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2018/10/19

ノウゼンカズラを訪花するモンスズメバチ♀の羽ばたき【HD動画&ハイスピード動画】



2018年7月下旬

駐車場の隅に立つヒノキの高木に巻き付いた蔓植物ノウゼンカズラの花が満開に咲いていました。
そこへ飛来したモンスズメバチVespa crabro)のワーカー♀が正当訪花を繰り返しています。
まずは花から飛び立つ瞬間を狙って240-fpsのハイスピード動画で撮ってみました。

飛来した蜂が風で揺れる花に着地するのに少し苦労しています。
花弁から歩いて花の中央に潜り込み(正当訪花)、吸蜜します。
胸背が黄色い花粉で汚れている個体でした。
ノウゼンカズラに正当訪花すると雄しべの葯が胸背に当たって花粉が擦り付けられる仕組みになっているのでしょう。
次の花に潜り込むとこの花粉が雌しべに擦り付けられ、他家受粉が成立するのです。
これで積年の謎が解けました。
以前観察したコガタスズメバチ♀の中に胸背が黄色く汚れている個体が居て、何の花粉か分からなかったのです。

▼関連記事
花粉で汚れたコガタスズメバチ♀の帰巣
葉で休息中のモンスズメバチ♀がノウゼンカズラの花から飛び立つキイロスズメバチ♀とニアミスしました(@1:37〜1:48)。
花から飛び立って上昇中にうっかり葉にぶつかり、バランスを崩して墜落する瞬間が捉えられていました。(@2:10〜2:20)

最後は通常のHD動画による撮影です(@2:20〜)。




▼関連記事(3年前の撮影)
ノウゼンカズラの花で獲物を探すコガタスズメバチ♀

モンスズメバチ♀@ノウゼンカズラ訪花吸蜜

ノウゼンカズラ花
ノウゼンカズラ花・全景@ヒノキ幹
ノウゼンカズラ花・全景@ヒノキ樹冠

2018/10/18

ネムノキの花で採餌するクマバチの群れ



2018年7月下旬

川沿いに立つネムノキの大木でピンクの花が満開に咲いていました。
そこへ多数のキムネクマバチXylocopa appendiculata circumvolans)が飛び回り、訪花していました。



残念ながらこの日は望遠レンズを持ってきていませんでした。
映像では遠くてクマバチの性別は不明ですけど、別に取った高画質の写真を拡大してみると顔色が見れた個体は黒かったので♀でした。
後脚の花粉籠の状態も分かりません。
クマバチ以外にも小型の蜂も飛び交っていますね。(蜂じゃないかも?)

翌日は台風が通過し、ようやく晴れた翌々日に望遠レンズを持って再訪したときにはネムノキの花は盛りを過ぎてしまい、クマバチが全く来なくなってしまいました。
別の場所に生えたネムノキの花をあちこち見て回っても、訪花昆虫の姿はありませんでした。
来年はこのネムノキ大木の近くまで行って、開花の時期から注意して観察してみます。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。


2018/10/12

ムラサキツメクサに訪花するキアゲハの羽ばたき【HD動画&ハイスピード動画】



2018年7月下旬

用水路と田んぼに挟まれた農道に咲いたムラサキツメクサ(=アカツメクサ)の群落でキアゲハPapilio machaon hippocrates)が訪花していました。
意外にもこの組み合わせは初見です。
半開きの翅を小刻みに羽ばたかせながら吸蜜しています。
強い風に吹かれてムラサキツメクサの茎が大きくしなっても必死でしがみついています。

多数の個体が訪花していたのに、互いに出会っても求愛飛翔などは一度も見れませんでした。
たまに翅色の濃い個体が居たのは性差なのかな?と思い、帰宅後に保育社『標準原色図鑑全集1:蝶・蛾』でキアゲハを調べると、

春型では♂♀ほとんど差はないが、夏型では♀のはねの地色は汚黄色(♂は鮮黄色)で、強く黒いりん粉がひろがる。(p16より引用)

花から飛び立つ瞬間を狙って240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。
飛び立つと強風に煽られながらも力強く羽ばたいています。

複数個体を撮影。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。


キアゲハ@ムラサキツメクサ訪花吸蜜
キアゲハ@ムラサキツメクサ訪花吸蜜
キアゲハ@ムラサキツメクサ訪花吸蜜
キアゲハ@ムラサキツメクサ訪花吸蜜

2018/10/11

アカメガシワ雌株の花蜜を吸いに集まるクマバチ♀



2018年7月下旬

街中の庭に植栽された高木に見慣れない不思議な花が咲いていて、多数のキムネクマバチ♀(Xylocopa appendiculata circumvolans)が訪花して賑やかに飛び回っていました。
どの個体を撮るべきか、目移りしてしまいます。
この日は望遠レンズを持ってきていなかったのが悔やまれます。

帰ってから樹種を調べると、どうやらアカメガシワのようです。
赤い葉柄が目を引きました。
花がほとんど散りかけの状態だと後に分かったのですが、そのせいで名前を調べるのに苦労しました。

訪花するクマバチ♀のどの個体を見ても後脚の花粉籠は空荷でした。
アカメガシワは雌雄異株で花弁が無いとのこと。
この木は雌株なので、花粉を出さない雌花しか咲きません。

クマバチ♀以外にも黒い小型の蜂が高速で飛び交っていたのですが、動きがあまりにも速過ぎて撮影中の私は気づきませんでした。
それでも撮れた動画をスロー再生すると、オオハキリバチ♂かもしれません。

おそらく花蜜が目当てというよりも、交尾相手を待ち伏せして探雌飛翔していたのでしょう。
来季はアカメガシワ雌花の咲き初めから定点観察して、訪花昆虫をしっかり観察するつもりです。
(秋になると実がなったので、どこか近くに雄株の木がありそうです。)

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。


クマバチ♀@アカメガシワ訪花吸蜜
クマバチ♀@アカメガシワ訪花吸蜜
クマバチ♀@アカメガシワ訪花吸蜜
クマバチ♀@アカメガシワ訪花吸蜜
クマバチ♀@アカメガシワ訪花吸蜜

アカメガシワ
アカメガシワ
アカメガシワ雌花
アカメガシワ葉
アカメガシワ葉
アカメガシワ葉
アカメガシワ幹

2018/10/10

オオアワダチソウの花蜜を吸うカタグロチビドロバチ



2018年7月中旬

山麓の畑の隅に咲いたオオアワダチソウの群落でおそらくカタグロチビドロバチStenodynerus chinensis)と思われる小型の狩蜂が訪花していました。
性別は不明です(見分け方が分かりません)。
ちょっと吸蜜するとすぐに飛び去ってしまいました。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。


2018/10/09

ツルマサキの花蜜を吸うエントツドロバチ♀



2018年7月下旬

街中の神社の境内で神木(樹種不明:杉ではない針葉樹)に常緑の蔓植物ツルマサキが絡みついて、ホストの幹よりも太く育っていました。
巻きつかれたホストの木は横枝を過度に剪定されたこともあり枯死してしまい、今や全体がツルマサキに覆われるように乗っ取られてしまいました。(ツルマサキに絞め殺された後で邪魔な枝を切り落としたのかも)

そのツルマサキに地味な花が咲くと、エントツドロバチ♀(別名オオカバフスジドロバチ;Orancistrocerus drewseni)が訪花・吸蜜していました。

他の狩蜂も訪花していたのですが、動きが素早くて撮り損ねてしまいました。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。


エントツドロバチ♀@ツルマサキ訪花吸蜜

ツルマサキ花
ツルマサキ花
ツルマサキ花@蔓根元

2018/10/05

ヒヨドリバナを訪花するカラスアゲハ♀の羽ばたき【HD動画&ハイスピード動画】



2018年7月中旬

里山を下山している夕方に、山道の横の斜面に咲いたヒヨドリバナの群落でカラスアゲハ♀(Papilio dehaanii dehaanii)が訪花していました。
半開きの翅を激しく羽ばたかせながら吸蜜しています。

訪花シーンからの飛び立ちを240-fpsのハイスピード動画で撮ってみました。(@0:41〜)
薄暗い夕方なので、画質が粗くなってしまいます。
吸蜜中は前翅だけでアイドリングのように羽ばたき、後翅は動かしていないことがよくわかります。。
翅表にビロード状の性斑が見えないので、おそらく♀ですね。(アングルがいまいちで自信がありません)

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。


カラスアゲハ♀@ヒヨドリバナ訪花吸蜜

2018/10/04

セイヨウニンジンボクの花蜜を吸うクマバチ♀の群れ



2018年7月中旬

民家の軒下に植栽された庭木に紫色の見慣れない花が咲いていました。
多数のキムネクマバチ♀(Xylocopa appendiculata circumvolans)が訪花しています。
どの個体も後脚の花粉籠は空荷なので、花粉よりも花蜜が目当てなのでしょう。


クマバチ♀@セイヨウニンジンボク訪花吸蜜
クマバチ♀@セイヨウニンジンボク訪花吸蜜
クマバチ♀@セイヨウニンジンボク訪花吸蜜
クマバチ♀@セイヨウニンジンボク訪花吸蜜

風が強く吹く日で枝が激しく揺れ、撮影には最悪の条件です。
クマバチ以外にも狩蜂が訪花していたのに、風のせいか落ち着き無く飛び回り、撮り損ねて悔しい思いをしました。



【追記】
翌年も無風快晴の日に同じ場所で撮影した結果、クマバチ♀は穿孔盗蜜していることが判明しました。
▼関連記事セイヨウニンジンボクの花で穿孔盗蜜するクマバチ♀【HD動画&ハイスピード動画】
初めての観察時にクマバチ♀の盗蜜に気づかなかったのは、風揺れのせいだけでなく、花盛りで多数の花が花序に密生していて蜂の口元がよく見えなかったからでしょう。
クマバチ♀の採餌戦略(正当訪花と穿孔盗蜜)に個体差がある可能性も考えられます。



さて、この樹種は何でしょう?
小枝に小さな花が輪状に咲いていて、蕾は白です。
なんとなくシソ科のハーブの花と似ている気がします。
樹高は民家の2階に届くぐらいで、約3.5m。
外来植物(園芸種)だと思うのですが、全く見知らぬ花なので調べてみました。
「紫色の花 庭木 7月 掌状複葉 全縁」と目に付いた特徴を全て入れて画像検索すると、セイヨウニンジンボクとあっさり判明しました。
良い時代になったものです。
予想通りシソ科でしたが、「シソ科の樹木」があるとは知りませんでした。


※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。
風揺れが激しい映像なので、いつものような手ブレ補正はしませんでした


セイヨウニンジンボク花
セイヨウニンジンボク花
セイヨウニンジンボク花・全景

2018/10/03

花が咲いたツタの群落で獲物を探索するキイロスズメバチ♀



2018年7月中旬

ブロック塀を覆い尽くしたツタ(蔦)の群落で訪花昆虫を目当てにキイロスズメバチVespa simillima xanthoptera)のワーカー♀が飛び回っていました。
このキイロスズメバチ♀はツタの花蜜が目当てではなく、ゆっくりホバリングして獲物を探しているようです。

▼関連記事
ツタの花蜜を吸うキイロスズメバチ♀
狩りの瞬間には立ち会えませんでした。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。


2018/10/02

吸蜜のためヤブガラシを訪花するクロアナバチの羽ばたき【HD動画&ハイスピード動画】



2018年7月上旬

民家の軒下に猫の額ほどの庭があり、ヤブガラシの群落が蔓延っていました。
そこでクロアナバチSphex argentatus fumosus)と思しき黒い狩蜂が訪花していました。
少なくとも2匹が飛び回っていました。
採集、採寸が出来ていないのですが、体長以外でコクロアナバチと見分けるポイントはあるのでしょうか?
微妙な差異ですが、顔面の毛がコクロアナバチは「銀黄色」でクロアナバチは「灰白色(銀白色)」らしいです。
今回の蜂の顔は白っぽいのでクロアナバチだと思います。


▼関連記事(5年前の撮影。実はクロアナバチかも)
コクロアナバチがヤブガラシに訪花吸蜜

それから性別も不明です。
多くの蜂では顔色が性的二型で、顔に白い毛が密生している方が雄蜂♂と相場が決まっています。

ところが、クロアナバチは♀の顔も白っぽいのです。
クロアナバチの性別判定法が図鑑を調べても載っていないので、知りたいところです。
「素人が図鑑を買って読んでも普通種さえ見分けられるようにならずフラストレーションが溜まる」のは「図鑑」として問題でしょう。
身近な普通種こそ、きちんと分かりやすい文章で記述しておいて欲しいものです。
もし雌雄の区別が困難なら、そのように書いておいてもらえると助かります。
この2種は♀の営巣習性が明らかに異なるので、そういう現場なら私にも見分けられます。

余談ですけど、蚊もヤブガラシに訪花していたのが意外でした。(@0:42〜1:02)
吸蜜シーンだとしたら嬉しいのですが、オレンジ色の花ではなく蕾で翅を休めていただけかもしれません。
蚊の背側がしっかり撮れる前に逃げられてしまい、私には種類が見分けられません。

後半は、クロアナバチがヤブガラシの花から飛び立つ瞬間を狙って240-fpsのハイスピード動画で撮ってみました。(@1:05〜)
飛び立つと空中でホバリング(停空飛翔)を行ない、方向転換を披露してくれました。

最後に興味深いニアミスがありました。(@1:47〜)
ヤブガラシの蔓にヤブキリ♂(Tettigonia orientalis)が止まっていました。
クロアナバチ♀はクサキリやツユムシなどを狩ることが知られています。
狩りの決定的瞬間が撮れるのではないかと期待して見守ったのですが、クロアナバチは獲物の存在に気づかずに飛び去りました。
映像に登場するクロアナバチは♂なのかな?(性別判定法を知りたいところです)
天敵である狩蜂の羽音を聞いたら慌てて逃げ出しても良さそうなのに、このヤブキリ♂は全く動じなかったことも不思議です。
襲われるまでは保護色でひたすら隠れる作戦なのかな?
このヤブキリは有翅なので成虫です。
産卵管が無いので♂でしょう。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。




【追記】
余談ですが、塚谷裕一『カラー版 - スキマの植物の世界』という中公新書を読んでいてたら、ヤブガラシについて驚愕の事実を知りました。
関東より東に生えているヤブガラシは三倍体で果実が付かない。中部地方以西には、黒い果実を付ける二倍体が混生している。 p2より引用)

関東以北で見かける個体はすべて三倍体。中部以西は二倍体が混ざる。意外なことにこの事実は、2003年に私たちが論文を発表して指摘するまで、全く気付かれていなかった。(中略)三倍体に比べ二倍体は葉の厚みが少なく、花序も華奢。三倍体は葉が必ず5枚の小葉を1セットとするが、二倍体はしばしば新芽の先などで3枚1セットの葉を付ける。 (p114-115より引用)

確かに言われてみれば、ここ東北地方でヤブガラシの実を見たことがありません。
クロアナバチ:背側面@ヤブガラシ訪花吸蜜
クロアナバチ:顔@ヤブガラシ訪花吸蜜

ヤブキリ♂:背面@ヤブガラシ蔓
ヤブキリ♂:側面@ヤブガラシ蔓

ヒヨドリバナの花蜜を吸うオオウラギンスジヒョウモン♂



2018年7月中旬

堤防の土手に咲いたヒヨドリバナオオウラギンスジヒョウモン♂(Argyronome ruslana)が訪花していました。
翅をゆるやかに開閉しながら吸蜜しています。
すぐに飛び去ってしまい残念でした。


▼関連記事(8年前に撮った近縁種)
ヒヨドリバナの花蜜を吸うウラギンスジヒョウモン♀

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。


オオウラギンスジヒョウモン♂@ヒヨドリバナ訪花吸蜜

2018/09/30

ツタの花で採餌するセイヨウミツバチ♀



2018年7月中旬

ツタ(蔦)の群落でセイヨウミツバチApis mellifera)のワーカー♀が訪花していました。
後脚の花粉籠に白い花粉団子を大量に運んでいます。

日暮れ時だったせいか、残念ながら一瞬しか撮れませんでした。
コンクリートの塀全体を蔦が覆い尽くしているのですが、通りに面した日陰の群落にはもう虫はあまり来ていなくて、日当たりの良い反対側の面に蜂がよく集まっているようでした。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。


2018/09/28

ブチヒゲカメムシのおしっこ



2018年7月上旬
▼前回の記事
オオバギボウシの花で交尾するブチヒゲカメムシ♀♂

オオバギボウシの花を歩き回っていたブチヒゲカメムシDolycoris baccarum)が腹端から透明の液体をポタポタと大量に(6滴)排泄しました。

昨年は同じ種類のカメムシが脱糞する様子を動画に記録しています。
このときは白色の液状便をポトリと排泄しました。

▼関連記事
ブチヒゲカメムシの脱糞
一方、今回は透明だったので、糞ではなく尿と考えても良さそうです。
植物から大量に吸汁した後で余分な水分を捨てたのでしょう。

すっきりしたブチヒゲカメムシは一番上の花まで登ったので飛び立つのかと思いきや、裏に回って吸汁を始めたようです。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。


【追記】
観察と発見シリーズ『カメムシ博士入門』に「カメムシの排泄」と題したコラムが掲載されていました。
食べ物を消化すれば、最後に排泄が必要となるのはカメムシも変わりない。カメムシの排泄物は基本的に液状である。飼育してみるとわかるが、点々と液状の糞が観察できる。 (p60より引用)


関連記事(2年前の撮影:透明な液体を排泄)▶ トゲカメムシの排泄 

ブチヒゲカメムシ@オオバギボウシ訪花

幼虫もオオバギボウシを訪花していました。


ブチヒゲカメムシ幼虫@オオバギボウシ訪花

2018/09/26

ツタの花蜜を吸うキイロスズメバチ♀



2018年7月中旬

コンクリートの塀を覆い尽くしたツタ(蔦)の群落でキイロスズメバチVespa simillima xanthoptera)のワーカー♀が何匹も訪花していました。
蔦の花は花弁も無く葉に隠れて地味に咲いているので、予備知識がなければ咲いていることに全く気づかないでしょう。
ツタの花で吸蜜する蜂は是非とも撮りたかったテーマなので、このところ開花を待ちわびて近所のツタ群落を見て回っていたのです。
ツタはヤブガラシやノブドウなどと同様に(これらは全てブドウ科)、夏の間スズメバチ類がよく集まる人気の花です。
その理由は、花の作りが単純で舌が短い種類の蜂でも花蜜を容易に舐められるからです。

たまにキイロスズメバチ同士が空中で出会うと小競り合いになるのですけど、そのシーンは上手く撮れませんでした。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。


キイロスズメバチ♀@ツタ訪花吸蜜
キイロスズメバチ♀@ツタ訪花吸蜜
キイロスズメバチ♀@ツタ訪花吸蜜

ツタ花
ツタ花
ツタ花
ツタ花・全景

2018/09/25

訪花中のモンシロチョウに誤認求愛するモンキチョウ♂



2018年7月上旬


▼前回の記事
ムラサキツメクサの花蜜を吸うモンシロチョウ

ムラサキツメクサ(=アカツメクサ)の群落で訪花していたモンシロチョウPieris rapae)を動画に撮っていると、探雌飛翔中のモンキチョウ♂(Colias erate poliographus)がやって来ました。
おそらく同種の♀だと誤認して求愛しに来たのでしょう。
モンキチョウの♀も通常は翅が白いので、ちょっと紛らわしいのでしょう。
しかし、すぐに別種と気づいたようで、2頭は離れて飛び去りました。
再生速度を15%に落としたスローモーションでリプレイしてみましょう。(@0:24〜)
モンシロチョウの場合は太陽光に含まれる紫外線の下で見ると雌雄の翅の模様が明確に異なり見分けられるのだそうです。
同じシロチョウ科に属するモンキチョウの場合は配偶行動の際にどうやって性別を見分けているのでしょう?(既に解明されているのかな?)

渡辺守『モンキチョウの交尾行動』によると、

・(モンキチョウの)♀には黄色い翅をもった個体と白い翅をもった個体の二型が生じ、ふつう、モンシロチョウと間違えられるような白い翅の個体が♀の過半数を占めています。 
・朝、♀は草むらの中で羽化し、その中でほとんど動かないので、♂は早朝から草地の上1メートルくらいをゆっくり飛んで♀を探し始めます。これを探雌飛翔といい、羽化したばかりの処女♀を草むらの中に発見すると、いきなり♀に体当たりをするかのように急降下し、一瞬の後には連結してしまいます。
(『動物たちの気になる行動(2)恋愛・コミュニケーション篇』p59〜61より引用)


モンキチョウの求愛飛翔や交尾中の連結態はよく見かけますけど、♂の求愛が実って交尾を始める瞬間や、♀による交尾拒否行動を私は未だ観察したことがありません。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。


鈴木紀之『すごい進化 - 「一見すると不合理」の謎を解く』(中公新書)によると、
近縁な種類どうしでは交尾の証拠がよく見つかっています。ということは、私たちが直接観察できたわけではありませんが、求愛程度の軽微なエラーはさらにたくさん起きたのだと想像できます。こうして考えてみると、他種への求愛はもはや例外的なエラーなのではなく、自然界にはよくある出来事として捉えられるようになってくるのではないでしょうか。 (p123より引用)


フィールドで起こる誤認求愛のような小さな事件をアマチュアのナチュラリストが地道に記録していくしかありません。


▼関連記事(3年後の撮影)

2018/09/23

オオバギボウシの花で交尾するブチヒゲカメムシ♀♂



2018年7月上旬

民家の畑の隅に咲いたオオバギボウシの群落でブチヒゲカメムシ♀♂(Dolycoris baccarum)が交尾していました。

側面から撮っても交尾中に花から吸汁しているかどうか、よく分かりません。
マクロレンズで口吻を接写して確認するのを忘れました。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。


ブチヒゲカメムシ♀♂@オオバギボウシ訪花+交尾
ブチヒゲカメムシ♀♂:側面@オオバギボウシ訪花+交尾
ブチヒゲカメムシ♀♂@オオバギボウシ訪花+交尾

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