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2014/03/18

路上を徘徊するアケビコノハ幼虫(蛾)



2013年11月中旬

農村部の舗装された歩道でアケビコノハEudocima tyrannus)の幼虫が徘徊していました。
トレードマークの眼状紋が目立ちます。
腹部第3節にあるはずの2個目の眼状紋が目立たないのは個体変異なのでしょうか?

日向なのに動きが弱々しく、蠕動運動で前進します。
採寸した(体長60mm弱)後に定規で転がし腹面を向けると、身を攀じってゆっくり起き上がりました。
頭部を守りつつ眼状紋を見せつけて威嚇する独特の姿勢は取りませんでした。

▼関連記事▼
アケビコノハ幼虫の眼状紋と威嚇姿勢

終齢幼虫が蛹化する場所を探索しているのかな?
なんと、本種は成虫で越冬するらしい!(『イモムシハンドブック』p90より)
初雪が降った後なので、この個体はもう間に合わない気がします。

体内寄生されているのかもしれません。
持ち帰って飼育する余力がなかったので、撮影後は車に轢かれないよう草むらに放って帰りました。



2013/09/20

マルハナバチに擬態したフタガタハラブトハナアブ♀がリョウブを訪花



2013年7月下旬

里山に咲いたリョウブフタガタハラブトハナアブ♀(Mallota dimorpha)が訪花していました。
吸蜜しながら身繕いしています。
マルハナバチにベーツ擬態しているらしいのですが、この日の山行でリョウブの花で見たマルハナバチはトラマルハナバチだけでした。
擬態のモデルになったと思われるレモン色のコマルハナバチ♂などは見ていません。

ここで疑問が生じます。

  1. 同時期に同じ地域で擬態者とモデルが共存していないのなら、鳥などの捕食者が「痛い目に会う」学習機会が無いのでは?
  2. 毒針を持たず刺さないコマルハナバチ♂に擬態したところで捕食者に忌避効果を生じないのでは?



2013/08/11

モズ♂の鳴き真似♪と虫捕食、ペリット嘔吐【野鳥】



2013年6月下旬

平地の住宅地でモズ♂(Lanius bucephalus)が電線に止まって頻りに鳴いていました。
かなり複雑な囀り(さえずり)で、何か他の種類の鳥の鳴き真似をしているようです。
モデルとなった鳴き声は何の鳥ですかね?
「百舌鳥」の名前の由来となった得意の鳴き真似を実際に聞いたのはこれが初で、感動しました。

やがて脱糞。(@0:50)
急に飛び上がって横の電線に移ったと思いきや、飛んでいる虫を空中で捕食したようです。(@1:15)
遠くて獲物の正体は不明ですけど、なんとなくトンボかな?(※追記2参照)

給餌のため帰巣しないということは、雛が巣立った後なのか、あるいは繁殖出来なかった(つがいになれなかった)♂個体なのでしょうか?
虫を咥えたモズ♂は鳴き止んだようです。
尾羽根を上下しながら電線に止まっているだけです。

獲物を左脚に持ち直すと、ペリットを吐き出しました。(@2:20)

モズは猛禽類と同じように、食物を丸呑みにして消化されない骨片などをペリットとして吐き出す。(『日本動物大百科4鳥類Ⅱ』p85より)
すっきりしたモズ♂は再び獲物を咥え、今度は自ら食べました。
有名な「はやにえ」にすることもありませんでした。
食後は嘴を電線に擦り付けます。

短時間でかなり濃密な観察ができて大満足♪

後で思うと、路上に落ちたペリットを探してみればよかったですね。

鳴き真似を声紋解析してみたいのですが、あいにく風切り音がやや耳障りです。
背景でスズメが鳴いています。

いつもお世話になっている野鳥の掲示板にて問い合わせたところ、とびしまんちゅさんより次の回答を頂きました。

難しいですね。動画開始30秒のところでは、ツバメの警戒音のようですが、それ以前はセグロセキレイっぽいのがありますね。その後、「ケッ」と一声アオゲラ的に…。
【追記】
『アユの話』p48によると、

モズのなわばりの直径は電柱の間隔に近いといわれている。




【追記2】
『モズの話:よみもの動物記』p114によると、
止り木から空中に飛び立ってえものを捕える、ヒタキ類でよくみられるフライキャッチをモズもよく用いる。主に蛾やトンボ類、ガガンボ類を多くおそうが、ヒタキ類と異なり、捕えた後必ずしも同じ枝に戻ってくるとは限らない。(中略)敏速な飛翔で小昆虫を捕えて生活しているトンボ類でさえ、モズの襲撃をかわすことができない。(中略)空中での柔軟なモズの飛翔法の秘密は、おそらく長い尾にあるにちがいない。一般に、鳥の翼は速度に、尾は方向転換に関係しているといわれている。





2013/08/07

蜂に似たオオコシボソハナアブ♂の飛び立ち【ハイスピード動画】



2013年6月上旬

雑木林の薄暗い林床で蜂にそっくりの虻が葉に止まっていました。
調べてみると、ニトベナガハナアブ♂(Temnostoma nitobei)のようです。
ススバネナガハナアブ♂(Temnostoma fumosum)の可能性は?

ドロバチへのベーツ擬態が実に見事です。

いつもお世話になっている「一寸のハエにも五分の大和魂」掲示板にて問い合わせたところ、茨城@市毛さんより「Doros profuges オオコシボソハナアブの♂です」とご教示頂きました。
本州で♂は特に珍品なのだそうです。

物を投げつけて飛び立つ瞬間を240-fpsのハイスピード動画に撮ってみました。
更に1/5倍速のスローモーションでリプレイしても高速羽ばたきは捉えられてませんね。
撮れたのは1回だけで(虻蜂撮らず)、姿を見失いました。



2013/08/01

蜂に似たキベリヘリカメムシの飛翔【HD動画&ハイスピード動画】



2013年6月中旬

里山の草むらでキベリヘリカメムシMegalotomus costalis)成虫と初めて出会いました。
図鑑『札幌の昆虫』p78によると、「本種の成虫は飛ぶとハチに、(無翅の)幼虫は形や行動がアリに似ている。」
かねてからその飛翔シーンを見てみたいと思っていたので、夕暮れが迫る草地でしつこく追い回して飛んでくれるのを待ちます。

アカツメグサの花に乗った際に口吻を伸ばしかけましたが、突き刺してはいない(吸蜜・吸汁には至らず)と思います。
ホストはマメ科植物らしい。



飛び立つ瞬間を240-fpsのハイスピード動画でもなんとか撮ってみました。
後半は更に1/5倍速のスローモーションでリプレイ。
体も細長いし、飛ぶ姿は確かに蜂っぽいかも。
蜂の威を借る亀?




2013/03/20

セスジスカシバ♀(蛾)の産卵行動



2012年9月中旬

林道の草むらでセスジスカシバPennisetia fixseni fixseni )がゆっくり飛び回っていました。
キイロスズメバチが獲物を求めて探索飛行する姿にそっくりです(ベーツ擬態)。
キイチゴらしき葉を選んで着陸したことから、♀の産卵行動ではないかと思います。
本種の幼虫の食草はバラ科のキイチゴなどです。
葉表の縁に止まると腹端を曲げて葉裏に卵を産み付けているようです。
(今回は卵を確認せず)
すぐにまた飛び立ちます。



2012/12/29

キイチゴの葉裏に産卵するセスジスカシバ♀(蛾)



2012年9月下旬

キイロスズメバチにそっくりのセスジスカシバ♀(Pennisetia fixseni fixseni)が道端に生い茂ったキイチゴの群落で飛び回っています。

本種の幼虫の食草は「バラ科:クマイチゴ、モミジイチゴ、ウラジロイチゴ」とされています。
ホバリング飛行で見定めた食草に着陸すると、♀は必ず葉の縁にお尻を向けて止まり葉裏に産卵します。
同一個体を追いかけて撮りました。









同じ日に撮った別個体の♀です。
キイチゴの葉表に止まって羽ばたきながら腹端を葉裏に擦りつけていました。
(実際の産卵シーンは撮れてないかもしれません。)
蛾が飛び去った後で、葉や茎に生えた鋭い棘の痛みを我慢しながら蛾が止まっていた葉っぱをめくってみました。
案の定、葉裏の縁に茶色(赤紫色?)の卵が1粒見つかりました。
その場で採寸してみると、楕円形をした卵の長径1.5mmは短径1mm。


この2頭の観察結果をつなぎ合わせると、食草の葉裏に卵を一個ずつ産み付けて回るようです。
次に機会があれば幼虫を飼育してみようと思います。



葉裏の上の方の縁に卵が1粒



2012/12/01

セスジスカシバ(蛾)の羽ばたき準備運動と飛び立ち【ハイスピード動画&HD動画】



2012年9月中旬

セスジスカシバ本州以南亜種Pennisetia fixseni fixseni)という蛾が道端の葉っぱに止まっていました。
スズメバチにそっくりの蛾です(ベーツ擬態)。
羽化不全個体なのか、右翅が捻れたように変形しており、しっかり閉じません。
そっと指を差し出して蛾を手に乗せると、歩きながら羽ばたき始めました。
飛び立つ前の準備運動と思われます。
ハイスピード動画(220 fps)に撮ったスロー映像を見ると羽ばたきがしっかり見えます。
離陸する瞬間がばっちり撮れました♪
しかし翅の非対称な変形異常のため遠くまで飛ぶことが出来ず、すぐに落下してしまいます。
私の手から飛び降りた、という表現が正しいでしょう。

 


 通常のHD動画でも撮ってみました。








2012/11/19

化粧するフタガタハラブトハナアブ♀



2012年8月中旬

閉め切った室内で蜂がブンブン飛び回っているので何とかして欲しいと呼ばれて行くと、マルハナバチに擬態したフタガタハラブトハナアブ♀でした。

窓ガラスに激しく衝突を繰り返したせいか、左翅先が破損しています。
出窓に止まって休んでいるので息を吹きかけると、顔を拭い始めました。
撮影後に捕獲して採寸すると、体長16mm。

擬態のモデルはコマルハナバチ♂でしょうか。
全身がレモン色の毛に覆われています。
毒針の無い♂にベーツ擬態しても仕方がないのでは?

一瞬だけギョッとさせれば効果あり、ということでしょうか。

ちなみに前回♂を取り上げた記事はこちら→「ドクダミの花を舐めるフタガタハラブトハナアブ♂(マルハナバチに擬態するアブ)




【追記】
後脚の腿節が黒くて太いので、オオモモブトハナアブ♀(Matsumyia jesoensis)の可能性は?










2012/10/06

シロスジナガハナアブがドクダミに訪花



2012年7月下旬

シロスジナガハナアブがドクダミの花を舐めていました。
すぐに飛び立ってしまい、あまりにも短い映像なので1/3倍速のスローモーションによるリプレイで水増し。

蜂にベーツ擬態している気がします。
モデルはアシナガバチじゃろか?



2012/10/05

ドクダミの花を舐めるフタガタハラブトハナアブ♂(マルハナバチに擬態するアブ)



2012年7月下旬

ドクダミの群落で白い花が咲き乱れ、様々な昆虫が訪花していました。
マルハナバチにベーツ擬態するハナアブは何種類か知られていますが、これはフタガタハラブトハナアブ♂です。
腿が黒く太い点も印象的でした。
図鑑『札幌の昆虫』p214によると、

フタガタハラブトハナアブ♂の腹部第2節後半と胸背中央に黒色毛による横帯がある。
採餌行動までそっくりで、マルハナバチ♀による回転集粉をゆっくりした動きで口吻を伸ばし花蜜や花粉を舐めていました。
【参考】擬態のモデルと思われるオオマルハナバチ♀が同じ日にドクダミの花で回転集粉する動画を公開しました。
ただしこれは行動擬態というよりも、この構造の花で効率良く採餌・摂食しようとしたら同じ動きに収斂するのは当然かもしれません。
擬態していない別種のハナアブがドクダミの花でどのように食事をするか観察すれば謎解きのヒントが得られるでしょう。

食後は身繕いしてから飛び立ちました。
複数個体を撮影。






側面



2012/09/17

後翅の尾状突起を動かすウラナミアカシジミ



2012年7月上旬

雑木林の下草にけばけばしい紋様のウラナミアカシジミJaponica saepestriata 
saepestriataが止まっています。
翅を立て閉じています。
後翅を互いに擦り合わせ、尾状突起を触角のように動かしています。
捕食者に対して体の前後を逆に見せる擬態らしいのですが、肝心の尾状突起が片方(右側)折れてしまっています。






2012/09/16

山椒で見つけたクロアゲハ四齢幼虫



クロアゲハの飼育記録:その1

2012年7月上旬

サンショウの枝葉を芋虫がゆっくり徘徊していました。
摂食行動は見ていません。

撮影後に食草ごと採集し、飼育開始。
アゲハチョウ科の幼虫であることは間違いありませんが、この段階ではナミアゲハかなと予想していました。
若齢幼虫は鳥の糞に擬態していると言われています。
後にこれはクロアゲハ♀(Papilio protenor demetrius
)の四齢(亜終齢)幼虫と判明しました。


【追記】 安田守『イモムシの教科書』によると、
鳥が関心を示さない姿になることで攻撃を避けようという戦略なのだろう。植物などに似た姿となる隠蔽擬態(カモフラージュ)に対して、鳥の糞になりすますタイプの擬態はマスカレードなどと呼ばれる。鳥糞の仮装だ。 (p147より引用)
マスカレードという用語は初耳で、勉強になりました。

2012/09/09

ヤサアリグモ♂(蜘蛛)




2012年7月上旬

山中の池の畔に立つスギの根元でやけに細長い、得体の知れない黒い虫がいるなと思ったらアリグモでした。
ヤサアリグモ♂はこんちゅーぶ!初登場になります。
予備知識がなければ絶対にハエトリグモ科とは分からないでしょう。

歩き始めると結構素早い動きです。
アリに擬態していると言われていますが、私はそれほど似ているとは思いませんでした。
(こんな蟻いるかな?)
林床を徘徊してすぐに葉裏に隠れてしまいます。

撮影後に同一個体を採集してみました。
クモの体長は糸疣や上顎を含めないらしく、この個体は約4mmでした。
とてにかく頭胸部が巨大で、いかにも重心がアンバランスに見えます。






2012/08/30

ウラナミアカシジミ:休息と飛翔【HD動画&ハイスピード動画】




2012年6月下旬

ゼフィルスの一種であるウラナミアカシジミJaponica saepestriata 
saepestriata)と初めて出会うことが出来ました♪
翅を立てて(閉じて)葉に止まっています。
多くのシジミチョウと同様に、後翅を擦り合わせて尾状突起を触角のように動かしています(行動擬態?)。
頭部を前後逆に見せかけることで、鳥など捕食者からの致命的な攻撃を避ける作戦だと思われています。








ついでに、飛び立つ瞬間をハイスピード動画(220 fps)に撮ってみました。
翅表を広げて見えたのは一瞬だけです。
前翅の表面にある黒い縁取りの幅が狭い気がするので、♂かもしれません。


2012/08/13

モズの水浴、羽繕いと鳴き真似♪?【野鳥】




2012年6月中旬

山中の静かな池に飛来した野鳥がいきなり水面に飛び込みました。
全体に地味な色ですけど、黒く鋭い嘴が曲がっています。
これはモズですかね?
岸に生えた潅木の枝に止まり、水浴び後の羽繕いをしています。
少し飛んで対岸から手前の岸の枝に移動しました。
今度は近過ぎて、テレコンでは奥ピンになってしまいました。

モズはスギの高い枝に飛び移ると、急に大きな声で鳴き始めました。
ピヨピヨピヨ、チャッチャッチャ♪と聞こえます。

バードウォッチング歴が浅くて自信ないのですけど、モズの典型的な鳴き声とは明らかに違います…よね。
調べてみると、この鳴き声はオオルリのようです。
「百舌」という名前通り、鳴き真似をしたのでしょうか?

映像でモズの嘴の動き(リップシンクロ)を確認できなかったので、モズに驚いたオオルリが近くで鳴いた可能性もあります。

最後は飛んで逃げて行きました。


【追記】
実はオオルリ♀なんじゃないかという気がだんだんしてきました…。
これまでに知られた百舌の鳴き真似レパートリーの中にはオオルリが含まれるそうです。(『カルガモ親子はなぜ引っ越す』p121より)


野鳥の画像掲示板で質問したところ、まぐぴさんよりお墨付きを頂戴しました。
「動画から切り出した画面、拝見するとモズみたいに見ますね。」


映像から切り出した写真はブレブレ。



2012/06/24

トラフシジミが渓流の石を舐める



2012年5月下旬

渓流で石の上に止まっているトラフシジミRapala arata春型を発見。
翅を閉じたまま後翅を擦り合わせるような動きをしています。
尾状突起で虫の触角のような動きをすることで、捕食者に前後逆に思わせる擬態の作戦だろうか。
川縁の石は乾いて見えますが、トラフシジミはときどき口吻を伸ばして石の表面を舐めています。
水を飲みたいのかと思いきや、なぜか渓流から離れる方向に歩いて行きました。
ミネラル摂取かな?



2011/11/22

スズメバチに似たスズキナガハナアブ♀の身繕い【ベーツ擬態】



2011年10月下旬

里山でつづら折りの山道を登っていたら、スズメバチにそっくりなアブが羽音を立てて飛来しました。
なぜか私のウェストポーチに興味を示し、二回もまとわり付いて来ました。
一瞬スズメバチかと焦って身を固くしましたが、すぐに擬態(虎の威を借る狐)と気づきました。
アブは近くのクズの葉に止まり、身繕いを始めました。
胸部背面後半にハの字型の黄色紋があり、スズキナガハナアブと判明。
左右の複眼が接していないことから♀と思われます。
ベーツ型擬態の見事な一例ですね。
スズキナガハナアブ♀は化粧が済むと飛び去りました。
スズメバチのように刺す真似をするか(行動擬態)確認したかったのに、生憎この日は捕虫網を持参しておらず、指を咥えて見送りました。



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