ラベル 飛翔 の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示
ラベル 飛翔 の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示

2019/01/18

昼塒のトンネルで寝るコウモリ♀に寄生虫?【暗視映像】



2018年9月上旬

ボックスカルバートのトンネル内を日中の集団ねぐらとしている夜行性コウモリを毎年少しずつ調べています。
昨年は9月中旬にトンネル内を初めて調査したのですが、今年は少し時期を早めて(前年の15日前)入洞してみました。
コウモリの育児を撮影してみたい気持ちと、デリケートな繁殖期が終わるまでコウモリの活動を邪魔してはならないというコウモリ保全上の配慮との間で葛藤があります。
私が繰り返し侵入するせいでコウモリがこのトンネルは危険とみなして塒に使わなくなってしまったのでは、私も観察できなくなって困ります。
一応、私なりの配慮として、年に1回しか入らないようにしています。
日没前の夕方に、赤外線の暗視動画を撮りながら、トンネルを探検開始。
トンネルの奥にコウモリの集団塒(コロニー)があるようで、コウモリの鳴く声が可聴域でキキキキキ♪と反響して聞こえるのは前年と同じです。

真っ暗なトンネルの中程でようやくコウモリと遭遇しました。
コンクリート天井に2頭が間隔を明けてぶら下がっていました。
1頭に注目してズームインすると、コウモリの体表で何か小さな虫が動きました!(矢印に注目@0:19)
おそらくクモバエやコウモリバエなどの体外寄生虫でしょう。

▼関連記事
ユビナガコウモリの体表に寄生するケブカクモバエ?
現場ではこの虫に気付かなかったので、ストロボを焚いた証拠写真は撮れませんでした。

コウモリは畳んだ翼で顔を覆って寝ています。
一本足で天井からぶら下がっています。
幼獣を抱えた母獣かどうか、映像をしつこく見直したのですが、素人にはよく分かりませんでした。

私がゆっくり回り込みながらアングルを変えてしつこく撮り続けるとコウモリは覚醒して最後は飛び去りました。
飛び立つ直前にタラララ…♪と速いクリック音が私の耳にはっきりと聞こえました。
(映像でも確認できますが、ビデオカメラのノイズだったりして…)
エコロケーションのためにコウモリが発している超音波だと思うのですが、可聴域なのが不思議です。
トンネルなどの閉鎖空間では超音波が可聴域にシフトするのでしょうか???
コウモリ関係の本を読んでいても超音波の話ばかりで、可聴域の鳴き声についてはほとんど情報がありません。

飛び立つ瞬間を1/10倍速のスローモーションでリプレイしても、下腹部に陰茎が見えないので♀のようです。
やはり、幼獣を抱えていない、単独の♀だと思います。
この映像でコウモリの種類が見分けられる方がいらっしゃいましたら、教えて下さい。

1頭のコウモリに注目している間に、もう1頭は飛んで逃げてしまいました。

この直後にビデオカメラのバッテリーが切れてしまいました。
交換しようとしたらスペアのバッテリーがなぜか充電されていないことが判明しました。
準備してきたはずなのに、我ながら酷い大失態です…。
仕方がないので暗視映像を諦め、これ以降はストロボ写真による撮影に切り替えました。

つづく→トンネルを塒とする野生コウモリの写真集


2019/01/17

稲刈り後の杭掛けに群がり稲穂を盗み食いするスズメ(野鳥)



2018年9月下旬

快晴で絶好の稲刈り日和でした。
あちこちの田んぼでコンバインが稲刈りしていました。
最新式のコンバインでは脱穀まで一気にやるらしいのですが、昔ながらの稲作農家では、刈り取った稲穂の束を杭に掛けて積み上げ、天日干しでしばらく乾燥させます。
この干し方は地域によって色々で、呼び方も異なるようですが、ここでは「稲杭掛け」としておきます。

この杭掛けにスズメPasser montanus)が群がり、せっかく収穫したばかりの稲穂を啄んでいました。
欲を出した私がもう少し近づこうとしたら、スズメの群れは警戒し逃げてしまいました。

こうした鳥害を少しでも防ぐために、稲作農家では涙ぐましい工夫を凝らしています。
ある刈田では、杭掛けの列に沿って白い網が張られていました。
スズメを捕獲するための本格的な霞網ではなく、スズメが警戒して近寄らなくなることを期待しているのでしょう。
また別の田んぼでは、稲杭掛けの周囲に昔ながらの防鳥テープ(赤銀)を張り巡らせていました。
スズメが来ていないのは、ちらちらと光る赤銀テープの効果というよりも、たまたま撮影時刻が薄暗い夕方でスズメの採餌活動時刻が終わっていただけのような気がします。
どうも私は赤銀テープの防鳥効果について懐疑的なのです。

▼関連記事
防鳥テープの無効例:田んぼの稲穂を食害するスズメの群れ(野鳥)

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。


スズメ(野鳥)群れ@田んぼ棒掛け+米採食
稲刈り後:棒掛け+霞網(鳥害対策)
稲刈り後:棒掛け+防鳥テープ赤銀(鳥害対策)

2019/01/16

イチモンジセセリ?の舌舐めずり



2018年9月下旬

川沿いにある民家の庭の花壇でイチモンジセセリParnara guttata)らしき蝶が菊の葉に止まっていました。
いつものように翅は半開き状態です。

ゼンマイ状の口吻をクルクルと曲げ伸ばす謎の行動を何度も繰り返しているのが目を引きました。
葉の表面を舐めている訳ではありません。
先程までタンポポの花で吸蜜していたのと同一個体ではないかと思います。

▼関連記事
セイヨウタンポポの花蜜を吸うイチモンジセセリ

擬人化すると、吸蜜後の余韻を味わいながら「舌舐めずり」をしているのでしょうか?
蝶が羽化直後以外でこのように口吻を伸縮させるのを見るのは初めてかもしれません。
羽化直後の蝶や蛾(鱗翅目)は、左右に別れた口吻のパーツをクルクルと曲げ伸ばしながらジッパーのように閉じて1本のストローにします。
このジッパーの噛み合わせの具合が悪くなって改めて整えていたのだとすると、身繕いの一種と言えそうです。

最後に飛び立つと、近くに咲いていた野菊の花で吸蜜を始めました。(映像なし)

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。



2019/01/14

日没後の夜空を飛ぶゴイサギ(野鳥)♪



2018年8月上旬・午後19:15〜19:21

ゴイサギNycticorax nycticorax)の群れが昼間にねぐらとしている池の畔の森をまた見に来ました。
夜行性のゴイサギは日没から約30分後に、塒から続々と飛び出して夜間の採餌に出かけるようです。
まるでコウモリのような暮らしです。
この日の日の入り時刻は午後18:44。

群れが一斉に離塒するのではなく、クワッ♪と不気味に鳴きながらばらばらに飛び去ります。
初めは塒から離れるのを躊躇って、少し飛んだだけで塒の森に戻ってしまう個体もいます。
ドラマチックな映像にはならず、なんだかとりとめのない記録になってしまいました。

薄暗い条件下で普通のカメラで撮ろうとすると、オートフォーカス(AF)が効きにくくなり、しっかりズームできません(望遠レンズの性能を充分に活かせない)。
したがって、残念ながら夜空を飛んでいるゴイサギのシルエットが幼鳥か成鳥かも見分けられないのです。
(赤外線の暗視カメラを使っても、赤外線投光器の補助照明が届かない距離の被写体は撮れません。)
今回はあえて動画を自動色調補正せずに、暗さをそのまま伝えることにします。

ゴイサギが夜に採餌する様子を観察(撮影)してみたいのですが、いつも塒からの追跡に失敗してしまいます。
採餌場を突き止めるのが課題です。
成鳥と幼鳥が夜も家族群として行動を共にしているのか、知りたいところです。

また、秋になると、ゴイサギはこの昼塒から忽然と姿を消します。
一体どこへ行ったのでしょう?
図鑑などでゴイサギは留鳥とされていますけど、ここ(東北地方の雪国)で観察したイメージでは完全に夏鳥です。
冬は暖かくて餌の豊富な地方に南下してしまうのでしょう。


2019/01/12

トンネルの塒を離れる前に出口付近を往復飛翔するコウモリの群れ【暗視映像】



2017年9月中旬・午後17:00、17:51

野生のコウモリが日中の集団塒として使っているトンネルを初めて探検し終わり、出口sに戻ろうとすると、コウモリの離塒が始まりそうな夕刻になりました。
ちなみに日の入り時刻は午後17:43。
赤外線の暗視カメラで撮った映像ですが、外界の自然光が差し込むので明るく見えます。

ボックスカルバートのトンネル内から出口の方を向いて撮ると、数頭のコウモリが飛んで往復していました。
外がまだ明るいのを確認するとコウモリはすぐに、暗いトンネルに引き返して来ます。
刻々と外が暗くなるにつれて、偵察に飛び回るコウモリの数が増えてきます。
私がトンネルを歩き回って寝ていたコウモリの平穏な暮らしを乱してしまった(私がコウモリをトンネルから追い出すような形になった)影響も当然あるでしょう。
しかし、離塒前のコウモリが出口付近でしばらく往復飛翔するのは、これまでも繰り返し観察してきたことです。
このアングルで撮れたのは初めてでした。

▼関連記事
日没後に塒のトンネルから飛び出すコウモリの群れと衝突事故【暗視映像】

日が落ちて外界が充分に暗くなると(日没から約30分後)、夜行性のコウモリは続々とトンネルの外に飛び出し、夜の採餌に出掛けるのです。


※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。


2019/01/11

オトコエシを訪花するスズキハラボソツリアブの羽ばたき【HD動画&ハイスピード動画】



2018年9月下旬


山間部の峠道沿いの斜面に咲いたオトコエシの群落でスズキハラボソツリアブSystropus suzukii)が訪花していました。
ホバリング(停空飛翔)でゆっくり飛び回り、花に着陸すると羽ばたきを止めて吸蜜します。

240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@0:58〜)
飛行中も長い後脚をだらんと伸ばしたままなのは不思議です。

♂だけが長い後脚を持つのなら♀による性選択(性淘汰)が働いて進化したのだろうと推定されますが、♀も同様に後脚が長いのです。
いかにも空気抵抗が大きくて飛びにくそうです。

飛ぶのが遅いと鳥などの天敵に捕食されるリスクが高いと思うのですけど、毒針を持つアシナガバチにベーツ擬態して飛び方も真似しているのでしょうか?

同一個体を撮り続けていたら、訪花中に小型の別個体(♂?)が体当りしてきました。(@3:28)
求愛交尾には至らず、2匹は飛び去りました。

近縁種のニトベハラボソツリアブといつも迷うのですが、今回は自力でなんとか同定できました。
触角全体が黒く、後脚の第1跗節の全体が黄色である点がスズキハラボソツリアブの特徴です。
(跗節の脛節に繋がっている方から順に、第1跗節、第2跗節、…と呼びます。)

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。


スズキハラボソツリアブ@オトコエシ訪花吸蜜
スズキハラボソツリアブ@オトコエシ訪花吸蜜
スズキハラボソツリアブ@オトコエシ訪花吸蜜
スズキハラボソツリアブ@オトコエシ訪花吸蜜
スズキハラボソツリアブ@オトコエシ訪花吸蜜

2019/01/10

夕方の空で喧嘩するカラスの群れ(野鳥)



2018年9月下旬・午後16:17

街中の上空を夕方に5羽のカラスが激しく飛び回っていました。
遊びのような追いかけっこなのか、縄張り争いの空中戦なのか、原因が分かりません。
(繁殖期が終わると縄張り意識は薄れると思うのですが…?)

少し遠くて外見からカラスの種類を見分けられないのですが、聞こえる鳴き声がカーカー♪と澄んでいるので、ハシブトガラスCorvus macrorhynchos)かな?

塒入りするにはまだ早いでしょう。
ちなみに、日の入り時刻は17:30。


カラスspp5(野鳥)群れ@空中戦

2019/01/09

水たまりで単独打水産卵するウスバキトンボ♀?【HD動画&ハイスピード動画】



2018年9月下旬

砂利が敷かれた農道の轍に水溜りができていて、そこで単独打水産卵しているトンボ♀が居ました。
いわゆる「赤トンボ」ではなくて、黄色っぽい体色です。
水で濡れた腹端が白く光って見えます。

動画を優先したのでトンボの種類を同定できる高画質の写真は撮れておらず、採集もできませんでした。
なんとなく、ウスバキトンボ♀(Pantala flavescens)ではないかと思うのですが、どうでしょうか。

図鑑『日本のトンボ』でウスバキトンボの産卵を調べると、

交尾後は連結態のまま広範囲に飛び回り、間欠的に打水産卵する。♀は単独でも産卵し、♂が警護飛翔を行うこともある。(p451より引用)

ウスバキトンボだとすると、今季に世代交代をしながら北上してきたのでしょう。
南方性のトンボですから、ここ北国では幼虫(ヤゴ)が卵から孵化しても越冬できず死滅してしまいます。

ウスバキトンボ?♀の単独打水産卵を240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@0:16〜)
飛行中は脚を畳んで体に引き付け、空気抵抗を減らしています。
ホバリング(停空飛翔)で狙いを定めると、羽ばたきを一瞬止めて自由落下でスーッと高度を下げます。
墜落しないように再び羽ばたき始めると同時に腹端が下がり、その勢いで水面を叩いて腹端から産卵します。
浅い水溜りに打水産卵する度に水面に波紋が広がります。
水溜りの岸辺に近い浅い所を狙って産卵しているような印象を受けました。
決して深い中央部では産卵していません。

♀が単独で産卵中に近くで警護しているはずの♂が見当たらないのも不思議です。
撮影中は気付かなかったのですが、もしかすると水溜りの奥の草に止まっている赤っぽくて細長い物体(ピンぼけ)がウスバキトンボ♂ですかね?

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。



2019/01/08

防鳥テープの無効例:田んぼの稲穂を食害するスズメの群れ(野鳥)



2018年9月下旬

秋に田んぼの稲穂が実り始めると、スズメPasser montanus)など種子食性の野鳥に食害されないようにキラキラ光る防鳥テープ(別名:防雀テープ)が田んぼ中に張り巡らされます。

季節の風物詩のような田園風景です。
このテープは片面が銀色で裏面がメタリックな赤色になっています。
田んぼの畦道に杭や細い竹竿を突き立て、その間に防鳥テープを張り渡します。
秋風が吹くとテープが捻れて両面のメタリックな2色が目まぐるしく動いてチラチラと光ります。
このギラツキをスズメは嫌って田んぼに寄り付かなくなる、動かない案山子よりも防鳥効果がある、というのが商品の宣伝文句です。
しかし長年使われて防鳥効果が薄れているのか、このテープを大量に使っている田んぼを最近ではあまり見かけなくなりました。

それほど大きな田んぼではないものの、今時珍しく縦横無尽に(斜めにも)大量の防鳥テープを張り巡らせている所を見つけました。
ここは住宅地の裏なので、スズメ追いの爆音器を田んぼに設置すると近隣から苦情が殺到する、などの事情があるのでしょう。
宅地開発が進む前、この辺りは広大な田んぼだったのに、皮肉なものです。

▼関連記事
収穫前の田んぼからスズメ(野鳥)を追い払う爆音機♪

稲刈り前の田んぼに張り巡らされた防鳥テープの様子を私が動画に撮っていると、すぐ近くの電柱や電線にチュンチュン♪と鳴きながらスズメが続々と集まり始めました。
ハシブトガラスCorvus macrorhynchos)も一羽、電線に止まり素知らぬ顔で羽繕いしていました。

田んぼから少し離れて野鳥の行動を見張ることにしました。
しばらくすると案の定、スズメが電柱や電線から下の田んぼに続々と舞い降りて稲穂を啄み始めました。
スズメは一旦田んぼに降り立つと、稲穂の茂みに隠れて居場所が分からなくなります。

せっかく苦労して張り巡らせた防鳥テープをスズメが恐れている素振りはありません。
防雀テープ破れたり!
食害シーンの証拠映像を撮るにはアングルがいまいちですけど、私が下手に田んぼに近づくとスズメは逃げてしまいますから、なかなか難しいのです。
いつか無人カメラを設置して田んぼの被害状況を長時間監視してみたいものです。

この田んぼの端で新築の家を建てているのですが、スズメは建築作業の騒音を全く気にしないようです。
田んぼから一段高くなっている横の道を車が通ってもスズメは無頓着です。
ただし通行人が歩いて来ると警戒して飛び去り、一時避難していました。(スズメにとって歩行者は警戒すべき不審者)
最後に私が動画を撮りながら田んぼにそっと歩み寄ると、驚いたスズメの大群が一斉に飛び立ち、電線に避難しました。
これほど多数のスズメが田んぼに潜んでいたとは驚きです。
スズメが一斉に飛んで逃げるシーンを1/5倍速のスローモーションでリプレイします。

動画の初めに登場するカラスも実は、田んぼに居た(悪さをしていた?)個体が私を警戒して飛び立ち、電線に避難していたのです。
スズメと異なり、しばらく待ってもカラスは田んぼに戻らず、食害シーンを撮れませんでした。(来季の宿題です)

市販の防鳥グッズに対して私がいまいち懐疑的なのは、野鳥がすぐに慣れてしまう同様の光景を子供の頃から見てきたからです。
もちろんこの記事は商品の営業妨害が目的ではありません。
そもそも防鳥グッズに100%の効果は期待できません。
地域の田んぼ全体で対策するか一部の田んぼだけで対策するかによっても効果は変わってきますし、スズメの慣れ具合は場所や状況によってまちまちでしょう。

この田んぼでも防鳥テープを張らなくなると、スズメによる被害がもっと酷いことになるのかもしれません。
なるべく安上がりな防鳥グッズを設置し、結果として何割の増収になったか?というコストパフォーマンス(費用対効果)が求められます。

例えば最新鋭のドローンを飛ばしたり二足歩行ロボットを導入して畦道を常に巡回させればスズメは怖がって田んぼに寄り付かなくなるかもしれません。
しかし防鳥効果を100%にしても、高額な対策コストに見合う収穫が得られなければ本末転倒です。

この田んぼだけ稲刈りが遅れているのは、稲穂の実りの状況が芳しくないためのようです。
鳥による食害が原因かどうかは米農家に聞いてみないと分かりません。
稲穂を食い荒らす野鳥と知恵比べを長年繰り返している稲作農家の苦労もよく分かります。
スズメは警戒心がとても強く、田んぼで稲穂を盗み食いする際も常に緊急避難場所を近くに用意しています。
鳥の習性を見てきた鳥好きによる私案としては、赤銀テープだけでなく他の防鳥グッズと組み合わせることをまずお勧めします。

次に、田んぼの周囲でスズメの避難場所を無くしてしまうことを提案します。
田んぼ内に防鳥テープを張り巡らせるだけでなく、電力会社と協力して田んぼ周辺だけでも無電柱化を推進するとか電線や電柱にスズメが止まれないような工夫をすれば、田んぼの防鳥効果が高まりそうな気がします。
ただし、電線にトゲトゲの障害物を装着すると今度は冬の積雪で電線が切れてしまうおそれがありそうで、雪国ではどうするか悩ましいところです。
(それでもスズメは田んぼの近くの民家の屋根や庭木に止まるようになるだけかもしれません…。)

藤岡正博、中村和雄『鳥害の防ぎ方』によれば、

テープはよりをつけて張ってやると、風でよく動き、その度に太陽の光を反射してキラキラひかります。この反射光を鳥は嫌うようで、日の出前や曇天の日には効果が落ちるという試験結果があります。このテープは本来は、スズメを対象にして考えられたようですが、スズメ以外の鳥にも効果が期待できます。(中略)鳥に慣れがつくことから逃れることはできませんから、絶対的な効果は期待できません。(p144-145より引用)



「鳥獣害研究室-鳥害対策 - 農研機構」が公開しているサイトでも赤銀テープの評価は低いです。
防鳥テープ キラキラと光るテープを作物の上に張り巡らす。防雀テープともいう。見えにくいテグスと違って、鳥が当たっていやがるわけではなく、警戒して避けることを期待したもの。あまり効果は期待できないが、安価で気楽に使える。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。


田んぼ(稲刈り前)+防鳥テープ赤銀
田んぼ(稲刈り前)+防鳥テープ赤銀
田んぼ(稲刈り前)+防鳥テープ赤銀
田んぼ(稲刈り前)+防鳥テープ赤銀

スズメ群れ(野鳥)@電柱+電線:田んぼ横
スズメ群れ+ハシボソガラス(野鳥)@電柱+電線:田んぼ横

2019/01/07

オオウラギンスジヒョウモン♀の産卵



2018年9月下旬

田んぼの畦道の草むらをオオウラギンスジヒョウモン♀(Argyronome ruslana)が忙しなくあちこち飛び回っています。

あちこちのイネ科の枯草に腹端を擦り付けて産卵しては、すぐに飛び去ってしまいました。
本種幼虫の食草はスミレ類なのですが、母蝶♀は食草に卵を産み付けるのではなく、産卵場所はかなり適当なようです。
(実はスミレの葉がちゃんと近くにあるのかもしれませんが、花が咲いていない時季だと私にはスミレが分からないのです。)


※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。


【追記】
かなり古い資料なのですが、手元にある保育社『原色日本昆虫生態図鑑IIIチョウ類編』(1972年)でオオウラギンスジヒョウモンの産卵習性を調べると、

産卵は食草近くの他物に1卵ずつで、北海道では食草と無関係な樹木の葉上に産卵した報告がある。産付された卵はそのままの状態で越冬するが、一部秋に孵化して幼虫で越冬するのではないかとも思われる。(p213より引用)



オオウラギンスジヒョウモン♀@草むら/枯草+産卵

2019/01/06

トビが飛び去り電線に(野鳥)



2018年9月下旬

山麓の田園地帯でトビMilvus migrans)にカメラを向けた途端に警戒し、電柱の天辺から飛んで逃げてしまいました。
羽ばたきと滑空を繰り返し、田んぼの上空を旋回してから電線に止まりました。
大型の猛禽類が電柱ではなく不安定な電線に止まるのは珍しいと思いました。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。


2019/01/05

田んぼで羽繕いする冬羽のノビタキ♀♂(野鳥)



2018年9月下旬

黄金色の稲穂が実る田んぼに見慣れない野鳥が2羽来ていました。
こういうラッキーな日に限って望遠レンズを忘れがちです…(後悔)。

この鳥の名前を調べるのに手こずりましたが、手元にある『フィールドのための野鳥図鑑:野山の鳥』p77に掲載された写真にそっくりでした。
冬羽のノビタキSaxicola torquata)の♀♂ペアと判明。


ノビタキという鳥を私は初めて見ました。
夏鳥として渡来、繁殖した後、秋になったので冬羽に衣替え(換羽)し、南方に渡る途中なのでしょう。
稲刈り前の田んぼに来たということは、スズメのように稲穂を食害するのかな?と思いながら撮影したのですが、食事シーンは見られませんでした。
ノビタキの食性は、種子食ではなく昆虫食らしい。

田んぼで稲穂に交じって生えたイヌビエの枯れた茎に止まっていました。
♀が飛び立った後も♂は羽繕いを始めました。
撮影中に鳴き声は聞き取れませんでした。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。


【追記】
水野仲彦『野鳥のくらし―卵から巣立ちまで』によれば、

子育てを終えた数多くのノビタキたちは、秋になると、稲穂が波打つ広々とした水田地帯で採食をしながら南下して行く。稲を干した杭の上で休むもの、地上で虫を食べるもの、三々五々、遠いインドやアフリカを目指して旅を続ける。(p36より引用)






ノビタキ♀♂冬羽(野鳥)@田んぼ:イヌビエ
ノビタキ♀冬羽(野鳥)@田んぼ:イヌビエ
ノビタキ♂冬羽(野鳥)@田んぼ:イヌビエ+羽繕い

2019/01/04

カワセミの飛び込み漁と脱糞(野鳥)



2018年9月下旬

池の中に突き刺さったままの落枝がゴイサギなど水鳥たちの格好の止まり木になっています。
ゴイサギの定点観察に来てみたら、この日は成鳥も幼鳥も全く見つかりませんでした。
その代わりに、幸せの青い鳥が止まっていました。
カワセミAlcedo atthis bengalensis)です。
逃げられそうで近づけず、性別を見分けられませんでした。


カワセミは池にボチャンと飛び込み、すぐまた落枝に戻りました。
漁の成否は不明です。
もし小魚を取ったなら、獲物を止まり木の枝に叩きつけて殺すはずですが、手前の枝が邪魔でよく見えません。
ひょっとして、夕方にさっと水浴びをした可能性もありますかね?


尾羽を上げたと同時に白い糞を後方にポトリと排泄しました。(@0:32)
すっきり軽量化したカワセミは落枝から飛び立つと、池の水面スレスレを低空で飛び去りました。
この池でまさかカワセミに会えるとは、とても意外でした。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。


カワセミ(野鳥)@池畔:落枝

2019/01/03

シャグマユリの花から離着陸を繰り返して縄張り占有するアキアカネ成熟♂【HD動画&ハイスピード動画】



2018年9月下旬

農村部の物置小屋の前に咲いたトリトマ(別名シャグマユリ)の花穂の天辺にアキアカネSympetrum frequens)成熟♂が止まっていました。
腹部が赤く色づいて「赤とんぼ」になっているのは性的に成熟した証です。
花穂からときどき飛び立っても、またすぐに舞い戻って来ます。
見晴らしの良いここを縄張りの拠点として、交尾相手の♀や獲物が飛来するのを待ち構えているようです。


(アキアカネの)成熟♂は朝方に草地や樹上で探雌飛翔するほか、日中は水辺の植物や地面に止まって縄張り占有し、♀を見つけると捕えて交尾する。(『日本のトンボ』p389より引用)

止まったまま時間が経っても、翅を深く下げた休息姿勢になりません。
翅を水平よりやや持ち上げた姿勢のままで、いつでも飛び立てる臨戦状態を保っています。
大きな複眼のある頭部がときどきグリグリと動き、辺りを油断なく見張っています。

ちなみに、ときどきバーン!と聞こえるのは、銃声ではなく近くの田んぼに設置されたスズメ追いの爆裂音です。

▼関連記事
収穫前の田んぼからスズメ(野鳥)を追い払う爆音機♪
この爆裂音が鳴ってもアキアカネ♂は驚いて逃げたりしませんでした。
もうすっかり慣れてしまって気にならないのか、それともトンボは聴覚があまり発達していないのでしょうか。

アキアカネ♂の離着陸や飛翔シーンを240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@1:11〜)
離陸シーンでは、前方に飛び出すだけでなく、いきなり急上昇することも斜め後方に飛び上がることもありました。
縄張りを軽く一回りした後、シャグマユリの花穂に近づいてホバリング(停空飛翔)しながら畳んでいた脚を広げて着陸します。
花穂に止まる向きが決まっているせいか、着陸時はいつも同じ方向からアプローチしています。
戻ってきたアキアカネ♂をよく見ても、獲物は何も捕らえていません。

渡辺守『トンボの生態学』によると、

ノシメトンボの採餌飛翔の経路は、静止場所の上空を通過しようとする小昆虫に向かってほぼ一直線に飛翔し、捕獲成功の有無にかかわらず空中で反転し、もとの静止場所に戻ってくるという8の字型である。(p48より引用)

今回のアキアカネ♂の行動も採餌飛翔(捕獲失敗)の繰り返しなのかもしれませんが、もう少し引きの絵で撮らないと飛翔経路が8の字型になっているかどうか分かりませんね。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。

余談ですが、この園芸植物の「トリトマ」という呼称は旧属名から来ているらしいので、そのうち使われなくなりそうです。
現在の分類体系ではユリ科Tritoma属ではなくツルボラン科Kniphofia属とのこと。


アキアカネ成熟♂@シャグマユリ花序天辺+縄張り占有
アキアカネ成熟♂@シャグマユリ花序天辺+縄張り占有
アキアカネ成熟♂@シャグマユリ花序天辺+縄張り占有

2018/12/29

ヒミズの腐乱死体に飛んで集まるヨツボシモンシデムシ



2018年9月下旬
▼前回の記事
ヒミズの死骸に群がるキンバエとクロオオアリ♀

舗装された山道に転がっていたヒミズUrotrichus talpoides)の腐乱死体を観察していると、オレンジ色の昆虫がブーンと羽音を立てながら低空で飛来しました。
一瞬スズメバチかと思いきや、死骸めがけて飛んで来た新参者の正体はヨツボシモンシデムシNicrophorus quadripunctatus)でした。
飛んでいる姿を見るのはこれが初めてで、とても興奮しました。
飛翔シーンは一瞬なので、まずは1/5倍速のスローモーションでご覧下さい。

飛来したヨツボシモンシデムシはすぐに死骸の下に潜り込みました。
死骸がゾンビのように勝手に動いているように見えるのは、ヨツボシモンシデムシの活動のせいです。
ゴソゴソと死骸が動いてもキンバエは逃げずに平気で吸汁を続けています。

しばらくすると、死骸の上面に1匹のヨツボシモンシデムシが来て死肉を食べていました。
その体表を橙色のダニが多数徘徊しています。
そのヨツボシモンシデムシも再び死骸の下に潜り込みました。

新たにもう1匹のヨツボシモンシデムシが死臭に惹きつけられて飛来したものの、なぜか着陸せずに飛び去りました。
低空で飛ぶシーンを1/5倍速のスローモーションでリプレイ。

さて、ヨツボシモンシデムシはヒミズ死骸の裏で何をしているのでしょうか?
拾った小枝で死骸を裏返してみると、2匹のヨツボシモンシデムシが潜んでいました。
私には性別が見分けられないのですが、これは♀♂のつがいなのかな?
ところがすぐにまた死骸の裏面に慌てて隠れてしまいます。
一旦死骸に辿り着くと、日光を嫌う習性があるようです。
しつこく更にもう一度死骸を裏返すと、またもやヨツボシモンシデムシは逆側に潜り込んで隠れました。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。

タッパーウェアなどの容器を持っていれば、ヨツボシモンシデムシを採集し死骸と一緒にお持ち帰りしたいところです。
ヨツボシモンシデムシは甲虫としては珍しく育児(子育て)をすることで有名なので、いつか飼育下で観察してみたいのです。
またの機会にお預けです。(夏に部屋でシデムシに腐肉を与えて飼うのはかなりの覚悟が必要ですね)







▼関連記事(10年前の撮影)
ヒミズ死して屍拾うものあり(中編):ヒミズ死骸とヨツボシモンシデムシ

10年前の観察例では土の地面にヒミズの死骸が置かれていました。
ヨツボシモンシデムシが何匹も死骸の下に次々と潜り込み、仰向けに歩くように足を動かすことで重い死骸を少しずつ運んでいました。
今回の現場はアスファルトの舗装路なので、ヨツボシモンシデムシは死骸を地中に埋葬して独占するのは不可能です。
死骸を運びつつ路肩の地面を目指して舗装路を横断中だったのかもしれません。

つづく→ヒミズ死骸の肉片をクロヤマアリから守るクロオオアリの群れ




【追記】
ベルンド・ハインリッチ『生から死へ、死から生へ:生き物の葬儀屋たちの物語』という翻訳書を読んでいたら、北米産モンシデムシの飛翔について嘘みたいな驚くべきことが書いてありました。
日本のヨツボシモンシデムシ(Nicrophorus quadripunctatus)とは別種なのですが、同属のNicrophorus tomentosusおよびNicrophorus orbicollisの2種は後翅を羽ばたいて飛ぶ際に鞘翅が裏返しになって裏面(下面)のレモンイエローが外側を向き、黄色のマルハナバチに擬態するというのです。(p31〜33より)


そんな奇天烈な翅を持つ甲虫を私は知らなかったので、自分で撮ったこの動画を急いで見直してみました。
しかし、飛翔時のヨツボシモンシデムシの翅はレモンイエローではなく、鞘翅表側のオレンジ色の残像しか見えませんでした。
(だから私はスズメバチが飛来した!と現場で一瞬錯覚したのです。)
次に機会があれば、ヨツボシモンシデムシの飛翔シーンをハイスピード動画で撮ったり、採集して鞘翅の裏面をじっくり調べてみたくなりました。
北米産の2種(N. tomentosus, N. orbicollis)だけが特殊なリバーシブルの鞘翅を持っているのかな?
それ以外の習性については日本産のモンシデムシとほぼ共通していただけに、裏返る鞘翅の話が強烈な印象に残りました。
日本産のモンシデムシがそのような翅に進化しなかったのは何故でしょう?
日本には黄色のマルハナバチと言えばコハナバチ♂ぐらいしか生息しておらず、雄蜂には毒針がありませんから、怖くない蜂にベイツ擬態するメリットが無かったためと考えられます。




ヨツボシモンシデムシ+キンバエspp+クロオオアリ♀群れ@ヒミズ死骸
ヨツボシモンシデムシ+キンバエspp+クロオオアリ♀群れ@ヒミズ死骸

2018/12/28

チャイロスズメバチ♀の探餌飛翔



2018年9月下旬

山間部の峠道の横に生えたアカソの群落でチャイロスズメバチVespa dybowskii)のワーカー♀が飛び回っていました。
アカタテハやフクラスズメの幼虫などアカソを食べて育つ幼虫(イモムシ)を狩ろうと探し回っているのでしょう。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。


2018/12/25

ポプラの梢で鳴く♪2羽のハシブトガラス(野鳥)



2018年9月中旬・午後17:29〜17:33

川の近くに聳え立つポプラ(=セイヨウハコヤナギ)の大木の梢に2羽のハシブトガラスCorvus macrorhynchos)が止まって頻りに鳴いていました。
このポプラは春に見た時はハシボソガラスの営巣木だったので、ハシボソガラスの縄張りなのかと思っていました。


▼関連記事(4月下旬)
ポプラ樹上の巣で抱卵するハシボソガラス(野鳥)

雛が巣立ち繁殖期が終わると共に、縄張りを解消したようです。
私が少しずつ近づきながらしつこく望遠で撮り続けると、ポプラ樹上のカラスは相次いで飛び立ち、鳴きながら川を渡って対岸の市街地の方へ飛び去りました。
塒入りするには未だ早い時刻ですから、単に私のことを警戒して逃げてしまったのでしょう。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。


ハシブトガラス2(野鳥)@ポプラ樹冠

2018/12/24

羽化後に蛹便を排泄するオビガ♀e【蛾:HD動画&ハイスピード動画】



2018年9月下旬

オビガ(蛾)の飼育記録2018年#11


▼前回の記事
オビガ♀e(蛾)の羽化【60倍速映像】

羽化直後にシワクチャだったオビガ♀e(Apha aequalis)の翅が伸び切った後は、不要になった羽化液(蛹便)の排泄を見届けるのが次のミッションです。
蛾の真下にティッシュペーパーを敷いて長時間待ち構えていたのに、蛹便を自発的に排出してくれませんでした。

諦めて、それなら初飛行(処女飛行)を動画に記録しようとオビガ♀eに軽く触れてみました。
すると翅を小刻みに震わせて準備運動を始めました。
胸部飛翔筋の激しい収縮運動で体温が充分に上がれば、飛び立ってくれるはずです。

割箸の止まり木に静止したまま広げた翅を小刻みに震わせています。
翅の下に隠れていた触角を前面に出していました。
突然、腹端から粘り気のある薄い黄土色の蛹便をドロリと排泄しました。
飛び立つ前に軽量化が必要なのでしょう。
予め下に敷いて置いたティッシュに蛹便が2滴、付着しました。
2度目の排便は4滴、3度目はピューッと勢い良く線状に放出しました。
排便直後のオビガ♀eの毛深い腹端を見ると、蛹便が1滴付着しています。
しばらくすると4度目も液状便をピューッと線状に放出。
これで体内から蛹便を出し切ったようで、身軽になった♀eは割箸を登り始めました。
割箸の天辺に到達し、力一杯激しく羽ばたくも、飛び立てないでいます。
疲れ切った♀eは諦めて羽ばたきを止めてしまいました。
大量の蛹便で白いティッシュがかなり汚れ、机にも少しはみ出してしまいました。
蝶や蛾の蛹便は無臭で、別に汚いものではありません。


さて、全く同じシーンを240-fpsのハイスピード動画でも撮影していました。
今度は1/8倍速のスーパースローで羽化液の排泄シーンを振り返ってみましょう。(@1:53〜)

小刻みに羽ばたいて飛翔準備運動しているオビガ♀eの腹端で黄土色の水滴が少しずつ大きくなります。
やがて蛹便の雫が糸を引いて落下しました。
再び腹端に蛹便の雫が次第に大きくなり、大量の蛹便が糸を引いて落ちました。
3度目は腹部がギューッと収縮し、腹端からジャーっと大量の液状便を勢い良く放出しました。
最後の一滴が粘り気で戻り、腹端の横に付着しました。
4度目も同様ですが、前回よりは排泄量が少なかったです。
後半は止まり木から飛び立とうと必死で羽ばたくものの、疲れて諦めてしまうまでのスーパースローです。

初飛行の離陸に失敗したのは足場や体勢が悪かっただけかと初めは思いました。(重い腹部が下垂した状態では飛べないのかな?)
その後、飼育を続けても、♂とは異なり♀が元気に飛び回る姿を見ていません。

もしかすると自然界でもオビガの♀は体が重過ぎてほとんど飛べず、交尾相手の♂が飛来するのを羽化地点でひたすら待っているだけなのかもしれない、と思うようになりました。
もちろん、これから観察例数を増やさないことには確かなことは言えません。
ちなみにオビガ成虫は口吻が退化しており、餌を摂取できませんから、空腹が飛べない理由にはなりません。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。


つづく→#12:性フェロモンを放出するオビガ♀(蛾)のコーリング行動


オビガ♀e(蛾)蛹便@ティッシュペーパー
オビガ♀e(蛾)@蛹便排泄直後

2018/12/23

オトコエシを訪花するヨコジマオオハリバエの羽ばたき【HD動画&ハイスピード動画】



2018年9月下旬

山間部の峠道の脇に咲いたオトコエシの群落でヨコジマオオハリバエTachina jakovlevi)が訪花していました。
左右の複眼が離れているので♀ですかね?(…とは限らない?)
口吻を伸ばして花蜜や花粉を舐めています。

花から飛び立つ瞬間を狙って240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@0:48〜)
更に1/5倍速のスローモーションでリプレイ。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。


ヨコジマオオハリバエ@オトコエシ訪花吸蜜
ヨコジマオオハリバエ@オトコエシ訪花吸蜜

2018/12/19

チゴハヤブサの縄張り争い/子別れ?(野鳥)



2018年9月中旬・午前9:13

田園地帯の上空からキーキーキーキー♪という聞き覚えのある猛禽類の甲高い鳴き声がします。
振り返って空を探すと、2羽の猛禽類が激しい空中戦を繰り広げていました。
急降下や急旋回を繰り返しながら追い回しています。
一瞬だけ一羽が高圧線に止まったものの、すぐに飛んで相手を追いかけます。
高速飛翔での空中戦は見応えがありました。

田んぼに隣接する住宅地から撮ったので、手前の電線や民家の屋根が目障りですね。
開けた撮影アングルを求めて住宅地から田園地帯に急行したのですが、着いた頃には空中戦は終わっていて、猛禽類の姿はありませんでした。

残念ながらやや遠くて鳥の種類をしっかり見分けられません。
今季に別の場所で定点観察していたチゴハヤブサFalco subbuteo)だと嬉しいのですが、どうですかね?
地図を広げてみると、今回の現場は定点観察に通っていたチゴハヤブサの止まり木から直線距離で2km弱でした。
チゴハヤブサならひとっ飛びの距離ですから、同一個体の行動圏内(縄張り)であってもおかしくありません。
ただし、チョウゲンボウFalco tinnunculus)の可能性もありそうです。

この空中戦は縄張り争いなのでしょうか?
幼鳥同士による追いかけっこの遊びかな?
時期的に子別れの可能性もあり、育った幼鳥を親鳥が縄張りから追い出そうとしているのかもしれません。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。



【追記】
熊谷勝『カラー自然シリーズ66:ハヤブサ』によると、
巣立って2か月をすぎると、ヒナは親鳥のあとをおって、なわばりの外にもでるようになります。見よう見まねで、親鳥の狩りを学ぶのです。急降下、きりもみ、宙返り、急旋回などの高等な飛翔技術を、親鳥と空中遊戯をしながら身につけます。 (p22より引用)
チゴハヤブサとハヤブサは習性がどれぐらい共通しているのか分かりませんが、参考のために引用しました。
私の知る限り、チゴハヤブサだけを扱った本や写真集が出版されていないのです。



ランダムに記事を読む