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2018/09/23

雛に給餌し糞を巣の外へ捨てに行くハシボソガラスの親鳥(野鳥)



2018年5月中旬
▼前回の記事
高圧線鉄塔の巣で羽繕い、羽ばたき練習するハシボソガラスの雛鳥(野鳥)

ハシボソガラスCorvus corone)の親鳥が帰巣すると、賑やかに餌乞いする雛鳥に口移しで給餌しました。
在巣の雛は少なくとも3羽は居そうです。
出巣の直前に
食後に一羽の雛が排泄した糞を親鳥が咥えてから巣を離れました。
ゼリー状の粘膜に包まれた雛の糞を(飲み込んで喉袋に入れた?)巣の外へ捨てに行ったのです。(排糞行動)

私が鉄塔から少し離れると、再び給餌シーンが撮れました。
慌ただしく給餌を済ませると、共働きの親鳥♀♂が相次いで出巣しました。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。



【追記】
小林朋道『先生、大型野獣がキャンパスに侵入しました!: 鳥取環境大学の森の人間動物行動学』という本によると、
親鳥が、ヒナの糞・尿を捨てに行く意味と、卵殻を捨てに行く意味とは異なっている。糞尿を捨てるのは、おもに、巣内にダニなどの病気のもとになる生物が繁殖するのを防ぐため、と考えられている。一方、卵殻を捨てるのは、(卵殻の内面が白くて目立つので:しぐま註)捕食者が巣の存在に気づくのを防ぐためである。 (p24より引用)

私は未だ親鳥が卵殻を巣から捨てる行動を見たことがないので、今後の課題です。

ハシボソガラス親鳥(野鳥)@帰巣:高圧線鉄塔#19+雛給餌

2018/09/22

シロツメクサを訪花するベニシジミ春型の羽ばたき【HD動画&ハイスピード動画】



2018年7月上旬

川沿いの農道に咲いたシロツメクサの群落でベニシジミLycaena phlaeas daimio)が訪花していました。
翅をしっかり閉じ、花の上で向きを変えながら吸蜜しています。
吸蜜の途中で翅が半開きになり、未だ春型の個体と判明しました。
夏型は未だ羽化していないのかな?

飛び立つ瞬間を狙って240-fpsのハイスピード動画で撮ってみました。(@〜)




ベニシジミ春型@シロツメクサ訪花吸蜜

2018/09/21

飛べ!ニホンカブラハバチ



2018年5月上旬

川沿いの土手の草むらでニホンカブラハバチAthalia japonica)がマメ科の葉(種名不詳)から飛び立ちました。
土手に咲き乱れるカキドオシの花で吸蜜するのかどうか気になりますが、見失ってしまいました。

ハバチについては全くの勉強不足です。
成虫で越冬するのだろうか?



【追記】
森林学の解説書、西口親雄『森はナゾがいっぱい』を読んでいたら、私の疑問が解決しました。
ハバチの仲間は、みんな、土中(落葉層)で、幼虫態で、越冬する。(中略)これは、蛾類の越冬の仕方と、おおいに異なる。
・ハバチでは、21種のうち、土中幼虫越冬が18種、樹上幼虫越冬が2種、樹上卵越冬が1種で、土中幼虫越冬が圧倒的(86%)に多かった。 @p206より引用)


ニホンカブラハバチ@葉上

高圧線鉄塔の巣で羽繕い、羽ばたき練習するハシボソガラスの雛鳥(野鳥)



2018年5月中旬


▼前回の記事
前年と同じ高圧線鉄塔の巣で抱卵を始めたハシボソガラス(野鳥)

定点観察の空白期間がかなり開いてしまいました。
今季は樹上に営巣したカラスの巣を優先して調べていたからです。

久しぶりに様子を見に行くと、高圧線鉄塔#19に作られた巣の中でハシボソガラスCorvus corone)の雛が留守番しながら羽繕いしていました。
このときは未だ1羽しか姿が見えません。
他の雛鳥は巣の中で座っていると、下からはなかなか見えないのです。

鉄塔に近づいてから続きを撮ろうとしたら、親鳥の帰巣および給餌シーンを撮り損ねてしまいました。
画面の左で鉄骨に止まって巣の外を見張っているのが親鳥です。
在巣の雛は少なくとも3羽いることが分かりました。
ときどき元気に羽ばたきの練習をしています。
親鳥が鉄骨から鉄骨へピョンと跳んで移動し、今度は逆の方角を見張っています。

最後にようやく親鳥が鉄塔から滑空し、巣を離れました。
雛に与える餌を探しに行ったのです。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。

つづく→雛に給餌し糞を巣の外へ捨てに行くハシボソガラスの親鳥(野鳥


ハシボソガラス雛(野鳥)@巣:高圧線鉄塔#19+羽繕い
ハシボソガラス親鳥+雛(野鳥)@巣:高圧線鉄塔#19

2018/09/20

イチョウ並木に塒入りするカワラヒワの群れ(野鳥)



2018年7月上旬・午後18:45〜19:05・気温28℃(日の入り時刻は19:04)

市街地の大通り沿いに植栽されたイチョウの樹冠とすぐ横を走る電線に2羽のカワラヒワCarduelis sinica)が止まっていました。
嘴を足元の電線やイチョウの枝に擦り付けています。
大型トラックが通りかかったせいか、急に飛び立つと左隣に立つ別の街路樹(樹種不明)の梢に移動しました。

日没直後に現場を再訪すると、更に薄暗くなった大通りの電線に止まっていたカワラヒワが、真下にあるイチョウ街路樹の青々と繁った枝葉に飛び込みました。
カワラヒワの塒入りは初見で、本でも読んだことがありません。
ハクセキレイの就塒前集合とは異なり、カワラヒワは鳴き交わしてはいませんでした。(群れと呼ぶには数が少な過ぎるから?)

このイチョウ並木は昨年、ハクセキレイの集団塒でした。
▼関連記事
イチョウ並木に塒入りするハクセキレイの群れ(野鳥)
イチョウの街路樹を塒とするハクセキレイ♀♂の群れ(野鳥)
しかし、今回ハクセキレイの姿はなぜかほとんど見かけませんでした。
数の少ないカワラヒワにお気に入りの塒を追い出されたとは思えないのですが、ハクセキレイの群れは集団塒の位置を変えたのでしょう。


※ 実際はもっと薄暗いのですが、動画編集時に自動色調補正を施しています。


カワラヒワ2(野鳥)@電線/イチョウ樹冠

2018/09/19

ハシボソガラスが川の中洲で採食後に電線で脱糞(野鳥)



2018年4月中旬

街中を流れる川の、草が生えた小さな中洲でハシボソガラスCorvus corone)が歩き回っていました。
水際の泥の中で何かを見つけて食べたようですが、手前の雑草に隠れてしまい、気になるメニューは不明です。
川の水を飲んでいるのではありません。
ハトと違ってカラスは頭を下げたまま水をゴクゴク飲むことが出来ないからです。

やがて飛び立つとコンクリートの岸壁を軽有してから近くの電柱、電線へと次々に移動しました。
最後は電線から脱糞(@3:06)しましたが、電柱の陰に隠れて、あまりよく見えません。


※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。



2018/09/18

モナルダを訪花するクロマルハナバチ♀の羽ばたき【HD動画&ハイスピード動画】



2018年7月上旬・夕方

民家の花壇に咲いたモナルダ(別名ヤグルマハッカ、ベルガモット)にクロマルハナバチBombus ignitus)のワーカー♀が訪花していました。
胸背が禿げた個体で、後脚の花粉籠は空荷です。

吸蜜後に花から花へ飛び立つ瞬間を狙って240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@0:47〜)

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。


クロマルハナバチ♀@モナルダ訪花吸蜜

交尾中に連結飛翔で逃げるモンキチョウ♀♂



2018年7月上旬

川沿いの農道を私が歩いていたら交尾中のモンキチョウColias erate poliographus)の♀♂ペアが驚いて少し飛び、道端のクズの葉裏に翅を閉じて止まりました。
(映像はここから。)
翅が黄色の個体が♂で、白色の個体が♀です。
交尾器の連結部は閉じた翅に隠れて見えません。

撮りながら茂みに近づくと、危険を察知した♀♂ペアが連結したまま飛び立ち、柳の灌木を越えて飛び去りました。
連結飛翔中に♀♂はどのように意思疎通をしているのでしょうか?
トンボの尾繋がりとは異なり蝶は互いに逆向きに連結していますから、飛ぶ方向を決めないと交尾器の連結が外れてしまうでしょう。
飛び立ちを1/5倍速のスローモーションでリプレイしてみると(@0:32〜)、連結飛翔の後半は♀(翅が白色)が羽ばたきを止めて翅を閉じました。
その結果、♂が主導権を握り安全な場所まで♀をぐいぐい引っ張って飛んで行きます。

古い図鑑ですが、保育社『原色日本昆虫生態図鑑IIIチョウ編』を紐解くと、

 蝶の交尾は草上、草間ときに樹上などで行なわれ、一般にこのときは活動しない。しかし刺激が加わったり、驚いたりすると交尾したまま飛び立つことがある。このときすぐ飛ぶのをやめてしまうが、交尾したまま飛翔する場合は、♂、♀のどちらか一方が飛び、他方はぶら下がっている。♂も♀も翅を使って同時に飛ぶことはない。
このように交尾しながら飛ぶときに♂が飛ぶか、♀が飛ぶかは種によって一定していて、属や科についても通則がある。(中略)ここで←♀+♂の記号は、♀が飛翔し、♂は交尾したまま♀に連行され飛翔しないことを示す。 (p88より引用)


スローモーション映像を手軽に撮れない時代の鋭い観察眼に脱帽します。
今回の観察で、モンキチョウの連結飛翔は「←♂+♀」のタイプだと分かりました。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。


モンキチョウ♀♂@クズ葉+交尾

2018/09/14

翔べ!ツメクサガ(蛾)【HD動画&ハイスピード動画】



2018年7月上旬

川沿いの農道の草むらでツメクサガHeliothis maritima adaucta)が休んでいました。
この辺りには幼虫の食草であるムラサキツメクサ(=アカツメクサ)やシロツメクサの群落に事欠きません。

私が近づくと準備運動なしに飛んで逃げるものの、あまり長距離は飛びませんでした。
ギシギシの葉からツメクサガが飛び立つ瞬間を狙って、物を投げつけながら240-fpsのハイスピード動画で撮ってみました。
とばっちりで、近くに潜んでいたらしいベニシジミLycaena phlaeas daimio)(春型)もツメクサガの後を追うように飛び去る様子が写っていました。


▼関連記事(5年前の撮影)
シロツメクサの花蜜を吸うツメクサガ(蛾)


ツメクサガ(蛾)@ギシギシ葉

コムクドリの家族群が脱糞し電線から飛び去る(野鳥)



2018年6月下旬・午後15:35〜15:39

郊外の住宅地の屋根に設置された昔懐かしい八木式アンテナにコムクドリ♀(Sturnus philippensis)が止まっていました。
少し飛んで近くの電線に止まり直し、またどこかへ飛び去りました。

私がその場でカメラを横にパンすると、巣立ち雛と思われる2羽の幼鳥abが電線に並んでいました。
見かけは♀と似ていますが、嘴の色が薄いのでおそらく幼鳥でしょう。
親鳥に巣外給餌してもらうのを待っているのかな?
案の定、少し離れた電線にもう一羽、親鳥♀が居て、幼鳥を見守っていました。

『自然散策が楽しくなる! 見わけ・聞きわけ 野鳥図鑑』でコムクドリを参照すると、

・コムクドリはくちばしと足が黒色。ムクドリは橙色で見分けがつく。
・成鳥♂の顔の茶色の斑の入り方は個体変異がある。
・成鳥♀は頭からの上面が灰褐色となる。
幼鳥のくちばしの色は成鳥より淡くなっている。(p116より引用)



幼鳥の1羽aが鳴きながら♪電線から飛び立ちました。
電線に残った幼鳥bが黒っぽい粒状の糞をポトリと排泄しました(@1:53)。
すると親鳥♀も幼鳥bを誘うように飛び去りました。
幼鳥bも慌てて後を追うように飛んで行きます。

近くの電線に止まり直していた親鳥♀が、黒っぽい粒状の糞と液状便を続けざまに排泄しました(@2:26)。
足元の電線に嘴を擦り付けてから飛び去り、そしてコムクドリの家族群は一羽も居なくなりました。

この間、親鳥♂の姿を見かけませんでした。


※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。

実は同じ日の夕方(約3時間後)にもここでコムクドリ♀と出会っています。
この辺りを縄張りとする同一個体かもしれません。
ちなみに、同じ頃に観察したコムクドリの営巣地とは全く違う場所で撮影しました。

つづく→夕方の電線で鳴きながら♪羽繕いするコムクドリ♀(野鳥)


コムクドリ♀(野鳥)@八木式アンテナ
コムクドリ幼鳥2(野鳥)@電線
コムクドリ♀(野鳥)@電線

2018/09/12

コンクリートブロックを物色して営巣地を決めたスズバチ♀



2018年7月上旬・午後17:39

マンションの敷地の隅にある駐輪場やゴミ集積場の付近をスズバチ♀(Oreumenes decoratus)が高く低く飛び回っていました。
通りすがりの私を警戒しているのかな?
小屋の軒下に並べてあったコンクリートブロックに興味を示しています。
低空でしばらくホバリング(停空飛翔)してから、コンクリートブロックの真ん中の穴に侵入しました。
このとき巣材の泥団子は運んでいません。

蜂は穴の中に43秒間滞在してから外に飛び出してきました。
続いて、穴の位置を正確に記憶するための定位飛行を披露しました。
穴の方に顔を向けてホバリングしながら水平方向に扇状に弧を描いて飛び、その弧を少しずつ大きくしていきます。
どうやらこの穴に巣作りを始めるようです。
泥巣の営巣基としてコンクリートは相性が抜群でしょう。
(セメント細工に関しては人類よりもスズバチの方が先輩です。)
スズバチ♀が飛び去ってから私もコンクリートブロックの穴の奥を覗いてみると、泥巣は未だ作られていませんでした。

コンクリートブロックを採寸してみると、縦×横×高さ=39×19×10cm。
各ブロックに3つある深さ19cmの穴の断面は角が面取りされていて、長径×短径=8×4.5cmの楕円状でした。

その後もスズバチ♀は近所を空高く飛んだり戻ってきたりと激しく飛び回っていたのですが、動画に撮ろうとしても小さな蜂にピントが合いませんでした。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。

スズバチ♀の造巣を一から観察したいとかねがね思っていたので、これは千載一遇のチャンスです。
定点観察してみましょう。

つづく→三巣並行営巣に失敗したスズバチ♀


スズバチ♀@営巣地物色+定位飛行
スズバチ営巣地@ゴミ集積場軒下:コンクリートブロック穴

2018/09/08

スギの林縁を飛び回るトンボエダシャクの謎(蛾)



2018年7月上旬・午後16:16
▼関連記事
クモの円網に捕まって暴れるコミスジにトンボエダシャク(蛾)が誤認求愛

トンボエダシャクCystidia stratonice stratonice)と思しき蛾がスギの林縁を飛び回っていました。
群飛と呼べるかどうか分かりませんが、遠目から見ると同種らしき白黒模様をした翅を持つ蛾が何頭も林縁を飛び回っていて、羽ばたきがチラチラとよく目立ちます。

飛んでいる1頭に注目して動画に撮ると、杉の葉に止まったときに腹端を曲げて擦り付けたように見えました。
それも一瞬で、すぐに忙しなく飛び去ってしまいます。
これは♀による産卵行動なのでしょうか?
Cystidia属の蛾の幼虫の食草を「みんなで作る日本産蛾類図鑑」サイトのデータベースで調べて抜き書きすると

トンボエダシャクは、ニシキギ科:ツルウメモドキ。
ヒロオビトンボエダシャクは、ニシキギ科:ツルウメモドキ、マユミ。
ウメエダシャクは、バラ科:ウメ、モモ、サクラ、エゴノキ科:エゴノキ、スイカズラ科:スイカズラ、ニシキギ科:ニシキギ、ツルウメモドキ、カバノキ科:カバノキ、ブナ科:ブナ。
とありました。
したがって、動画の個体がたとえ♀だとしても、スギの葉に産卵するはずがありません。

別個体だと思いますが、スギ林に絡みついたクズの葉で休んでいた蛾の写真を撮るとトンボエダシャク♀(Cystidia stratonice stratonice)でした。
腹端にヘアペンシルと呼ばれる毛束が無いので♀と判明。

トンボエダシャク♀(蛾)@スギ林縁:クズ葉。腹端にヘアペンシルが無いので♀

これ以外の飛んでいる個体や、クモの網にかかったコミスジにちょっかいをかけている(誤認求愛?)個体の性別はしっかり見分けられませんでした。
トンボエダシャク♀が産卵するためにホストの蔓植物:ツルウメモドキを探し求めて飛んでいるのでしょうか?
幼虫にとって適切な食草かどうか、産卵姿勢になってみて腹端の感覚毛で植物に触れて判断する、というのはあり得る話です。
しかしスギとツルウメモドキは葉の形状も匂いもまるで違いますから、蛾の大雑把な視覚・嗅覚でも見分けられそうな気がします。
あるいはもし群飛しているのが♂だとすると、♀を誘引する性フェロモンを林縁の植物に擦り付けているのかもしれません。
各個体の飛び方を見ていると、林縁のある区画を往復しているようだったので、テリトリーがありそうです。
今回の映像は、クモの網にかかったコミスジを撮影する合間に(ついでに)ちょろちょろっと撮っただけなので、未だ観察が不十分です。

たまたま今回はスギ林で撮りましたが、群飛の舞台となる樹種には特にこだわりが無いようです。
この時期はスギ林に限らず、様々な灌木林でも群飛していました。(映像公開予定:別日にクリの木の周囲を群飛)
謎解きのためには、更にじっくり観察する必要がありそうです。
とりあえず、交尾中の♀♂ペアや産卵中の♀を見つけるのが次の目標です。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。


【追記】
日本大百科全書(ニッポニカ)で「トンボエダシャク」を参照すると、

とんぼえだしゃく / 蜻蛉枝尺蛾
[学]Cystidia stratonice
昆虫綱鱗翅(りんし)目シャクガ科に属するガ。はねの開張50~60ミリ。はねも腹部も細長い。腹部は橙(だいだい)色の地に、各節に黒紋を規則正しく連ねる。はねは黒く、白色の帯が1本あり、基部は白い。触角は棍棒(こんぼう)状に近いが、雌では細い。北海道から屋久(やく)島までと、対馬(つしま)、朝鮮半島、シベリア南東部から中国に分布する。成虫は年1回、初夏に発生し、昼間、食樹の近くを飛び回る。

しかしながら、触角の性差に関する下線部の記述は不正確なようです。
いつもお世話になっているDigital Moths of Japanサイトでトンボエダシャクを参照すると、以下の記述が♂♀標本の写真に添えられていました。
この属では, 触角は♂♀とも単純で先端部が太まる. 
トンボエダシャク?(蛾)@スギ林縁+飛翔+産卵?
トンボエダシャク?(蛾)@灌木林縁:用水路沿い+飛翔

2018/09/07

ハンノキ樹上から飛び立つトビ(野鳥)



2018年3月下旬


▼前回の記事
ハンノキ樹上でトビとハシボソガラスの神経戦(野鳥)

ハシボソガラスCorvus corone)が居なくなった後で、トビMilvus migrans)が休んでいるハンノキにそっと近づいてみました。
強い春風に吹かれて大きく揺れている枝でトビは辺りをキョロキョロと見渡しています。 

やがて急に右へ飛び立ちました。
慌てて流し撮りするとトビは力強く羽ばたいて水平に飛び、農地(田畑)を取り囲む防風林のスギの梢に止まりました。
カラスにモビングされたからではなく、私にしつこく撮られていることに嫌気が差したのでしょう。
自発的に飛んで止まり木を移動しました。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。


トビ(野鳥)@ハンノキ樹上・全景
トビ(野鳥)@ハンノキ樹上

2018/09/06

ハンノキ樹上でトビとハシボソガラスの神経戦(野鳥)



2018年3月下旬


▼前回の記事
縄張り意識の強い早春のハシボソガラスに怒られた(野鳥)

防風林に囲まれた農地(残雪に覆われた田畑)の上空を帆翔していたトビMilvus migrans)がハンノキの大木に止まりました。
落葉した枝には実がなっています。
この辺りを縄張りとするハシボソガラスCorvus corone)が1羽、先程からハンノキの樹上に止まっていて、トビはその下の枝に陣取りました。

先客のハシボソガラスは天敵のトビを見下ろしながら嘴を足元の枝に激しく擦り付けています。
これは欲求不満の現れ(転移行動)なのでしょうか?
やがてカラスは飛び上がって少し上の枝に移動しました。(@0:45)
トビから離れるようにハンノキの梢で上へ上へと移動します。

しばらくすると、樹上のハシボソガラスがお辞儀しながら鳴き始めました。(@2:35)
下の農地で採食しているつがいのパートナーに呼びかけているのかもしれません。
しかし私が撮影している横の用水路を雪解け水が流れていて、その水音のせいで遠くのカラスの鳴き声がほとんど聞き取れません。
やがて意を決したように、ハンノキ樹上のカラスが枝を下へ下へと少しずつ飛び降り始めました。(@3:24)
ようやく勇気を出して、恐る恐るトビに心理的圧力をかけているように見えました。
カラスが尾羽根を扇のようにパッパっと開閉しているのは、緊張の現れでしょうか。

素人考えでは喧嘩の際に上に位置した方が精神的にも優位に立てるはずなのに、トビは頭上のカラスには全く構わず、辺りの農地を悠然と見回しています。
トビの尾羽根には特徴的な三角の切れ込みがあります。

なぜこのハシボソガラスはもっとしっかりモビング(擬攻撃)して天敵の猛禽類を縄張りから追い払わないのでしょうか?
未だ経験の浅い若鳥で、トビに立ち向かって行く自信や勇気が無いのかな?
繁殖期が始まったばかりの早春は、縄張り意識が希薄なのでしょうか?
意気地なしの♂は♀にもてないだろう、と余計な心配をしてしまいます。
もう少し季節が進んだ4月下旬には、カラスが鳴き騒いで近隣の仲間を呼び寄せ、樹上のトビを共同で追い払う激しいモビング行動を見ています。

▼関連記事
樹上のトビを激しく襲うカラス混群【HD動画&ハイスピード動画】(野鳥)


急に樹上のハシボソガラスが枝から飛び降りて急降下し、姿を見失ってしまいました。(@6:37)
雪解けして土が露出した畑で何か植物質の餌を見つけて食べているのはつがいの別個体だと思います。

うるさいカラスが居なくなっても、トビは相変わらずハンノキ樹上で休んでいました。
今回のモビングは中途半端で消極的な心理戦・神経戦で終わり、トビの貫禄勝ちといった印象です。
通年観察していると、トビもこの辺りを縄張りとしているようで(防風林のどこかに営巣?)、顔馴染みのカラスとの攻防戦を日々繰り返していました。
今回そもそも、ハシボソガラスが止まっているハンノキにトビがわざわざ飛来したのも、カラスに心理的な圧力を掛けて存在感を示し、追い払おうとしていたのかもしれません。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。

つづく→ハンノキ樹上から飛び立つトビ(野鳥)


トビ(野鳥)vsハシボソガラス@ハンノキ樹上+心理戦

2018/09/05

クモの円網に捕まって暴れるコミスジにトンボエダシャク(蛾)が誤認求愛



2018年7月上旬・午後15:48〜16:18

平地の用水路沿いにスギ林があり、その林縁にクモの大きな正常円網が張られていました。
垂直円網の辺縁部(上部)に1頭のコミスジNeptis sappho)が囚われていて、擬死(死んだふり)していました。
下手に暴れると振動でクモにすぐ感づかれてしまい、捕食されるからです。
ときどき意を決したように必死で羽ばたいて暴れても、強力な粘着性の横糸が外れません。
(コミスジが休んでいる状態の映像は退屈なので、編集でカットしました)
おそらくオニグモの仲間(コガネグモ科)が造網したと思われますが、なぜか網の主は獲物を捕食しに現れず放置しています。

  • 昼間は網の外の隠れ家に潜んでいるのかな?
  • 脱皮直前の眠で食欲がない?
  • 天敵の捕食者にやられた?

コミスジは翅を全開にした姿勢で囚われの身となっています。
チョウの翅一面に敷き詰められている鱗粉は剥がれやすく、クモの網にかかっても逃げやすいように進化しています。(※追記2参照)
しかしチョウの胴体や足にクモの網の粘着糸が付着してしまうと、万事休すです。

その一方、周囲のスギ林の林縁やマント群落をトンボエダシャクCystidia stratonice stratonice)と思しき蛾が何頭も飛び回っています。
群飛と呼べるかどうか分かりませんが、何をしているのか気になります(映像公開予定)。

クモの網にかかったコミスジを撮っていると、そうした蛾がときどき飛来します。
残念ながら窮地のコミスジを助けに来たのではありません。
クモの網に捕らえられたコミスジに軽くぶつかっただけで、あっさり飛び去ります。
おそらく翅の色が白黒の模様で似ていることから、交尾相手と誤認して求愛しに来たのでしょう。
しかしすぐに別種と気づいて飛び去りました。
飛来した蛾がコミスジに誤認求愛したシーンを1/5倍速のスローモーションでリプレイしてみます。(@1:59〜2:42)
蛾に誤認求愛されたコミスジは必死に羽ばたいて暴れます。
その羽ばたきを見た蛾は更に興奮したように周囲を飛び回るものの、やがて離れて行きました。

我々ヒトの目から見るとコミスジとトンボエダシャクは、確かに翅の模様が白黒という点は共通ですけど、それほど模様が似ているとは思えません。
ひょっとすると、性フェロモンの分子構造が似ているのかもしれません。
もしトンボエダシャク♀を生け捕りにしてクモの網に付けてやると、辺りを飛び回る同種♂が誘引されて次々と死の罠にかかってしまうかな?(ゴキブリ・ホイホイならぬ、トンボエダシャク・ホイホイ)
色々な鱗翅目(蝶や蛾)の死んだ標本あるいは翅だけをクモの網に付けておいたら、トンボエダシャクの誘引効果はどうなるでしょう?
適当な白黒模様の紙片を網に付けておくだけで誘引効果があるでしょうか?
試しに実験してみたかったのですが、残念ながらこの日の私は捕虫網を持ってきていませんでした。

ところで、網に囚われたコミスジの周りをずっと飛び回っている小さな双翅目も気になります。
クモの網にかかった獲物や食べ残しに集まる吸血性のブヨなのかな?
クモの網の粘着糸に着陸しても飛び立てるようです。


※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。



つづく→スギの林縁を飛び回るトンボエダシャクの謎(蛾)


【追記】
蝶と蛾の性別を見分けられないのに誤認求愛だろうと解釈してしまいましたが、縄張り意識の強いトンボエダシャクがコミスジを追い払いに来た、という別の解釈も成り立つかもしれません。
しかし、トンボエダシャクはクモの網にかかったコミスジに対して軽くぶつかっただけですぐに飛び去ってしまうので、闘争行動ではなさそうに思います。


【追記2】
大谷剛『昆虫―大きくなれない擬態者たち』p67によると、
「鱗粉は外敵に捕まったときに、逃げるのに非常に有効」とある。翅をくわえられたら、鱗粉を残してスルリと逃げる。そしてこれは「クモの巣に対しても有効」とも書いてある。
(中略)古い個体になると、鱗粉も少なくなってクモに捕らえられてしまうのだった。これは「大福餅の粉」ではないか。大福餅には手にべたつかないように片栗粉がまぶしてある。べたつくところに粉をつければ、べたつかなくなる。(p98〜99より引用)
鱗粉が「大福餅の粉」という例えはとても秀逸で、私もこれから使わせてもらいます。

コミスジ@オニグモsp(蜘蛛)正常円網:捕囚
コミスジ@オニグモsp(蜘蛛)正常円網:捕囚
コミスジ@オニグモsp(蜘蛛)正常円網:捕囚
コミスジ:翅裏@オニグモsp(蜘蛛)正常円網:捕囚
コミスジ@オニグモsp(蜘蛛)正常円網:捕囚・全景
コミスジ@オニグモsp(蜘蛛)正常円網:捕囚・全景
コミスジ@オニグモsp(蜘蛛)正常円網:捕囚・全景


縄張り意識の強い早春のハシボソガラスに怒られた(野鳥)



2018年3月下旬

季節を戻して早春の観察記録です。
未だ残雪に覆われた広大な畑で採食していたハシボソガラスCorvus corone)のつがいのうち、一羽が飛び上がって近くの落葉樹(クルミ? クリ?)に止まりました。
(映像はここから。)



【追記】:秋に現場を再訪し、樹種はオニグルミと判明しました。

カラスはオニグルミの枝から樹冠へ飛び上がって移動しました。
止まり木で尾羽根を何度もパッパッと開閉しているのは何を意味するボディランゲージなのでしょう?(誇示行動?)
私の方を向いてお辞儀しながらガーガー♪鳴き騒ぎました。
やがて飛び立つと私の頭上を旋回します。
空中から私に糞を落としてくるのではないかと用心しながら撮り続けると、ハシボソガラスは近くに立つハンノキ高木の枝に止まり直しました。
再び飛び降りると、縄張りを旋回飛翔しながら鳴き♪、初めに居たクルミの樹冠に戻りました。
私に対するモビング(擬攻撃)行動なのかな?
そろそろ繁殖期が始まる頃ですから、縄張りを守っているのでしょう。
近くに巣を作ろうとしているのかもしれません。
カラスがもっと怒ると木の枝を折って威嚇するのですが、今回そこまではしませんでした。

▼関連記事
木の枝を折って威嚇するハシブトガラス【野鳥】

私がカメラを左にパンすると、猛禽類のトビMilvus migrans)が農耕地(田畑)の上空を帆翔していました。
羽ばたきと滑翔を交互に繰り返しています。
私に対して示威飛行するぐらいなら、なぜハシボソガラスは天敵のトビを迎撃・モビングして縄張りから追い払わないのか、不思議でなりません。
未だ経験の浅い若鳥でトビに立ち向かって行く自信や勇気が無いのかな?と想像したりしました。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。
この処理の副作用で、青空を背景にトビが帆翔するシーンの一部が勝手に暗転されてしまいました。

いつの間にかハシボソガラスはクルミの梢から農地の奥にそびえ立つハンノキ喬木まで飛んで行き、枝に止まりました。

つづく→ハンノキ樹上でトビとハシボソガラスの神経戦(野鳥)


ハシボソガラス(野鳥)@ハンノキ樹上

2018/09/04

雛に虫や木の実を給餌し糞を巣外に捨てるコムクドリ♀(野鳥)



2018年6月中旬・午後16:24〜16:35


▼前回の記事
カエデ樹洞の巣に通って雛に給餌するコムクドリ♂(野鳥)

採餌から帰ってきたコムクドリSturnus philippensis)の親鳥♀が営巣木の近くの電線に止まりました。
コムクドリの成鳥は頬の色の有無で性別が見分けられるので、観察しやすくて助かります。
嘴に咥えていた獲物はカメムシでした。
臭気を発して身を守るカメムシの作戦はコムクドリ♀に対して効き目がなかったようです。


親鳥♀がジーッ♪と繰り返し鳴き続けているのは、私に対する警戒声なのでしょう。
巣で待つ雛に「ただいま、今帰るよ」と帰巣を知らせているのかな?
獲物を咥えながらでも鳴けるようです。(もしかして、鳴いているのは近くで見張る別個体の親鳥♂?)
電線からカエデ(イロハモミジ?)老木の枝を伝い下りて樹洞に近づくと、巣内から餌乞いする雛の騒々しい鳴き声が聞こえてきます。
給餌を済ませた親鳥♀は出巣すると再びすぐ横の電線に止まりました
ジーッ♪と警戒声を発した後、ジジジ♪と鳴きながら白っぽい糞のカプセルを口から吐き出しました。(@0:58)
豆のように見えたのですが、これはおそらく雛鳥が排泄した糞を捨てたのでしょう。(排糞行動)※ペリットを吐き出した可能性は?
コムクドリ♀はすぐに次の採餌へ飛んで行きました。

次に帰巣したとき、親鳥♀は何か虫を運んできたようです。
親鳥♀がカエデの横枝を伝って樹洞に飛び込む決定的瞬間が横から撮れて、ようやく巣の位置が判明しました。
巣内で雛の餌乞い♪が賑やかに聞こえてきます。
巣がある樹洞を正面から狙って撮りたくても、親鳥の警戒心が強くて下手に近づけない上に、カエデの木が生えている私有地に勝手に入る訳にはいきません。
少し離れた公道から撮るとなると、どうしてもアングルは限定されてしまいます。

その次に帰巣した親鳥♀は、嘴に何か赤くて丸い木の実を咥えてきました。
コムクドリはソメイヨシノなど桜の赤い果実を好んで雛に与えることが知られているので(‡追記参照)、おそらくそれでしょう。
電線から電線へ飛び移り、辺りの様子を見ながら少しずつ巣に接近します。
帰巣のタイミングを伺いながら、親鳥♀は脱糞しました(@2:13)。

給餌に通う親鳥の性別によって動画やブログ記事を分けましたが、実際には交互に巣へ通って(♂→♀→♂→♀→♀)給餌していました。
巣に出入りする前後にジュー、ジュー♪と警戒声を発し続けているのは、しつこく撮影する私に対してだけでなく、近所をうろついている飼い猫も警戒しているようです。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。
コムクドリ営巣地のプライバシー保護のため周囲に一部モザイクをかけました。

つづく→



‡【追記】
山本明『コムクドリの子育てとサクラの実』によると、

・木の幹や枝にある穴を「うろ」といいます。コムクドリは、木のうろに巣をつくる鳥です
・ヒナが巣立った後の巣箱の中には、サクラの種子がたくさん残されていました。コムクドリはヒナも親もサクラのような実を食べると、外側の柔らかい部分(果肉)だけを消化して、内側の堅い部分(種子=たね)は30分以内に吐き出します。
・コムクドリは虫などもよく食べますが、雑食性の鳥であることが確認されました。
(上越鳥の会『雪国上越の鳥を見つめて』p21-24より引用)



【追記2】
藤岡正博、中村和雄『鳥害の防ぎ方』によると、毒のある果実の一例としてソメイヨシノ(バラ科)が挙げられていて驚きました。
実は6月頃に熟すが、青酸配糖体(アミグダリン)を含む。完熟すると毒が消えるのか、ムクドリなどには相当食べられている。(中略)ソメイヨシノの果実を食べて死ぬムクドリ(ほとんどが、その年生まれの若鳥)もよくあります。 (p164より引用)



【追記3】
吉川徹朗『フィールドの生物学25:揺れうごく鳥と樹々のつながり』を読むと、毒性の有無は簡単に決めつけられないと知りました。
アミグダリンという有毒物質はある種の液果に含まれている。これは哺乳類に対して有害であるが、北米のヒメレンジャクという鳥はなぜかその液果をたくさん食べる。採餌実験をおこなった研究では、ヒメレンジャクはアミグダリンを忌避せず、大量に摂取しても何も影響が見られなかったという。この事例が示すように、植物の毒素への感受性は動物の分類群によって大きく異なる可能性があり、鳥に対する影響を人間や哺乳類に対する毒性だけからは判断できない部分もある。(中略)毒に対する生き物の耐性はまだまだわからないことだらけだ  (p207-208より引用)




【追記4】 

ブルーバックス・シリーズの本『植物たちの戦争:病原体との5億年サバイバルレース』を読んでいたら、物騒なアミグダリンには植物が身を守る化学兵器という別の機能があることを知り、感動しました。

多くのバラ科植物に含まれる配糖体、アミグダリンは病原菌の侵入を受けると加水分解されて青酸を生じるポストインヒビチン(しぐま註:攻撃後に、簡単な化学変化を起こして合成される低分子の抗菌性物質)です。アミグダリンの場合、青酸が菌に毒性を示すと考えられています。(第3章「植物はどうやって病気から自らの身を守るのか」より引用)

コムクドリ♀(野鳥)@電線+餌運搬(カメムシ)
コムクドリ♀(野鳥)@カエデ樹上+餌運搬(桜の果実?)
コムクドリ♀(野鳥)@電線+出巣排糞後
近くをうろつくイエネコ


2018/09/03

オオバギボウシの花で化粧するフタモンアシナガバチ♀



2018年7月上旬

小雨がぱらつく午後、民家の花壇に咲いたオオバギボウシの群落でフタモンアシナガバチPolistes chinensis antennalis)のワーカー♀が訪花していました。

正当訪花せずに薄紫色の花筒の外側にとどまっているので、穿孔盗蜜するのかと期待して撮り始めたのです。

▼関連記事
オオバギボウシの花で盗蜜するクマバチ♀
フタモンアシナガバチ♀がユリズイセンの花で盗蜜!?

ところが、フタモンアシナガバチ♀は身繕いしただけで飛び去ってしまいました。
私がもう少し早く蜂に気づいていれば、吸蜜シーンあるいは盗蜜の証拠映像が撮れていたかな?

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。


フタモンアシナガバチ♀@オオバギボウシ訪花+身繕い

2018/09/02

カエデ樹洞の巣に通って雛に給餌するコムクドリ♂(野鳥)



2018年6月中旬・午後16:22〜16:29

街中の庭木として植栽されたカエデ(イロハモミジ?)老木のてっぺんでコムクドリ♂(Sturnus philippensis)がジーッ♪と繰り返し鳴き続けていました。
嘴に何か獲物を咥えながらて警戒声を発しているので、近くに巣があるのだろうと予想しました。
カエデ老木の幹にはツタが絡みついていて、青葉が生い茂った枝には既に赤い翼果も実っていました。
通りに面した側とは逆に樹洞があり、どうやらコムクドリはその中で営巣しているようです。

周囲の安全を確認してから少しずつ枝を下りて帰巣します。
親鳥♂が巣に近づくと樹洞の中から雛鳥が餌乞い♪する鳴き声が賑やかに聞こえてきます。
給餌後も親鳥♂がしばらく営巣木に留まって警戒声を発していました。
私に対してだけでなく、近所をうろついている飼い猫を警戒しているようです。
巣を離れた親鳥♂は近くの電線に一旦止まって一休みしてから、採餌場へと飛び去りました。

コムクドリの繁殖習性について復習すると、

主に樹洞やキツツキ類の古巣に営巣するが、人家の屋根の隙間、石垣等に営巣したり、巣箱を利用したりもする。巣の中には枯葉や落ち葉を敷く。産卵期は5-7月で、卵数は4-6個、抱卵日数は8-11日、約14日で巣立ちを迎える。(wikipediaより引用)

5年前に一度だけコムクドリの給餌シーンを観察したことがあります。

▼関連記事(撮影:2013年6月下旬@民家の軒下の壁に開いた穴で営巣)
虫を雛に給餌する♪コムクドリ♀(野鳥)

つづく→雛に虫や木の実を給餌し糞を巣外に捨てるコムクドリ♀(野鳥)

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。

巣がある樹洞を狙って撮りたくても、親鳥の警戒心が強くて下手に近づけない上にカエデの木が生えている私有地に勝手に入る訳にはいきません。
少し離れた公道から撮れるアングルは限定されてしまいます。
コムクドリ営巣地のプライバシー保護のために一部モザイクをかけました。


コムクドリ(野鳥)営巣木:カエデ樹洞・全景
コムクドリ(野鳥)営巣木:イロハモミジ
コムクドリ♂(野鳥)@電線:雛給餌後

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