2018年9月上旬
▼前回の記事
ヤブツルアズキの花蜜を吸うスミスハキリバチ♂
(同一個体を続けて撮ったつもりなのですが、ときどき見失ったので、別個体の可能性もあります。)
山麓の農村部の道端に咲いたクズの群落でスミスハキリバチ♂(Megachile humilis)が訪花していました。
240-fpsのハイスピード動画で撮ってみました。
吸蜜中は腹部を上に反らした海老反り姿勢になっています。
腹端に丸みがあるので雄蜂♂だと思うのですが、いまいち自信がありません。
顔が白っぽいのは、雄蜂♂に特有の白い毛が密生しているためか、それとも単に花粉で汚れているだけなのか、悩ましいところです。
吸蜜中に丁度クズの花の雄しべの先が腹部下面に当たり、花粉が付着します。(花粉で汚れたせいで、♀特有のスコパの有無が紛らわしいです。)
同時に雌しべの先も擦られて花粉が付くので、次の花へ飛び回る蜂はクズの送粉者として持ちつ持たれつの共生関係にあります。
(更にスミスハキリバチの♀はクズ等の葉を切り取って巣材にします。)
高画質のHD動画でも記録しようとしたら、逃げられてしまいました。
※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。
【追記】
クズの花の構造については「マメ科の蝶形花冠」というサイトの写真付きの解説が参考になります。
旗弁の根本には黄色い蜜標があり、これを目印としてハナバチ類は訪花します。
蝶形花冠をしたマメ科の花は、昆虫が蜜標を目印にしてもぐりこむとき脚で翼弁と舟弁を押し下げます。すると舟弁の中に隠されていた雌しべと雄しべは押し下げられないので外に出てきて昆虫に花粉をつけたり、昆虫から花粉を受け取ったりします。昆虫が飛び去ると翼弁と舟弁は元の位置にもどり再び雄しべ雌しべは隠れてしまうのです。 (上記サイトより引用)
バネ仕掛けのような下線部の様子が今回撮れたスローモーションの映像でよく分かります。
2018年9月上旬
山麓の道端に咲いたオトコエシの群落でイチモンジセセリ(Parnara guttata)が訪花していました。
意外にもこの組み合わせは初見でした。
いつものように翅をしっかり閉じて吸蜜しています。
隣接する花には歩いて移動することもあります。
オトコエシの花に薄黄緑色のコハナグモ?が潜んでいたのですが(どこに居るか分かりますか?)、イチモンジセセリとはニアミスせず、捕食シーンは撮れませんでした。
花から飛び立つ瞬間を狙って240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@1:44〜)
日没前の夕方でハイスピード動画を撮るにはやや薄暗いのですが、動画編集時に自動色調補正を施して少し明るく加工しました。
1/8倍速のスーパースローで見ても、イチモンジセセリの羽ばたきは素早く独特のリズムでした。
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イチモンジセセリ@オトコエシ訪花吸蜜 |
2018年9月上旬
川沿いの堤防に生えたメドハギの群落でツバメシジミ♀(Everes argiades hellotia)が訪花していました。
閉じた翅を擦り合わせ、後翅の尾状突起を触角のように動かしています。
鳥類などの捕食者は急所の頭部を狙ってくるので、身体の前後を誤認させる自己擬態で身を守っているのです。
よく似たヒメシジミにはこの尾状突起がありません。
後半は翅を半開きにしてくれて、翅表が黒褐色なので♀と判明。
ツバメシジミの食草はマメ科なので、ひょっとすると♀が吸蜜のついでにメドハギの葉に産卵していた可能性もあります。
しかし撮影アングルがいまいちで、腹端がよく見えませんでした。
私が横に少し移動したら飛んで逃げられました。
地面すれすれの低空を飛び、奥の草むらに消えました。
羽ばたくと黒い翅がちらついて見えます。
※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。
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ツバメシジミ♀@メドハギ訪花吸蜜 |
2018年9月上旬
山麓の道端に咲いたオトコエシの群落で夕方にコアオハナムグリ(Gametis jucunda)が訪花していました。
食餌かと思いきや口器は動いていないので、ただ休んでいるだけかもしれません。
※ 日没前のやや薄暗い映像に動画編集で自動色調補正を施しています。
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コアオハナムグリ@オトコエシ訪花摂食 |
2018年9月上旬
川の堤防に生えたクズの群落でイチモンジセセリ(Parnara guttata)が訪花していました。
いつものように翅をしっかり閉じて花蜜を吸っています。
やがてもう一頭が飛来して、すぐ横に止まりました。
同じクズの花に並んで口吻を伸ばしたので、敵対行動(縄張り争い)でも求愛目的でも無さそうです。
ところがすぐに2頭がほぼ同時に飛び去りました。
1/5倍速のスローモーションでリプレイ。
何か意図があったのでしょうか?
※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。
▼関連記事(4年前の撮影)
イチモンジセセリがクズの花で吸蜜中に排泄
2018年9月上旬
▼前回の記事
ミズヒキの花蜜を舐めるホソヒラタアブの仲間♀
民家の庭で日当たりの悪い一角に朝ひっそりと咲いたミズヒキの群落でホソヒラタアブ♂(Episyrphus balteatus)またはその仲間が訪花していました。
発達した左右の複眼が中央で接しているので♂ですね。
吸蜜が目的ではないようで、花に止まって念入りに化粧をしています。
前脚を口吻で舐め、その前脚で顔(複眼や触角)を頻りに拭っています。
実はこの個体はツユクサを訪花する合間に近くのミズヒキに止まって身繕いしていたのでした。
(ツユクサ訪花シーンも映像公開予定。)
顔に付いたツユクサの花粉がきれいに取れました。
化粧(朝の洗顔)が済んでさっぱりしたホソヒラタアブ♂は飛び立ち、再びツユクサの群落に向かいます。
※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。
2018年9月上旬
民家の庭で日当たりの悪い一角にひっそりと咲いたミズヒキの群落で朝にホソヒラタアブ♀(Episyrphus balteatus)またはその仲間が訪花していました。
小さな花に着陸すると伸ばした口吻で花蜜や花粉を舐めています。
次の花へ移動する際に得意の停空飛翔(ホバリング)も披露してくれました。
『庭にきた鳥:いのちのドラマを家族でみる』によると、
ミズヒキ(水引)の穂についたゴマ粒ほどの花は、午前中にだけ開く。(中略)赤花は4枚のうちの下側1枚だけが白い。ただしこの花弁状の4枚はがくである(p158より引用)
確かに撮影時刻は午前8:20頃でした。