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2019/01/20

ツマグロヒョウモン♂の日光浴と縄張り占有行動【HD動画&ハイスピード動画】



2018年10月上旬

快晴の昼下がり。
河川敷の遊歩道のすぐ横の草むらでツマグロヒョウモン♂(Argyreus hyperbius)が日光浴をしていました。
クズの葉先や地面にしばらく止まっていた♂は、急に飛び立つと蝶道のように数往復してからほぼ同じ場所に舞い戻ります。
飛来したトンボを縄張りから追い払うのも目撃しました。(映像なし)
日光浴しながら、交尾相手の♀が飛来するのを待ち構えているのでしょう。
静止中の口吻に注目しても何かを舐めている訳ではないので、吸水やミネラル摂取ではありません。

初めはクズの葉の先端部に止まり、翅を全開にして昼下がりの強い日差しを浴びていました。
翅は半開きでゆるやかに開閉することもありました。

飛び立つ瞬間を狙って240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@0:10〜0:36、および2:06〜)
日差しが強く、絶好のスーパースロー撮影日和です。
こういうときに私は普段、物を投げつけて強制的に飛び立たせることもあるのですが、今回は蝶が自発的に飛び立つまで少し離れた所から気長に待ちました。

翅裏の斑紋も撮りたくて私が回り込もうとすると、警戒したツマグロヒョウモン♂が飛んで逃げ、縄張りの拠点を少し変えてしまいました。
遊歩道のシロツメクサの葉などに止まり直しました。
縄張りを張るのなら少し高い所を選んで止まる方が辺りを見渡せて良いと思うのですが、地面に近くてもあまり気にしないようです。

(私が立ち去るのを待っていただけかもしれません。)

左からシジミチョウの仲間(種名不詳)が飛来し、地面で日光浴していたツマグロヒョウモン♂の目の前を横切りました。(@2:06〜)
なんとなく、ヒメシジミやツバメシジミではないかと思うものの、定かではありません。
ツマグロヒョウモン♂はピクッと反応しただけで、飛び立ちませんでした。
小物は眼中に無いのかと思いきや、二度目の領空侵犯でスクランブル発進しました。
実はそのシジミチョウの行動にはシジミチョウなりの目的があり、同種の2頭が追いかけっこをしていたのです。
カメラの仕様でハイスピード動画モードでは固定焦点になってしまうため、シジミチョウ♀♂の求愛飛翔を記録できずに残念でした。
その間にツマグロヒョウモン♂はシジミチョウの追跡を止め、奥のクズの葉先に止まり直しました。(映像なし)

それにしても、今季はツマグロヒョウモンとの遭遇回数が過去最高を更新中です。
本来は南方系であるツマグロヒョウモンをここ北国(東北地方の雪国)で何度も見かけるようになったということで、地球温暖化に伴う分布の北進をひしひしと実感します。
もはやレア感はありません。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。



【追記】
『フィールドガイド日本のチョウ』でツマグロヒョウモンを調べると、
♂は見晴らしのよい場所で占有行動をとる。 (p201より引用)
「見晴らしの良い場所」と言っても、それほど高くない(場合もある)ということを今回の観察で知りました。



【追記2】
環境Eco選書『チョウの行動生態学』によると、蝶♂の配偶戦略には探索戦術と待伏せ戦術の2通りがあり、ツマグロヒョウモン♂は後者なのだそうです。
空き地や芝生などの開けた場所にとまっていたツマグロヒョウモンArgyreus hyperbiusが、急に飛び立っては元の場所に戻ることを繰り返しているのを見たことのある人は多いのではないだろうか。これはツマグロヒョウモンの♂が何かが飛来したのに気づいて、♀かどうか確認しに行く姿である。(p128より引用)
ツマグロヒョウモン♂@クズ葉+日光浴:縄張り占有
ツマグロヒョウモン♂@シロツメクサ葉+日光浴:縄張り占有
ツマグロヒョウモン♂@小径+日光浴:縄張り占有

2019/01/13

フタモンアシナガバチ♀コロニー内の優劣行動



2018年9月下旬

田園地帯を走る鉄道を敷設するために盛った砂利を支えるコンクリートの土台や鉄骨の隙間に多数のフタモンアシナガバチ♀(Polistes chinensis antennalis)が群がっていました。
周囲の状況を説明するのが難しいのですけど、細い農業用水路を線路が跨ぐために小さな鉄橋になっている部分の隙間です。
時期的にワーカー♀ではなく、新女王なのかもしれません。

おそらくこのコンクリート土台の物陰に巣があって一部の個体が日光浴に出て来たのだろうと思われますが、覗き込んでも日向と暗い日陰のコントラストがきつくて巣を見つけられませんでした。
小さな手鏡があれば探すのに役立ったかもしれません。


♀同士で背後から馬乗りになり頭部に噛みつく、という優位行動をしているペアが気になりました。
攻撃を受けている個体は身を伏せて無抵抗です。(劣位行動)
アシナガバチのコロニーでは基本的に羽化した順から上位になる厳しい順位性があり、最優位の女王蜂はワーカー♀を力づくで(激しい優位行動で)支配していることが知られています。
創設女王の権勢が衰えるとともに新女王が羽化するとコロニーの順位性がどう崩れていくのか、きちんと個体標識してコロニーを長期観察すれば面白そうです。
優劣行動に興味がある人は、日本の昆虫3『フタモンアシナガバチ』(山根爽一 著)を一読することをおすすめします。


※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。


フタモンアシナガバチ♀群れ@線路コンクリート土台
フタモンアシナガバチ♀群れ@線路コンクリート土台
フタモンアシナガバチ♀群れ@線路コンクリート土台・全景



2019/01/10

夕方の空で喧嘩するカラスの群れ(野鳥)



2018年9月下旬・午後16:17

街中の上空を夕方に5羽のカラスが激しく飛び回っていました。
遊びのような追いかけっこなのか、縄張り争いの空中戦なのか、原因が分かりません。
(繁殖期が終わると縄張り意識は薄れると思うのですが…?)

少し遠くて外見からカラスの種類を見分けられないのですが、聞こえる鳴き声がカーカー♪と澄んでいるので、ハシブトガラスCorvus macrorhynchos)かな?

塒入りするにはまだ早いでしょう。
ちなみに、日の入り時刻は17:30。


カラスspp5(野鳥)群れ@空中戦

2019/01/04

ヒミズ死骸の肉片をクロヤマアリから守るクロオオアリの群れ



2018年9月下旬


▼前回の記事
ヒミズの腐乱死体に飛んで集まるヨツボシモンシデムシ

腐乱したヒミズUrotrichus talpoides)の死骸から少し離れた路上に小さな肉片が転がっていました。
死骸から食い千切った肉片を4匹のクロオオアリCamponotus japonicus)のワーカー♀が巣に運ぶ途中のようです。
肉片を大顎で噛んで引っ張り、更に細切れにしようとしています。
肉片には数匹の白い蛆虫(ハエの幼虫)が蠢いているのですが、アリは蛆虫を獲物とはみなしていないのか、肉片に夢中です。


▼関連記事
猿の死骸からウジ虫を運ぶアリ

2匹のクロヤマアリFormica japonica)も物欲しそうに肉片に近寄って来ました。
しかし、体格に勝るクロオオアリ♀が撃退しました。
クロヤマアリ♀は追い払われてもすばしこく逃げ回り、横取りするチャンスをしつこく狙っています。

もし仮に、クロヤマアリが援軍を呼び寄せてクロオオアリを数で圧倒したら、勝機はあるのでしょうか?


※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。


クロオオアリ♀4 vs クロヤマアリ♀2@ヒミズ死骸:肉片

2019/01/02

鼻息を荒げ蹄を踏み鳴らして威嚇するニホンカモシカ



2018年9月下旬
▼前回の記事
スギ林の急斜面を下りながら眼下腺マーキングするニホンカモシカ

山林の獣道から車道に下りてきたニホンカモシカCapricornis crispus)は私に気づき、じっと凝視しています。
カモシカは目が悪い(近視)らしいのですが、濡れた鼻をヒクヒクさせて私の匂いを嗅ごうとしています。
角や耳介には個体識別の特徴となるような欠損などは見当たりません。

実はカモシカとの遭遇に備えて、車道に立っていた私はそっと姿勢を低くして片膝立ちになって待ち構えていました。
警戒心の強い野生ニホンカモシカにどうしたらより近づいて撮れるか、という私なりの試行錯誤のひとつです。
カモシカが見ている前で姿勢を低くしてもあまり効果が無いことが分かっています。


▼関連記事(4年前の撮影)
ニホンカモシカ(左角欠け)の鼻息威嚇♪と逃走

やがてニホンカモシカは、いつものようにフシュ、フシュ♪と鼻息を鋭く吐いて私に威嚇し始めました。
濡れた鼻から鼻水が垂れています。
騒ぎを聞きつけた野次馬のカケスが近くの樹上でけしかけるようにジャージャー♪と警戒声を発し始めました。
私がじっと動画を撮り続けていると、ニホンカモシカは意を決したように舗装された車道に出て来ました。

鼻息威嚇に効果が無いことに業を煮やしたカモシカが数歩ずつ前進して近づいて来るようになりました。

見慣れない無礼な侵入者を縄張りから追い出そうとしているのでしょう。
揃えた前脚を高く跳ね上げてから振り下ろし、左右の蹄を舗装路に同時に打ち付けてカッ♪と鳴らします。
突進する素振りはただのブラフだろうと分かっている私は、落ち着いて撮影を続けます。
カモシカが居丈高に蹄を踏み鳴らす威嚇の示威行動を実際に見るのは初めてで、内心とても興奮しました。

路上でしゃがんで片膝立ちをしていた私の足が痺れてきたので、撮りながらゆっくり体勢を変え、両膝立ちになりました。 
現場は勾配のある峠道で、私の方がカモシカよりも少し高い位置に居ます。
両膝立ちでも見かけの身長はカモシカより低く保っています。
今回の個体が強気で私を恐れず威勢が良いのは、おそらく私が姿勢を低くしているからだと思います。

尻尾を左右に振っているのは、体に集る吸血性の昆虫を払っているのでしょう。 
興奮状態を表しているボディランゲージなのかもしれません。

強気のカモシカが調子に乗ってどんどん私に近づいてくるので、状況が緊迫してきました。
正直に言うと、このまま野生のカモシカに角で小突かれてみたいという密かな願望は少しありました。
しかし怒ったカモシカの鋭い角で本気で突かれたら大怪我しそうです。
これ以上カモシカとチキンレース(度胸試し)を続けるのは危険と判断し、私もカモシカの鼻息威嚇を真似して応戦することにしました。


▼関連記事(6年前の撮影)
野生ニホンカモシカと鼻息で鳴き交わしてみる

カモシカがフシュフシュ♪と鼻息威嚇をしてきたら、そのすぐ直後に私も応戦します。
私がただ鼻息を吐いても大きな音が出ないので、口から気迫を込めた歯舌音でシュッ♪と鋭く発するようにします。
すると効果てきめんで、カモシカはそれ以上近寄らなくなりました。
さっきまでの強気が嘘のように、神経質そうに横を向き(視線を逸らし)がちになりました。
これは弱気のサインです。
戦意喪失したカモシカは遂に完全に体を横に向けると、腹立ち紛れに鼻息威嚇しながら路肩のガードレールをひらりと飛び越えました。
ススキの茂みに隠れながらも、負け惜しみのようにしつこく鼻息を荒げ続けています。
ここでようやく私が立ち上がると、驚いたカモシカは藪に覆われた斜面を慌てて駆け下りて行きました。
この対決を見守っていたカケスがやんややんやと囃し立ててくれました。
幸い車が1台も通りかからず、誰にも邪魔されずに野生動物と1対1の濃厚な遭遇を体験をすることができました。
迫力のある映像が撮れて大満足です。

私の撮影スタイルはカメラの液晶ディスプレイを見るのではなく、カメラを顔の正面に構えてファインダーを覗いているため、カモシカと視線を直接合わせませんでした。
カモシカから見ると私はカメラで顔(目)を隠していたことになります。
野生動物をじっと直視(凝視)するのは敵意の現れと解釈されるので、例えばニホンザルを相手にするときなどは特に注意が必要です。
今回のカモシカが私を恐れず(舐めてかかり)近づいてくれた理由として、視線を隠し低姿勢だったことの他に考えられるのは、私が全身迷彩服を着ていたことです。
アスファルトの路上に居たので周囲に溶け込む迷彩効果はありませんが、見慣れない模様にカモシカは戸惑った(興味を持った)のかもしれません。

一触即発のにらみ合いになっても長年の経験と知識を活かして我ながら冷静に対処できました。
もしかすると結構危ない状況だったのかもしれません。
しかし私には切れるカードがあともう2枚ありました。
カモシカが迫ってきても逃げずに急に立ち上がりカメラで隠していた顔を見せて睨みつければ、私はカモシカよりも身長が高いので怯むはずです。
もしそれでもカモシカの突進が止まらなければ、最終手段として、クマも撃退できる強力な催涙スプレーを噴射するつもりでした。
(夏山に入る時は必ず熊よけスプレーを腰のホルスターに携帯するようにしています。)
以上ノウハウみたいなことを書いてみましたが、カモシカの気性には個体差がありそうですから、これを読んだ人が真似して襲われても私は責任を負えません。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。



つづく→再会篇


ニホンカモシカ:顔@車道+対峙
ニホンカモシカ@車道+対峙
ニホンカモシカ@車道+対峙
ニホンカモシカ@車道+駆け寄り威嚇

 

↑【おまけの動画】 
"Utah mountain goat wants to fight!"  by Kevin Slider
北米の氷河を登山中に好戦的なシロイワヤギに絡まれたときの対処方とは?

2018/12/19

チゴハヤブサの縄張り争い/子別れ?(野鳥)



2018年9月中旬・午前9:13

田園地帯の上空からキーキーキーキー♪という聞き覚えのある猛禽類の甲高い鳴き声がします。
振り返って空を探すと、2羽の猛禽類が激しい空中戦を繰り広げていました。
急降下や急旋回を繰り返しながら追い回しています。
一瞬だけ一羽が高圧線に止まったものの、すぐに飛んで相手を追いかけます。
高速飛翔での空中戦は見応えがありました。

田んぼに隣接する住宅地から撮ったので、手前の電線や民家の屋根が目障りですね。
開けた撮影アングルを求めて住宅地から田園地帯に急行したのですが、着いた頃には空中戦は終わっていて、猛禽類の姿はありませんでした。

残念ながらやや遠くて鳥の種類をしっかり見分けられません。
今季に別の場所で定点観察していたチゴハヤブサFalco subbuteo)だと嬉しいのですが、どうですかね?
地図を広げてみると、今回の現場は定点観察に通っていたチゴハヤブサの止まり木から直線距離で2km弱でした。
チゴハヤブサならひとっ飛びの距離ですから、同一個体の行動圏内(縄張り)であってもおかしくありません。
ただし、チョウゲンボウFalco tinnunculus)の可能性もありそうです。

この空中戦は縄張り争いなのでしょうか?
幼鳥同士による追いかけっこの遊びかな?
時期的に子別れの可能性もあり、育った幼鳥を親鳥が縄張りから追い出そうとしているのかもしれません。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。



【追記】
熊谷勝『カラー自然シリーズ66:ハヤブサ』によると、
巣立って2か月をすぎると、ヒナは親鳥のあとをおって、なわばりの外にもでるようになります。見よう見まねで、親鳥の狩りを学ぶのです。急降下、きりもみ、宙返り、急旋回などの高等な飛翔技術を、親鳥と空中遊戯をしながら身につけます。 (p22より引用)
チゴハヤブサとハヤブサは習性がどれぐらい共通しているのか分かりませんが、参考のために引用しました。
私の知る限り、チゴハヤブサだけを扱った本や写真集が出版されていないのです。



2018/12/16

クサガメ:親亀の上に子亀を乗せて?



2018年8月中旬

蓮池の岩場でこの日は大小3匹のクサガメMauremys reevesii)が日光浴していました。

大きな成体(おそらく♀)の甲羅の上に小形の♂(頭部、頸部が真っ黒で斑紋なし)が乗ろうとしています。
まさに「親亀の上に子亀」状態でした。
甲羅干しするお気に入りの岩場を巡って縄張り争いがあったのでしょうか?
なんとなく、優劣を決めるマウンティングでも交尾行動でも無さそうです。
単に下の亀の甲羅を乗り越えようとして手足が届かなくなり身動きできなくなったのではないかと、勝手に想像しました。
それにしても、下の個体が逃げたり嫌がったりしないのが不思議です。
寛容なのは本当に親子だから…? (亀は血縁認識して相手への態度を変えるのだろうか?)
下になった大型の個体の甲羅の後部が破損していて、V字の切れ込みの有無が不明です。(切れ込みがあれば♂)
前脚の爪が長いので♂だと思うのですけど、どうでしょう?


少し離れた岩ではもう一頭の個体(小形の若い個体)が平和に甲羅干ししていました。
泥だらけの甲羅が乾いています。


亀はスローライフなので、気が短い人は早回し再生でご覧下さい。
※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。



【追記】
クサガメの性別など、色々と間違っていたので訂正しました。
周囲に生い茂ったハスの葉に遮られて、岩場はほぼ日陰になっていました。
♂は日光を少しでも浴びようとして♀の甲羅の上に登ったのでしょう。(♂の甲羅の前半部だけが日を浴びています。)

クサガメ親子?ab@蓮池:岩+マウント
クサガメ親子?ab@蓮池:岩+マウント
クサガメ親子?ab@蓮池:岩+マウント

2018/11/26

チゴハヤブサ同士の空中戦と止まり木を巡る争い(野鳥)



2018年8月中旬


▼前回の記事
チゴハヤブサ幼鳥が止まり木で羽ばたき練習、羽繕い、餌乞い♪(野鳥)

翌日も例の止まり木を見に行くと、チゴハヤブサFalco subbuteo)は不在でした。
諦めて帰りかけたら、数羽が飛来してくれました。
交差点で信号待ちをしながら撮影したので、手前の建物や電柱、電線が邪魔になり、飛んでいる個体数もよく分かりませんでした。

モミの巨木の天辺に止まっている個体を見つけました。
そこへ別個体が飛来し、止まり木を乗っ取りました。
襲われた個体は驚いて止まり木から飛び立ちました。
しかし止まり木を乗っ取った個体もすぐにモミ樹冠から飛び去りました。
チゴハヤブサの高速飛翔を1/5倍速のスローモーションでまずご覧ください。
幼鳥同士が遊びの空中戦を繰り広げているのでしょうか?
子別れにしては時期が早い気がします。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。

視界が開けた場所まで急行し、撮影を続けます。


つづく→止まり木で獲物を食べ飛び去るチゴハヤブサ幼鳥(野鳥)




【追記】
与名正三『森のハヤブサ―ナニワの空に舞う』という素晴らしい写真集を見ていたら、
幼鳥同士空中で足を掛け合い、天敵に対する攻撃の練習を行なう(巣立ち後8日目)。(p57より引用)
と題した見事な生態写真が目に留まりました。
チゴハヤブサとハヤブサは別種で習性が異なるのかもしれませんが、参考になりました。
巣立ち後は幼鳥の飛翔力を高めるために親鳥が幼鳥になかなか獲物を渡さなくなり、幼鳥が追いかけたりすることもあるそうです。

2018/11/10

親鳥に巣外給餌してもらい食後に脱糞するチゴハヤブサ幼鳥(野鳥)



2018年8月中旬
▼前回の記事
獲物を捕食するチゴハヤブサ(野鳥)

前回初めて見つけてから12日後、ようやくチゴハヤブサFalco subbuteo)と再会できました。
今回は逆光のアングルになってしまいましたが、家族群の行動を観察することができました。
お気に入りの止まり木となっているヒノキの大木の枯れた梢をチェックすると、幼鳥(巣立ち雛)と思われる2羽が止まっていました。
ヒノキのてっぺんが枯れて風化しており、なかなかフォトジェニックで味わい深い止まり木です。

羽ばたきと滑翔を繰り返しながら辺りを飛び回っていた親鳥が、ようやく止まり木に戻ってきました。
狩りに成功したようです。
空腹で待っていた幼鳥a(巣立ち雛)が餌をねだり、親鳥から給餌してもらいました。
遠くて餌乞いの鳴き声は聞き取れず、獲物の正体も不明です。
細長い小枝のように見えたので、もしかするとナナフシまたはヤンマの仲間かな?
一段上の横枝に止まっているもう一羽の幼鳥bは、その間もおとなしく待っていました。

給餌を済ませた親鳥はすぐに左へ飛び去ると、近くの針葉樹の梢に止まっていた野鳥に高速でアタックしました。
獲物とみなして襲いかかったのか、縄張りから追い出す威嚇の攻撃なのでしょう。
襲われた鳥(カラス?)は慌てて逃げ出しました。

止まり木で留守番している2羽の幼鳥にレンズを向け直すと、幼鳥a(下の枝の個体)がポトリと食後の脱糞をしました(@0:49)。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。

つづく→チゴハヤブサ幼鳥にヤンマを給餌する親鳥(野鳥)


2018/10/30

アオカナブンとヨツボシオオキスイが樹液酒場で出会うと…



2018年7月下旬

里山の林道脇で定点観察しているコナラの樹液酒場で、1匹のアオカナブンb(Rhomborrhina unicolor)に注目して動画に撮ってみたら、ちょっと興味深い映像が得られました。

アオカナブンbがコナラの幹を少し降りると、立ち止まって前脚で顔を拭いました。
ヨツボシオオキスイHelota gemmata)が居座っている右横の樹液スポットに向かって行きます。
樹液酒場にズカズカと割り込むと、ヨツボシオオキスイを軽く前脚で小突いて蹴散らしました。
樹液酒場での序列は明らかにヨツボシオオキスイよりもアオカナブンが強いようで、闘争らしい闘争になりませんでした。
ところがアオカナブンはその場で方向転換すると、幹に対して上を向いて透明なオシッコをシャッと排泄しました。
オシッコが見やすいようにまずは1/5倍速のスローモーションでご覧下さい。
真下に居るヨツボシオオキスイには直接かからなかったものの、これも一種の攻撃(酷い侮辱)なのかな?
その後もアオカナブンはヨツボシオオキスイが居た樹液酒場には固執せずにコナラの幹をゆっくり登り続けたので、ただ無頓着に排尿しただけなのでしょう。

この樹液に集まっている昆虫相がいまいち貧弱なのは、周囲が杉をメインとした林だからかもしれません。
この日は鱗翅目が1頭も飛来せず、スズメバチ類も見かけませんでした。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。


アオカナブンb+ヨツボシオオキスイ@コナラ樹液吸汁

2018/10/25

訪花中のキアゲハを襲うトモンハナバチ♂【ハイスピード動画】



2018年7月下旬

農道沿いでムラサキツメクサに訪花するキアゲハを240-fpsのハイスピード動画で記録していたら、とても興味深いシーンがたまたま撮れていました。

キアゲハPapilio machaon hippocrates)が花から飛び立つまで長撮りしていると、途中から1匹のトモンハナバチ♂(Anthidium septemspinosum)が登場しました。
初めはニアミスしても互いに無関心でムラサキツメクサ(=アカツメクサ)から吸蜜し、トモンハナバチ♂は花から花へ飛び回っています。
トモンハナバチ♂がキアゲハの下をくぐって飛ぶこともありました。(@0:33〜)

やがて驚いたことに、トモンハナバチ♂がキアゲハの背後から狙いを定めてコツンと突撃しました。(@1:43)
不意に追突されたキアゲハは驚いて前方に飛び去りました。
それをトモンハナバチ♂は少し追尾してから戻って来ました。
トモンハナバチは狩蜂ではなくハナバチの仲間ですから、この攻撃性は意外でした。
これは探雌飛翔のパトロールをしていたトモンハナバチ♂が交尾相手の♀と間違えてキアゲハに誤認求愛したのでしょうか?

▼関連記事
訪花中のクマバチ♂を襲うトモンハナバチ♂【ハイスピード動画】

それなら初めにキアゲハを見つけた途端に飛びつこうとするはずです。
初めは見逃していた(無視していた)のに、しばらく経ってから急に交尾を挑むのは謎です。
確かにキアゲハの翅には黄色と黒の斑紋があり、トモンハナバチの配色と似ていなくもないですが、いくら何でもサイズや形が違い過ぎるでしょう。

同じ花に長時間居座って吸蜜していたキアゲハに対して、「いい加減、もうそろそろ縄張りから出ていけよ!」と攻撃的な占有行動をしたのではないか?という気がします。
トモンハナバチ♂には蜜源植物が咲いている一帯を縄張りとして、交尾相手の♀が飛来するのを待ち伏せする習性がありそうです。
だとすれば他種の昆虫と言えども、縄張り内の餌資源(花蜜や花粉)をあまり奪われないように追い払おうとしても不思議ではありません。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。

(登場したトモンハナバチが1匹ではなく複数個体だった可能性は?)

トモンハナバチは蜂類にしては珍しく、♂の体長が♀よりも大きい性的二型です。
これは♀を巡って♂同士で激しい闘争行動が繰り広げられることを示唆しているのですが、私は未だ見たことがありません。

2018/10/21

訪花中のクマバチ♂を襲うトモンハナバチ♂【ハイスピード動画】



2018年7月下旬

民家の庭に咲いたセイヨウニンジンボクの灌木でキムネクマバチ♂(Xylocopa appendiculata circumvolans)が吸蜜に来てしていました。
前回撮り忘れた240-fpsのハイスピード動画で訪花シーンを撮ってみました。(前回とは撮影地点が違います。)

▼前回の記事
セイヨウニンジンボクの花蜜を吸うクマバチ♀の群れ

花から花へ飛び立つ瞬間を狙ってクマバチ♂の羽ばたきに集中していたら、小型のトモンハナバチ♂(Anthidium septemspinosum)も素早く飛び回っていたことに現場では気づきませんでした。
スーパースローで見直すと、とても興味深い瞬間的な行動が記録されていました。

セイヨウニンジンボクの花で吸蜜中のクマバチ♂の背後からトモンハナバチ♂が飛来しました。
トモンハナバチ♂はホバリング(停空飛翔)して狙いを定めると脚を前方に伸ばして相手に掴みかかりました。
一瞬早くクマバチ♂が花から飛び立ち、間一髪で攻撃?を交わしました。
空中でホバリングしながらクマバチ♂とトモンハナバチ♂は睨み合いました。
2匹はすぐに別れたのですが、迫力たっぷりの一瞬の空中戦でした。
似ても似つかないのに(大きさも色も明らかに別種)、そそっかしいトモンハナバチ♂がクマバチ♂を交尾相手(トモンハナバチ♀)と誤認したのかもしれません。
探雌飛翔中のトモンハナバチ♂は、とりあえず蜂らしい物なら何でも飛びついてみる作戦なのでしょう。

▼関連記事(5年前の撮影)
トラマルハナバチ♀とトモンハナバチ♂のニアミス【ハイスピード動画】

Take2の映像でも、奥の花に移動したクマバチ♂の背後から再びトモンハナバチ♂が急襲していました。
この出来事に全く気づかずに撮影を止めてしまったのが残念です。

おそらく誤認求愛だろうと考えていたら、特定の蜜源植物の周囲に縄張りを張って守ろうとする(クマバチ♂などのライバルを追い払う)占有行動の可能性も出てきました。
実は同じ日に別な場所で観察したのですが、訪花中のキアゲハに対してもトモンハナバチ♂が背後から飛びかかって追い払っていました。
▼関連記事
訪花中のキアゲハを襲うトモンハナバチ♂【ハイスピード動画】
さすがに大型の蝶に対してトモンハナバチ♂が誤認求愛するとは考えにくいので、占有行動の習性もありそうです。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。


【追記】
アメリカの公共放送局PBSが近縁種Wool Carder beeを扱った動物番組を公開しました。
見事なスーパースロー映像を駆使していて、見応えがあります。
雄蜂♂が蜜源植物の群落で縄張りを張り、同種の♂や他種のハナバチ(マルハナバチなど)を激しく追い払うと紹介されていました。
つまり、縄張り防衛の占有行動という解釈でした。
闘争の際には腹端の刺を使うそうです。
同種の♀が訪花に来ると交尾を挑むのです。

2018/09/12

採食中に小競り合いするハシボソガラス幼鳥(野鳥)



2018年6月中旬

▼前回の記事
幼鳥の餌乞い♪を聞き流すハシボソガラスの親鳥(野鳥)

芝生と灌木が生えた緑地でハシボソガラスCorvus corone)の親子連れが地上採食していました。
2羽の幼鳥に注目します。

何か食べている幼鳥にもう一羽の幼鳥が近寄ると、食物を奪われまいと小競り合いが勃発。
このとき鳴いた嘴の中が赤いので、幼鳥と分かります。
結局餌を横取りされてしまった個体がトコトコと歩いてどんどんこちらに近寄って来ました。
手前のハコネウツギの木の下で採食している親鳥のもとへ行こうとしています。


※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。


ハシボソガラス(野鳥)幼鳥2@探餌採食+小競り合い♪

2018/09/06

ハンノキ樹上でトビとハシボソガラスの神経戦(野鳥)



2018年3月下旬


▼前回の記事
縄張り意識の強い早春のハシボソガラスに怒られた(野鳥)

防風林に囲まれた農地(残雪に覆われた田畑)の上空を帆翔していたトビMilvus migrans)がハンノキの大木に止まりました。
落葉した枝には実がなっています。
この辺りを縄張りとするハシボソガラスCorvus corone)が1羽、先程からハンノキの樹上に止まっていて、トビはその下の枝に陣取りました。

先客のハシボソガラスは天敵のトビを見下ろしながら嘴を足元の枝に激しく擦り付けています。
これは欲求不満の現れ(転移行動)なのでしょうか?
やがてカラスは飛び上がって少し上の枝に移動しました。(@0:45)
トビから離れるようにハンノキの梢で上へ上へと移動します。

しばらくすると、樹上のハシボソガラスがお辞儀しながら鳴き始めました。(@2:35)
下の農地で採食しているつがいのパートナーに呼びかけているのかもしれません。
しかし私が撮影している横の用水路を雪解け水が流れていて、その水音のせいで遠くのカラスの鳴き声がほとんど聞き取れません。
やがて意を決したように、ハンノキ樹上のカラスが枝を下へ下へと少しずつ飛び降り始めました。(@3:24)
ようやく勇気を出して、恐る恐るトビに心理的圧力をかけているように見えました。
カラスが尾羽根を扇のようにパッパっと開閉しているのは、緊張の現れでしょうか。

素人考えでは喧嘩の際に上に位置した方が精神的にも優位に立てるはずなのに、トビは頭上のカラスには全く構わず、辺りの農地を悠然と見回しています。
トビの尾羽根には特徴的な三角の切れ込みがあります。

なぜこのハシボソガラスはもっとしっかりモビング(擬攻撃)して天敵の猛禽類を縄張りから追い払わないのでしょうか?
未だ経験の浅い若鳥で、トビに立ち向かって行く自信や勇気が無いのかな?
繁殖期が始まったばかりの早春は、縄張り意識が希薄なのでしょうか?
意気地なしの♂は♀にもてないだろう、と余計な心配をしてしまいます。
もう少し季節が進んだ4月下旬には、カラスが鳴き騒いで近隣の仲間を呼び寄せ、樹上のトビを共同で追い払う激しいモビング行動を見ています。

▼関連記事
樹上のトビを激しく襲うカラス混群【HD動画&ハイスピード動画】(野鳥)


急に樹上のハシボソガラスが枝から飛び降りて急降下し、姿を見失ってしまいました。(@6:37)
雪解けして土が露出した畑で何か植物質の餌を見つけて食べているのはつがいの別個体だと思います。

うるさいカラスが居なくなっても、トビは相変わらずハンノキ樹上で休んでいました。
今回のモビングは中途半端で消極的な心理戦・神経戦で終わり、トビの貫禄勝ちといった印象です。
通年観察していると、トビもこの辺りを縄張りとしているようで(防風林のどこかに営巣?)、顔馴染みのカラスとの攻防戦を日々繰り返していました。
今回そもそも、ハシボソガラスが止まっているハンノキにトビがわざわざ飛来したのも、カラスに心理的な圧力を掛けて存在感を示し、追い払おうとしていたのかもしれません。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。

つづく→ハンノキ樹上から飛び立つトビ(野鳥)


トビ(野鳥)vsハシボソガラス@ハンノキ樹上+心理戦

2018/09/03

河原で採食していたハシブトガラスの餌を横取りするハシボソガラス(野鳥)



2018年6月下旬

河原の水際の岩の間で1羽のハシブトガラスCorvus macrorhynchos)が何か食物を啄んでいます。
そこへ2羽のハシボソガラスCorvus corone)が飛来し、餌を横取りしてしまいました。

採食メニューが何だったのか気になります。
餌の争奪戦にならなかったのが意外でした。
ハシブトガラスは多勢に無勢で勝ち目がないと判断したのか、それとも満腹したのでしょうか?
種間の力関係は意外にもハシブトガラス<ハシボソガラスなのかな? 
もしかして、後から来た2羽はハシブトガラスの幼鳥だったりしますかね?
親子だとしたら餌を譲ったのも頷けます。
しかし、幼鳥が親鳥に餌をねだる行動(餌乞い)は見られませんでした。
私は未だハシブトガラスの幼鳥が見分けられず、いつも悩みます。

あっさりと横に退いたハシブトガラスは石の上にジャーっと大量の液状便を排泄して(@0:46)、飛び去りました。
抗議の脱糞というよりも、飛び立ち前の軽量化でしょう。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。


ハシブトガラスvsハシボソガラス2(野鳥)@川岸+採食

2018/09/01

ハシボソガラスの幼鳥が電線で兄弟喧嘩?(野鳥)



2018年6月中旬

電線に並んでいた4羽のハシボソガラスCorvus corone)がふざけたようにガーガー♪と嗄れ声で鳴き騒いでいます。
横歩きで隣の個体ににじり寄り、嘴で軽くつつき合うのをきっかけに小競り合いが勃発しました。
少し飛び立って上の電線に避難。
電線を横歩きして、足元の碍子がいしをを嘴でつついて悪戯しています。
途中でビクッとしたのは、電線に直接触れてしまった嘴が感電したのかな?(@0:52)
(電線でバランスを崩しただけ?)
いつの間にか他の3羽は飛び去っていました。

好奇心旺盛な様子からなんとなく、この群れは巣立ち後の幼鳥のような気がします。
もろに逆光のために、嘴の中の色を確認できませんでした。


ハシボソガラス(野鳥)幼鳥?4@電線+喧嘩
なにやらフォトジェニック?

2018/08/27

日光浴中、互いに手足を振るミシシッピアカミミガメの謎(求愛行動?)



2018年6月中旬


蓮池の岩で3匹のミシシッピアカミミガメTrachemys scripta elegans)がいつものように甲羅干ししていました。
この日は日光浴しながら後脚をばたつかせる、という謎の行動を繰り返していて、興味深く思いました。
特に中央の個体がよくやっています。

日光浴で体温が上がり、運動したくなっただけなのかな?
それとも、日光浴する岩場で縄張り争いのように互いを牽制するための誇示行動なのでしょうか?
近くに居る相手を蹴飛ばすには届かない距離を互いに保っています。

私は亀について勉強不足なのですが、♂による求愛行動なのかもしれません。
しかし求愛ディスプレーなら、♀の目の前に回り込んでからやらないと意味がないような気がします。
後脚だけでなく前足も同様に動かしているかどうか興味があるのですけど、岸からでは見えません。

小学館・自然観察シリーズ『日本の両生類・爬虫類』でミシシッピーアカミミガメを参照すると、

♂は前肢の爪が長く、繁殖期には♀の前で、さかんに指をふるわせて、求愛のディスプレーを行う。(p70より引用)


侵入生物データベースサイトでミシシッピアカミミガメの繁殖生態について調べると、

交尾は春と秋にみられる.産卵は4月から7月にかけてなされる.
雄は伸長した爪を雌の前で震わせて求愛する.


途中で池を泳いでやって来た4匹目の大型個体が新たに岩場へ上陸し、割り込みました。

▼前回の記事
池から岩に上陸して日光浴するミシシッピアカミミガメ♂
このとき先客との間で陣取り合戦のような激しい争いにはなりませんでした。
しかし元気に手足を振っていた中央の個体(中型)が向きを変え、右の新顔に対しても左後脚をヒラヒラと左右に振って見せつけました。
それをじっと見ている新顔の亀(甲羅が未だ濡れている)は無反応です。
やはり求愛誇示なのかな?

その後も何度か定点観察に通ったのですが、甲羅干し中の謎の足振り行動を見たのはこの日限りでした。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。

全個体の性別をしっかり判定したくても、岸から狙うだけでは撮影アングルが限られてしまいます。
取り敢えず真上から(背側から)甲羅の形状を確認し、岩場を回り込んで亀の正面から前脚の爪の長さを撮りたいのです。
池にドローンを飛ばして撮影するのは大袈裟なので、岸から伸ばした長い竿の先にGoProのようなアクションカメラを取り付けて撮るのが手軽そうです。



↑【おまけの動画】
Takeo Oshimaさんが撮影なさった「ミシシッピアカミミガメの求愛行動」を参考のために紹介します。
泳ぎながら水中で前脚を振っています。


2015年9月20日、東京都江東区清澄庭園にて撮影。小さい方が雄。雌の顔の前で両手を揃えて震わせ、顔に触れる。


【追記】

内田至『カメを飼ってみよう』という入門書(児童書)によれば、
アメリカから日本にやってきたアカミミガメのディスプレイは、たいそうはでです。(中略)小さな♂が、大きな♀の顔の前で、大きくのびた前肢のつめを、両方からおがむように合わせて、はげしくふります。ときには、♂が♀の背中にのって、♀の頭の上でこのはげしいディスプレイをすることもあります。 (p35〜36より引用)

この本でも求愛時の後肢の動きについて記述はありませんでした。
ということは、今回動画に撮れた後肢を振る動きは求愛ディスプレイではなさそうです。

ミシシッピアカミミガメ3@蓮池:岩+日光浴+足振り求愛?
ミシシッピアカミミガメa@蓮池:岩+日光浴+足振り求愛?
ミシシッピアカミミガメb@蓮池:岩+日光浴+足振り求愛?
ミシシッピアカミミガメb@蓮池:岩+日光浴+足振り求愛?
ミシシッピアカミミガメc@蓮池:岩+日光浴+足振り求愛?

2018/08/26

ゼフィルス♂の卍巴飛翔【HD動画&ハイスピード動画】



2018年7月上旬・午後16:50〜16:57

用水路沿いの林縁で翅が青緑色の金属光沢(メタリック)に輝く2頭の小さな蝶が高速で互いに円を描くように激しく飛び回っていました。
林縁のやや高い位置から降りてきて用水路沿いの草むらのすぐ上で乱舞したり、再びもつれ合うように樹冠レベルまで高く舞い上がったりしています。
こんな平地でゼフィルスと出会い、卍巴飛翔が見れるとは全くの予想外で、嬉しい驚きでした。


▼関連記事(6年前の撮影)
ゼフィルスの卍巴飛行@渓流上

田中蕃『森の蝶・ゼフィルス』によれば、
高等なミドリシジミ類は、その活動中に、♂どうしが風車の回転をみるようなからみ合いを行なう。これを卍巴まんじともえ飛翔と呼んでいる。 (p28より引用)


薄暗い夕暮れ時だったと記憶しているのですが、実際の撮影時刻はそうでもありませんね。
ちなみに、この日の日の入り時刻は午後19:06。
空が厚い雲で覆われていたのかもしれません。

動きが速過ぎて肉眼では残像しか見えないので、ゼフィルス♂の猛烈な卍巴飛翔を、240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@0:49〜)
2頭ともに前翅表が鮮やかなコバルトグリーンなので、ミドリシジミ類の♂と思われます。
ミドリシジミ類の♀の翅色はもっと地味です。
やや引きの絵で撮った方が、ピントが甘くても見栄えが良いですね。
背後の林縁をトンボエダシャク?らしき蛾が飛び回っています。(@15:25)

栗田貞多男『ゼフィルスの森―日本の森とミドリシジミ族』によると、

 2頭の♂は互いに相手を追いながらループ状に飛翔し、高度を下げ枝先から離れていく。一方の♂は相手を押し下げ、少しでもテリトリー位置から引き離そうとしている。もう一方はそうはさせじと相手を押し上げ、時には8の字型の飛翔パターンを織り交ぜながら対抗する。
 卍どもえ飛翔はテリトリーをめぐる♂どうしの争いである。おもしろいのは種によって水平・垂直方向の重要性があるらしい(p54より引用)


ゼフィルスの専門家なら、この映像で動きを見るだけで、種類を絞りこめるのかもしれません。
かなり近くまで来てくれたのに、同定用のストロボ写真は全く上手く撮れませんでした。
私はいつも動画撮影を優先するので、練習量が足りないのでしょう。
しかし、これだけ動きが速いと、とてもピントを瞬時に合わせる余裕が無く、写真に撮れる気がしません…。

平地の広大な畑の周囲を雑木林が取り囲んでいる環境です。
特に多いハンノキをホストとするミドリシジミ♂(Neozephyrus japonicus japonicus)ではないか?となんとなく予想しているのですが、どうでしょう。
ミズナラやクヌギの木も少し生えているので、別種のゼフィルスである可能性もあります。



2018/08/17

ハシボソガラスの親鳥♀♂が協力してノスリ?を縄張りから追い払う(野鳥)



2018年5月下旬・午後18:18


▼前回の記事
電柱で空中戦を繰り広げるハシボソガラス(野鳥)

ハシボソガラスCorvus corone)の巣立ち雛が隠れていたニセアカシアの樹に再び近寄ってみました。
すると、先程とほぼ同じ場所に一羽で止まっていました。
やはり、未だ上手く飛べないのでしょう。

樹上の幼鳥が急に翼を広げてガーガー♪鳴いたので、飛来した親鳥に餌乞いしたのかと思いきや、全く違う展開になりました。
河畔林の背後から一羽の親鳥が凄い剣幕で鳴きながら川の方へまっしぐらに高速で飛んで行きます。
左に流し撮りすると対岸の河畔林上空で猛禽類をモビング(擬攻撃)中のカラスが居ました。
おそらく♀♂くつがいのパートナーなのでしょう。
これに加勢して2:1の空中戦になりました。
2羽のカラスが代わる代わる猛禽類に襲いかかります。
松原始『カラス先生のはじめてのいきもの観察』という本で最近読んだ通りのモビング作戦でした。

相手の頭上に占位し、交互に降下して攻撃をしかけるという無敵のコンボ技だ。(p174より引用)



遠くて猛禽類の翼の下面がよく見えません。
なんとなくノスリかな?と思うものの、トビかもしれません。
親鳥♀♂の共同戦線で天敵の猛禽類を縄張りの下流へ追い払いました。
そろそろカラスの繁殖期も終盤ですが、幼鳥や縄張りを守る意識は未だ強いようです。
カラスの親鳥が油断していると、飛べない雛鳥が猛禽類に狙われて捕食されたりするのでしょう。
しかしカラスも雛に給餌するために他の野鳥の雛を襲って捕食するので、食う食われるの自然界はお互い様で真剣勝負なのです。

ハシボソガラスの親鳥の行動を長時間観察していると、縄張りから追い払うのはカラスと猛禽類だけのようです。
(サギ類などの水鳥は無害と判断し、黙認しています。)
つまり親鳥は領空侵犯した鳥の飛影を瞬時に見分けて、迎撃すべきか対象かどうか決めていることになります。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。


つづく→ハシボソガラスの親鳥が路上で採食するも幼鳥に巣外給餌せず飛び去る(野鳥)

ハシボソガラス(野鳥)親鳥2 vs ノスリ?@モビング空中戦

2018/08/15

電柱で空中戦を繰り広げるハシボソガラス(野鳥)



2018年5月下旬


▼前回の記事
ニセアカシア樹上のハシボソガラス幼鳥に巣外給餌しに通う親鳥(野鳥)

ハシボソガラスCorvus corone)の巣立ち雛に巣外給餌する合間に一羽のハシボソガラスが川の堤防の横にある電柱の天辺の外灯カバーに止まりました。
定点観察している縄張り内で親鳥がよく使わう止まり木の一つなので、おそらく親鳥のうちの一羽αだろうと思いました。
動画に撮っていると、もう一羽βが飛来しました。
襲われる寸前にαは身を交わして逃げ、飛び去りました。

堤防の陰に飛び去ってしまったので、小競り合いの結末は不明です。
喧嘩中に鳴き声は聞こえませんでした。(鳴いていないと思うのですが…)

私の勝手な第一印象では、家族群の中の2羽のカラスが遊んでいる微笑ましい光景に見えました。
先に巣立った幼鳥同士が遊んでいるのかな?
あるいは、育雛が一段落した♀♂つがいが、ふざけて模擬戦をやってるだけ(遊びの空中戦)なのかと想像しました。
少し遠いので、幼鳥なのか成鳥なのか、見分けられていません。

しかし一瞬の空中戦を1/5倍速のスローモーションで見直すと、空中ですれ違いざまに互いに足の爪を相手に向けていました。
縄張りに侵入した別個体を追い払う闘争行動なのかもしれません。

カラスを個体識別できれば、観察した一挙手一投足にもっと深い解釈ができて更に面白くなるのになぁ…。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。

つづく→ハシボソガラスの親鳥♀♂が協力してノスリ?を縄張りから追い払う(野鳥)


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