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2016/08/09

ヒダリマキマイマイ歯舌の動き【改訂版】



2016年6月中旬・室温21.4℃、湿度72%

ヒダリマキマイマイEuhadra quaesita)が這い回りながらプラスチックの壁面を舐めている様子を透明容器越しに接写してみました。
ガリガリ齧る音は聞こえなかったので、ヤスリ状の歯舌を強く立ててはいないようです。

容器内に毎日欠かさず霧吹きするようにしているのですが、このとき壁面に水滴は残っていませんでした。
実は、この直前まで一緒に飼っている他の2匹が交尾していました。(動画は近日公開予定)
その交尾ペアが残した粘液や精子を舐めているのだろうか?と想像しました。


▼関連記事
ヒダリマキマイマイ歯舌の動き
4年前の映像はタッパーウェア容器越しに撮ったので不鮮明でした。


2016/08/07

前進するヒダリマキマイマイ腹足の蠕動【早回し映像あり】



2016年6月上旬

ヒダリマキマイマイEuhadra quaesita)の腹足が細かく波打ちながら前進する様子を透明プラスチックの容器越しに撮りました。
微速度撮影(10倍速映像@2:30〜3:22)の方が、波打つ筋肉の蠕動を見易いですね。

曲がり角の対応が見ていて面白いです。
腹足全体を密着させるとは限らず、多少のギャップは乗り越えることが出来ます。(腹足の一部を着地面から浮かせて進むことがある)



【追記】
野島智司『カタツムリの謎: 日本になんと800種! コンクリートをかじって栄養補給!?』によると、
 ガラスなどの透明な板や網の上にカタツムリを載せて、移動する様子を裏側から観察すると、カタツムリの後ろから前に向かって、暗い帯のようなものが動いている様子を見ることができます。(中略)この帯状の模様は「足波(そくは)」と呼ばれています。 足波は多くの軟体動物で見ることができますが、種によって足波の伝わり方が違っています。(中略)カタツムリはこの足波の部分で筋肉を伸び縮みさせ、それを利用して前進していると考えられます。 (p60-61より引用)


ちなみに、「足波」を岩波生物学辞典・第4版で調べると、
[英pedal wave 独Fusswelle]腹足類において,匍匐時にその足の下面に相ついで見られる一種の収縮波.動物をガラス板上に這わせてガラスを透して観察できる.筋肉運動の特殊な一形態であるが,動物体推進の機構は蠕動運動のそれに近い.足の下面に,物体表面と密着して静止した部分と,主に背腹方向に走る筋繊維の収縮によりもち上げられた部分とが交互に横縞状に生じたもので,これが前方へ移行する順行型(direct type)のもの(例:カタツムリ)と後方へ移行する逆行型(retrograde type)のもの(例:アメフラシ)とがある.前進はもち上げられた部分がつぎつぎに前方に移動することによって起る.後退がみられることはまれである.足波が1列の単走性(monotaxic)のもの,2列の二走性(ditaxic)のものなどが区別される. 

ブルーバックスのシリーズで鈴森康一『ロボットはなぜ生き物に似てしまうのか―工学に立ちはだかる「究極の力学構造」 』にもカタツムリの移動法が詳しく解説してありました。

 カタツムリやナメクジは地面に接する腹の部分にからだの前方に伝播する進行波を発生させて移動する。(中略)カタツムリやナメクジ、ゴカイでは、「進行波の進む向き」と「移動方向」は一致している。 (p70より引用)





2016/07/06

ヒダリマキマイマイの排便



2016年5月中旬

飼育容器内で1匹のヒダリマキマイマイEuhadra quaesita)が脱糞していました。
透明プラスチック容器越しにカラフルな糞が見えました。
糞のオレンジ色は、餌として与えたニンジン由来のカロチン色素です。
緑色は、餌として与えたイワガラミの葉に由来する葉緑素でしょう。
糞は腹足と容器壁面に挟まれた状態で、背側からは隠れて見えません。
ヒダリマキマイマイの排泄口は普通のカタツムリとは逆で、体の右側にある…はずです。
ヒダリマキマイマイが右に曲がりながら前進したら、体の左側にオレンジ色と緑色の混じった新鮮な糞が出現しました。
次に機会があれば、微速度撮影で排泄シーンを記録してみたいです。

カタツムリ関連の飼育本で見るようにもっとニョロニョロと細長い糞を想像していたのですが、ニンジンは消化が良すぎるのかもしれません。(食物繊維が少ない?)



2016/06/23

イワガラミの葉を食すヒダリマキマイマイ【10倍速映像】



2016年5月中旬

飼育下でヒダリマキマイマイEuhadra quaesita)がイワガラミの葉をもりもり食べる様子を微速度撮影してみました。
10倍速の早回し映像をご覧ください。
満腹したのか、それとも撮影用の照明を嫌ったのか、食べ終えたヒダリマキマイマイは移動開始。
Uターンして戻って来ると、飼育容器の壁面を登り始めました。
最後は自ら頭部を殻の中に引っ込めて、閉じ篭もりました。

飼育を続けて気づいたのですが、イワガラミの大きく育った葉は食べないようです。
固くなったり苦味成分などが強くなるのかもしれません。


ヒダリマキマイマイの空き殻を拾う

2016年5月中旬


里山でヒダリマキマイマイEuhadra quaesita)の空き殻を見つけました。
山腹の細い山道に泥だらけで落ちていました。
中身が空っぽなので、天敵の餌食になったのでしょうか?
(もちろん、寿命や病気で死んだ可能性もあります。)
血沸き肉踊る名著『右利きのヘビ仮説―追うヘビ、逃げるカタツムリの右と左の共進化 (フィールドの生物学)』を読んでその面白さに感動したのですが、ここは雪国なのでイワサキセダカヘビ(右巻きのカタツムリを食べるために左より右側の歯の数が多く進化した、右利きの蛇)は残念ながら生息していません。


当地でカタツムリの捕食者として、マイマイカブリが考えられます。
左巻きのマイナーな巻き貝が相手でもマイマイカブリは捕食できるのか?と疑問に思い、調べてみると「マイマイカブリの幼虫 vs ヒダリマキマイマイ」と題した記事がネット検索でヒットしました。

カタツムリの捕食者として、陸生ホタルの幼虫の可能性もありますね。


丁度今ヒダリマキマイマイを3匹飼育していることもあり、空き殻にも興味を持ち、採集して持ち帰りました。
標本にするため、水から茹でてクリーニングします。
汚れや臭みを取り除くため、食器用洗剤を加えました。
殻の奥に残ったタンパク質を酵素で溶かしたいのですけど、脊椎動物の骨格標本作りのときのように入れ歯洗浄剤を使うと殻が漂白されそうなので止めました。
鍋の中で殻の中の空気が抜けたら殻は水に沈みました。
比重が1以上あることになります。
熱湯から出して冷水で急激に冷やすと殻が割れそうなので、ゆっくり冷まし自然乾燥しました。
(自己流の適当なやり方なので、参考にならないかもしれません。)



【追記】
殻の色が濃くて山地で採集したので、この個体はもしかすると亜種のチャイロヒダリマキマイマイEuhadra quaesita montium)かもしれません。
東北地方にも分布しているのかどうか、専門家の意見を伺いたいものです。


2016/06/21

鶏卵の殻をガリガリかじるヒダリマキマイマイ



2016年5月上旬〜中旬

飼育中のヒダリマキマイマイEuhadra quaesita)にカルシウム補給のため鶏卵の殻を与えました。
すると早速、自発的に潜り込みました。(冒頭部は10倍速映像)

夜になると、歯軋りのような音が聞こえてきます。
夜行性のヒダリマキマイマイが、卵殻を内側から歯舌でガリガリ齧っているのです。(ヘッドフォン推奨)


▼関連記事:イワガラミの生葉を摂食する音
ヒダリマキマイマイの咀嚼音♪を声紋解析してみる

カタツムリは光を嫌うのではないかと予想し、初めは暗視カメラで撮影してみました。
眩しい照明を点灯すると、歯舌の咀嚼音は止んでしまいました。
翌日に卵殻の内側を調べると、食痕が残っていました。

卵殻内の食痕

そのまま飼い続けると、日中に隠れるシェルターとしても鶏卵殻を利用するようになりました。
カタツムリの糞は摂取した食物の色素をそのまま反映しているのですが、鶏卵殻に残された糞は白っぽかったです。
殻の内側に薄皮のように残っているタンパク質成分も食べたのかもしれません。

鶏卵の殻を外側から齧るのは未だ見たことがありません。

卵殻内に白い糞@6月中旬
殻内の食痕はストロボで白飛びしてしまった。

試しにアサリの貝殻を与えてみたこともあるのですが、硬過ぎたのか、アサリを齧る様子は観察できませんでした。


2016/06/12

ニンジンを師部だけ食すヒダリマキマイマイ【10倍速映像】



2016年5月上旬

交尾していたペアを含め路上で見つけた計3匹のヒダリマキマイマイEuhadra quaesita)を飼育するために採集して持ち帰りました。
余談ですが、個体識別するつもりで、右に居た個体から順にa,b,cとメモした紙片を一緒に個別のビニール袋に入れました。
ところが帰宅するまでにラベルの紙片が食べられていました。
童謡「やぎさんゆうびん」みたいな間抜けな話。
カタツムリが紙を食べることを忘れていました。
こんなことなら、現場で殻に直接マジックペンでマーキングすれば良かったですね。
飼育下でもう一度交尾行動を観察したかったのですが、元々どのペアが交尾していたのか分からなくなってしまいました。

とりあえず餌としてニンジンを輪切りにしたヘタを与えてみました。(過去の飼育時にも気に入ってくれました。)

ニンジンを食べる様子を微速度撮影で記録したので、10倍速映像をご覧ください。
カタツムリは輪切りにした人参の外側の層だけを食べ進め、中央部の芯には決して口を付けずに残すことがいつも興味深く思います。
形成層の外側は養分の通路となる師管などの集合した師部組織です。
日本植物生理学会のサイトで、この問題を化学的に考察した記事を見つけました。


食痕。見事に師部だけ抉り取るように食べた。隣のジャガイモには殆ど口を付けず。

2016/06/09

野外で交尾するヒダリマキマイマイ【早回し映像】



2016年5月上旬・くもり・午前11:27〜午後13:03

道端を這い回るヒダリマキマイマイEuhadra quaesita)を見つけました。

現場は平地で、標高266m地点でした。
珍しいカタツムリなのに、一度に3匹も同時に見かけたのはこれが初めてでした。
発見時は3匹が進む向きはバラバラでした(←←→)。
「発情している」という表現が正しいか分かりませんが、生殖器が少し外に出かかっている個体が気になりました。
殻が左巻きなので、本種の生殖器は通常のカタツムリとは逆で体の左側にあります。

そのうちの2匹が出会ってから交尾して別れるまでの一部始終を動画に記録する機会に恵まれました。
明け方と午前中に雨が降ったので、交尾日和だったのかもしれません。
路上を這った跡に透明の粘液が乾いてテカテカ光っています。
この軌跡を化学的な道しるべにして、互いに出会うのでしょう。
今にもぶつかりそうなので、横に15cm定規を置いて撮影開始。


3匹のヒダリマキマイマイ
交尾直前:路上に徘徊痕跡(乾いた粘液)

長撮りした映像そのままではあまりにも長編なので、6倍速に加工した早回し映像でご覧ください。
この日は三脚を持っていなかったため、手ブレはご容赦願います。

三脚を使っていれば、早回し速度をもっと上げれたのに。
カメラを路上に置いてローアングルから微速度撮影した後半(@10:55〜)は10倍速の早回し映像になります。
(長くてもオリジナル映像を見たい方は、後述のおまけ動画をご覧ください。)


2匹がすれ違いざまに激しい交尾を始めたので驚きました。
ナメクジの交尾ともまた異なり、なかなかエロチックな光景です。

▼関連記事
ヤマナメクジの交尾【50倍速映像】
ヤマナメクジの交尾

カタツムリが交尾の際に相手へ打ち込む「love dart;恋矢れんし」を初めて実際に観察して感動しました。
確かにローマ神話のキューピット(=ギリシャ神話のエロス)が放つ恋の矢を連想させますね。

恋矢はカルシウムを含み,交尾前に恋矢嚢が裏返しとなることによって射出され,相手の個体の皮膚に機械的刺激を与え,交尾が終ると捨てられる.刀身状のものが多いが,紡錘形・剣菱形・三角形・山形・円形など種類によってさまざまで,分類上の重要な標徴となる.(『岩波生物学辞典第4版』より)

蝸牛の生殖器官の解剖学や機能に全く疎くてよく分からない(自信がない)のですけど、恋矢を伸ばしたのは右側の個体Rからだけ?
また、伸ばした恋矢で相手を突き刺してはいないように思いました。(見逃しただけかも?)
やがて左側の個体LがペニスをRから抜き、ゆっくりと引っ込めました。
LがRの殻入り口(左側)に繰り返し頭を突っ込んだり殻の入り口の縁を舐めたりしている謎の行動が繰り返し見られ、どういう意味があるのか興味深く思いました。
互いに離れ始めたのに、強引に引っ張ってもRのペニスが抜けないようです。
特定の角度で抜こうとしないと抜けない構造なのでしょうか?
体の左側、ペニスの前で開閉している穴は呼吸孔かな?

いつのまにか2匹は正面から顔を突き合わせていました。
2匹は巴のような陣形で互いに左回りにぐるぐる動きました。
相手のペニスを抜くための回転運動なのでしょうか?
舗装路で長居すると体が乾燥するので、スギナ群落の生い茂った路肩の地面を目指して移動したようです。

交尾器を連結したまま相手を引き摺りながら移動し、路肩の枯れ葉の上に乗りました。
交尾のついでに落ち葉の表面を舐めて摂食しているようですけど、肝心の口元がはっきり見えませんでした。

カタツムリの交尾を初めて観察しましたが、なかなか終了しません。
これぐらい長時間続くのが普通ですかね?
やや風が強く、肌寒くなりました。(気温を測り忘れた)
カタツムリの種類によってはダート・シューティングしてから10時間以上挿入してるらしい。(※追記の参考サイト)
白昼堂々、目立つ場所で延々と交尾していたら天敵の捕食者に対して無防備ではないのか?と心配になります。
交尾中にアリが横を通りかかっても、カタツムリを狩るどころか体には決して触れませんでした。
アリがヒダリマキマイマイの殻に登っても、すぐに降りました。
カタツムリの分泌する粘液がアリの忌避物質を含んでいる印象を受けました。

途中から一方(早目に交尾が終了した個体?)が殻に引きこもって動かなくなりました。
繋がった交尾器を捻じるように片方だけが何度もぐるぐる回り、ようやく縁が切れました。
強引に引き千切ったのかな?

3匹目の個体も参戦して三つ巴の交尾になるかと密かに期待したのですが、そのような展開にはなりませんでした。
もしかすると既に交尾を済ませていたのかもしれません。
恋矢で刺されたカタツムリは性欲が減退するそうです。

交尾を終えたRはその場に居残りました。
一方、Lはスギナの群落を越えて向こう側に移動しました。
カタツムリが這った跡は透明な粘液で濡れていますが、やがて乾いてカピカピになります。




【おまけの動画】ノーカット完全版

特に交尾の初めのシーン(ダート・シューティングなど)は早送りしないこちらの方が見応えがあると思います。
カメラを路上に置いてローアングルから微速度撮影した後半(@1:08:30〜)は10倍速の早回し映像になります。


【参考サイト】
専門家(木村一貴氏)によるカタツムリの交尾とダートシューティングについて詳しく解説したサイト



相手の殻入り口の縁にキス
相手の殻入り口の縁にキス
相手の殻入り口の縁にキス
交尾中:路上に徘徊痕跡(乾いた粘液)


【追記】
飼育下で脱落したヒダリマキマイマイ恋矢の写真。
飼育容器の壁面にいつの間にか3個へばりついていました。
私が気づかずに掃除の際に幾つか捨ててしまったかもしれません。
大きさ(長さ)がまちまちですが、白いカルシウム質で魚の小骨のように硬いです。
先端は鋭く尖っています。
色が違うのは飼育下での汚れだと思います。

英語版wikipediaに掲載された本種の恋矢の模式図とそっくりです。





【追記2】
『科学のアルバム:カタツムリ』p14〜15にヒダリマキマイマイの交尾行動が連続写真で紹介されていました。
2匹のカタツムリは、石灰質でできた白い槍のような管をのばし、相手の首の右側めがけてさしこみました。このとき精子の入った袋を交換します。交尾が終わって2匹が別れるまで約1時間。ときには、袋の交換に失敗して、落としてしまうことがあります。

2015/08/30

ウスカワマイマイの渡河



2015年7月中旬

住宅地で雨上がりの路地をカタツムリが横断していました。
梅雨の風物詩ですね。
微速度撮影しなくても意外に速いです。
民家の敷地から細い車道を渡り、水田の用水路へ向かっています。
舗装路が雨水で濡れているため、カタツムリが這った後の粘液は見えません。
側面から撮ると、腹足が波打っている様子がよく分かります。
わだちにできた浅い水溜りにも躊躇せずに侵入して前進を続けたので少し驚きました。
タイトルの「渡河」は大袈裟ですけど、水深はどれぐらい深くても大丈夫なのでしょう?
陸貝も呼吸できなければ溺れてしまうはずですよね?
水たまりが深過ぎたら引き返したかな?(浅瀬に沿って前進?)
進化の過程で脊椎動物が両生類として上陸するより前にきっと陸貝が新世界に進出していったのだろう…と壮大な想像をしたりしました。

よく見ると、この蝸牛は殻が割れていますね(ヒビが入っている)。

野島智司『カタツムリの謎: 日本になんと800種! コンクリートをかじって栄養補給!?』によると、

(カタツムリの)殻はなにかの衝撃が原因で壊れてしまうことがありますが、そんなときにも少しずつ再生します。成長するだけでなく、壊れたところを修復する昨日も備わっているのです。(p54より引用)


普通種のウスカワマイマイAcusta despecta sieboldianaとコメント欄にてご教示いただきました。

成熟しても殻口が反り返らないのがウスカワマイマイの特徴らしい。



2015/02/24

チャコウラナメクジ?の徘徊移動【10倍速映像】



2014年10月下旬・気温10℃

山村に建つ石碑の土台となる岩にナメクジが静止していました。
ナメクジの分類にはまるで疎いのですが、背中に甲羅の痕跡があるのでコウラナメクジ科の一種ですかね?
メジャーなチャコウラナメクジにしては縦2本の黒線がありません。
どなたか名前を教えて下さい。

ゆっくりした移動を微速度撮影してみました。
10倍速の早回し映像でご覧ください。
這った後に粘液が残ります。
途中で右に旋回しました。
途中から採寸代わりに1円玉を並べて置きました。
落ち葉の上を通り過ぎても摂食しないのは少し意外でした。
岩の側面を降りたナメクジはやがて地面に到達し、スギの落ち葉の下に隠れました。
落ち葉を取り除くと再び動き始めました。
昼間は直射日光を嫌い、落ち葉の下で隠れて過ごすのかもしれません。(撮影は午前中)

採集して持ち帰り飼育しようか迷ったのですが、世話する余力がなくて諦めました。







2015/02/15

倒木でキノコを食す黄色いナメクジ【名前を教えて】



2014年10月下旬

里山の雑木林でコナラの倒木に白っぽく傘の大きなキノコ(種名不詳)が群生していました。
そのキノコで黄色いナメクジ(種名不詳)を2匹見つけました。
ナメクジの食事シーンを微速度撮影したかったのですが(究極のスローフード!)、この日は先を急いでいたので断念。
午前中で気温が低く縮こまっていた印象です。
もしかすると夜行性だったりするのかもしれません。
3年前に見たナメクジと同じく眼柄が黒いかどうかも確認していません。

▼関連記事
キノコを食べるナメクジ【名前を教えて】
インターネット検索すると、ナメクジはキノコ栽培の害虫扱いされているらしい。

今思うと、ナメクジを採集して飼育すればよかったですね。
キノコを餌に与えて育つのであれば飼育も難しくなさそうです。
2匹のナメクジが居たので、同種ならば飼育下で交接を観察できたかもしれません。

ナメクジの体表を徘徊している数匹の微小な黒い虫が気になりました。
偶然ナメクジの粘液にへばりついているだけなのか、それともナメクジ専門に取り付いて吸血する虫がいるのですかね?
とにかく急いでいたため、悠長にマクロレンズで接写する余裕がありませんでした。


図鑑で調べてみてもキノコの名前が分かりません。
素人目にはブナシメジやヒラタケと似ているかな?と思うものの、キノコは勉強不足でまるで自信がありません。
お分かりの方はご一報下さい。






2014/10/31

ヤマナメクジの交尾【50倍速映像】



2014年8月中旬

里山の尾根道が広場のように広くなった地面で2匹の巨大なヤマナメクジIncilaria fruhstorferi)が巴のマークのような体勢で交尾していました。
明け方に降った小雨で雑木林の林床が濡れていたのがナメクジには好適な条件だったようです。
朝日が昇ると落ち葉がどんどん乾いていきます。(午前中に撮影)

慌てて三脚を立てて微速度撮影してみました。
50倍速の早回し映像でご覧ください。
ご存知のようにナメクジは雌雄同体で、生殖器は頭の横にあります。
肉眼ではじっとしているようでも早回し映像で見ると、白い精子嚢が波打っています。
体の上部右側(生殖口の下)にある呼吸口も開閉していました。

交尾するまで互いにグルグルと回りながら周囲を這い回ったのでしょうか、カピカピに乾いた透明の粘液がシート状に残されていました。
この粘液はアリ避け効果がありそうです。(どこか本で読んだかも?)
交尾中のナメクジは無防備なので、アリに襲われないよう何か対策していても不思議ではありません。

カメラのバッテリーが今にも切れそうでヒヤヒヤしましたが、無事に交尾を終えたペアは同じ方向に移動を始めました。
採寸のために15cm定規を並べて置きました。
(このシーンだけ10倍速映像ですけど、移動速度も求められるはずです。)

次に機会があれば2匹のナメクジが出会って交尾を始めるまでの過程を微速度撮影してみたいものです。
6年前に出会ったときには生憎、三脚を持参しておらず微速度撮影できませんでした。
それ以来ずっと待ち続けて、ようやくチャンスが巡ってきました。

▼関連記事
ヤマナメクジの交尾
【追記】
岩波科学ライブラリー『ナメクジの言い分』p53によると、
交合のときは、互いに呼吸孔から陰茎を反転させながら押し出す。相手の呼吸孔から生殖孔へと挿入された陰茎は、受精嚢に精子の塊を放出する。この塊を精包という。受精嚢ではしばらく精包の形で預かり、ここから精子の一部が取り出され、自分の卵子と受精させ、受精卵を産むのである。



【追記2】

松尾亮太『考えるナメクジ ―人間をしのぐ驚異の脳機能』によれば、

うんちも生殖器も体の右側から出てくるのは、ナメクジを含む腹足類の受精卵が「らせん卵割」という方式で卵割しながら発生することにより生じる、体の左右非対称性を反映しているものと思われます。(p34より引用)

 





おまけの映像
同じ素材で早回しの速度を変えたバージョンをブログ限定で公開します。
どれを見て最も心地よく感じるかは人によって違うかもしれません。



↑30倍速映像



↑10倍速映像


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