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2018/02/22

恋矢を自ら引き抜くヒダリマキマイマイ



2016年10月上旬

夜、いつものように飼育容器内に霧吹きしていると、一匹のヒダリマキマイマイEuhadra quaesita)が恋矢れんしを排出していることに気づきました。
最近もう一匹と交尾したはずですが、私は見逃したようです。

恋矢(交尾矢love dart)はカルシウムを含み,交尾前に恋矢嚢が裏返しとなることによって射出され,相手の個体の皮膚に機械的刺激を与え,交尾が終ると捨てられる.刀身状のものが多いが,紡錘形・剣菱形・三角形・山形・円形など種類によってさまざまで,分類上の重要な標徴となる. (『岩波生物学辞典第4版』より引用)


透明なプラスチック容器越しに腹面から接写すると、水滴で濡れた壁面を舐める歯舌の動きよく分かります。
体の左側面から白く長い恋矢が伸びています。
魚の小骨のように湾曲し、一端は鋭く尖っています。
交尾の際にパートナーから刺された恋矢を傷口から排出しているのでしょう。
体内にしばらく残された恋矢は痛むのでしょうか?
やがて水滴を舐めるついでに、体を左によじって恋矢にキスを始め、体に刺さっていた恋矢を口で引き抜きました。
しばらく抜けた恋矢の根元を舐めています。
もしかすると、自分の体液(血液?)やパートナー由来の粘液が恋矢に付着していて、それを栄養源として摂取しているのかな?と想像しました。

後半は微速度撮影に切り替えて記録したので、10倍速の早回し映像でご覧ください(@4:01〜)。
蛇行しながら飼育容器の壁面を登って行きます。
波打つ腹足の蠕動がよく分かります。
ヒダリマキマイマイが這った後は、透明な粘液で泡立っています。



恋矢の排出シーンを観察したのはこれが初めてです。
今回の恋矢について改めて考えると、おかしなことに気づきました。
もし体内に刺さった恋矢を引き抜いたのなら、尖った先が内側(傷口)を向いているはずです。
しかし映像を見直すと、恋矢の尖った先が外側を向いています。
これは何を意味しているのでしょう?
交尾に使われなかった自分の恋矢を体内から排出(排泄)したのでしょうか?

そんな必要性があるのか疑問です。
次回の交尾に使えば良いのでは?
あるいは、交尾で相手を刺したのに恋矢が折れなくて、排出に手間取ったのかもしれません。(恋矢は交尾の度に使い捨て?)
交尾相手から刺された恋矢が体を完全に貫いて折れ、そのまま排出したのですかね?
それとも、捨てられた古い恋矢が容器の壁面に付着していて、徘徊中の個体がそれをゆっくり乗り越えるシーンをたまたま見ただけかな?
どのシナリオが正しいのか知るためには、交尾直後から連続録画でひたすら愚直に監視するしかなさそうです。


飼育容器内に脱落した恋矢を見つける度に記念として採集してきたのですが、なぜか今回の恋矢はどこに紛れてしまったのか、採集した記憶がありません…。


▼関連記事 (背側からの観察例)
交尾後に恋矢を排出するヒダリマキマイマイ

2018/02/19

ミゾソバの葉で求愛するイチモンジセセリ♀♂



2017年8月下旬・午後15:43

用水路沿いの草むらでイチモンジセセリ♀♂(Parnara guttata)が求愛していました。
ミゾソバの葉で翅を閉じて(立てて)止まっている♀の斜め背後に♂が来ています。
イチモンジセセリ♂は頻繁に飛び立って♀の目の前を少し飛び、すぐに葉上に戻る、という行動を繰り返していました。
イチモンジセセリ♀が一瞬だけ翅を少し開いたのは、交尾拒否の合図なのかな?
何度かアタックした後で脈なしと悟った♂は諦めて飛び去りました。
求愛が成就して交尾に至る例を早く観察してみたいものです。
(♀は翅を広げて♂を受け入れるのではないかと予想しています。)

▼関連記事(2013年の撮影)
イチモンジセセリ♂♀の求愛と交尾拒否@ススキ葉【ハイスピード動画&HD動画】
イチモンジセセリの求愛と交尾拒否@アカツメクサ花【ハイスピード動画&HD動画】




2018/02/14

交尾を迫るスズバチ♂を背負ったまま飛び回る♀【HD動画&ハイスピード動画】



2017年8月下旬・午後15:19〜15:23

農業用水路沿いに咲いたナガボノシロワレモコウの群落でスズバチ♀(Oreumenes decoratus)が訪花していました。
吸蜜シーンを撮っていると、雄蜂♂が飛来していきなり飛びついてきました。
儀式的な求愛行動は特に見られませんでした。
♂が♀に飛びつく瞬間を撮り損ねたのは残念無念。

♂がマウントしている間も♀は構わずに♂を背負ったまま花から花へ飛び回り吸蜜を続けています。(色気より食い気)
一方♂は♀の背に必死でしがみついているだけで、交尾器は未だ結合できていません。
したがって、トンボの配偶行動のように尾繋がりとか連結飛翔とは呼べませんね。
正式な用語を知らないので、ここでは勝手に「マウント飛翔」と呼ぶことにします。

スズバチ♂は♀を見つけてマウントしただけで安心してしているようで、おとなしくしているのが不思議でした。
必死に交尾しようと試みておらず、余裕を感じさせます。
とりあえず♀を確保してライバル♂から守ることができれば(交尾前ガード)満足なのかな?
この♀が交尾拒否行動をしているようには見えませんが、このペアは体格差があり過ぎて、マウントしたままでは交尾器が届かないのかもしれません。

花からペアで飛び立つ瞬間を狙って、240-fpsのハイスピード動画でも撮影してみました。(@1:40〜)
♀♂がほぼ同時に羽ばたいて離陸しているように見えますが、1/8倍速のスローモーションで見ると、羽ばたき始めるのは♀の方がほんの一瞬だけ早いことが分かりました。
加速がつくと♂はすぐに羽ばたきを止めてしまい、♀任せで次の花まで運ばれて行きます。
つまり、マウント飛翔の主導権は完全に♀が握っていました。
画角から見切れる寸前にも♂が再び羽ばたくことがあったので、失速して揚力が必要な着陸時も♀に協力するのかもしれません。
スズバチの♀はこれから巣材の泥玉を運んだり獲物の芋虫を巣に運んだりしないといけませんから、華奢な♂を背負って飛ぶぐらいは朝飯前なのでしょう。

最後スズバチ♀♂のペアは川を渡って田んぼ(休耕地?)の方へ飛び去りました。
どこか落ち着いた場所で交尾するのでしょう。

狩蜂の交尾開始を観察できたのは、これが初めてかもしれません。
とても幸運でした。

スズバチの雌雄をフィールドで同時に見れるのは交尾のときだけなので、この機会に性別の見分け方を検討しておきます。
体長は♀>♂で、雄蜂の方が華奢。
頭楯の色は、♀が濃い黄色(オレンジ色)で♂は白っぽい淡黄色。
顔色で見分けられたら一番楽なのですが、もしかすると羽化後の日齢で色が変わる(濃くなる)のではないか?と個人的には疑っているので、未だ保留にしておきます。(♀よりも♂が先に羽化する雄性先熟だとすれば私の杞憂?)
♂の触角は先端がやや屈曲している?ようにも見えますが、単独で居たときにこれだけで見分けられる自信はありません。
腹部(膨腹部)の体節を数えれば確実に見分けられそうです。(♂6節、♀5節で、♂の方が1節多い)


※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。



▼関連記事 (いきなり飛びかかる瞬間が撮れています)
スズバチの交尾拒否


スズバチの交尾(腹部の体節が♂は1つ多い)
スズバチの交尾(頭楯の色が♂は薄い)

2018/02/12

キンケハラナガツチバチ♀が交尾拒否する解発刺激とは?



2017年8月下旬

スペアミントの花蜜を吸うキンケハラナガツチバチ♀



民家の庭に咲いたスペアミントの群落でキンケハラナガツチバチ♀(Megacampsomeris prismatica)が訪花していました。
吸蜜している白い花穂で黄緑色の徘徊性クモ(ハナグモの仲間?)が待ち伏せしていたのですが、ツチバチは獲物として巨大過ぎる(手強い)ようで、クモは逃げ出しました。

ラストシーンでとても興味深い行動が偶然に録画されていました。
横の車道を一台のスクーターがブィーンと騒々しく通り過ぎる瞬間に、このキンケハラナガツチバチ♀が後脚を左右同時に高々と挙げたのです。(@2:13〜2:17)
この万歳姿勢は、以前に観察した交尾拒否行動と同じです。

♂に背後からマウントされないようにしているのでしょう。
▼関連記事
キンケハラナガツチバチ♀が吸蜜中に交尾拒否
スクーターのエンジン音(排気音)が交尾を挑んでくる雄蜂♂の羽音の周波数とたまたま似ていたので、面倒な♂が飛来したと誤認して交尾拒否姿勢が解発されてしまったのでしょう。
バイクが遠くから走って来て通り過ぎるとエンジン音がドップラー効果によって音程がやや低くなり、より迫真の解発刺激(リリーサー)になったと思われます。
それまでにも何台かの車やバイクが横の車道を通り過ぎたのですけど、この♀個体が最も明瞭に反応したのは最後のバイクに対してでした。
予め録音しておいた雄蜂♂の羽音やバイクの排気音を♀に聞かせて、再現性を確かめてみたら面白そうです。(プレイバック実験)

特にベスパ(Vespa:イタリア語でスズメバチの意味)という名前のイタリア製スクーターのエンジン音に対する反応を調べたら、ネタになりそうです。
ドローン(drone:英語で雄蜂の意味)のプロペラ音を♀の蜂に聞かせてみたら、どんな反応になるでしょう?
その一方で、雄蜂にこの音を聞かせても無反応と予想されますが、ライバル♂や天敵が飛来したと思って警戒したり迎撃を試みたりするのでしょうか?
その前に、音がどのぐらい似ているのか、声紋解析してみる必要がありますね。

ツチバチの♀は羽化後に一度交尾すると、その後は♂を拒むようになるのかな? (色気より食い気)


※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。


キンケハラナガツチバチ♀@スペアミント訪花吸蜜
キンケハラナガツチバチ♀@交尾拒否@スクーター音♪

2018/02/08

キタキチョウの交尾拒否?(誤認求愛?)



2016年9月下旬

休耕田の草むらでシロチョウ科の2頭が低空で飛び回り追いかけっこをしていました(追尾飛翔、求愛飛翔)。
求愛を繰り返している黄色い翅の個体は、キタキチョウ♂(Eurema mandarina)のようです。

一方、白い翅の個体がどうしてもしっかり同定できませんでした。
(どなたか映像で見分けられる達人がいらっしゃいましたら、ぜひとも教えてください。)
スロー再生で何度も見直してみたのですが、終始ピントがしっかり合わず、もどかしい限りです。
白い蝶は飛んで逃げ回るのを止めて草むらに降り立ち、アメリカセンダングサの花蜜を吸い始めました。
キタキチョウ♀の翅は♂よりも黄色が薄いらしいのですが、こんなに真っ白に見えるものなのでしょうか?
(翅を斜めから見ているので光の加減で白っぽく写っているだけ?)
その背後でキタキチョウ♂がホバリングのように羽ばたいて求愛しても、白い蝶は閉じた翅を素早く少しだけ開閉して交尾拒否しました。(※追記参照)
やがてキタキチョウ♂は諦めて飛び去りました。
(したがって縄張りから追い出す行動ではありません。)

白い蝶がキタキチョウ♀だとすれば、♂の求愛と♀の交尾拒否というストレートな解釈になります。
しかし白い蝶はモンキチョウ♀またはモンシロチョウのようにも見えるので、キタキチョウ♂が異種に対して誤認求愛したことになり、興味深く思いました。
シロチョウ科でも属レベルで違う種類の蝶に対して果たして誤認求愛するのかな?

黄色と白という2色の蝶の追いかけっこを見つけたとき、初めはモンキチョウの求愛飛翔かと思ったのでした。
モンキチョウの求愛飛翔では、逃げる♀の前に♂が回り込んで上昇するという動きをグルグルと繰り返すことが知られています。

▼関連記事 
モンキチョウ♀♂の求愛飛翔【ハイスピード動画】
ところが、今回の映像でキタキチョウ♂は白い蝶が逃げて行く後をただ追いかけるだけでした。

この後、ふられたキタキチョウ♂を追いかけた私は、近くのミゾソバの群落で訪花吸蜜したのを観察しています。
キタキチョウに特有の翅裏にある斑点模様を確認しました。(映像公開予定?)
むしろ白い蝶の正体を突き止めるべきでしたね。(アングルを少し変えて訪花シーンをしっかり撮るだけで良かったのに…。)


「キタキチョウの求愛」でネット検索してみると、公開された情報は少ないようですが、見事な生態写真を掲載したブログを見つけました。
はばたき「第二部 キタキチョウの求愛飛翔」(by Favoniusさん)
撮影アングルによってキタキチョウ♀の翅はクリーム色というよりもかなり白っぽく見えることがあるようです。
モンキチョウの求愛飛翔とは飛び方が違うのだそうです。

一方、YouTubeで検索してみると、唯一yomaturi1さんの動画「キタキチョウ探雌行動2」がヒットしました。

はっきりしたことは、覚えていませんが、この藪の中に蛹があり、その蛹を探して飛翔しています。雌雄の区別は出来ないようで、オスの蛹にも集まります。
とのコメントを頂きました。
キタキチョウは羽化直後の飛べない♀に♂が集まって交尾することもあるようです。
そのような観察例がFavoniusさんのブログ記事「第三部 キタキチョウの強制求愛」に報告されていました。



▼関連記事(4年語の撮影)
羽化直後のキタキチョウ♂にしつこく誤認求愛する♂の群れ



※【追記】
交尾拒否するキタキチョウ♀の写真を拝見すると、翅を大きく広げながら腹端を高々と持ち上げていました。
私の動画では斜めから見たアングルでわかりにくいのですが、そのような明確な交尾拒否ではありませんでした。
やはり異種間の出会いだったのでしょうか?



【追記2】
浅間茂『カラー版 虫や鳥が見ている世界―紫外線写真が明かす生存戦略 』(中公新書)によると、
シロチョウ科のキタキチョウは♂の黄色い部分が紫外線を反射し、♀は吸収した。(中略)このキタキチョウの♂の翅は撮影する角度によってその紫外線反射量が変化した。これは構造色の発色のしかたと似ている。 (p24より引用)

・♂のキタキチョウはモルフォチョウと同じ構造で紫外線だけを反射している。それも少し角度が変わるだけで大きく変化する。(中略)キタキチョウは紫外線反射により、互いに雌雄を容易に見極めている。 (p25-26より引用)
私も紫外線で動画が撮れるカメラが欲しくなりました。


2018/01/28

キンケハラナガツチバチ♀が吸蜜中に交尾拒否



2017年8月下旬

平地の農業用水路沿いに咲き乱れるハチミツソウ(別名ハネミギク)の群落でキンケハラナガツチバチ♀(Megacampsomeris prismatica)が訪花していました。

触角の短い♀が吸蜜しているところへ、触角の長い♂が飛来しました。
特に求愛行動は無くて、いきなり♀に飛びつきました。
キンケハラナガツチバチ♂は3回アタックしたものの、♀にマウントできずに♂は諦めて飛び去りました。
♀の交尾拒否行動は具体的に何をしたのか、よく分かりませんでした。
♀が♂を脚で蹴ったり、後脚を背面に高く挙げて万歳のような姿勢になるのが♂のマウントを妨げる交尾拒否なのかな?
♂が居なくなっても♀は吸蜜を続けます。
後脚も高々と上げなくなりました。


▼関連記事
スペアミントの花蜜を吸うキンケハラナガツチバチ♀(交尾拒否行動の意外な解発刺激)

恥ずかしながら正直に告白すると、私はキンケハラナガツチバチとオオハラナガツチバチの区別がいつも自信ありません。
今回は蜂を採集できていないので、動画をスロー再生で何度も見直すしかありません。
もしかすると、オオハラナガツチバチ♀にキンケハラナガツチバチ♂が誤認交尾を試みたシーンかもしれません。
♀の背板の黄色(白色)帯が3本か4本かが問題になるのですが、薄っすらと4本目が見えている点が不慣れな素人を悩ませるのです。
今回♀にアタックした♂の頭楯は黄色っぽく見え、背板の黄色帯は4本でした。

【参考サイト@平群庵昆虫写真館:オオハラナガツチバチキンケハラナガツチバチ(2)



2018/01/02

交尾中のルリイロハラナガハナアブの一種♀♂



2017年8月中旬

河畔林から河川敷に伸びてきたフジ(藤)の蔓の葉に乗って交尾中の虻を発見。
これは、以前に観察したことがあるルリイロハラナガハナアブ(またはルリイロナガハナアブ)の一種Xylota sp.)だと思います。


▼関連記事(5年前の撮影)
ルリイロハラナガハナアブの一種の交尾と連結逃走


背側に続いて側面から撮ると、2匹は互いに逆を向き結合部の腹端を上下に小刻みに揺らしていました。
この行動は5年前の映像にも記録されていたので、精子を送り込む運動なのでしょう。
マクロレンズを装着して、背面から接写してみます。
右の個体は左右の複眼が接しているので♂、左の個体は複眼が離れているので♀と判明。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。



撮影後に、ありあわせのビニール袋を素早く被せて、この♀♂ペアを採集しました。
以下は採集した標本の写真。

2017/08/22

ヨツモンカメムシ♀♂交尾中の綱引き



2017年5月下旬・午前7:00頃

朝、郊外の道端に生えた灌木(ハルニレ?)の葉でヨツモンカメムシUrochela quadrinotata)の♀♂ペアが交尾していました。
風で葉が絶えず揺れるので、あまりズームできません。
左にいる大柄な個体Lが♀なのでしょう。

交尾器を結合したまま互いに逆へ歩こうとするので、綱引きのような引っ張り合いになっています。
ドリトル先生に登場するオシツオサレツを思い出しました。
このオシツオサレツ状態を性的対立と呼ぶのは大袈裟でしょうけど、葉裏に隠れたいのか、♀が交尾を終えたいのかもしれません。

葉上に鳥の糞が付着しているのですが、吸汁せずにその上を通り過ぎました。

▼関連記事
鳥の糞を吸汁するセアカツノカメムシ♀
鳥の糞を吸汁するツノアオカメムシの幼虫

最後はようやく2匹とも葉裏に回り込みました。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。



ところで、この灌木の樹種はハルニレで合ってますかね?(あまり自信がありません)


2017/08/20

ハシブトガラス♀♂の求愛給餌と相互羽繕い(野鳥)



2017年5月上旬

アカマツ樹上でのハシブトガラス営巣記録#4


ハシブトガラスCorvus macrorhynchos)の巣があるアカマツに対して左奥の落葉高木(樹種不明)にいつの間にか親鳥の1羽αが止まっていました。
芽吹き始めた樹上で嘴を足元の枝に擦り付けたりのんびり羽繕いしたりしています。
やがて右から番(つがい)のもう一羽βが飛来しました。(@0:30)
同じ枝に並んで止まると左のαLが両方の翼を持ち上げてばたつかせました。
これはカラスの雛や幼鳥がやる餌乞い行動と同じです。
右のβRがそれに応え、口移しで給餌しました。
食後は2羽とも嘴を枝に擦り付けています。
カラスの求愛給餌行動を見たのは初めてです。
きっとβRが♂なのでしょう。
遠くて風が強いこともあり、α♀による餌乞いの鳴き声などは聞き取れませんでした。

プレゼントで♀の胃袋を掴んだ後に右の個体R(♂)がキスを迫ると左の個体L(♀)がのけぞって嫌がっているのが、見ていて微笑ましく思いました。
めげずにR♂がL♀に軽い相互羽繕いを数回行いました。(ニホンザル同士の蚤取り行動を連想します)
お返しの羽繕いはなかったので、厳密には「相互羽繕い」ではなく「対他羽繕い」ですね。
とにかく仲睦まじい様子で熱々です。
妬けるねー。

『科学のアルバム:カラスのくらし』によると、

この時期には、♀のカラスが♂のカラスに食べ物をねだることがあります。この行動は、のちにたまごをうむ♀のカラスに、より多くの栄養分をあたえることにやくだっているようです。
♀のカラスに食べ物をあたえる、♂のカラス。♀は羽をふるわせ、クークーと鳴いています。(p14より引用)
♂が♀に食べものをあたえる行動は、♀が産卵期をむかえてからもずっとつづきます。(p15より)



最後はほぼ同時に枝から飛び立ちました。
カーカー♪鳴きながら左に飛び、1羽はスギ高木の天辺に止まりました。
また私に対する警告です。


※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。

私がハシブトガラスの巣を撮影しているとあまりにも親鳥が嫌がるので、短時間で切り上げて帰りました。
親鳥がストレスでこの営巣地を放棄してしまうのでは本末転倒になってしまいます。

つづく→#5:巣で給餌後に抱雛するハシブトガラス♀(野鳥)



▼関連記事(3、6年後に撮影)
モミ樹上の巣で求愛給餌するハシボソガラスの♀♂つがい(野鳥)

パートナーにパンを求愛給餌するハシブトガラス(野鳥) 



営巣木との位置関係

ホバリング中のクマバチ♂に石を投げてみると…【HD動画&ハイスピード動画】



2017年5月下旬

川の堤防で河畔林のニセアカシア(=ハリエンジュ)が白い花を満開に咲かせていました。
その周囲でキムネクマバチ♂(Xylocopa appendiculata circumvolans)がホバリング(停空飛翔)しています。
訪花する♀を待ち構えて交尾しようと空中で縄張りを張っているのです。
♂同士の競争が熾烈なためか、飛んでくる♀を見つけたらスピード勝負です。
♀でなくとも取り敢えず何か飛んでくる物(未確認飛行物体)を見つけたら全速力で飛んで行き、他種の昆虫やライバルのクマバチ♂なら縄張りから追い出します。
そのため雄蜂の複眼は♀に比べて非常に大きく発達しています。
体力を消耗するこの縄張り占有行動を雄蜂は忙しなくひたすら繰り返しています。

この行動の解明に一石を投じるため足元の砂利を拾い、240-fpsのハイスピード動画に撮りながらホバリング中のクマバチ♂に小石を投げつけてみました。(@0:41~)
すると、放物線を描いて落ちる石を交尾相手の♀またはライバル♂と誤認して雄蜂がスクランブル(緊急発進)で追尾します。
クマバチ♂の優秀な動体視力および迎撃の反応速度もスローモーションの映像から分かりますね。
投げた小石の大きさや色、形状によって雄蜂の反応性に違いはあるか、ちゃんと調べたら面白いかもしれません。
おそらく同一個体と思われる♂に対して繰り返し投石実験を行いました。
投石を追いかけても、すぐに誤認と気づいて追尾を止めています。
しかし慣れは生じず、ほぼ毎回引っかかる(騙される)のが興味深く思いました。
反射的な行動なのでしょう。
先日、鏡に映った自分の姿に対してもクマバチが飛びかかっていく面白い行動を観察したのですが、そうなるのも納得です。

▼関連記事
車体や窓に映った鏡像に戦いを挑むクマバチ♂

実を言うと、このネタは数年前にYouTubeのコメント欄で海外の虫好きの方から教えてもらった遊びです。
動画で記録したくて毎年密かに挑戦してきたものの、実際に撮ろうとすると意外に大変でした。
石を投げてくれる助手がいれば簡単なミッションですけど、一人でやろうとすると意外に難しいのです。
三脚を立ててホバリング中のクマバチ♂をカメラで狙っている間に、忙しい♂はもうどこかへすっ飛んで行ってしまいます。
仕方なしに手持ちカメラで撮りながら小石を投げつけてみたら、案ずるより産むが易しで、なんとか上手くいきました。
ちなみに雄蜂は針をもたないので、この実験で刺される危険は全くありません。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。

次に機会があれば背景がすっきりした所で撮り直すつもりです。
それからクマバチ♀♂の交尾を観察してみたいものです。





【追記】
高家博成、江川多喜雄『虫のうごくひみつ (花はな虫むし)』という児童書に、この実験のことが書いてありました。
むらさき色のふじの花がさくと、その近くの空中に、頭とおなかが黒くて、むねが黄色のクマバチの♂が、とまっているように、とんでいるのを見ます。♀がやってくるのをまっているのです。そばになにかとんでくると、さっととんでいって、♀かどうかたしかめます。スズメやハトのような、自分よりずっと大きいものでも、おいかけます。 
 ためしに小石をほうりなげてみました。すぐおいかけて、地めんにぶつかりそうになると、さっとはなれ、またもとのところにもどって、とびつづけました。(p5より引用)


2017/08/09

桐の萼で吸汁しながら交尾するツマジロカメムシ♀♂



2017年5月中旬

河川敷にそびえ立つキリ(桐)の高木の花を橋の上から更に観察すると、交尾中のツマジロカメムシ♀♂(Menida violacea)を見つけました。
咲いた花の根元の茶色の萼に乗って静止しています。
体長に性差がありました。
大きい左の個体が♀なのかな?
口元がよく見えませんが、おそらく♀は吸汁しているのでしょう。
互いに逆向きで交尾しながら、結合部を上下に何度も繰り返して動かしています。
♀がしつこい♂から逃れるために交尾器を外そうと躍起になっているのか、それとも♀が口吻をキリの萼に突き刺すためにグリグリと力を込めて前傾姿勢になっているのかもしれません。

以前観察した、木苺の実に取り付いていたツマジロカメムシは、果実に突き立てた口吻を抜き差ししたり体をグリグリと激しく動かしたりしながら吸汁していました。
▼関連記事 
クマイチゴの果実を吸汁するツマジロカメムシ
♀が動くせいで持ち上げられそうになっている右の♂が後脚をばたつかせていて滑稽でした。
やがて♀♂ペアは落ち着きました。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。



ツマジロカメムシは普通種ですけど、私はいつもスコットカメムシと迷います。


スコットカメムシは、体長1センチメートル前後の、キリやヤマハンノキなどのさまざまな樹木で見つかる山地性のカメムシ (藤崎憲治『カメムシはなぜ群れる?』より引用。『動物たちの気になる行動〈2〉恋愛・コミュニケーション篇 』p100より)


しっかり同定するために交尾ペアの近くに居た別の個体を一匹採集しました。
橋の欄干から手を伸ばせばキリの樹幹に手が届くという、観察には理想的な環境なのです。
捕獲したら臭気を発しました。
以下は採集した標本の写真。



2017/05/30

ハクセキレイのお辞儀(野鳥:求愛行動?)



2017年3月中旬・夕方17:45

ハクセキレイMotacilla alba lugens)の塒入りを見に来たら、日没直前の電線に止まった2羽の行動が気になりました。
右にいる個体がすぐ左隣の個体に向かって頭を低く下げて繰り返しお辞儀をしています。
それに対して相手は無反応でした。
こんな行動は今まで見たことがありません。
これは求愛行動ですかね? 
ここ雪国でもハクセキレイの繁殖期がいよいよ始まったのかな?
薄暗い上に逆光のため、映像からハクセキレイと判別するのも少々難しく、肝心の性別も不明です。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。

『日本動物大百科4 鳥類II』を紐解いてみても、

(ハクセキレイの)交尾は数回続けて行なうが、♂は交尾のたびに体をふくらまし、鳴きながら求愛する。(p77)
と書いてあるだけで、求愛行動の具体的な詳細が分かりませんでした。




↑参考映像:ka2kaさん撮影の見事な求愛ディスプレイ。
百科事典に載っていないことも検索すればすぐに生態動画が見れる、つくづく良い時代になりましたね。

2016/12/31

網に給餌したアキアカネ♀を捕食するアカオニグモ♀亜成体(蜘蛛)



2016年9月上旬
▼前回の記事
交尾前ガード中のアカオニグモ♀♂(蜘蛛)の網にムラサキツメクサの花を給餌すると…?


イヌタデを糸で綴った隠れ家に潜んでいるアカオニグモ♀♂(Araneus pinguis)が本当に食欲が無いのか確かめるために、近くで採集したアキアカネ♀(Sympetrum frequens)を給餌してみました。
なぜか昆虫の数がひどく少なくなっていて、捕虫網を持参しなかった私は生け捕りにするのに苦労しました。
(コオロギの幼虫、キタキチョウには逃げられました。)
もしかすると近くの水田で農薬散布された影響かもしれない、と疑ってしまいます。(未確認)




暴れすぎて網を壊したり逃げたりしないようにアキアカネ♀の前翅を半分毟り取っておきます。
垂直円網に付けた瞬間、トンボは擬死状態になり(死んだふり)、隠れ家のクモも無反応でした。
しばらくして網で獲物が暴れた途端に隠れ家からアカオニグモ♀が駆けつけました。
その一方で、近くに居たアカオニグモ♂は無反応でした。
交接前ガード中の♂はもう食欲が無いのでしょう。
先ほど試しに給餌してみたムラサキツメクサの花が未だ網に付着したままぶら下がっています。

アカオニグモ♀は必死に暴れる獲物に噛み付き、毒液を注入しました。
アカオニグモ♀の腹背は薄い黄色で(未だ赤くない)腹面の外雌器に垂体が残っているので、性的に未成熟な亜成体だろうと判明。
獲物が麻痺すると、未だ少し暴れるのも構わずにアカオニグモ♀は捕帯でラッピングを開始。
次に、網に付着したトンボの翅の周囲の糸を噛み切っています。
網のこしきを経由して、隠れ家に素早く獲物を持ち帰りました。
糸で吊り下げた獲物を引き上げ、捕食開始。
♀に食欲があるということは、脱皮するにはまだ早いということになります。

その間、アカオニグモ♂に全く動きはありませんでした。
♀が捕食中なら性的共食いのリスクを避けつつ♂は忍び寄って♀と交接するかな?と期待したのですが、♂は無反応でした。
♀が脱皮して成体になるまで♂は傍らでひたすら絶食・待機するのでしょう。

クモにずっと無視されていたムラサキツメクサの花はいつの間にか網から落ちていました。
自然に落ちたのか、それともクモが網から外して捨てたのか、見落としてしまいました。

※ 後半だけ(@4.13〜)動画編集時に自動色調補正を施しています。

ここまでが、アカオニグモ♀♂を見つけた初日の観察記録でした。

つづく



2016/12/28

交尾前ガード中のアカオニグモ♀♂(蜘蛛)の網にムラサキツメクサの花を給餌すると…?



2016年9月上旬・午後16:07〜16:09

▼前回の記事
アカオニグモ(蜘蛛)の交接前ガード

造網性クモが花を食べるという再現性に乏しい奇妙な食性がずっと気になっていて、機会がある度に調べています。

▼まとめ記事(リンク集)
花を食べる造網性クモの謎
営巣地の近くに咲いていたムラサキツメクサ(=アカツメクサ)の花を採取してアカオニグモAraneus pinguis)の垂直円網に投げつけてみました。
1投目は花が網を素通りしてしまい、失敗です。
網が揺れたのに隠れ家に潜むクモは♀♂共に無反応でした。
(映像はここから)

2投目で花が網に付着しました。
それでも意外なことに、隠れ家(画面左のイヌタデ)のクモは♀♂共に無視したままです。

そこで花に振動を与えるために、音叉を鳴らして花や網に触れてみました。
この振動数(A-440Hz)は網にかかった昆虫が暴れる羽ばたきとほぼ同じらしく、クモを騙せることが知られています。
ところが繰り返しやっても今回のクモは無反応でした。
♀を交接前ガードしているだけの♂成体の食欲が無いのは当然というかよく分かります。
しかし、♀は色気より食い気なのが普通です。
つい先程、隠れ家の♀が歩脚の先で網から伸びる信号糸に触れていることを確認したばかりです。
網にかかった花や音叉の振動を気づいているはずなのに、無反応なのは不思議です。
食欲がなくても網にかかった異物を取り除くために隠れ家から出てきても良さそうなものです。
♀は脱皮前の眠なのかな?

後で思うと、もう少し小さな花を給餌していれば結果は変わっていたかもしれません。
巨大な虫が網にかかったのかと思い、アカオニグモはすっかり怖がってしまったのかな?
以前、造網性クモが食べてくれたアメリカセンダングサの花は未だ咲いていませんでした。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。

しつこい私はそれでも懲りずに、生きた昆虫を網に給餌してみることにしました。


つづく→網に給餌したアキアカネ♀を捕食するアカオニグモ♀亜成体(蜘蛛)





2016/12/26

キセルガイの徘徊と交尾行動?【10倍速映像】



2016年9月上旬・午後14:40〜15:13

峠道の法面を補強するコンクリートの土留でマルハナバチの営巣地を定点観察するついでにキセルガイの一種を見つけました。
道端の側溝に繁茂する下草をかき分けたら、3匹のキセルガイが壁面に付着していたのです。
コンクリートの石灰分を好むのでしょうか?
現場の標高は645mで、コンクリート壁面は北東を向いています。
直射日光と乾燥を嫌ったキセルガイが下に向かってゆっくり移動を始めたので、微速度撮影してみました。
10倍速の早回し映像をご覧下さい。
愛機FZ300のジオラマモードで微速度撮影すると、チルトシフト効果でミニチュアの玩具のようなコミカルな動きになります。

3匹のうち、行動を共にしている2匹に注目しました。
個体bはaの細長い殻にしがみついていました。
aはbを背負ったまま左斜め下へ移動して行きます。
2匹分の重力がかかるために、cよりも移動速度が速いです。
abが這った軌跡には粘液で濡れた線が斜めに残りました。

後半は通常のHD動画に切り替えてリアルタイムの動きを記録してみます。(@2:07〜)
実際の動きも結構速いことがお分かり頂けるでしょう。
左斜め下に向かってひたすら移動を続けています。
この2匹は交尾中なのですかね?
キセルガイを観察するのがなにしろ初めてなので、その生態についてまるで疎いのです。
キセルガイの種類も見分けられませんが、2匹ともほぼ同サイズの成貝でした。
殻は左巻きです。
キセルガイもカタツムリと同様に雌雄同体らしいのですが、その交尾はヒダリマキマイマイ(蝸牛)の交尾と似ているのでしょうか? (※追記参照)
交尾中のカタツムリで見られるはずの恋矢やペニスは今回見ていません。(見逃した?)
微速度撮影よりも、キセルガイの接触部分を接写すべきでした。

互いに殻同士が引っかかって追い越せないだけのような気もしてきました。
おんぶしているように見えるときも、ヒッチハイクのように只乗りしているだけかもしれません。
2匹が同じ方向に進んでいるので、いつまで経っても離れません。
下の個体が壁面を離れ上の個体の殻を這い始めました。
2匹分の体重を支えつつ力強く移動。

最後は側溝の縁に達して落ち着きました。
適度な湿り気のある場所を好むのでしょう。

つづく→3匹目の動向

【参考ブログ】

キセルガイ
・みんな、あいしてる:キセルガイさんたちの結婚?

高尾山国有林巡視日誌(47)
・北のフィールドノート:エゾコギセル (キセルガイ)の交尾
・かたつむりが好き:今日の煙管貝



※【追記】
野島智司『カタツムリの謎: 日本になんと800種! コンクリートをかじって栄養補給!?』によると、
陸にすむキセルガイの仲間は、むしろ左巻きが多いという特徴があります。細長い殻をもつキセルガイの交尾は、平べったい殻をしたカタツムリの交尾とは異なり、お互いに向き合わず、同じ向きで交尾します。そのため、巻き方が異なっても交尾をするための構造上の問題が生じず、左巻きのものが増えていくという進化が比較的起こりやすいと考えられています。 (p57より引用)


雑草に覆われた側溝を見下ろす。奥がコンクリートの壁
除草すると壁面に3匹のキセルガイが現れた。
一円玉(直径20mm)を並べる

2016/12/25

アカオニグモ(蜘蛛)の交接前ガード



2016年9月上旬

用水路近くの道端でアカオニグモAraneus pinguis)の垂直円網を見つけました。
昼間なのに造網済みで、網の作り主である♀はイヌタデの穂先を糸でゆるく綴り合わせた隠れ家(地上からの高さ70cm)に潜んでいました。
アカマンマとアカオニグモの組み合わせがちょっと面白く思いました。
よく見ると、♀は歩脚の先で信号糸に触れています。
網に獲物がかかればその振動をいち早く感知して駆けつけ、捕食するのです。

♀はおそらく最終脱皮前の亜成体なのでしょう。
♀のすぐ近くに小柄な♂も居ました。
♀♂ペアで居るアカオニグモを見たのは初めてです♪
♂の触肢がおそろしく複雑な形状に発達していることから、♂は成体であることが分かります。
この♂は、♀が脱皮して成体となり交接のチャンスが来るまでひたすら待っているのでしょう(交接前ガード)。
もしもう一匹のアカオニグモ♂が網に侵入したら、♂同士の争いが見られるはず。

定点観察に通って♀の脱皮からの求愛、交接を観察したいものです。
アカオニグモの交接は♀の網上で一瞬のうちに終わるらしいので、よほどの幸運に恵まれないと野外で観察するのは難しそうです。
オニグモ類を飼育するスキルが未だ私には無いので、採集して飼育に挑戦すべきかどうか悩みます…。


参考:『クモの親と子』p44〜57


『クモのはなしII:糸と織りなす不思議な世界への旅』p8によると

造網性クモ類では♂は成体になると、♀の網に寄生生活をするようになり、自分では餌をとれません。


※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。

つづく→交尾前ガード中のアカオニグモ♀♂(蜘蛛)の網にムラサキツメクサの花を給餌すると…?



2016/12/17

コミスジ♀♂の交尾と連結飛翔



2016年9月上旬・午後15:50頃

山間部の道端に生えたアカソの群落で交尾中のコミスジNeptis sappho intermedia)の♀♂ペアを発見。
アカソはコミスジ幼虫の食草ではありませんが、葉に乗って翅を開閉しながら交尾しています。
互いに逆を向いて腹端の交尾器だけを連結しています。


『ヤマケイポケットガイド9:チョウ・ガ』p146によると、「(コミスジの)♀はやや大きく、翅が丸みをおびる」らしい。
ということは、今回の場合は右側の個体が♀ですかね?
1頭だけを見た時には、とても性別を見分けられる自信がありません。

翅裏を真横から見たくて、撮りながらアングル変更。
最後は広角に戻してからコミスジ♀♂に近づくと、連結したまま慌てて飛んで逃げました。
ところが途中で交尾器の連結が外れてしまい、別れてしまいました。
無粋なお邪魔虫でスマンスマン…。
次回は求愛シーンを観察してみたいものです。



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