋矢について改めて考えると、おかしなことに気づきました。
もし体内に刺さった恋矢を引き抜いたのなら、尖った先が内側(傷口)を向いているはずです。
しかし映像を見直すと、恋矢の尖った先が外側を向いています。
これは何を意味しているのでしょう?
交尾に使われなかった自分の恋矢を体内から排出(排泄)したのでしょうか?

そんな必要性があるのか疑問です。
次回の交尾に使えば良いのでは?
あるいは、交尾で相手を刺したのに恋矢が折れなくて、排出に手間取ったのかもしれません。(恋矢は交尾の度に使い捨て?)
交尾相手から刺された恋矢が体を完全に貫いて折れ、そのまま排出したのですかね?
それとも、捨てられた古い恋矢が容器の壁面に付着していて、徘徊中の個体がそれをゆっくり乗り越えるシーンをたまたま見ただけかな?
どのシナリオが正しいのか知るためには、交尾直後から連続録画でひたすら愚直に監視するしかなさそうです。


飼育容器内に脱落した恋矢を見つける度に記念として採集してきたのですが、なぜか今回の恋矢はどこに紛れてしまったのか、採集した記憶がありません…。


▼関連記事 (背側からの観察例)
交尾後に恋矢を排出するヒダリマキマイマイ

2018/01/08

サトイモの葉で水滴を飲むコガタスズメバチ♀



2017年8月下旬

雨上がりのサトイモ(里芋)畑で、コガタスズメバチVespa analis insularis)のワーカー♀が葉に付着した雨の雫を飲みに来ていました。
サトイモの葉は撥水性が高く、雨が降っても濡れずに表面張力で水玉になるのです。

▼関連記事
撥水性の高いサトイモの葉でロータス効果の実演

もっと大きな水滴が溜まっている葉が隣りにあるのに、微小な水滴を舐めています。(見つけられないのか?)
水を飲んで満足すると、蜂は飛び立ちました。
飛びながら獲物を探索する行動(探餌飛翔)に移ったようです。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。



2018/01/04

路上で吸水するナミアゲハ



2017年8月上旬

街中の車道が雨上がりで水溜りが少しできています。
(暑いので誰かが散水したのかもしれません)
そこを一頭のナミアゲハPapilio xuthus)が蝶道のように何度も往復して飛んでいました。
私が路傍でじっとして待つと、ナミアゲハは案の定、濡れた路面に降り立ち口吻を伸ばすと羽ばたきながら吸水を始めました。
あいにく、車が通りかかって逃げてしまいました。


※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。


▼関連記事
ナミアゲハ♂の吸水と排尿
ナミアゲハ♂の飛翔と吸水【HD動画&ハイスピード動画】



2017/12/03

スイレン池の水を飲むモンスズメバチ♀



2017年8月上旬・午後15:43

池の水面を覆うスイレンの葉の乾いた中央部にモンスズメバチVespa crabro)のワーカー♀が乗って、水を飲んでいました。
飲み終えると、すぐにどこかへ飛び去りました。



ちなみに、池のスイレンは白い花が咲きかけの蕾ばかりでした。
ヒツジグサ(未の刻=午後2時頃に開花)なのですかね?
睡蓮には開花時刻の異なる多様な品種があるそうです。
来季は開花するスイレンの微速度撮影にチャレンジしてみたいものです。



2017/11/23

ナミアゲハ♂の吸水と排尿



2017年7月下旬


▼前回の記事
ナミアゲハ♂の飛翔と吸水【HD動画&ハイスピード動画】

雨上がりの午後、砂利を敷き詰めた駐車場を飛び回り忙しなく水溜りの味見をして回っていたナミアゲハ♂(Papilio xuthus)がようやく一箇所で落ち着いてくれました。
半開きの翅を小刻みに羽ばたかせながら泥水を飲んでいます。
途中から望遠レンズを装着してズームしてみると(@2:23〜)、湿った砂利の地面から吸水しつつ、腹端から透明のおしっこをポタポタと排泄していました。
蝶の♂がよくやるこの行動はポンピングと呼ばれ、ナトリウムイオンなど必要なミネラル成分を摂取するために、不要な水分を排泄しているのだそうです。
大量の水を飲んで体温を冷やしていると思われるかもしれませんが、雨上がりで気温はそんなに高かった記憶はありません。(客観的な気温データは測っていません)
後半は翅の羽ばたきを止めて一心不乱に吸水・排尿しています。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。


【参考】
蛭川憲男『水場に集まる生きものたち―里山から高原、山地の自然』


【追記】
渡辺守『チョウの生態「学」始末』という専門書を読んで、目から鱗が落ちるようにとても勉強になりました。
 ♂が交尾時に注入する(精包以外の:しぐま註)物質の生産にナトリウムイオンを利用することも、近年明らかにされてきた。すなわち、夏季にしばしば観察されるチョウの♂の吸水行動は、交尾時における注入物質の生産量を増加させていたのである。

集団となって給水行動を示す(中略)構成員は、原則として若い♂に限られ、土壌の水分中に含まれるナトリウムイオンが吸水行動を解発している。ナミアゲハの口吻内の神経伝達機構を調べた井上尚さんによると、口吻の最も先端に位置する神経細胞はナトリウムイオンに、それより奥に位置する神経細胞が糖に興奮するので、ほんの少しだけ塩を入れた砂糖水を与えたほうが、純粋な砂糖水を与えるよりも摂取量は増加するのだという。ナミアゲハに実験的に低濃度の塩水を与えてみると、寿命には影響が出なかったものの、与えなかった♂よりも精包生産力は高くなっていた。(第6.1章より引用)




2017/11/22

水をゴクゴク飲むカワラバトの群れ(野鳥)



2017年8月上旬・午後18:04〜18:07

観光客に餌をねだっていたカワラバト(=ドバト;Columba livia)の小群が夕方になると飛んでお堀の水際までやって来ました。
ハトは首を下げたまま水をゴクゴク飲むことが可能です。
他の鳥類は、一口ごとに水を嘴ですくい上げながら首を上げて喉に流し込む必要があります。
水際の石垣に右足を滑らせて焦る鳩が微笑ましいですね。
対岸から隠し撮りしていたのですが、カメラに気づくとハトは飛んで逃げてしまいました。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。


▼関連記事
川の水を飲むキジバト(野鳥)
池の水を飲むドバト(野鳥)


2017/11/16

ナミアゲハ♂の飛翔と吸水【HD動画&ハイスピード動画】



2017年7月下旬

雨上がりで砂利の空き地(駐車場)に大きな水溜りが出来ています。
ナミアゲハ♂(Papilio xuthus)が単独で、落ち着かない様子で飛び回っていました。

地面に降り立つと、砂利に対して保護色になっていて見失いがちです。
半開きの翅を羽ばたかせながら吸水を始めました。
意外と水のしっかり溜まった所には来ないで、少し濡れた土が好みのようです。

好みの水場を探すために飛んであちこち場所を変えるので、途中からは飛翔シーンを240-fpsのハイスピード動画で撮ってみました。(@0:23〜)
後半は羽ばたきも止めて翅を半開きにしたまま一心不乱に吸水を続けています。


ところで、この個体は夏型の♂だと思うのですが、どうでしょうか?
保育社『標準原色図鑑全集1:蝶・蛾』p16によると、ナミアゲハの雌雄の区別は

春型では♂♀の差はほとんどないが、夏型では♂のはねの地色は白身が強く(♀は汚黄色)、後ばねの前縁の黒色の丸い斑紋は強く鮮明(♀はあっても不鮮明)、肛角部の赤い斑点がない(♀には春型の♂♀と同様にあらわれる)。
ただし、下線部がどこを指すのか、よく分かりませんでした。


つづく→水を飲みながらおしっこを排泄し始めました。



【追記】
福田晴夫、高橋真弓『蝶の生態と観察』によると、
アゲハチョウ類が羽化直後に吸水(吸塩)し、成虫期の後半に花上で吸蜜する、といったことが経験的に知られている  (p26より引用)


したがって、今回のナミアゲハ♂は羽化直後の若い個体だったのかもしれません。


2017/08/11

川の水を飲むハシボソガラス(野鳥)



2017年5月下旬

街中を流れる川の岸に立ったハシボソガラスCorvus corone)が浅瀬の水を繰り返し飲んでいました。
一口ずつ嘴で水を掬い上げて喉に流し込む飲み方です。

喉の渇きを癒やすとカラスは飛び立ち、横の岸壁に止まりました。



2017/08/03

水田で水を飲むハシボソガラス(野鳥)



▼前回の記事
雨の日に巣内の雛に給餌するハシボソガラス(野鳥)


高圧線の鉄塔#19でのハシボソガラス営巣記録#7

2017年5月中旬

ハシボソガラスCorvus corone)の営巣地の直下に小さな田んぼがあります。
部分的に田植えの済んだ水田の畦道で親鳥の1羽を見つけました。(性別不明)
水面を見つめながら岸に沿って歩いています。
いかにもカエルなどの獲物を捕食するか、あるいは水を飲みそうな雰囲気です。
しかしカメラを向けている私のことを嫌がり、かなり警戒しています。
(撮影中の私はブラインドに隠れておらず、カラスから丸見えです。)
カラスは私の目の前に生い茂った灌木の死角に入ろうとしているようですが、私も負けじと横にずれて対抗しました。
遂にカラスは水田から水を一口だけ飲みました。
やはり私に近くから見られていると安心して水を飲めないようです。
頻りに嘴を地面に擦り付けているのは、おそらくフラストレーションを発散する転位行動ではないでしょうか?
…こういう勝手な推理を我田飲水というのです。

再び畦道を横に移動してから飛び立ちました。
田んぼを飛び越えると対岸に着地。
ようやく何度も繰り返し嘴で水をすくい上げて飲んでいます。
今度は手前に張り出した岸が邪魔ですね。
飲水中は無防備になるため、カラスはわざと物陰から水を飲むのでしょう。

岸に戻るとハシボソガラスは濡れた嘴を地面に何度も擦り付けてから飛び去りました。(映像はここまで)
すぐ近くの電柱に止まって営巣地の周辺を監視します。
このとき実は番(つがい)のもう1羽も水田の脇の別な電柱の天辺に止まって縄張りを油断なく見張っています。

ところで巣で育つ雛に親鳥が水を吐き戻して与えることはあるのでしょうか?(給水行動)
給餌シーンと見分けがつきにくい気がします。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。

つづく→#8:営巣地の縄張り内でパートナーを侵入者と誤認したハシボソガラス(野鳥)



2017/07/06

水溜りの水を飲む2羽のハシボソガラス(野鳥)



2017年5月上旬

郊外の町工場は連休で静まり返っていました。
敷地内を歩き回ってた2羽のハシボソガラスCorvus corone)が順番に水溜りの水を飲みに来ました。
嘴を水に浸してからですくい上げるように何度も水を飲みます。
カラスの行水(水浴)は行いませんでした。
繁殖期ですけど、この2羽は番(つがい)ではなく、未だ繁殖に参加しない若鳥の群れの一員だと考えています。
(すぐ近くに別のハシボソガラス番の営巣地があるのです。)
最後は1羽が地上から飛び立ちました。



余談ですが、動画の冒頭で1羽αが鳴き喚きながらこちらに向かってどんどん歩いて来ました。

▼関連記事
人懐こく挨拶しに来るハシボソガラス(野鳥)
この個体αが後半に水を飲み終えてから、水溜りをジャブジャブと歩いて横断しました。
おかげで水深が伝わりました。
素人目にはなんとなく、βよりもαの方が行動が幼い印象を受けました。




2017/07/03

中洲の岸辺で採食し川の水を飲むカルガモのつがい(野鳥)



2017年4月下旬

おそらく番(つがい)と思われるカルガモAnas zonorhyncha)のペアが春の川で仲良く並んで採食していました。
中洲の岸辺の泥に嘴を突っ込んで採食しています。
1羽が川の水を嘴ですくって飲みました。
やがて私を警戒したのか、中洲に上陸すると横断し、私から離れた反対側の岸辺にて採食を再開。



2017/07/01

夜明け前の川で目覚めるコハクチョウとサギ類の混群(冬の野鳥)



2016年11月上旬・午前5:39~6:03(日の出時刻は午前6:11)

コハクチョウCygnus columbianus)の集団塒がある川に徹夜で向かい、現場に着いたのは午前5:05。
真っ暗な川から野鳥の鳴き声が聞こえました。
川に降りる土手の草むらに霜が降りていました。
カモの群れが夜空を飛んでいたものの、暗過ぎて動画には撮れませんでした。

夜が白々と明け始めると、ようやく集団塒の様子が見えてきました。
川に朝霧が立ち込めています。
暗いうちはズームしてもAFの効きが悪いのです。
暗い川の中央部で白鳥が群れで寝ており、群れの辺縁には白鷺(おそらく冬鳥のダイサギ、コサギもいる?)も数羽居ました。
また、途中でアオサギが左(下流)から飛来し、集団塒の右端に着陸、合流しました。
コハクチョウとサギ類が混群の集団塒で夜を過ごしたことが分かりました。
手前の川岸近くにはカモ類が漂う別の集団塒がありました。

映像からコハクチョウを数えると、成鳥が20羽、幼鳥が4羽でした。
眠りから目覚めた個体からコハクチョウは朝の羽繕いを始めました。
体を上下に揺すって冷たい川の水を背中に何度もかけて水浴びしています。
やがてコハクチョウが小声で鳴き交わしながら川面を移動し始めました。

一方、白鷺は目覚めると塒には長居せずに、川から次々と飛び立ち上流に消えました。
もしかするとコハクチョウよりも警戒心が強く、対岸から撮影する私の存在を嫌ったのかもしれません。

朝日が昇り気温が上がると、カメラのレンズが急に結露して困りました。
レンズフードを装着しなかったのは失敗です。
次からはレンズヒーターなどの結露対策をしっかり考えないといけません。
不織布でレンズを拭いたら復活。

※ 映像の途中から(@1:49~)編集時に自動色調補正を施しています。
(実際はもっと暗く、朝靄に包まれてぼんやりしていました)

つづく→朝焼けの川とコハクチョウの群れ(冬の野鳥)


2017/06/30

塒の川から第二陣のコハクチョウが飛び立つまで(冬の野鳥)



2016年11月上旬午前7:14~7:23(日の出時刻は午前6:11)
▼前回の記事
コハクチョウ第一陣が塒の川から飛び立つまで(冬の野鳥)

集団塒の川からコハクチョウCygnus columbianus)の第二陣が飛び立つまでの一部始終をノーカットでお届けします。
もしかすると、この小群は昼間も川に居残りヒトからの給餌に依存して暮らすのかと思いきや、結局は少し遅れて離塒しました。

後で聞くと、鳥インフルエンザの流行を恐れて今季はここで白鳥に給餌をしていないのだそうです。
第二陣の内訳は、黒っぽい幼鳥が2羽、成鳥が3羽の計5羽。
もし血縁関係にある家族群だとしたら、つがい(番)以外の成鳥一羽は前の年に生まれたヘルパーなのかな?

♂1♀2の小ハーレムである可能性もありそうです。
それとも昼間に行動をともにする群れの構成員は日替わりで変わるのでしょうか?
足環調査でしっかり個体識別しないと分かりませんね。

ときどき鳴き交わしながら川面を優雅に移動しています。
各々が朝の身支度(水浴と羽繕い)に余念がありません。
水浴シーンでは、体を上下に揺すって冷たい川の水を背中に繰り返しかけています。(@1:10)
川の水を嘴ですくって飲む個体もいます。(@2:15)

最後は川の中央部で全員が横一列に並んで同じ方向(上流)を向いています。
首を上下して鳴き交わす頻度が次第に上がってきました。
助走開始のきっかけは、陣形の中央に居た1羽の成鳥が先陣を切りました。(@7:00)
幼鳥は陣形の右翼を占めていました。
全速力で走りながら初めは水面を翼で激しく叩きますが、徐々に高度を上げていきます。
今回も上流へ向かって(風上へ?)離陸しました。
川の上空で右に旋回して河畔林に一度隠れてから、下流のどこか採餌場へ飛び去りました。
白鳥の行き先をいつか突き止めたいものです。
そして塒の川に白鳥は1羽も居なくなりました。
夕方になれば再び群れで戻って来るでしょう。

午前7:20に測定した気温は1.4℃、湿度82%。
今思うと、川の水温も測るべきでしたね。
風向きが逆の日は助走の向きも今回とは逆になることも確認したいです。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。


【追記】
嶋田哲郎『ハクチョウ 水べに生きる』によると、

ハクチョウはいっせいに移動することはありません。日の出から10時くらいまでに、家族ごとや仲間どうしで田んぼへ飛んでいきます。コオーコオーと仲間どうしでよびかけあいながらの移動です。 (p12-13より引用)


2017/06/29

コハクチョウ第一陣が塒の川から飛び立つまで(冬の野鳥)



2016年11月上旬・ 午前6:54~7:05(日の出時刻は午前6:11)
▼前回の記事
早朝に集団塒の川から飛び立つコハクチョウの群れ:ハイライト映像(冬の野鳥)


集団塒の川からコハクチョウCygnus columbianus)の第一陣が飛び立つまでの一部始終をノーカットでお届けします。
朝焼けで赤く染まった川面に霧が流れています。
第一陣の内訳は黒っぽい幼鳥が3羽、成鳥が18羽の計21羽。


初めは上流(画面右)を向いて川の中央に並び、長い首を上下しながら互いに鳴き交わしています。
手前の岸辺には5羽の小群(これが第二陣になる)が居残って、カモ類と一緒にのんびり羽繕いしたりしています。
やがて群れは下流へ(画面左)向かって川面を移動し始めました。
朝の身支度(水浴と羽繕い)をする個体もときどきいます。
途中で画面を横切り単独で飛び去った白い鳥は(@5:27)、同じ川を塒としていた白鷺(おそらく冬鳥のダイサギ)です。

ようやくコハクチョウの群れが離陸のための助走のスタートラインに付いたようです。(@7:35)
このとき、隣り合う成鳥2羽が噛み付き合う小競り合いが勃発しました。(@8:15)
スタート位置や陣形を決めるポールポジションの位置取り争いがあるのでしょうか?

群れ全体で鳴き声が一層高まりました。(@9:15)
遂に中央の成鳥一羽が背伸びをして大きく羽ばたき、助走を開始。(@9:25)
連鎖反応のように群れが鳴きながら直線の川で助走を始めます。
走りながら初めは水面を翼でバシバシ叩きますが、徐々に高度を上げ上流へ向かって飛んで行きました。
おそらく風上に向かって飛び立ったはずですが、撮影に夢中の私はそこまで気が回らず、風向きを確認していません。
離陸した群れは右へ旋回し、下流へ飛び去りました。
昼間の採餌場がどこにあるのか、いつか突き止めたいものです。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。

つづく→第二陣の離塒


2017/06/16

川に塒入りするコハクチョウ(冬の野鳥)第三、四陣



▼前回の記事
川に塒入りするコハクチョウ(冬の野鳥)第二陣
コハクチョウの塒入り#4

2016年11月上旬・午後17:00~17:16

新たに飛来した5羽の白鳥の群れが鳴きながら編隊飛行で川の上空を旋回しています。
夕日を浴びて飛ぶ姿が美しいですね。

先着組のコハクチョウCygnus columbianus)たちの頭上を飛び越え、下流側から着水しました。
到着直後に水を飲み羽繕いするのは同じです。
塒入りした第三陣は、成鳥3、若鳥2の群れでした。

更に13羽の群れが下流側より飛来しました。
一旦塒を通り過ぎてすぐ旋回すると、上流側から着水。
もう相当暗いのでズームできません。
細かい行動はもう観察できなくなりました。
コハクチョウかどうかも不明で、オオハクチョウの可能性もあります。
その場合は、混群の集団塒ということになります。
互いに鳴き交わしながら川面を移動し、複数の群れが合流しました。
灰色の若鳥は夕暮れの川面で保護色になっていて(「白鳥」ではない)非常に見つけにくいことを実感しました。
軍艦をカモフラージュのために灰色に塗装しているのと同じですね。

とっぷりと日が暮れると、動画に映っているのは河畔林のシルエットと遠くの外灯だけになりました。
暗くなってからの方が白鳥は頻りに大声で鳴き交わしています。(挨拶?)
(カモ類の鳴き声も聞こえます。)
新たに飛来した群れが着水したらしい水音が響くものの、姿は全く捉えられません。

ちなみに、この日の日の入り時刻は16:35、月齢5.4でした。
川に就塒した白鳥を合計すると11羽+αでした(暗くなってから帰投した個体はカウント不能)。
今回#4は実際の暗さをお見せするために、動画編集時に自動色調補正していません。

シリーズ完。
次の課題は、早朝に塒から飛び立つ白鳥を観察することです。→つづく


2017/06/15

川に塒入りするコハクチョウ(冬の野鳥)第二陣



▼前回の記事
川に塒入りしたコハクチョウが着水後に水をガブ飲み(冬の野鳥)


コハクチョウの塒入り#3


2016年11月上旬・午後16:49~16:58

第一陣として就塒したコハクチョウCygnus columbianus)のペアは常に行動を共にしています。

そこへ新たに4羽のハクチョウの群れ(うち若鳥1羽)が上流側から飛来すると、先着ペアの近くに着水しました。(@0:59)
第二陣の群れも着水の直後に水を盛んに飲みました。
若鳥は羽色が灰色で嘴が黄色くない(白っぽい)ので、見分けるのは容易です。※
着水の際に少し離れ離れになっても、川面を移動して再集合します。
家族群なのかな?

やがて後から来た4羽が川面を移動し、先客のペアに合流しました。
就塒した群れは、これで計6羽になりました。
毎晩塒を共にするので互いに顔見知りだと思うのですけど、挨拶のような行動は特に見られませんでした。
各々が川の水を嘴で掬って飲んだり、羽繕いしたりしています。

最後は白鷺の大群(20羽以上?)が飛来し、上流へ飛び去りました。
近くに白鷺の集団塒が別にあるのでしょう。

日が暮れてどんどん薄暗くなってきました。

※ 動画編集時に自動色調補正を施していますが、実際はもっと薄暗いです。


※『しぜんのせかい10:はくちょう』p20によると、

ハクチョウの幼鳥は灰褐色です。翌年渡ってくる頃は白くなります。


つづく→#4:塒入り第三陣


2017/06/14

川に塒入りしたコハクチョウが着水後に水をガブ飲み(冬の野鳥)




▼前回の記事
夕方の川から飛び立つコハクチョウのペア(冬の野鳥)

コハクチョウの塒入り#2


2016年11月上旬・午後16:35~16:47


下流側から番(つがい)と思しき2羽のコハクチョウCygnus columbianus)が並んで飛んで来ると、ほぼ同時に川面に着水しました。
両足の水かきを拡げて水面との抵抗でブレーキをかけます。
第一陣の塒入りがちょうど日の入り時刻(午後16:35)である点が興味深く思いました。

塒の川に着いたコハクチョウは、すぐに水を何度も飲み始めました。
上空は空気が乾燥していたのか、あるいは激しい飛翔運動でかなり喉が渇いたようです。

熟練した白鳥の研究者は、群れから個体識別ができるのだそうです。
『日本動物大百科3:鳥類I』p64に「図C:コハクチョウのくちばしの模様による個体識別の一例」がイラストで描かれていました。


映像を見直すと、ペアのうち一羽の嘴の根元が灰色で黄色い部分が少なかったです。
先ほど飛び立った番が川の上空を旋回しただけですぐにまた戻って来たのかと思ったのですが、嘴を見比べると明らかに別の番でした。


羽繕いしながら川面を移動しています。

嵯峨悌二氏による写真集『白鳥 (クォークスペシャル) 』によると、

・水を飲むときは、水面にくちばしをつけて水をすする。それから頭をもたげると、喉に水が流れ落ちていく。(p52より)



嶋田哲郎『ハクチョウ 水べに生きる』によると、
渡ってきたばかりのハクチョウは、何回も水をすくって飲みます。水を飲みこむときにのどがくねくね動きます。 (p4より引用)



※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。

つづく→#3:川に塒入りするコハクチョウ(冬の野鳥)第二陣


2017/06/10

用水路で水を飲み羽繕いするカルガモのつがい(野鳥)



2016年5月中旬

山麓を流れる深い農業用水路で2羽のカルガモAnas zonorhyncha)を発見。
里山のダムや池ではよく見かけるものの、この状況は初見です。
ちょっと珍しいと思い、動画に記録しました。
水があればそれだけで落ち着くのかな?

初めは用水路を渡る橋の部分の下(日陰)で休んでいて、一羽が羽繕いを始めました。
ときどき嘴で水をすくって飲んでいるのは、羽根を適度に濡らすためですかね?

私がカメラを向けると警戒し、少しずつ流れに逆らって逃げ始めました。
濠自体は深く掘られているものの流れている水量は少なく、カモの足が底につきそうなぐらい浅い水路です。
泳いでいるというよりも、ほとんど歩いている状態かもしれません。

こんなコンクリート三面張の水路にカルガモの餌があるとはとても思えなかったのですが、苔むしたコンクリート壁をときどき啄んでいます。

私が用水路沿いに歩いてカルガモを追い越してから振り返って見ると、今度は流れに乗って下流へ遠ざかりました。


2016/12/12

餌場からルリシジミ♂を追い払うムネアカオオアリ♀の占有行動【HD動画&ハイスピード動画】



2016年8月下旬

▼前回の記事
鳥糞を舐めつつ排尿するルリシジミ♂

路上の小石に付いた鳥の糞を舐めてミネラル摂取していた3頭のルリシジミ♂(Celastrina argiolus)は、翅表の紋様から♂と判明しました。

ムネアカオオアリCamponotus obscuripes)のワーカー♀も近くに群がっています。
ルリシジミが排泄するおしっこをアリが舐めに来ているのか?と頭によぎったのですが、違うようです。
ムネアカオオアリが集まっている辺りにはおそらく獣糞や死骸があったのだろうと推測しましたが、よく分かりません。

ムネアカオオアリのワーカー♀がときどきルリシジミの体に噛み付いて攻撃しているのが興味深く思いました。
獲物として狩るのではなく、餌場から追い払う占有行動のようです。
飛んで逃げたルリシジミ♂は懲りずにすぐ舞い戻って来て、仲間の近くに再着陸します。
ムネアカオオアリが接近しただけでルリシジミが飛んで逃げ出すこともありました。
240-fpsで撮ったハイスピード動画にも占有行動が写っていました。(@0:27〜2:01)
ルリシジミがときどき飛び立つのは自発的ではなく、アリに噛まれたからだということがスローモーションで明確になりました。
ムネアカオオアリにとって、ライバルのルリシジミを追い出してでも独占したいぐらい魅力的な餌場なのでしょう。


※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。



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