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2018/11/21

コガタスズメバチ創設女王が軒下の初期巣に帰巣



コガタスズメバチ初期巣の定点観察2018年#1


2018年6月上旬

民家の軒下の隅にコガタスズメバチVespa analis insularis)の初期巣を見つけました。
古巣跡の横に徳利型の初期巣が吊り下げられています。
巣口の首が未だあまり長くないので、これから防御のために長く伸ばすのでしょう。

下から見上げながら動画を撮っていると、創設女王が外役から戻ってきて徳利型の入口から巣内に入りました。
巣材または獲物を搬入したのかどうか、この映像からは分かりません。

その後しばらく撮り続けても、女王蜂は巣から出てきませんでした。

軒下の角に作られている初期巣を真下から見上げると、巣の断面が円形ではなく、壁に接した2辺が潰れていて歪な形状でした。

巣が天井と壁にしっかり固定されているので、脱落することは無いでしょう。
新しい巣のすぐ横にはコガタスズメバチによる5年前の古巣が剥がれ落ちた跡が天井パネルに残っています。

▼関連記事のまとめ軒下に営巣したコガタスズメバチの定点観察(2013年)
女王蜂はこの古巣痕を目印にして営巣地を選んだのでしょうか?

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。

つづく→#2:コガタスズメバチの巣の下に不規則網を張るオオヒメグモ♂(蜘蛛)


コガタスズメバチ初期巣@軒下角
コガタスズメバチ初期巣@軒下角
コガタスズメバチ初期巣@軒下角
コガタスズメバチ創設女王@帰巣(初期巣):軒下角

2018/11/18

チゴハヤブサ幼鳥が餌乞い♪する止まり木とスズメバチ(野鳥)



2018年8月中旬


▼前回の記事
止まり木の周囲で飛行訓練を繰り返すチゴハヤブサ幼鳥の群れ(野鳥)

撮影アングルを更に変更しました。
チゴハヤブサFalco subbuteo)の幼鳥1羽がヒノキ樹冠の枯れた横枝に止まり、甲高い鳴き声でキーキーキー♪と餌乞いを続けています。
しかし私の周りで鳴いている蝉しぐれや水音がうるさくて、チゴハヤブサが親鳥を呼ぶ鳴き声はかき消されてしまいそうです。

キイロスズメバチVespa simillima xanthoptera)?と思しきワーカー♀が数匹、先程からチゴハヤブサの周囲を飛び交っているのが気になります。
獲物を探す探餌飛翔でしょうか?
ヒノキの枯枝に着陸する個体もいたので、樹皮を剥いで巣材を集めに来たのかもしれません。
このヒノキの樹上のどこかで営巣している可能性もありますが、望遠レンズで見た限りではスズメバチの巣は見当たりませんでした。
止まり木のチゴハヤブサ幼鳥にスズメバチを恐れる様子は無く、不思議そうに首をぐるっと回して飛び回るスズメバチを目で追っています。
スズメバチの巣を専門に襲って蜂の子を捕食するハチクマという猛禽類がいるものの、チゴハヤブサにそのような習性は知られていません。

他にはトンボもチゴハヤブサの止まり木の近くを飛び回っていました。
これはチャンスがあればチゴハヤブサが自力で捕食してしまうかもしれません。

※ チゴハヤブサの特徴を見分けるために、動画編集時に彩度を少し上げています。

つづく→飛行訓練の後にモミの木で休むチゴハヤブサ幼鳥(野鳥)


2018/11/17

メタセコイアの葉に止まり身繕いするセグロアシナガバチ♀



2018年7月下旬

セグロアシナガバチPolistes jokahamae)のワーカー♀がメタセコイア(=アケボノスギ)の葉に止まって念入りに身繕いしていました。
飛び立つ直前に向きを変えて後ろ姿になったとき、前伸腹節に黄色紋が無かったので、セグロアシナガバチと確定しました。
私のフィールドでセグロアシナガバチはやや珍しい(希少な)アシナガバチなので、ちょっと嬉しい出会いでした。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。


セグロアシナガバチ♀:側面@メタセコイア葉+身繕い
セグロアシナガバチ♀:背面@メタセコイア葉+身繕い

2018/11/12

キイロスズメバチ♀の体に粘りつくメマツヨイグサの花粉の企み



2018年8月中旬・午前6:18

用水路沿いの原っぱ(休耕地)に咲いたメマツヨイグサの群落でキイロスズメバチVespa simillima xanthoptera)のワーカー♀が朝早くから訪花していました。

初めは茎を蕾まで登ると、身繕いをして体に付いた黄色い花粉を落としてから飛び立ちました。
次はメマツヨイグサの花で吸蜜します。
花から飛び去る際に、粘り気のある花粉がキイロスズメバチ♀の体に付着していることがよくわかります。
メマツヨイグサの花粉が納豆のように糸を引いている様子を1/10倍速のスローモーションでリプレイ。
送粉者の体に花粉がちょっと触れただけでもまとわりつくようにマツヨイグサの仲間は進化して、次の花へ運んでもらい授粉のチャンスを高めているのです。
朝露の水滴もキイロスズメバチの体に付着していました。


▼関連記事
トラマルハナバチ♀の体に粘りつくメマツヨイグサの花粉の企み


※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。


キイロスズメバチ♀@メマツヨイグサ訪花吸蜜
キイロスズメバチ♀@メマツヨイグサ訪花吸蜜

2018/11/11

夜明け前に飛び回りコナラの樹液を舐めるシダクロスズメバチ♀【暗視映像】



2018年8月中旬・午前4:47〜4:52(日の出時刻は4:51)

定点観察している里山のコナラ樹液酒場を日の出前から見に行くと、クロスズメバチの一種のワーカー♀も来ていました。
樹液を吸汁するシーンを撮りたくてもすぐに飛び去ってしまいます。
入山前に吸血性ブヨ対策として体中に噴霧した虫除けスプレーの匂いが嫌いなのかもしれません。(蚊に刺されるのは慣れで我慢できても、ブヨに刺される痛さは耐えられないのです。)
私が少し動いただけですぐ逃げてしまうため、白色LEDを点灯できず撮影は赤外線の暗視モードのみです。
シダクロスズメバチが薄明の森を自由に飛び回ることが可能だと分かったのは一つ収穫です。
スズメバチの仲間で暗い夜も飛べるのはモンスズメバチだけだと思っていたからです。
こんなに早い時刻から巣外で活動を始める個体がいるとは意外でした。
私がしばらく粘ってじっと待つと、ようやく落ち着いて樹液を吸汁してくれました。
樹液を舐めながら腹部を激しく伸縮させているのは、激しい飛翔運動をした直後の腹式呼吸なのでしょう。

同定のため、動画撮影後にビニール袋を被せて捕獲しました。
採集に手こずって少し時間が開いてしまったので同一個体である保証はありません。

しかし、それ以降は樹液酒場にクロスズメバチの仲間が1匹も来なくなったので、おそらくこの個体でしょう。
標本を精査すると、シダクロスズメバチ♀(Vespula shidai)でした。
以下は標本の写真。

死骸の腹端から毒針が伸びていました。

シダクロスズメバチ♀標本:背面@方眼紙
シダクロスズメバチ♀標本:側面@方眼紙
シダクロスズメバチ♀標本:側面@方眼紙
シダクロスズメバチ♀標本:腹面@方眼紙
シダクロスズメバチ♀標本:単眼@方眼紙
シダクロスズメバチ♀標本:顔@方眼紙
シダクロスズメバチ♀標本:顔@方眼紙



【追記】
有賀文章『スズメバチの生活:生態に光をあてて』という本を読むと、筆者はクロスズメバチとシダクロスズメバチ、それぞれの巣の入り口(巣口)に出入りする蜂の数を一日中連続観察するという偉業(苦行)を成し遂げておられました。
シダクロスズメバチの或る巣を8月下旬の午前4時23分から午後18時45分まで5分間隔で調べた結果、暑い夏季には朝と夕方という涼しい時間帯にもっとも多くのワーカーが活動するそうです。あるていど日がのぼり、気温があがってくると、活動がぐっと少なくなる。(p58〜61) 
筆者は晩秋の11月下旬にも同様の終日観察をされています。最初に蜂が出巣したのは午前7時46分、そのときの気温は4.4℃、照度1649ルクスとのこと。晩秋になると朝夕は活動は鈍っても日中に気温が高くなると、巣の入り口は夏の朝夕をおもわせる賑わいを見せます。外が十分に明るくても外気温が低いと蜂は出巣しても慌ててすぐにUターンして巣に戻るらしい。(p66〜70)
この本を読むと、暑い夏にシダクロスズメバチのワーカー♀が未だ薄暗い日の出直前に巣を出て外役に従事するのはおそらく普通のことだと知りました。
蜂の活動性と照度(明るさ)や気温の関係を調べれば面白いかも知れません。


2018/11/09

ニホンミツバチの巣がある樹洞を深夜に観察【暗視映像】



2018年8月中旬・午前3:51〜3:54・気温24℃

クリ(栗)の樹洞にニホンミツバチApis cerana japonica)が自然営巣しているのを見つけました。

▼前回の記事
クリの樹洞に営巣したニホンミツバチ♀

ミツバチは昼行性なので、暗い夜は巣内でおとなしく寝ているはずです。
夜の暗闇では飛ばない(飛べない)はずです。
私は防護服を持っていないので昼間は巣にあまり近づけないのですが、夜なら安全でしょう。
実際、夜中に様子を見に行くと、栗の木の周囲は静まり返っていました。

気休めで上下カッパを着ました。
暑くても短時間の我慢です。
栗の木にそっと近づき、昆虫には見えない(見えにくい)とされる赤色LEDマグライトで幹の根元付近を照らしたら、樹洞はあっさり見つかりました。

赤外線の暗視カメラで撮ると、縦の裂け目のような樹洞が巣口となっていました。
門衛らしきワーカー♀が巣口を歩き回っています。
赤外線投光器の光も樹洞の奥までなかなか届かず、もどかしい状況です。

次に思い切って白色LED点灯してみても、ニホンミツバチ♀はすぐには襲ってきませんでした。
光に警戒して次第に活発になり、右往左往するようになりました。
しかし、スズメバチに襲われたときのような振身行動は見られませんでした。
ハンディカムを90°回して樹洞の裂け目の奥を撮影してみます。
奥には蜂がびっしりと面状に群がっていたものの、巣盤は見えませんでした。

最後にストロボを焚いた写真を2枚だけ撮りました。
このとき1匹の蜂が光に向かって飛び出してきて(走光性)、私の左手に乗ったので慌てて振り払い、退散しました。(刺されずに済みました。)

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。
カッパの衣擦れがガサガサして余りにも耳障りなので、音声をカットしました。


つづく→樹洞に帰巣するニホンミツバチ♀を空中で待ち伏せるキイロスズメバチ♀【HD動画&ハイスピード動画】


ニホンミツバチ♀群れ@巣:クリ樹洞
ニホンミツバチ♀群れ@巣:クリ樹洞

2018/11/08

セイヨウニンジンボクの花で盗蜜するクマバチ♂【ハイスピード動画】



2018年7月下旬

庭に植栽されたセイヨウニンジンボクの灌木でキムネクマバチ♂(Xylocopa appendiculata circumvolans)が訪花していました。
吸蜜後に次の花へ飛び立つ瞬間を狙って240-fpsのハイスピード動画で撮ってみました。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。


▼関連記事
訪花中のクマバチ♂を襲うトモンハナバチ♂【ハイスピード動画】



【追記】
翌年の撮影で、クマバチ♀もセイヨウニンジンボクで穿孔盗蜜していることが判明しました。

▼関連記事 
セイヨウニンジンボクの花で穿孔盗蜜するクマバチ♀【HD動画&ハイスピード動画】

過去の記事を遡ってこの映像を見直したところ、雄蜂♂もやはり盗蜜していました。
当時はてっきり普通の正当訪花による吸蜜だと思い込んでいたのですが、盗蜜と訂正しておきます。
唇形花の根元を外側から噛み、その穴に舌を差し込んで吸蜜しています。

2018/11/07

深夜も円陣を組んでコナラの樹液を吸汁するムネアカオオアリ♀【暗視映像】



2018年8月中旬・午前4:45

里山で定点観察しているコナラの樹液酒場に夜明け前に来てみると、常連客のムネアカオオアリCamponotus obscuripes)ワーカー♀が計13匹も居ました。

まず赤外線の暗視カメラで撮影すると、いつものように円陣を組んで樹液を舐めていました。
お気に入りの樹液スポットを昼も夜も占領して、入れ代わり立ち代わりひたすら樹液を吸汁しているようです。
暗視映像でもムネアカオオアリの体色はツートンカラーになっていました。

次に白色LEDを点灯すると、眩しい光のせいか、小競り合いの喧嘩が勃発しました。
喧嘩の原因の一部は、微小アリ(種名不詳)のせいかもしれません。
腹部の節間膜が伸びているのは、満腹の証拠です。

ちなみに、日の出時刻は午前4:51。
動画には写っていませんが、東の空が白白と明け始め、木々の隙間から朝焼けが少し見えるようになりました。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。




2018/11/04

クズの葉に噛みついた姿勢で朝の化粧をするクズハキリバチ♀



2018年8月中旬・午前6:39〜6:46

川沿いの堤防に繁茂するクズの群落で早朝からクズハキリバチ♀(Megachile pseudomonticola)を見つけました。
クズの葉縁を大顎で噛んでいたので、すわ巣材集めか!と喜び勇んで動画を撮り始めました。
私は未だハキリバチ類の♀が巣材集めに葉を切り取る行動を一度も見たことがないのです。
ところが観察してみると、時間をたっぷり掛けて朝の化粧をしただけでした。
もしかすると、夜はクズの葉縁を噛んだ体勢で寝ていて、たった今目覚めたばかりなのでしょうか?
たとえ巣作りをしている段階でも、夜になると母蜂は巣で寝るとは限りません。(巣とねぐらは違う概念です。)
夜眠る際に植物を大顎で噛んで体を固定する蜂が幾つか知られています。
▼関連記事
大顎で植物を咥えた姿勢で眠るサトジガバチ♀

葉縁を大顎でしっかり噛みしめて体を固定し、両脚を擦り合わせています。
身繕いしながら頻繁に腹部をグイーンと背側に大きく曲げた謎の海老反り姿勢になります。
このときよく見えた腹部下面のスコパ(花粉刷毛)に花粉は付着していませんでした。

腹部背面(腹部第2背板後縁)に顕著な明色の毛帯が一瞬見えたので、クズハキリバチ♀と判明しました。
クズハキリバチ♀の腹部の刷毛は黒色だが前方は黄褐色とのことで、映像を見直すと確かにその通りでした。(『日本産ハナバチ図鑑』p319より)

飛び立つと少し離れた別の葛の葉に止まり直しました。
クズの葉縁にかすかに噛み跡(歯型)が残っています。
二度三度と場所を変えても、ひたすら身だしなみを整えています。
毎回クズの葉縁を噛んだ体勢になります。
脚が6本もあるのに、それを全部使って身繕いするために、大顎で体を固定するのでしょう。
実際に、身繕い中にバランスを崩しかけても、葉縁を噛んで体を固定していたおかげで滑落を免れました。

後半になるとようやく噛んでいたクズの葉を離し、頭部や触角を前脚で拭い始めました。
長い口吻を伸ばし、前脚を舐めて唾液で湿らせながら顔を念入りに洗っているようです。

もしかするとダニなど吸血性の寄生虫に体外寄生されていて体が痒くてたまらないのか?と心配になったのですが、少なくとも映像で見る限りではクズハキリバチ♀の体表に微小な赤ダニなどは集って居ませんでした。



最後は川の対岸へ元気よく飛び去ったのですが、撮り損ねました。
私が採集しようと決断した途端に殺気を感じたのか、逃げられました。

今回もなぜか葉切り行動はしてくれませんでした。


※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。


クズハキリバチ♀@クズ葉縁噛み+身繕い
クズハキリバチ♀@クズ葉縁噛み+身繕い:海老反り
クズハキリバチ♀@クズ葉縁噛み+身繕い:海老反り
クズハキリバチ♀@クズ葉縁噛み+身繕い:脚上げ
クズハキリバチ♀@クズ葉縁噛み+身繕い

2018/10/31

トラマルハナバチ♀の体に粘りつくメマツヨイグサの花粉の企み



2018年8月中旬・午前6:21

用水路沿いの原っぱ(休耕地?)に咲いたメマツヨイグサの群落で早朝にトラマルハナバチBombus diversus diversus)のワーカー♀が訪花していました。
後脚の花粉籠は空荷でした。

ちなみに、この組み合わせは初見です。

▼関連記事(4年前の撮影)
メマツヨイグサの花で採餌するクロマルハナバチ♀

今回面白いと思ったのは、吸蜜してから次の花に飛び去るときに、まるで納豆を食べた後のように花粉が糸を引いていたことです。
マツヨイグサ類の花粉には粘着性があるからです。
送粉者の体にちょっと触れただけでもまとわりついて次の花へ運んでもらい授粉のチャンスを高めるために進化したのです。
花粉の粘着シーンを1/10倍速のスローモーションでリプレイ。


▼関連記事
メマツヨイグサの花粉は糸を引いて粘る
メマツヨイグサの粘る花粉を舐めるホソヒラタアブ♂

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。


トラマルハナバチ♀@メマツヨイグサ訪花採餌

2018/10/28

ノウゼンカズラを訪花するキイロスズメバチ♀の羽ばたき【HD動画&ハイスピード動画】



2018年7月下旬


▼前回の記事
ノウゼンカズラを訪花するモンスズメバチ♀の羽ばたき【HD動画&ハイスピード動画】

駐車場の隅に立つヒノキの高木に蔓植物ノウゼンカズラが巻き付き、満開の花が咲いていました。
そこへキイロスズメバチVespa simillima xanthoptera)のワーカー♀も吸蜜しに来ていました。
花筒の入口から潜り込む正当訪花を繰り返すので、体の背面が黄色い花粉で汚れています。
花から花へ飛び立つ瞬間を狙って240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@1:21〜)

吸蜜後は花筒から頭を抜いた後に身繕いをすることがありました。
触角や顔を前脚で拭って化粧しています。
花から飛び去りながらホバリング中に後脚同士を擦り合わせ、花粉を落としています。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。


キイロスズメバチ♀+胸背花粉@ノウゼンカズラ訪花吸蜜
キイロスズメバチ♀+胸背花粉@ノウゼンカズラ訪花吸蜜
キイロスズメバチ♀+胸背花粉@ノウゼンカズラ訪花吸蜜
キイロスズメバチ♀@ノウゼンカズラ訪花+身繕い
キイロスズメバチ♀@ノウゼンカズラ訪花+身繕い

2018/10/25

訪花中のキアゲハを襲うトモンハナバチ♂【ハイスピード動画】



2018年7月下旬

農道沿いでムラサキツメクサに訪花するキアゲハを240-fpsのハイスピード動画で記録していたら、とても興味深いシーンがたまたま撮れていました。

キアゲハPapilio machaon hippocrates)が花から飛び立つまで長撮りしていると、途中から1匹のトモンハナバチ♂(Anthidium septemspinosum)が登場しました。
初めはニアミスしても互いに無関心でムラサキツメクサ(=アカツメクサ)から吸蜜し、トモンハナバチ♂は花から花へ飛び回っています。
トモンハナバチ♂がキアゲハの下をくぐって飛ぶこともありました。(@0:33〜)

やがて驚いたことに、トモンハナバチ♂がキアゲハの背後から狙いを定めてコツンと突撃しました。(@1:43)
不意に追突されたキアゲハは驚いて前方に飛び去りました。
それをトモンハナバチ♂は少し追尾してから戻って来ました。
トモンハナバチは狩蜂ではなくハナバチの仲間ですから、この攻撃性は意外でした。
これは探雌飛翔のパトロールをしていたトモンハナバチ♂が交尾相手の♀と間違えてキアゲハに誤認求愛したのでしょうか?

▼関連記事
訪花中のクマバチ♂を襲うトモンハナバチ♂【ハイスピード動画】

それなら初めにキアゲハを見つけた途端に飛びつこうとするはずです。
初めは見逃していた(無視していた)のに、しばらく経ってから急に交尾を挑むのは謎です。
確かにキアゲハの翅には黄色と黒の斑紋があり、トモンハナバチの配色と似ていなくもないですが、いくら何でもサイズや形が違い過ぎるでしょう。

同じ花に長時間居座って吸蜜していたキアゲハに対して、「いい加減、もうそろそろ縄張りから出ていけよ!」と攻撃的な占有行動をしたのではないか?という気がします。
トモンハナバチ♂には蜜源植物が咲いている一帯を縄張りとして、交尾相手の♀が飛来するのを待ち伏せする習性がありそうです。
だとすれば他種の昆虫と言えども、縄張り内の餌資源(花蜜や花粉)をあまり奪われないように追い払おうとしても不思議ではありません。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。

(登場したトモンハナバチが1匹ではなく複数個体だった可能性は?)

トモンハナバチは蜂類にしては珍しく、♂の体長が♀よりも大きい性的二型です。
これは♀を巡って♂同士で激しい闘争行動が繰り広げられることを示唆しているのですが、私は未だ見たことがありません。

2018/10/21

訪花中のクマバチ♂を襲うトモンハナバチ♂【ハイスピード動画】



2018年7月下旬

民家の庭に咲いたセイヨウニンジンボクの灌木でキムネクマバチ♂(Xylocopa appendiculata circumvolans)が吸蜜に来てしていました。
前回撮り忘れた240-fpsのハイスピード動画で訪花シーンを撮ってみました。(前回とは撮影地点が違います。)

▼前回の記事
セイヨウニンジンボクの花蜜を吸うクマバチ♀の群れ

花から花へ飛び立つ瞬間を狙ってクマバチ♂の羽ばたきに集中していたら、小型のトモンハナバチ♂(Anthidium septemspinosum)も素早く飛び回っていたことに現場では気づきませんでした。
スーパースローで見直すと、とても興味深い瞬間的な行動が記録されていました。

セイヨウニンジンボクの花で吸蜜中のクマバチ♂の背後からトモンハナバチ♂が飛来しました。
トモンハナバチ♂はホバリング(停空飛翔)して狙いを定めると脚を前方に伸ばして相手に掴みかかりました。
一瞬早くクマバチ♂が花から飛び立ち、間一髪で攻撃?を交わしました。
空中でホバリングしながらクマバチ♂とトモンハナバチ♂は睨み合いました。
2匹はすぐに別れたのですが、迫力たっぷりの一瞬の空中戦でした。
似ても似つかないのに(大きさも色も明らかに別種)、そそっかしいトモンハナバチ♂がクマバチ♂を交尾相手(トモンハナバチ♀)と誤認したのかもしれません。
探雌飛翔中のトモンハナバチ♂は、とりあえず蜂らしい物なら何でも飛びついてみる作戦なのでしょう。

▼関連記事(5年前の撮影)
トラマルハナバチ♀とトモンハナバチ♂のニアミス【ハイスピード動画】

Take2の映像でも、奥の花に移動したクマバチ♂の背後から再びトモンハナバチ♂が急襲していました。
この出来事に全く気づかずに撮影を止めてしまったのが残念です。

おそらく誤認求愛だろうと考えていたら、特定の蜜源植物の周囲に縄張りを張って守ろうとする(クマバチ♂などのライバルを追い払う)占有行動の可能性も出てきました。
実は同じ日に別な場所で観察したのですが、訪花中のキアゲハに対してもトモンハナバチ♂が背後から飛びかかって追い払っていました。
▼関連記事
訪花中のキアゲハを襲うトモンハナバチ♂【ハイスピード動画】
さすがに大型の蝶に対してトモンハナバチ♂が誤認求愛するとは考えにくいので、占有行動の習性もありそうです。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。


【追記】
アメリカの公共放送局PBSが近縁種Wool Carder beeを扱った動物番組を公開しました。
見事なスーパースロー映像を駆使していて、見応えがあります。
雄蜂♂が蜜源植物の群落で縄張りを張り、同種の♂や他種のハナバチ(マルハナバチなど)を激しく追い払うと紹介されていました。
つまり、縄張り防衛の占有行動という解釈でした。
闘争の際には腹端の刺を使うそうです。
同種の♀が訪花に来ると交尾を挑むのです。

2018/10/20

三巣並行営巣に失敗したスズバチ♀



2018年7月下旬
▼前回の記事
コンクリートブロックを物色して営巣地を決めたスズバチ♀

駐輪所やゴミ集積場として使われている小屋の軒下に置かれたコンクリートブロック内でスズバチ♀(Oreumenes decoratus)が営巣を始めたので、定点観察に通ってみました。
ところが泥巣を少し作りかけただけで未完のまま放棄してしまったようです。

スズバチ♀の営巣開始を観察したのが7/10。
そのときはコンクリートブロック内に泥巣は全く作られていませんでした。
その3日後(7/13)および10日後(7/20)に作りかけの泥巣を写真に撮りました。
今回は18日後(7/28)の夜です。
暗い穴の底にある泥巣を写真で記録するのはピント合わせが意外と難しいので、今回は赤外線の暗視カメラによる動画で撮ってみました。
ストロボ写真で記録するよりも上手く状況を記録できました。
母蜂の活動する姿を見たのは初日だけです。
コンクリートブロックを採寸してみると、縦×横×高さ=39×19×10cm。
各ブロックに3つある深さ19cmの穴の断面は角が面取りされていて、長径×短径=8×4.5cmの楕円状。

面白いことに、コンクリートブロックに3つ並んでいる穴の奥底で、同じ深さの同じ位置(右下)に泥巣を3つも作りかけていました。
この辺りではスズバチの生息密度が高くないので、複数個体の♀が同じ場所で集団営巣した可能性は低いと考えています。
(集団営巣では3つの穴の同じ位置に泥巣が作られたことを説明できません。)
1匹のスズバチ♀が三巣並行営巣を試みたのでしょう。
実はこのような現象は他の種類の蜂でも結構よくあることです。
私は以前、キアシナガバチの女王蜂を個体識別して二巣並行営巣を証明したことがあります。(私が蜂の観察にのめり込むきっかけとなった忘れがたい事例です)

▼関連記事
二巣並行営巣を始めたキアシナガバチ創設女王
キアシナガバチ創設女王による二巣並行営巣の謎

【参考文献】
1. Kasuya E. Simultaneous maintenance of two nests by a single foundress of the Japanese paper wasp, Polistes chinensis antennalis (Hymenoptera: Vespidae). Applied entomology and zoology. 1980;15(2):188–189.
フタモンアシナガバチ創設女王による二巣並行営巣の報告です。
2. 牧野俊一, 山根正気. ニッポンホオナガスズメバチの創設女王で見られた2巣並行営巣行動の観察. Kontyû. 1979;47(1):78-84.

どうしてこんなことが起こるのでしょう?
複眼と単眼による蜂の視覚系は、ヒトの見ている世界とは異なります。
営巣地を決めた蜂は定位飛行をしながら周囲の風景を記憶しようと努めます。
その視覚記憶に頼りながら巣材を集めに何度も往復して、次第に巣が建造されます。
ヒトが作った人工物をたまたま蜂が気に入ってそこに営巣を始めたとき、その人工物が幾何学的な繰り返し構造になっていると蜂は混乱して正しく位置を記憶できなくなってしまうようです。
自然界には「規則正しい繰り返し構造」などという物は存在しませんから、長い進化の過程でも、そのような本能行動の過ちが修正される機会が無かったのでしょう。
今回の場合は、一つのコンクリートブロックに相同の穴が3つ並んでいたことがスズバチ♀の混乱を招く元となりました。
実はこの軒下には、同型のコンクリートブロックが4つ並べて置いてありました。
スズバチ♀はその中で左端のブロックを選んで記憶することは出来たようですが、そこまでが能力の限界でした。
(残り3つのコンクリートブロック内には泥巣は全く作られておらず、落ち葉やゴミが溜まっていました。)

蜂が選んだブロックの右隣のブロックはなぜか真ん中で真っ二つに割れていたので、蜂の目から見ても他と区別しやすかったのかもしれません。
現代人が団地や集合住宅などの人工的な繰り返し構造から我が家を難なく探し当てる能力があるのは、建物に表札やラベルを書いて目印にしたり、座標の概念を駆使して住所を記憶するからです。(何号棟の何階の何号室)
蜂にはこれが出来ないのです。(フェロモンで匂いの目印を付ければ良いと思うのですが…。)

写真を並べてみると、造巣は7/13以降になると全く進んでいません。
母蜂が何らかの理由で死んでしまったのかもしれません(殺虫剤で駆除されていないことを祈ります)。
あるいは、この「おかしな営巣地」を捨て新天地でやり直すことにしたのでしょう。
幾ら働いても造巣が一向に進まないので「おかしい」と気づいたスズバチ♀が「本能の落とし穴」から自力で抜け出せたのだとすれば、とても興味深いですね。(ファーブルが好きそうな話です)

コンクリートブロックの横に無人カメラを設置してスズバチ♀の行動を全て録画していれば貴重な記録になっていたことでしょう。
蜂の為を思えば、コンクリートブロックの余計な穴を塞いでやれば、造巣に専念できたかもしれません。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。


スズバチ営巣地@コンクリートブロック(7/13)
スズバチ未完泥巣a@コンクリートブロック(7/13)
スズバチ未完泥巣b@コンクリートブロック(7/13)
スズバチ未完泥巣c@コンクリートブロック(7/13)
スズバチ営巣地@コンクリートブロック(7/20)
スズバチ未完泥巣a@コンクリートブロック(7/20)
スズバチ未完泥巣b@コンクリートブロック(7/20)ピンぼけ
スズバチ未完泥巣c@コンクリートブロック(7/20)

2018/10/19

ノウゼンカズラを訪花するモンスズメバチ♀の羽ばたき【HD動画&ハイスピード動画】



2018年7月下旬

駐車場の隅に立つヒノキの高木に巻き付いた蔓植物ノウゼンカズラの花が満開に咲いていました。
そこへ飛来したモンスズメバチVespa crabro)のワーカー♀が正当訪花を繰り返しています。
まずは花から飛び立つ瞬間を狙って240-fpsのハイスピード動画で撮ってみました。

飛来した蜂が風で揺れる花に着地するのに少し苦労しています。
花弁から歩いて花の中央に潜り込み(正当訪花)、吸蜜します。
胸背が黄色い花粉で汚れている個体でした。
ノウゼンカズラに正当訪花すると雄しべの葯が胸背に当たって花粉が擦り付けられる仕組みになっているのでしょう。
次の花に潜り込むとこの花粉が雌しべに擦り付けられ、他家受粉が成立するのです。
これで積年の謎が解けました。
以前観察したコガタスズメバチ♀の中に胸背が黄色く汚れている個体が居て、何の花粉か分からなかったのです。

▼関連記事
花粉で汚れたコガタスズメバチ♀の帰巣
葉で休息中のモンスズメバチ♀がノウゼンカズラの花から飛び立つキイロスズメバチ♀とニアミスしました(@1:37〜1:48)。
花から飛び立って上昇中にうっかり葉にぶつかり、バランスを崩して墜落する瞬間が捉えられていました。(@2:10〜2:20)

最後は通常のHD動画による撮影です(@2:20〜)。




▼関連記事(3年前の撮影)
ノウゼンカズラの花で獲物を探すコガタスズメバチ♀

モンスズメバチ♀@ノウゼンカズラ訪花吸蜜

ノウゼンカズラ花
ノウゼンカズラ花・全景@ヒノキ幹
ノウゼンカズラ花・全景@ヒノキ樹冠

2018/10/18

ネムノキの花で採餌するクマバチの群れ



2018年7月下旬

川沿いに立つネムノキの大木でピンクの花が満開に咲いていました。
そこへ多数のキムネクマバチXylocopa appendiculata circumvolans)が飛び回り、訪花していました。



残念ながらこの日は望遠レンズを持ってきていませんでした。
映像では遠くてクマバチの性別は不明ですけど、別に取った高画質の写真を拡大してみると顔色が見れた個体は黒かったので♀でした。
後脚の花粉籠の状態も分かりません。
クマバチ以外にも小型の蜂も飛び交っていますね。(蜂じゃないかも?)

翌日は台風が通過し、ようやく晴れた翌々日に望遠レンズを持って再訪したときにはネムノキの花は盛りを過ぎてしまい、クマバチが全く来なくなってしまいました。
別の場所に生えたネムノキの花をあちこち見て回っても、訪花昆虫の姿はありませんでした。
来年はこのネムノキ大木の近くまで行って、開花の時期から注意して観察してみます。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。


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