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2018/05/14

タケニグサ葉裏の初期巣で抱卵するキボシアシナガバチ創設女王【暗視映像】



2016年6月上旬・午後19:41

7日ぶりの定点観察で夜に様子を見に行きました。

▼前回の記事
夕暮れにタケニグサ葉裏の初期巣を守るキボシアシナガバチ創設女王【暗視映像】

山麓の道端に生えたタケニグサの葉裏に作られたキボシアシナガバチPolistes nipponensis)の初期巣は意外にもほとんど育っていませんでした。

赤外線の暗視動画を撮ると、創設女王は頭部を巣柄に付けて(巣柄を噛んでる?)巣盤に乗った状態でガードしながら寝ていました。
私の気配に気づいて目覚めても巣上で少し身動きしただけで、あまり警戒を示しませんでした。
7室の育房内に白い卵が1個ずつ産み付けられています。
気温の下る夜間は女王蜂が抱卵して自分の体温で少しでも温めようとしているのでしょうか?
しかしアシナガバチの巣はスズメバチの巣とは異なり断熱効果の高い外被構造が無いので、風が少し吹くだけですぐに外気温まで下がってしまいそうです。

サーモグラフィーのカメラを手に入れたらぜひ撮ってみたいテーマの一つです。

蜂の自然な行動をなるべく撹乱しないように、今回は暗視動画のみで、ストロボ写真も撮りませんでした。
夜空には月齢5.0の三日月と一番星が出ていました。

残念ながらこのコロニーを観察できたのは、この日が最後になりました。
私の予想通り、道端の一斉除草作業によりタケニグサはなぎ倒され、この巣も失われてしまいました。(シリーズ完)


2018/04/29

ハシボソガラス(野鳥)が高圧線鉄塔の巣で抱雛



2017年5月中旬・午後18:29(日の入り時刻は18:45)

この年に励んだのは、高圧線の鉄塔に営巣したハシボソガラスCorvus corone)の定点観察です。
鉄塔#19および#21の巣を重点的に観察しました。

▼まとめの記事
ハシボソガラス(野鳥)の営巣観察:2017年

実は、同時期に鉄塔#27でもハシボソガラスの巣を見つけていました。

巣に座ってじっとしている親鳥の横顔が見えます。
おそらく♀が雛(または卵)を抱いていると思われます。

このまま親鳥は巣で抱雛したまま夜を過ごしたのか確認したかったのですが、とても余力がありませんでした。
高所に作られた巣は夜風が吹くと未だ少し寒そうです。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。(日没直前で実際はもっと薄暗い)

現場の周囲は住宅街で、私がじっくり腰を据えて(落ち着いて)観察できる場所を見つけられませんでした。
したがって定点観察には不向きで、その後、私は足が遠のきました。
ちなみに翌年(2018年)は春の訪れが早かったものの、この鉄塔#27でカラスは営巣しませんでした。



2017/09/11

ハシボソガラス♀が巣で抱雛し♂が給餌に通う(野鳥)




高圧線の鉄塔#21でのハシボソガラス営巣記録#4


2017年5月下旬・午前11:35〜11:45

いつもの撮影ポイントに三脚を据えて、まず抱雛中のハシボソガラス♀(Corvus corone)を写真で記録しました。
同時期に並行して観察している高圧線鉄塔#19(二つ隣の鉄塔)のハシボソガラスの巣よりも雛の発育が明らかに遅れています。



ところが写真撮影中にもう一羽の親鳥♂が帰巣したので、慌てて動画モードに切り替えました。
雛鳥が必死に背伸びして嘴を大きく開き、餌乞いしています。




給餌を済ませたつがいの一羽が巣から飛び立ちました。
留守番する親鳥(おそらく♀)が巣に座り込みました。
依然として雛が首を伸ばす姿が見えるので、雛の上に乗ったのではないようです。
晴天の正午前は見るからに暑そうで、抱雛の必要がないのでしょう。
親鳥が雛のために翼を広げて日陰を作ってやったりはしていません。
全ての雛がもう少し育てば自力で体温調節が可能になり、親鳥は2羽の共稼ぎで採餌に出かけられるはずです。

帰り際にアングルを変えて再びカラスの巣を撮ってみました。
鉄塔に近づくと見上げるアングルになり、巣内の雛の姿は見えなくなってしまいます。(去年の定点観察が失敗したのは、これが原因です。)
親鳥♀が巣内で何やら世話をしている動きだけが見えました。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。

つづく→#5:巣で羽ばたく練習を始めたハシボソガラスの雛(野鳥)


2017/09/10

抱雛を止めて巣から飛び立つハシボソガラス(野鳥)



高圧線の鉄塔#21でのハシボソガラス営巣記録#3


2017年5月中旬

夕方に通りかかると、ハシボソガラスCorvus corone)の親鳥(おそらく♀)が在巣で抱雛していました。
辺りをキョロキョロ見回したり、羽繕いしたりしています。
夕日に対して完全に逆光のアングルですけど、どうせカラスは真っ黒なので、シルエットが際立って好都合かもしれません。

急に親鳥が立ち上がると、右横の鉄骨へピョンピョン跳んで移動しました。
巣を離れると、左の農地へ向かいました。
雛あるいは自分自身のために採餌に出かけたのでしょう。


※ 逆光のため、動画編集時に自動色調補正を施しています。


つづく→#4:ハシボソガラス♀が巣で抱雛し♂が給餌に通う(野鳥)


2017/09/05

巣に来たハエを追い払うハシボソガラス(野鳥)



高圧線の鉄塔#21でのハシボソガラス営巣記録#2


2017年5月中旬・午後14:43と17:00頃の2回

鉄塔の近くを通りがかった際に、ハシボソガラスCorvus corone)の親鳥が帰巣する瞬間を撮ることが出来ました。
雛が卵から孵化したかどうか不明です。
雛の背が巣の高さよりも成長するまで、餌乞いする雛の姿が外からは見えないのです。
鉄塔に登って巣の中を直接観察できない以上、親鳥の行動で推測するしかありません。
親鳥の帰巣後の行動が転卵なのか、幼い雛鳥への給餌なのか、私には判断できませんでした。

巣の周囲を飛び回るハエ?を親鳥が気にして嘴で追い払うような仕草が興味深く思いました。
こんな高所までハエが来ているということは、雛の食べ残しや糞などの汚物が巣にありそうです。
もしかすると、カラスの雛に寄生するハエがいるのかもしれません。
あるいは蚊柱のようなものの可能性もありそうです。
親鳥(♀?)が巣に座り込んで抱卵/抱雛を始めると、親鳥の尾羽根しか見えなくなりました。


抱卵/抱雛中の親鳥♀の尾羽根が巣から飛び出て見える

その数時間前には、親鳥が鉄塔の天辺から伸びる高圧線(いつもの定位置)に止まって辺りを監視していました。


※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。


つづく→#3:抱雛を止めて巣から飛び立つハシボソガラス(野鳥)


2017/09/04

前年と同じ高圧線鉄塔の巣で抱卵・転卵するハシボソガラス♀(野鳥) 



高圧線の鉄塔#21でのハシボソガラス営巣記録#1


2017年5月上旬・午後17:00~17:36

ハシボソガラスCorvus corone)が繁殖している巣をまた新たに見つけました。
実はこの高圧線鉄塔#21は、去年も不完全ながら定点観察しており、リベンジしたくて目をつけていた場所です。

造巣の過程を見落としてしまったのは残念でした。
去年と同じ♀♂番(つがい)が営巣しているのでしょう。

▼関連記事(当時は鉄塔aと表記)
高圧線の鉄塔に営巣したハシボソガラスの定点観察:2016年
今季に私が見て回った中では、この巣が最も営巣段階が出遅れていました。

遠くから望遠レンズで巣を撮り始めると、1羽の親鳥が飛び去りました。
しばらくすると、親鳥がいつの間にか巣に戻っていました。
巣の中を覗き込んで、おそらく転卵しています。
巣に座って抱卵すると姿がほとんど見えなくなりました。
おそらくこの親鳥は♀と思われます。

もう1羽の親鳥♂が帰巣するシーンを撮り損ねてしまいました。
巣の右の鉄骨からピョンと巣に跳び乗りました。
抱卵していた親鳥♀に給餌したのかどうか興味があるのですが、鉄骨が邪魔でよく分かりません。
驚いたことに、2羽の親鳥が相次いで巣を離れました。
1羽は鉄塔の天辺から伸びる高圧線に止まると、しばらく辺りを警戒しています。
もう1羽はこちらに向かって飛んで来て、私の様子を偵察に来たようです。
警戒はしているものの、ハシブトガラスのように私に対して鳴き騒いだりせず寛容で、とても助かります。

カラスの方も私を見て、「去年もしつこく来てた顔馴染みの奴だ」と思っているのかもしれません。

いつの間にか、高圧線に親鳥の番が2羽並んで止まっていました。
私がじっとしていると人畜無害だと分かってくれたようで、1羽(♀?)が飛び立つと強風を利用して流されるように鉄塔に着陸しました。
巣の一段下の鉄骨を経由してから帰巣。
巣に座り込んで抱卵を再開したので、この親鳥は♀なのでしょう。

どうやら♀は抱卵をちょくちょく中断するようです。
掠れた声で鳴きながら巣の左へ飛び去りました。
領空侵犯があったのかな?(縄張り防衛行動)

戻ってきた親鳥♀は今回もいったん巣の一段下の鉄骨にフワリと着陸してから飛び上がって帰巣しました。
この♀個体に特有の帰巣ルートというか、癖なのかもしれません。
親鳥♀はすぐに抱卵を再開。

夕方に風が強く吹くと半袖ではかなり肌寒く、撮影中はウィンドブレーカーを上から羽織ってしのぎました。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。

つづく→#2:巣に来たハエを追い払うハシボソガラス(野鳥)


抱卵中の♀の尾羽が巣から少しのぞいて見える。
鉄塔に近づくと巣を見上げるアングルになり、むしろ観察しづらくなる。(親鳥も警戒してしまうので、距離を保つのが吉)


2017/08/29

巣内の雛に給餌するハシブトガラス(野鳥)



2017年5月下旬・午前5:26~5:40

アカマツ樹上でのハシブトガラス営巣記録#6


ハシブトガラスCorvus macrorhynchos)親鳥の1羽がアカマツの右下から飛来し、巣の右下の枝に着地しました。
頭を低くして枝葉の陰から私の様子を油断なく伺っています。
結局、入巣せずに左下へ飛び去りました。
繁殖期のハシブトガラスはおそろしく警戒心が強いという印象が一層強まりました。
その間、在巣の雛鳥が餌乞い♪せずにおとなしくしていたのが、不思議というか、よくしつけられていて偉いですね。

しばらくすると、再び親鳥の1羽がアカマツの左下から飛来しました。
先程と同じく一旦、巣の右下の枝に着地して、辺りを警戒しています。
焦った私がうっかりカメラの鏡筒に手をぶつけてしまい、望遠レンズの狙いがずれてしまいました。
その隙に親鳥が抜け目なく入巣しました。
とにかく私に帰巣の瞬間を見られたくない、巣の位置を悟られたくない、という執念のような親心が伺えます。
雛は一斉に伸び上がって餌乞いしたものの、親鳥が給餌したかどうか、枝葉の陰になってよく見えません。
親鳥の尾羽根だけが動いて見えます。
ようやく親鳥が巣に跳び乗り、抱雛を開始。
そのまましつこく撮影していると、在巣の親鳥(♀?)が突然、巣を離れました。
右へ鳴きながら飛び去ったのは、おそらく採餌に出かけたのでしょう。

親鳥が留守の間に少しアカマツに近づいてみました。
雛の頭部だけ巣から見えてる気もするのですが、はっきりしません。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。

シリーズ完。

この営巣地での定点観察はこれで打ち切ることにしました。
中途半端ですけど、仕方がありません。
あまりにも親鳥の警戒心が強い上に、アカマツの手前に生い茂った枝葉で巣が巧妙に隠されていて、雛への給餌行動もろくに観察できないからです。
このままでは私も親鳥もストレスが溜まるだけです。
雛が巣立つまで親鳥は更に殺気立ち、雛を守るために通りすがりのヒトに対してもっと攻撃的になることが予想されます。
育雛中のハシブトガラスが相手の撮影は、プロがブラインドを設置して隠し撮りしても至難の業らしいので、私はここで撤退しました。
ハシボソガラスとハシブトガラスの性格の違いはカラス関連の本で読んだ通りでした。

同時並行して定点観察しているもう一つのハシボソガラスの巣の撮影に今後は全力を尽くします。



2017/08/28

巣で給餌後に抱雛するハシブトガラス♀(野鳥)



2017年5月下旬・午前5:13~5:17

アカマツ樹上でのハシブトガラス営巣記録#5


早朝から見に行くと、巣内でハシブトガラスCorvus macrorhynchos)の雛鳥が孵っていて、親鳥(おそらく♀)が甲斐甲斐しく世話していました。
手前にある松葉の茂みが邪魔で巣の様子がよく見えず、もどかしいですね。
しばらくすると親鳥♀は巣に座って抱雛します。

急に親鳥♀が立ち上がって飛び立ちました(右へ滑空)。
私がこっそり隠し撮りしていることが遂にバレたようです。
澄んだ声でカァカァと繰り返し鳴きながら私の頭上を左へ横切り、近くの高木に止まりました。
私に対して「そこに居るのは分かってるんだぞ!」という怒りの警告(イエローカード)ですね。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。

つづく→#6:巣内の雛に給餌するハシブトガラス(野鳥)



2017/08/17

縄張り防衛に余念がない繁殖中のハシブトガラス♀♂(野鳥)



2017年5月上旬

アカマツ樹上でのハシブトガラス営巣記録#2


強風で揺れるアカマツ喬木上部に作られたハシブトガラスCorvus macrorhynchos)の巣で、おそらく♀と思われる親鳥がこの日も抱卵していました。
アカマツは常緑樹なので、葉がこれ以上茂ることはないでしょう。
しかし巣が見え難い位置にあることに変わりありません。
動きがないので私が撮影を止めてカメラを下ろした途端に、この親鳥♀は巣から飛び出しました。
巣を見られていることに対して、かなり警戒心が強いようです。

この営巣地の縄張りに、別のカラスが領空侵犯がして来ました。
番(つがい)の1羽がすかさず迎撃に向かい、軽い空中戦で侵入者を追い払いました。
撃退に成功した親鳥αは意気揚々と近くの枯木の横枝に止まりました。
続いて番のもう1羽βも横に止まり、入れ替わりでαが飛び去りました。
枯木でカーカー♪とすごい剣幕で繰り返し鳴いているのは、おそらく私に対する威嚇なのでしょう。
やがて枯木から飛び上がると強風に煽られつつも、私の近くの電柱のてっぺんに着陸しました。
すぐ後からαも飛来し、横に止まりました。
番で私の様子を偵察しに来たようです。
腹立たし気に嘴を足元の電線に擦り付けています。
電線から1羽が飛び立ったので帰巣するかと思いきや、旋回して左に飛び去りました。
私に帰巣シーンを見られたくないのか、あるいは再びカラスの領空侵犯があったのだと思います。
この営巣地の左には林の中に開けた土地があって、そこにいつも若鳥のカラスが群れているのを確認しています。
その若鳥のカラスが番の縄張りに時々ちょっかいを出しに来るようです。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。

つづく→#3:巣を撮ると激しく怒る繁殖期のハシブトガラス♀♂(野鳥)♪


抱卵中
親鳥が留守の巣
警戒

2017/08/15

アカマツ樹冠の巣で抱卵するハシブトガラスと警戒声♪(野鳥)



2017年5月上旬

アカマツ樹上でのハシブトガラス営巣記録#1


郊外でアカマツの樹幹にカラスの巣を新たに見つけました。
かなりの高木です。
巣材は多数の小枝を組み合わせてお椀状に作られています。
巣に座っている親鳥は、抱卵中の♀なのでしょう。

ところが在巣の♀が急に飛び立ち、旋回して左手の針葉樹に止まりました。
その枝には先客のカラス(恐らく番の♂)が居て、下で見ている私に対して「カァカァカァカァ♪」と切迫した警戒声を発していました。
澄んだ声なのでハシブトガラスCorvus macrorhynchos)のようです。

なぜか♀はまたすぐに飛び立ち、アカマツの左横の雑木林の樹冠に止まり直しました。
他のカラスの領空侵犯があったのかもしれません。(縄張り防衛の行動?)
その後は、怪しいヒト(=私)が見ている間は帰巣したくない(巣の位置をヒトに悟られたくない)というハシブトガラス♀の意志を感じました。(この日だけでなく後日の観察でもそのような印象を受けました。)
これだけ嫌がっているのにしつこく撮影して営巣放棄されては私も困るので、このまま撤退しました。

私のフィールドでカラスと言えば北方系のハシボソガラスの方が圧倒的に優占種で、南方系のハシブトガラスは滅多に見かけません。
同時期に営巣中のハシボソガラスよりもハシブトガラスの番(つがい)の方がバードウォッチャー(私)に対する警戒心がかなり強い印象を受けました。
これはカラスに関する本で読んでいた通りで、この後の定点観察でも毎回悩まされることになります。

例えば松原始『カラスの教科書』によると、

・特にハシブトガラスは巣が丸見えになるのを嫌うらしく、針葉樹・広葉樹を問わず常緑樹に営巣することが多い。(p47より引用)
・ハシブトガラスは巣の位置を秘匿することに非常に気を遣う。(p52より)
・カラスは巣や雛を見る視線に非常に敏感である。野生動物の世界にはバードウォッチャーとか研究者とかいうおかしな奴はいないので、巣をジロジロ見る者は「巣を狙っている敵」と見なして差し支えないからである。まして巣立ち雛の方を見ていたり、巣立ち雛の近くにいたりすれば、確実に「我が子に迫る危険」と認定される。(p287より)



※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。

つづく→#2:縄張り防衛に余念がない繁殖中のハシブトガラス♀♂(野鳥)



2017/07/31

雨の日に巣内の雛に給餌するハシボソガラス(野鳥)



▼前回の記事
雨の日は巣にこもって雛を温めるハシボソガラスの親鳥(野鳥)


高圧線の鉄塔#19でのハシボソガラス営巣記録#6


2017年5月中旬・午後15:13~15:14

雨に打たれながら巣でじっと抱雛しているハシボソガラス♀?(Corvus corone)を長撮りしていると、もう1羽の親鳥(♂?)が飛来しました。
巣の右横の鉄骨に一旦着地してから外巣に乗ると、♀が立ち上がって少し横にどきました。
外出できない♀に給餌するのか、興味深く見守りました。
どうやら♂は雛に給餌したようです。
餌乞いする雛のシルエットが見れなかったのは、♀が背後に立っていたからでしょう。
♂はすぐに巣を離れ、右に飛び去りました。
一方♀は巣に座って抱雛を再開。
やはり親鳥は性別による役割分担があるのか、抱雛を交代しませんでした。(外見ではカラスの性別を形態的に見分けられません。)
さすがに親鳥♀自身の空腹が限界に達すれば、抱雛を♂と交代して採餌に出かけるはずです。

雨の日は餌となる虫を探すのも苦労するのかな?

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。

つづく→#7:水田で水を飲むハシボソガラス(野鳥)


2017/07/30

雨の日は巣にこもって雛を温めるハシボソガラスの親鳥(野鳥)



▼前回の記事
巣内の雛に給餌し辺りを見張るハシボソガラスの♀♂つがい(野鳥)

高圧線の鉄塔#19でのハシボソガラス営巣記録#5


2017年5月中旬・午後15:06~15:20

この日は前線の通過に伴い、朝から雨が降り続いています。
それほど激しい雨ではなく、1~2mm/hの降水量。

これまで観察してきたように、晴れた日は夫婦共稼ぎで餌を探しに出かけ、雛だけで留守番します。
この巣は雨ざらしで剥き出しの状態ですから、未だ体温調節能力の低い幼い雛を守るために雨の日はハシボソガラスCorvus corone)の親鳥は抱雛するのではないか?と予想しました。
雨仕度をしていそいそと様子を見に行きました。


予想通り、おそらく♀と思われる親鳥が雛の上に覆い被さって雨に打たれながら雛鳥をひたすら温めていました。
在巣の親鳥は巣に座ったまま動きが無く、ときどき身震いのように尾羽根を動かしています。
もし雛が未だ小さい時期に雨天が続くと、雛への給餌ペースが半分に落ちて雛の発育が遅れそうですね。
つまり梅雨入りする前に危険な時期を早く乗り切ることが育雛のポイントだと思われます。
カラスぐらいの知能があれば雨風が凌げる営巣地を選ぶか、巣材で雨避け・日除けの屋根を作ればいいのに…、とお節介なことを思ってしまいます。

かなり退屈な映像ですが、記録としてそれが狙いです。(写真よりも説得力、証拠能力があるでしょう)
昼間に晴れていれば、これほど長時間、親鳥が巣にじっと座っている(休んでいる)ことは決してありません。
傘に当たる雨音と、走行車が水しぶきを跳ね上げる音で、雨天だと伝わるでしょう。

比較対照として、同時並行で観察している他のカラスの巣も巡回して観察すべきでしたね。
しかし雨の日にこれ以上足を伸ばすのは億劫で、さぼってしまいました。
言い訳としては、巣によって雛の発育段階が不揃いだったのです。(この巣#19が最も早い)

※ 暗い雨雲を示すために、今回は動画に自動色調補正を施していません。
下の写真では色調補正してみました。

つづく→#6:雨天の給餌


【追記】
唐沢孝一『カラスはどれほど賢いか―都市鳥の適応戦略 (中公新書)』によると、

 産卵後は、♀親によって約20日抱卵されて孵化する。孵化したばかりの雛は、羽毛は生えておらず、普通の小鳥の雛のようにピンク色をしている。しかし、数日後には皮膚は黒色に変化し、つぶれたゴムタイヤのような皺だらけでグロテスクな雛になる。羽毛の生えていない雛は体温維持が不十分なため、さらに二週間にわたり♀親が抱雛する。雛の巣立つのは孵化後、約1ヶ月である。(p114より引用)



2017/07/26

高圧線鉄塔の巣に出入りするハシボソガラスの♀♂つがい(野鳥)



2017年4月下旬・午後17:36~17:39
▼前回の記事
高圧線の鉄塔に作られた巣で抱卵するハシボソガラス♀(野鳥)


高圧線の鉄塔#19でのハシボソガラス営巣記録#2

ハシボソガラスCorvus corone)の巣を狙って撮っていたら、鉄塔の左下から2羽の親鳥が相次いで帰巣しました。
性別は見分けられないのですが、これが♀♂の番(つがい)なのでしょう。
足環を付けて標識しない限り個体識別も無理なので、繁殖ペア以外のヘルパーの存在は当面考えないことにします。

ヘルパー (動物) - 動物行動学で、仔が成長後も親の元に残り、親の子育てを助けること、あるいはそれを行う仔のこと。(wikipediaより引用)

親鳥の直前の行動をしっかり見ていないのですが、2羽ともに巣を留守にしていたということは、縄張りへの侵入者を協力して追い払っていたのかもしれません。

小枝などの巣材を搬入しなかったので、造巣中でないことは確かです。

(産座のために柔らかい巣材を搬入したのを見落とした可能性は残ります。)
鉄骨に阻まれて、巣内の行動がよく見えないのがもどかしい…。
外巣の縁に止まった親鳥は巣の中をしきりに覗き込んでいます。
卵の様子を確認しただけかもしれませんが、もしかすると卵から孵化したばかりの小さな雛たちに給餌したのかもしれませんね(想像)。
雛がお椀状の巣の深さよりも成長すると遠くからでも雛の姿が見えるようになるのですけど、雛が若い(小さい)うちは鉄塔を登って巣の中を覗きに行かない限り様子が全く分かりません。

先に飛び立った親鳥の1羽(♂?)が左に滑空し、住宅地に姿を消しました。
もう1羽の親鳥(♀?)が巣に座り込むと、その尾羽根が巣から突き出て見えます。
抱卵・抱雛しているとすれば、♀なのでしょう。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。

つづく→#3:高圧線鉄塔の巣で雛に給餌するハシボソガラス♀♂(野鳥)



2017/07/24

高圧線の鉄塔に作られた巣で抱卵するハシボソガラス♀(野鳥)



2017年4月下旬・午後17:26~17:28

高圧線の鉄塔#19でのハシボソガラス営巣記録#1


郊外の住宅地にそびえ立つ高圧線の鉄塔#19の最上部付近に新しくハシボソガラスCorvus corone)の巣を発見。
巣材はやはり多数の小枝をお椀状に組み合わせたものでした。
♀と思われる親鳥が巣に座って抱卵しているようです。
(造巣から見届けている訳でもありませんし、鉄塔に登って巣の中を確認した訳ではないので、抱雛の可能性を否定できません。)
油断なく辺りをキョロキョロ見回しています。
高所にある営巣地ですけどアングルを工夫すれば観察しやすそうなので、ここも定点観察に通うことに決めました。
前年は中途半端な観察しか出来なかったので、今年は繁殖の初期から気合を入れて通います。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。

つづく→#2


以下の写真はアングルが悪くて在巣の親鳥が写らず。

2017/07/23

アケボノスギ梢の巣で抱卵するハシボソガラス♀(野鳥)



2017年5月上旬
▼前回の記事
メタセコイア樹上の巣で抱卵・転卵するハシボソガラス♀(野鳥)

メタセコイア(=アケボノスギ)の梢に営巣したハシボソガラスCorvus corone)の定点観察記録。

見に行っても親鳥が不在のことが多く、久々に在巣の親鳥を撮ることが出来ました。
廃巣ではないと分かり一安心。
巣に座って抱卵中の親鳥(♀?)は警戒して辺りをキョロキョロ見回しています。
メタセコイアの葉が茂り始めました。
背後の里山からもようやく雪が溶けて消えました。

おそらく抱卵だろうと勝手に想像したものの、高木によじ登って巣の中を確認した訳ではないので、抱雛の可能性を否定できません。
(卵から雛が孵化しているかもしれない。)

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。

その後も通りかかる度に定点観察を続けたのですが、メタセコイアの葉が生い茂ると巣がすっかり隠蔽されてしまいました。
親鳥はそれを見越してここに巣を作ったのかもしれません。
観察しやすい別の営巣地を見つけたこともあり、ここからは足が遠のきました。
悪いことは重なるもので、この営巣地の近くで大規模な土木工事が始まり騒々しい重機が何台も出入りするようになりました。
おそらく親鳥は環境悪化によりここでの繁殖を断念したのではないかと想像しています。
結局、ここでは親鳥が巣に出入りして雛に給餌するシーンも撮れずに終わり、残念でした。



2017/07/21

メタセコイア樹上の巣で抱卵・転卵するハシボソガラス♀(野鳥)



2017年4月中旬

未だ落葉した状態のメタセコイア(=アケボノスギ)
の梢で鳥の巣を見つけました。
多数の小枝をお椀状に組み合わせた巣です。
よく目を凝らすと、巣にハシボソガラスCorvus corone)が座っています。
抱卵しているとしたら、♀なのでしょう。

松原始『カラスの教科書』によると、

・ハシボソガラスはハシブトガラスほど神経質ではなく、春先のスカスカの落葉樹に平気で巣を作る。(p47より引用)
・抱卵はほぼ♀のみが行い、抱卵期間はだいたい20日である。(p52より引用)



やがて巣の中で親鳥が立ち上がると、嘴で卵を転がしているように見えました。
(複数の卵を万遍なく温めるための転卵)
産座を嘴で整えてるだけかもしれません。
巣に座り直すと後姿になりました。

造巣の段階から定点観察していた訳でもありませんし、高木に登って実際に巣の中を覗いてみた訳ではないので、「抱卵ではなく抱雛ではないのか?」と問われたら「分からない」と正直に答えるしかありません。

実は別個体のカラスが近くで鳴き騒いでいたのですけど、撮り損ねてしまいました。
番(つがい)の片割れ(♂?)が縄張りを防衛していたのだろう、と想像しました。
背後の山々には未だ残雪が見えます。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。

この巣も定点観察してみましょう。

つづく→アケボノスギ梢の巣で抱卵するハシボソガラス♀(野鳥)


実は7年前にもこの近くの柳の樹上でカラスの古巣を見つけています。

▼関連記事 
カラスの巣?【野鳥】


2016/11/17

イエユウレイグモ♀(蜘蛛)の卵嚢ガード



2016年7月下旬

物置部屋の扉の陰の床上でイエユウレイグモ♀(Pholcus phalangioides)が不規則網を張り卵塊を抱えて守っていました。
照明で照らしながらマクロ動画に記録しました。

眩しい光を浴びてもクモに動きは無く、逃げたりしませんでした。

母クモを刺激すると卵嚢を抱えたまま網を揺する振身威嚇するかどうか、試してみればよかったですね。
私が下手に手を出すと♀はこの営巣地から逃去しそうな気がして、躊躇してしまいました。

もうひとつ心残りは、卵嚢ガード中に給餌したときの母クモの行動を観察できなかったことです。(卵嚢を一時的に保管して獲物を捕食するらしい。)
これは来期以降の宿題になります。

幼体が孵化する様子を観察したかったのですが、この時期は他に色々と手を広げ過ぎてしまい余力がありませんでした。
(カメラがもう一台あれば…。)



2015/02/19

コクサグモ♀(蜘蛛)は卵嚢ガードする?しない?



2014年10月下旬

里山の頂で建物の外壁の隅にコクサグモ♀(Allagelena opulenta)を発見。
背景が白壁なので分かり難いのですが、よく見ると卵嚢に覆い被さるように乗り上を向いてガードしているようです。
南壁と西壁が接する角で高さは地上82cm。
コクサグモの卵嚢は初見です。
クサグモの卵嚢は星形なのに、コクサグモの卵嚢はまるで違うシンプルな円盤形なのですね。

▼関連記事
クサグモの卵嚢と一齢幼体
卵嚢に枯れた松葉や細かなゴミが付着しているのはジョロウグモ♀みたく産卵後に偽装工作(カモフラージュ)したのでしょうか?
どうやって適当なゴミを集めて来るのか興味があります。
それとも単に風で飛ばされて付いたのかな?



卵嚢ガード行動を観察するために、動画に撮りながら枯れ葉で軽くつついたら、短距離ダッシュで下に逃げました。
(※ それほど手荒な真似はしていません。クモの体には触れておらず、産室の網に触れただけです。)
卵嚢を死守して威嚇してくるかと予想していたので、この薄情で臆病な反応はとても意外でした。
すぐに戻るかと思いきや、そのまま壁面に静止してのんびり日光浴。
卵嚢のことなどまるで忘れてしまったかのように、数時間たって私が下山する時も卵嚢に戻りませんでした。
これではとても卵嚢ガードとは呼べない(定義に反する)気がします。
本種は卵で越冬するはずなので、成体♀が越冬用住居に潜んでいたのではなさそうです。
ひょっとして別種・別個体のクモが作った卵嚢にたまたま居ただけ?…などと疑うのも強引ですし。
(春になって卵嚢から幼体が孵化すれば種類は分かりますね。)
ちなみに、6日後に再訪した時にはコクサグモ♀は姿を消していました。
インターネット検索すると、コクサグモ♀が卵嚢に乗っている写真が幾つもヒットします。
クモ生理生態事典 2011』サイトにもコクサグモは卵嚢保護すると解説されています。
しかし母クモを刺激したり闖入者(天敵の虫など)に対して実際に防衛行動するかどうか確かめた例は見つかりませんでした。
卵嚢に乗っているコクサグモを見つけても産卵直後に疲れて休んでいるだけかもしれませんし、母性本能とか母性愛として美化されがちな「卵嚢ガード行動」は過大評価されている可能性もありますね。
たとえば生涯で何個も卵嚢を作るのであれば、危険が迫ったら一つの卵嚢に執着せず一目散に逃げるのが正解でしょう。(命あっての物種)
私の実験もこの一例だけなので自説を強く主張するほどではなく、定説に軽い疑念を抱いただけです。

もちろんクモ♀による卵嚢ガード全般を疑っている訳ではなくて、これまで種々のクモで実際に観察しています。

卵嚢を放棄して逃げた後

2014/11/26

スジアカハシリグモ♀(蜘蛛)による卵嚢保護



2014年8月中旬

山道でアカソ?の葉にスジアカハシリグモ♀(Dolomedes saganus)が乗っていました。
日向ぼっこ(日光浴)しているのでしょうか。
腹面に丸い卵嚢を抱えガードしています。
撮りながら慎重に撮影アングルを変更すると、意外にも逃げません。
振動に反応して歩脚を一瞬動かしただけです。
背側から見ると、左の第二歩脚が根元から欠損(-L2)していました。

採寸代わりに右手の人差し指をクモの横に並べて写し込んでも逃げません。
クモの背後から歩脚に触れると驚いて駆け出し、隣の葉に素早く移動しました。
もう一回触れると葉先へ移動。
更にその葉を揺らすと下の葉に跳び下りました。
逃げるときも卵嚢を持ち歩きます。



2014/11/01

初期巣の外被を作り始めたコガタスズメバチ創設女王



2014年5月中旬

コガタスズメバチ巣の定点観察#2014-1

神社の軒下にコガタスズメバチVespa analis)創設女王が巣作りを始めました。
外被の天井部分を軒下の桟に固定する基礎を作っています。
地上からの高さは240cmで、南に面しています。
この営巣地は庇で上手い具合に隠れた場所で、真下から見上げないと巣の存在に気づかないでしょう。



作業を終えた女王は育房に戻って点検し、身繕い。
新たに増築した部分は未だ巣材のパルプが唾液で湿っていて黒っぽく見えます。
剥き出しの巣盤(一段目)の育房数は6室で、産卵済みでした。
女王蜂は巣柄にしがみつきカールするような抱卵姿勢に入りました。
卵を温めるカーリング行動です。



引きの絵にすると、隣の桟にもスズメバチ古巣の跡が残されています。

巣の大きさの比較として、営巣基質となった太い垂木?の幅を採寸すると10cm、屋根裏の細い材の幅3cmでした。

巣材集めの活動は見ていませんが、境内は古い木造建築ですし、周囲にはスギが何本もそびえ立っているので、樹皮の調達に苦労しないはずです。


▼つづく
コガタスズメバチの巣口を守る門衛♀

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