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2019/07/14

夏の昼塒に取り残されたコウモリ【暗視映像】



2018年11月下旬・午後14:38


▼前回の記事
トンネルを塒とする野生コウモリの写真集

前回9月上旬に昼塒へ入洞してから79日ぶりの定点観察です。
毎年のことですが、コウモリの集団は繁殖期をこのトンネル内で過ごすと、冬を前にしてどこかへ居なくなってしまいます。
(つまり、ここは冬眠塒ではありません)
真っ暗な暗渠内は静まり返っていて、コウモリの鳴き声は聞こえなくなっていました。
動画でシャラシャラとかすかに聞こえるのは、持参したビニール袋の擦れる音で、コウモリの鳴き声とは関係ありません。

奥にしばらく進むと、コンクリート壁面に1頭のコウモリ(種名不詳)が下向きでへばりついているだけでした。
赤外線の暗視カメラによる映像をご覧下さい。
他の群れは冬眠越冬用の集団塒に移動してしまったのでしょう。(暖地へ渡り?)
この個体はぐっすり眠っているように見えますが、生死を確認すべきでした。

▼関連記事(1年前には壁面にへばりついたまま死んでいる個体を発見)
トンネル内でぶら下がったまま死んだコウモリ【暗視映像】
しかし、もし冬眠中ならコウモリに無用な負担(ストレス)をかけるべきではないので、体に触ることはしませんでした。
こんなときには、非侵襲的に(非接触式)体温を測定できるサーモグラフィカメラが欲しいところです。

洞内を探検しながら気温を3箇所で測定してみると、
気温15.2℃、湿度41%
気温13.2℃、湿度46%
気温11.8℃、湿度52%
でした。(比較のため入洞前に外気温も測るべきでしたね…)

コウモリsp背面@暗渠:壁+越冬?
コウモリsp側面@暗渠:壁+越冬?

余談ですが、同じトンネルで夏の間にコウモリの群塊がぶら下がっていた集団塒の跡がコンクリートの天井に脂染みのように残っていました。
写真に撮って拡大すると、黒くて丸い小さなボタンのような物体が天井に点々と多数付着しています。
これはコウモリに体外寄生するクモバエ類の蛹です。


▼関連記事(1年前の撮影)
ユビナガコウモリの体表に寄生するケブカクモバエ?

今回はこの蛹を採集し、持ち帰って飼育してみるつもりでした。
野生コウモリへの影響を最小限に抑えるために照明は赤色灯しか持ってこなかったため、不慣れな私は赤色光の下では手元がよく見えずに失敗しました。
白色光と赤色光を切り替えられるヘッドランプを持参するべきでした。



2019/01/18

昼塒のトンネルで寝るコウモリ♀に寄生虫?【暗視映像】



2018年9月上旬

ボックスカルバートのトンネル内を日中の集団ねぐらとしている夜行性コウモリを毎年少しずつ調べています。
昨年は9月中旬にトンネル内を初めて調査したのですが、今年は少し時期を早めて(前年の15日前)入洞してみました。
コウモリの育児を撮影してみたい気持ちと、デリケートな繁殖期が終わるまでコウモリの活動を邪魔してはならないというコウモリ保全上の配慮との間で葛藤があります。
私が繰り返し侵入するせいでコウモリがこのトンネルは危険とみなして塒に使わなくなってしまったのでは、私も観察できなくなって困ります。
一応、私なりの配慮として、年に1回しか入らないようにしています。
日没前の夕方に、赤外線の暗視動画を撮りながら、トンネルを探検開始。
トンネルの奥にコウモリの集団塒(コロニー)があるようで、コウモリの鳴く声が可聴域でキキキキキ♪と反響して聞こえるのは前年と同じです。

真っ暗なトンネルの中程でようやくコウモリと遭遇しました。
コンクリート天井に2頭が間隔を明けてぶら下がっていました。
1頭に注目してズームインすると、コウモリの体表で何か小さな虫が動きました!(矢印に注目@0:19)
おそらくクモバエやコウモリバエなどの体外寄生虫でしょう。

▼関連記事
ユビナガコウモリの体表に寄生するケブカクモバエ?
現場ではこの虫に気付かなかったので、ストロボを焚いた証拠写真は撮れませんでした。

コウモリは畳んだ翼で顔を覆って寝ています。
一本足で天井からぶら下がっています。
幼獣を抱えた母獣かどうか、映像をしつこく見直したのですが、素人にはよく分かりませんでした。

私がゆっくり回り込みながらアングルを変えてしつこく撮り続けるとコウモリは覚醒して最後は飛び去りました。
飛び立つ直前にタラララ…♪と速いクリック音が私の耳にはっきりと聞こえました。
(映像でも確認できますが、ビデオカメラのノイズだったりして…)
エコロケーションのためにコウモリが発している超音波だと思うのですが、可聴域なのが不思議です。
トンネルなどの閉鎖空間では超音波が可聴域にシフトするのでしょうか???
コウモリ関係の本を読んでいても超音波の話ばかりで、可聴域の鳴き声についてはほとんど情報がありません。

飛び立つ瞬間を1/10倍速のスローモーションでリプレイしても、下腹部に陰茎が見えないので♀のようです。
やはり、幼獣を抱えていない、単独の♀だと思います。
この映像でコウモリの種類が見分けられる方がいらっしゃいましたら、教えて下さい。

1頭のコウモリに注目している間に、もう1頭は飛んで逃げてしまいました。

この直後にビデオカメラのバッテリーが切れてしまいました。
交換しようとしたらスペアのバッテリーがなぜか充電されていないことが判明しました。
準備してきたはずなのに、我ながら酷い大失態です…。
仕方がないので暗視映像を諦め、これ以降はストロボ写真による撮影に切り替えました。

つづく→トンネルを塒とする野生コウモリの写真集


2018/12/23

オトコエシを訪花するヨコジマオオハリバエの羽ばたき【HD動画&ハイスピード動画】



2018年9月下旬

山間部の峠道の脇に咲いたオトコエシの群落でヨコジマオオハリバエTachina jakovlevi)が訪花していました。
左右の複眼が離れているので♀ですかね?(…とは限らない?)
口吻を伸ばして花蜜や花粉を舐めています。

花から飛び立つ瞬間を狙って240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@0:48〜)
更に1/5倍速のスローモーションでリプレイ。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。


ヨコジマオオハリバエ@オトコエシ訪花吸蜜
ヨコジマオオハリバエ@オトコエシ訪花吸蜜

2018/08/10

寄主オビカレハ(蛾)若齢幼虫に産卵失敗を繰り返すヤドリバエ♀の謎



2018年5月中旬


▼前回の記事
寄主オビカレハ(蛾)幼虫の巣に居座り産卵を狙うヤドリバエ♀【6倍速映像】

ヤドリバエ(寄生ハエ)の一種♀が寄主のオビカレハMalacosoma neustrium testaceum)若齢幼虫を巣上で追い回して産卵を試みるものの失敗を繰り返すシーンだけ編集しました。

早回し映像ではなくリアルタイム映像でご覧下さい。
いわば、失敗を集めたNG集です。



ヤドリバエ♀は標的に狙いを定めると歩いて接近します。
腹端を前方に屈曲させ、産卵のチャンスを狙います。
幼虫の長い体の後部になら卵を産み付けるチャンスは幾らでもありそうなのに、そこには決して産卵しないのが不思議です。



テント状の巣には穴があり、そこからオビカレハの幼虫が外に脱出しようとしていました。(巣の左上@3:32)
穴の横で待ち伏せしていたヤドリバエ♀は絶好の産卵チャンスなのに、産卵姿勢のままなぜか決行せず断念しています。(意気地なし!)
余談ですが、この小さな穴から巣内に戻る幼虫も居るのかな?


群生する幼虫が徐々に巣を離れてミズナラ灌木の小枝をよじ登り始めました。
一旦巣を離れた幼虫がまた巣に戻って来ることもあります。
おそらく夜暗くなると散開してミズナラの葉を食害し、朝になると巣に戻って休むのでしょう(夜行性?)。
実は今回、オビカレハ幼虫の群れの行動をタイムラプスで長撮りするつもりでいたら、ヤドリバエ♀の存在に気づいたのです。


産卵に成功したシーンは巣を見つけ撮り始めてすぐの2回だけでした。
そのときの産卵箇所は寄主の頭部付近(胸部側面?)でした。
巣内で幼虫の群れに長時間つきまとっているシーンを見ても、産卵を狙う箇所に拘りがあることが伺えます。

その理由はおそらく、オビカレハ幼虫の後部にこっそり産卵するのは簡単でも、異物感で気づいた幼虫はすぐに口で卵を取り除いてしまうからです。
これは、便秘で苦しむオビカレハ幼虫が排泄後も肛門から落ちずにずっと付着したままの糞を体を曲げて口で取り除いたシーンをたまたま観察したことから予想されます。
ただし、このヤドリバエ♀が寄主の体表に卵を産み付けるタイプであるかどうか、映像では分かりませんでした。(私の記憶が正しければ確か、産卵管を突き刺して寄主の体内に産み付ける種類のヤドリバエ♀もいたはずです。)
体内に産み付けられてしまえば、もはや口で卵を取り除くことは不可能でしょう。

次は免疫系による異物排除・隔離の出番です。

しかし寄主の頭部付近を狙うと当然見つかりやすくなり、頭振り行動で反撃されるリスクも高まります。
幼虫に気づかれたら一時退避して、ほとぼりが冷めるのを待つしかありません。

ヤドリバエ♀の代替策として、空中から幼虫の胸部に飛びついた瞬間に卵を産み付ける作戦はどうでしょう?
しかし、オビカレハ幼虫(天幕毛虫)に生えている長毛は、寄生蝿の着陸を邪魔したり、鋭敏な触覚センサーとして働くのでしょう。
ヤドリバエ♀が毛虫の体に着陸しようとしても、すぐに気づかれて振り落とされてしまいそうです。

毛虫の毛を刈ると被寄生率が上がるかどうか、試しに実験する価値はありそうです。

寄主が群生する巣を見つけたヤドリバエ♀は産卵する標的を選り取り見取りのやりたい放題で、見つかってしまったオビカレハ幼虫としては全滅を免れる術は無いのかと初めは思いました。

しかしこうして観察を踏まえてじっくり考えてみると、ヤドリバエ♀は意外にも難易度の高いミッションに辛抱強く挑んでいたのだと分かってきました。
寄生蝿は寄主の体の前後を見分ける必要がある訳です。
私の予想ではなんとなく、前進運動する動きで見分けている気がします。
逆に寄主側の自衛策としては、自己擬態で体の前後を同じ模様にして見分けにくくすれば良さそうです。

似たような自己擬態は、シジミチョウ類の成虫が後翅の尾状突起を触角に似せて鳥に急所の頭部をつつかれないように騙している例が有名です。
実際にオビカレハ幼虫は、体の前後の両端に黒い斑紋が目立ちます。
少なくとも静止している間は、この自己擬態作戦である程度はヤドリバエ♀からの執拗な攻撃を凌げるかもしれません。

ただし、この自己擬態は未だ不完全です。
頭楯の灰色も後端に真似る必要がありますね。
オビカレハ幼虫に偽の頭楯(灰色)を後端にくっ付けてみる実験をしてみたら、ヤドリバエ♀による被寄生率が下がるでしょうか?

オビカレハ幼虫は広食性ですから、大発生すると森林害虫として深刻な被害をもたらします。
したがって、天敵のヤドリバエ(寄生蝿)の習性を研究することは、農薬(殺虫剤)に頼らない生物学的防除(天敵を利用した害虫駆除)に結びつく可能性があるでしょう。
とりあえず、このヤドリバエの種類を写真鑑定できる方がいらっしゃいましたら、教えて下さい。
現物は採集できていません。

インターネット検索しても、オビカレハ幼虫を寄主とする寄生蝿の情報は得られませんでした。
それでも関連しそうな文献がヒットしました。(PDFファイルが無料で見れます)

石野依利子、戒能洋一『ヤドリバエDrino inconspicuoides の産卵行動について』
つくば生物ジャーナル Tsukuba Journal of Biology (2003) 2, 101
アワヨトウという蛾の幼虫に寄生するヤドリバエの一種Drino inconspicuoidesで産卵行動を調べた研究です。
興味を惹かれた箇所を引用すると、

 ♀バエは、寄主から数cm離れたところまで歩行により近づき、しばらくの間寄主の動きを追った後、産卵を試みた。その際、寄主が移動した場合は、頭部の向きを変える、歩行により後を追うなどの行動をとった。寄主に接近するまでの時間や産卵までの時間などは個体差が大きかった。
産卵を試みる際は、寄主に肢をかける(6本肢すべてをかけて「乗って」しまう場合もある)個体と、寄主の近くから産卵管を伸ばす個体とが観察された。産卵を試みなかった個体には、寄主に全く接近しなかったものと、寄主の方から接近してきたなどの原因で寄主との距離が縮まっても寄主を避ける行動をとったものの2種類があった。

今回私が観察した寄生蝿はDrino inconspicuoidesと別種かもしれませんが、産卵行動が共通だとすると、産卵に何度も失敗する(手間取る)のはよくあることなのだろうと納得できました。


※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。

シリーズ完。


2018/08/08

寄主オビカレハ(蛾)幼虫の巣に居座り産卵を狙うヤドリバエ♀【6倍速映像】



2018年5月中旬・午後17:07〜17:55(日没時刻は午後18:39)

▼前回の記事
オビカレハ(蛾)若齢幼虫に産卵する寄生ハエ♀

ヤドリバエ(寄生ハエ)の一種♀がオビカレハMalacosoma neustrium testaceum)若齢幼虫の巣に居座り、虎視眈々と産卵のチャンスを狙っている様子を6倍速の早回し映像でご覧下さい。
ヤドリバエ♀が巣の表側(逆光)に来たり裏側に行ったりする度に、私も山道で三脚を移動しました。

恐るべき天敵がオビカレハ幼虫の群れに紛れ込んでもあまり排斥されないのは、何か秘密があるのでしょうか?
ゆっくり歩き回るのが秘訣なのかな?
ヤドリバエ♀の体表を寄主に化学擬態しているとしたら面白いのですが、寄主特異性が低いのであれば考えにくいでしょう。
近くに居るオビカレハ幼虫が頭を左右に振って威嚇してもギリギリ届かない距離を保ち平然と身繕いする様は憎たらしいですね。

かなり粘って長撮りしても、ヤドリバエ♀が産卵に成功したのは初めの2回だけでした。
それ以降はひたすら寄主となる幼虫を付け回したり、幼虫に気づかれて反撃されて(頭振り行動)一時退避したり、を繰り返していました。
幼虫に追い払われたヤドリバエ♀は巣の周囲でミズナラの小枝に止まり、のんびり前脚を擦り合わせたり顔を拭ったりと化粧して時間を潰しています。
オビカレハ幼虫の巣は寄生バエにとって、選り取り見取りのパラダイスのはずですよね。

寄主の巣内で次々に産卵するのかと期待していた私は、とても意外に思いました。
ヤドリバエ♀は翅があるのにどうして素早く飛んで寄主に襲いかかり電光石火で産卵しないのか、不思議でなりません。
この個体は左翅の先がやや破損していますけど、飛ぶのに支障は無いはずです。(未確認)

途中でシギゾウムシの一種が同じミズナラの灌木に登って来ると、邪魔されたハエは巣の上部に避難しました。
のこのこと巣に闖入したコナラシギゾウムシ?は、オビカレハの幼虫に至近距離で威嚇されて擬死落下。

ヤドリバエ♀は腹端を前方に屈曲した産卵姿勢のまま巣上で呆然としていることもありました。
なぜ幼虫を積極的に追いかけないのでしょうか?
幼虫が近づいてくるとハエはすぐに退避します。(意気地なし!)

後半になると産卵失敗や回避行動が増え、無気力というか真剣味が失せたように見えます。
とてもまどろっこしく、見ていて非常にもどかしい持久戦・神経戦が続きます。(寄主との攻防にもなっていないような…)
撮りながら仮説を幾つか立ててみました。

  • 卵巣内の卵を産み尽くしてしまった?
  • ヤドリバエ♀は寿命が近い、老いた個体なのか?
  • 夕方で薄暗くなり気温が下がると産卵行動が難しくなる? 産卵衝動が低下する? 現場は里山の東斜面なので、日の入り時刻よりも早く太陽が山陰に沈んで暗くなります。
  • 周囲のオビカレハ幼虫が完全に静止(フリーズ)すると、ヤドリバエ♀は視覚で寄主の存在を認識できなくなってしまうのかも?
  • 既に産卵済みの幼虫個体を何らかの方法で見分けて、重複産卵(多寄生)を回避している?
  • オビカレハ幼虫の防衛行動が結果的に上手く行っている?(私には分からないのですが)

苦労して寄主の体表に直接産卵しなくても、巣に大量に産卵しておいて、孵化したハエの幼虫(蛆虫)が自力で寄主に辿り着く寄生戦略でも良さそうな気がします。
ただし、蛆虫が多寄生の共倒れとなるリスクもありますね。


オビカレハ幼虫側の防御法としては、巣にクモのような粘着性の糸を張り巡らせてハエをトラップしてしまうようにこれから進化したら面白いですね。
それでもヤドリバエは飛来するでしょうから、結局オビカレハ幼虫は三次元に作られた天幕の中で暮らすしかなさそうです。

プロの研究者ならきっと、
ヤドリバエ♀を採集して卵巣の状態を調べるとか、巣ごと採集してオビカレハ幼虫を全て育て上げ、ヤドリバエが羽化してくる数を数えて被寄生率を調べたりするのでしょうね。
私にそこまでやる根性はありませんでした。

※ 風が吹いて枝揺れに悩まされたのですが、動画編集時に手ブレ補正処理したら、その影響をなんとか抑えられました。

【おまけの動画】


同じ素材で10倍速にした早回し映像をブログ限定で公開しておきます。


つづく→寄主オビカレハ(蛾)若齢幼虫に産卵失敗を繰り返すヤドリバエ♀の謎


ヤドリバエsp♀vsオビカレハ(蛾)若齢幼虫群れ@巣:ミズナラ灌木
ヤドリバエsp♀vsオビカレハ(蛾)若齢幼虫群れ@巣:ミズナラ灌木
ヤドリバエsp♀vsオビカレハ(蛾)若齢幼虫群れ@巣:ミズナラ灌木
ヤドリバエsp♀vsオビカレハ(蛾)若齢幼虫群れ@巣:ミズナラ灌木
ヤドリバエsp♀@オビカレハ(蛾)幼虫巣外+身繕い
ヤドリバエsp♀@オビカレハ(蛾)幼虫巣外+身繕い

2018/08/06

オビカレハ(蛾)若齢幼虫に産卵する寄生ハエ♀



2018年5月中旬・午後17:00〜17:03


▼前回の記事
便秘に苦しむオビカレハ(蛾)幼虫はどう対処するか?

ミズナラの灌木に天幕状の巣を作って共同生活しているオビカレハMalacosoma neustrium testaceum)の若齢幼虫の様子を見ていると、怪しいハエが一匹、巣に紛れ込んでいました。
その正体は寄生バエ(ヤドリバエ科の一種)♀でした。
左の翅に切れ込みが入ったように破れていて、個体識別が可能です。

夕方の逆光で見えにくいのですが、動きの鈍い幼虫を狙いを定めると腹端を前方に屈曲しながら幼虫の背後から近づき、頭部付近の側面に卵を産み付けたようです。
産卵の決定的瞬間に別個体の幼虫が横を通りかかり、産卵管が見えなくなってしまいました。
攻撃されたオビカレハ幼虫は弱々しく頭部を左右に振って威嚇するだけでした。
ヤドリバエ♀は巣の上部に一時的に退避しました。

しばらくしてほとぼりが冷めると戻って来て、同一個体の寄主に対して再び産卵しました。
今度は産卵姿勢がしっかり撮れました。
腹端を前方に強く屈曲させて寄主に狙いを定め、寄主の頭部近く(胸部体節)の腹面(側面かも?)に産卵しました。
幼虫の群れに反撃されそうになると、さっと身をかわします。

天幕状の巣には発育段階の異なる大小様々なオビカレハ幼虫が集まっています。
寄生蝿の右下に見えるのは、幼虫が脱皮した後の抜け殻のようです。


オビカレハを寄主とするヤドリバエを写真同定してもらうために、ストロボを焚いた写真も高画質で撮ったつもりでした。
ところがカメラの設定を前日までインターバル撮影していたときの低画質にしたままで気づきませんでした。(痛恨のミス)

このヤドリバエ♀は口吻を出しっぱなしのように見えます。
寄主の巣を舐めて化学情報を検知しているのでしょうか?
産卵した寄主の傷口から出る体液を舐めたりするのかな?
素人目にはなんとなく口吻のように見えたのでが、そういう形状の触角なのかも? (高画質の写真を撮っていれば…。)



※ 逆光対策として、動画編集時にHDRishフィルターを適用しました。
いつもの自動色調補正より効果的です。
写真を撮るだけなら逆光のときはフラッシュを焚けば済むのですが、動画撮影しようとすると困ってしまいます。
不用意に照明を点灯すると、昆虫や野生動物の自然な行動に悪影響を及ぼしたり逃げられたりする恐れがあるからです。

つづく→寄主オビカレハ(蛾)幼虫の巣に居座り産卵を狙うヤドリバエ♀【6倍速映像】


ヤドリバエsp♀+オビカレハ(蛾)若齢幼虫群れ@巣:ミズナラ灌木
ヤドリバエsp♀@産卵→オビカレハ(蛾)若齢幼虫

2018/08/04

便秘に苦しむオビカレハ(蛾)幼虫はどう対処するか?



2018年5月中旬

里山を下山中、ミズナラの灌木に多数のオビカレハMalacosoma neustrium testaceum)の若齢幼虫が白い糸をテントのように張り巡らせた巣を見つけました。
通称「天幕毛虫」と呼ばれています。
巣の上で共同生活・徘徊している幼虫の群れを動画で記録してみると、ちょっと面白い排便シーンがたまたま撮れていました。

巣の一番左に居る個体が腹端から黒い糞を排泄し始めました。(@0:05〜)
ところが糞はいかにも乾いていて固そうで糞切りが悪く、「金魚の糞」のように肛門に付着したままです。
私のこれまでの飼育経験上、この症状は食草(食樹植物)の水分含有量が少ないときに見られ、葉に水を霧吹きしてやると回復します。
便秘に苦しむ幼虫がどうするかと思いきや、長い体をCの字に曲げ、なんと肛門から自分の糞を口で取り除き、巣の外へポイと捨てました! (@0:41)
私も色々なイモムシ・毛虫を飼育観察してきましたが、これまで見たことがない行動に驚きました!!
「すげー。毛虫もこんな頭の良い?行動ができるんだ!」

例えば金魚は脊椎動物なのに、切れない糞を自分で始末することが出来ないから「金魚の糞」状態になるのです。
幼虫は肛門付近の違和感を自覚していることになります。
密生した体毛の触覚なのかな?
腹端を巣や枝に擦り付けて糞を落としても良さそうなのに、そのような行動はしませんでした。
天幕毛虫の巣をよく見ると、多数の幼虫が排泄した黒い糞が幾つも白い絹糸で巣に編み込まれていました。


ところで、お気づきの方もいらっしゃるかと思いますが、オビカレハ幼虫の巣の左上に一匹の怪しげなハエがずっと居座っています。
一体何が目的なのでしょう?

つづく→オビカレハ(蛾)若齢幼虫に産卵する寄生ハエ♀

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。



2018/07/14

ダニに体外寄生されたクロマルハナバチ創設女王が林床で身繕い



2018年5月上旬・午後14:52

河畔林の林床で越冬明けのクロマルハナバチBombus ignitus)の創設女王を見つけました。
てっきり営巣地を探索しているのかと思い、追跡するつもりで動画を撮り始めました。
林床を覆うように育ち始めたカキドオシの群落も未だ丈が低く、花も一部が咲き始めたばかりです。

ところが予想に反してクロマルハナバチ創設女王は地中の穴には潜り込まず、ニセアカシア(別名ハリエンジュ)灌木の根際に立ち止まって身繕いを始めました。
背中を足で頻りに掻いています。
後脚の花粉籠は空荷なので、幼虫のための採餌活動もしていないようです。
その後脚をよく見ると、多数の赤っぽいダニがびっしり付着していました(体外寄生)。
ダニのせいでクロマルハナバチ女王は痒みを感じて身繕いばかりしているのかな?
この寄生ダニに注目して接写するべきでしたが、やや薄暗い現場では気づきませんでした。

『マルハナバチの謎〈下巻〉 (ハリフマンの昆虫ウオッチング・社会性昆虫記)』によれば、

越冬したマルハナバチの女王バチの体が小さな褐色の点で一面におおわれていることがあります。これが<まるはなばちやどりダニ>です。このダニは毛の色もまったくわからなくなるほどマルハナバチにたかります。やがて働きバチがかえるとダニは働きバチに移り、巣の底にもうごめくようになります。(p46より引用)



この本は旧ソ連の昆虫学者が書いた原著を翻訳したもので、<まるはなばちやどりダニ>の正式名称や学名は不明です。
吸血性のダニなのだとすると、寄主は体力を消耗して営巣活動やコロニーの繁殖力に悪影響を及ぼすのではないでしょうか?


▼関連記事(10年前の秋に撮影)
クロマルハナバチ♀と寄生ダニ
ちなみに私が見つけた二例とも、寄主は不活発な状態でした。


クロマルハナバチ創設女王:ダニ寄生@林床+身繕い

2018/06/29

室内越冬中のオニグモ(蜘蛛)と寄生蜂の繭



2018年2月下旬
▼前回の記事
室内で越冬するオニグモの擬死落下(蜘蛛)

室内で越冬しているオニグモAraneus ventricosus)亜成体?がしばらく行方不明だったのですが、約2週間(13日)ぶりに再会しました。

南壁の天井隅で歩脚を縮こませて寝ていました。
腹面をこちらに向けていたので、クモとはなかなか気づきませんでした。

夜にハンディカムを近づけてそっと息を吹きかけると、オニグモは目覚めて方向転換しました。
背景の天井が白いので、辺りに張り巡らせた糸がほとんど見えません。
採寸代わりに私の指を並べて置いたら走って逃げました。

オニグモは飲まず食わずでひたすら春が来るまで休眠するのでしょう。
野外に比べて遥かに暖かい室内ではむしろ体力を消耗してしまいそうな気がします。


それより気になったのは、オニグモの近くで薄黄色の紡錘形の繭が不規則網に吊るされていたことです。
これは室内でよく不規則網を張っているオオヒメグモに寄生するマダラコブクモヒメバチの空繭ですかね?
『繭ハンドブック』p94によると、マダラコブクモヒメバチの繭の色や大きさは様々らしい。


それとも、このオニグモを寄主とする別種の寄生蜂の繭なのかな?
(寄主を食い殺すはずでは?)
この空繭がいつから天井隅にあったのか、全く気づきませんでした。(かなり古い空繭かもしれません)


つづく→室内で冬越し中のオニグモ(蜘蛛)がカーテンレールを徘徊【暗視映像】


2018/05/05

ネジレバネに寄生されたキイロスズメバチ♂の身繕い



2017年10月上旬

庭に植栽されたイチジク(無花果)の果樹の葉に
キイロスズメバチ♂(Vespa simillima xanthoptera)が止まって身繕いしていました。
触角が長く、腹部が7節あるので雄蜂♂ですね。

他のスズメバチ類のようにイチジクの熟果を食害したり吸汁したりしないのが不思議です。
満腹したのか、それとも交尾相手の新女王を待ち構えているのですかね?

ところでこの個体の写真で腹部末端付近の黒い縞模様に注目すると、寄生したスズメバチネジレバネXenos moutoni)が腹節の間から顔を覗かせているように見えます。
左右対称ならキイロスズメバチに固有の黒紋だと思うのですが、右側にしか黒い出っ張りがありません。
1年前に山中で捕獲した寄主個体は飛べなかったので、この個体も弱っているのかもしれません。

▼関連記事
ネジレバネに寄生され飛べないキイロスズメバチ♂
ネジレバネに寄生されたキイロスズメバチ♂は飛べなくなる?


キイロスズメバチ♂+スズメバチネジレバネ寄生?@イチジク葉+身繕い
キイロスズメバチ♂+スズメバチネジレバネ寄生?@イチジク葉+身繕い
キイロスズメバチ♂+スズメバチネジレバネ寄生?@イチジク葉+身繕い

2018/04/18

ユビナガコウモリの体表に寄生するケブカクモバエ?

2017年9月中旬・午後16:55頃(日の入り時刻は午後17:43)


▼前回の記事
昼塒で休むコウモリの群塊と鳴き声♪【暗視映像】(名前を教えて)

野生コウモリが昼塒として利用しているトンネルの天井で、コウモリ(種名不詳)が群塊を形成して休んでいました。
ストロボを焚いて撮った写真をチェックしてみると、何枚かに奇妙な物が写っていました。


コウモリ2頭が寄生されている
写真の中央部に注目

気になる写真を拡大してみると、3頭のコウモリの体表(毛皮)にオレンジ色(茶褐色)の昆虫が1匹ずつ(計3匹)がっしりと取り付いています。
無翅なのでクモと間違いそうになりますが、脚が6本しか無いので、れっきとした昆虫です。
クモバエ科という特殊な寄生バエの一種でしょう。
コウモリ専門に外部寄生して吸血するらしく、そのために翅は退化したのだそうです。
(コウモリバエ科という有翅の外部寄生虫も別に知られているらしい。)
本で読んで存在は知っていましたが寄生率は低いらしく、私のフィールドで実際に出会えてとても感動しました。
平凡社『日本動物大百科9昆虫II』によれば、

 クモバエ科は世界各地に分布し、コウモリバエと同様にコウモリの体表にのみ寄生し、吸血する。体は扁平で、翅はなく、頭部は胸背にある溝のなかに後ろ向きにたたみ込まれている。あしは非常に長く、爪は強大である。複眼は退化している。(中略)日本では10種が記録されているが、これも調査が進めばさらに多くの種が見いだされると思われる。 (p150より引用)


ちなみに、日本に吸血性コウモリは生息していません。
日本のコウモリは寄生虫から一方的に吸血される(可哀想な)宿主なのです。

また、写真でトンネル天井を注意深く見直すと、コウモリの群塊がぶら下がっている塒の周囲だけに黒くて丸い小さな物体が多数写っていました。


現場では照明の使用を極力控えたので、全く見過ごしていました。(気づいたとしても、コウモリの糞が天井に付着したのかも?と思ったことでしょう。)
おそらく、これはクモバエの蛹でしょう。

【参考1】 船越公威. "ユビナガコウモリに外部寄生するケブカクモバエの生態学的研究: 特に生活史からみた宿主への連合性に関して." 日本生態学会誌 27.2 (1977): 125-140. (ありがたいことにPDFファイルが無料で公開されています。ケブカクモバエ成虫および蛹の細密画が掲載されています。)

【参考2】 動物行動学エッセイ本のシリーズで有名な小林朋道先生の公式ブログ『ほっと行動学』より「山奥の洞窟であったほんとうの話」 (クモバエの蛹の写真あり)

次に入洞する機会があれば、改めてトンネル天井の写真を撮り直し、この蛹を採集して飼育してみるつもりです。

【追記】1年後に写真を撮りました。
野生コウモリを無許可で採集したり飼育するのは法律で禁じられていますが、寄生バエなら誰からも怒られないでしょう。
クモバエは天然記念物に指定されていませんし、レッドデータに登録された絶滅危惧種でもありません。
クモバエ類は宿主特異性が高いそうなので※、飼育下で成虫を羽化させることでクモバエをしっかり同定できれば、宿主であるコウモリの名前も分かりそうです。

※ 【参考】:小林朋道「ユビナガコウモリに外部寄生する ケブカクモバエの宿主識別行動」(PDFファイルが無料で公開されています)
Natural Environmental Science Research Vol.28, 1- 4 (2015)
洞窟の塒では複数種のコウモリが混群(混棲群塊)を形成している場合もあるのだそうです。
コウモリ観察歴の浅い私には未だコウモリの種類を外見から自信を持って識別できないのですが、もし写真同定できる専門家がご覧になりましたら、ぜひ教えて下さい。
今のところ、ユビナガコウモリMiniopterus fuliginosus)とそれに外部寄生するケブカクモバエPenicillidia jenynsii)のセットではないかと素人ながら勝手に予想しています。
ネット上には真っ白なケブカクモバエの写真も見つかりますが()、これは蛹から羽化した直後と思われます。
羽化後に宿主のコウモリから吸血すると黄褐色に変化するらしい。(参考:上記の船越公威によるPDF文献)

コウモリはねぐらで多数の個体が集まって群塊を形成する種類もいれば、単独あるいは散在した粗群で寝るのが好きな種類もいるらしい。
それぞれの習性(寝方)に一長一短があり、群塊を形成するコウモリには寄生虫にとりつかれ易いというデメリット(コスト)があります。

天井からぶら下がりながら痒そうに毛繕いしていたコウモリは、吸血性寄生虫を取り除こうとしていたのかもしれません。
クモバエの死亡率は毛繕い中の宿主による捕食によって高くなるらしい。

余談ですが、洞窟内に生息するコウモリの糞・体毛、洞窟内の生物の死骸が大量に堆積して固まったものをバット・グアノと呼びます。
このトンネルには水が流れているので、塒の下は天然の水洗トイレになっています。
グアノにおける生態系(食物連鎖)も興味深いのですが、残念ながらここでは観察できません。


2018/03/28

ハルジオンの花蜜を吸うギンランキマダラハナバチ♀



2016年6月上旬

農村部の道端に咲いたハルジオンの群落で見慣れないカラフルな蜂が訪花していました。
忙しなく飛び回り吸蜜しています。

他のハナバチ類の巣に労働寄生するキマダラハナバチ属の一種(Nomada sp.)のようです。
しっかり同定するために採集したかったのですが、私の殺気を感じたのか逃げられてしまいました。
動画撮影をどこまで長く粘るべきか、いつ採集に切り替えるべきか、フィールドでは撮影中にいつも悩みます。
映像では性別も見分けられませんでした。
キマダラハナバチ属はミツバチ科でも労働寄生する寄生蜂なので、たとえ♀であっても集粉せず、花粉籠など専用の器官を持ちません。



【追記】
コメント欄で匿名の方より、ギンランキマダラハナバチ♀(Nomada ginran Tsuneki)とご教示頂きました。
『日本産ハナバチ図鑑』を紐解いてみると、寄主は不明とのこと。(p374より)


2018/01/23

寄生植物アメリカネナシカズラの花蜜を吸うセイヨウミツバチ♀



2017年8月下旬

農業用水路の土手に蔓延る寄生植物アメリカネナシカズラの群落でセイヨウミツバチApis mellifera)のワーカー♀が訪花していました。
後脚の花粉籠は空荷です。
複雑に絡み合った茂みの奥にセイヨウミツバチが潜り込んでしまうので苦労したものの、執念でなんとか吸蜜シーンを撮りました。
複数個体を撮影。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。



2018/01/13

寄生植物アメリカネナシカズラの花蜜を吸うフタモンアシナガバチ♀



2017年8月下旬

農業用水路の堤防で寄生植物アメリカネナシカズラが茹でた黄色い細麺をぶちまけたように蔓延っていました。
その群落でフタモンアシナガバチPolistes chinensis antennalis)のワーカー♀が訪花していました。
絡み合う茂みの中では吸蜜に夢中で、セイヨウミツバチ♀とニアミスしても互いに無視しています。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。



この植物を同定するために小さな花を接写しました。

いちばんわかりやすい違いは、雌しべの先端がアメリカネナシカズラは2つに割れていることです。ネナシカズラは割れません。 (ピッキオ『花のおもしろフィールド図鑑:夏』p82より引用)


今回の場合、アメリカネナシカズラの寄主(ホスト)は主にセイタカアワダチソウのようです。
外来植物同士で熾烈な生存競争が行われています。
以上、アメリカネナシカズラの根も葉もない本当の話でした。



2017/11/05

ネジレバネに寄生されたキイロスズメバチ♂は飛べなくなる?



2016年10月上旬


▼前回の記事
ネジレバネに寄生されたキイロスズメバチ♂にブドウの果実を与えてみた

スズメバチネジレバネXenos moutoni)に寄生されたキイロスズメバチ♂(Vespa simillima xanthoptera)♂にブドウの実を給餌した後に透明プラスチック容器(苺パックを再利用)に入れると、蓋が無いのにいつまでたっても全然飛び立ちません。
ウロウロと容器内を徘徊するだけです。
脚力も弱っているようで、苺パックの壁面をよじ登れないでいます。

蜂は静止していても忙しなく腹式呼吸しています。
腹節の隙間から覗いて見えるネジレバネをようやくしっかり接写することができました。

キイロスズメバチ♂の運動能力に関しては、山中で見つけた時からずっと飛べないままで、飼育していると次第に歩行までも覚束なくなりました。
給餌して満腹になっても飛べないままなので、飢えて弱っていたのではなくて、やはりネジレバネに寄生されたことによる神経症状なのでしょうか。(寄主の行動操作?!)
それとも単純に、いくら餌を摂取しても寄生虫に栄養が横取りされてしまうのかな?


※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。


そのまま飼い続けたところ、この3日後にキイロスズメバチ♂は死亡しました。(採集してから4日後)
以下は標本の写真。


寄主の死後、このアングルからはネジレバネが見えなくなった。

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